「このキャストでなければ作れなかった『ジャージー・ボーイズ(JB)』を誇りに思い、その一人ひとりを愛しています。この18人が、これからも輝ける場所を作っていけるような演出家になりたいと、今日、改めて思いました」(藤田俊太郎さん)
「JB再演に関わったすべての方に、心から感謝、感謝、感謝申し上げます。フランキー・ヴァリに選んでくれてありがとう。この作品を応援してくれてありがとう。そして、JBは終わらない。永遠に続く作品だと思っています」(中川晃教さん)「一緒に頑張ってきてよかった。これがJBの仲間たちだ」(中河内雅貴さん)
「自分にとってJBがすごく特別な作品になっていることに気づきました」(海宝直人さん)
「アッキーじゃなきゃ、直人じゃなきゃ、ガウチじゃなきゃダメだった、白チームにいられて最高でした」(福井晶一さん)「JBとともに、僕は幸せな3か月を過ごさせてもらいました。(中川さんに)『一人でよく頑張ったな』」(伊礼彼方さん)
「自信を持って言います。『チームブルーは新しい風を吹き込んだと思います!』」(矢崎広さん)
「『ニックの日』にお集まりいただき、誠にありがとうございました!」(spiさん) 2018年11月11日、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が大千穐楽を迎えました。熱い夏場の稽古を経て、9月7日、本作初演の地・シアタークリエにて開幕した『ジャージー・ボーイズ』再演。秋田、岩手、愛知、大阪、福岡公演を経て、神奈川に凱旋!前日のチームホワイト千穐楽に続いて、この日、最終公演となったチームブルーはこの再演にて誕生した新生チームです。オリジナルチームと新チームが両輪となって駆け抜けた3か月、キャストスタッフだけでなく、観客の胸に去来する思いもさまざま。
そんな大千穐楽カーテンコールの様子をレポートいたします。(レポ後半には、テキストのみですがチームホワイトも)
まず、フランキー・ヴァリ役の中川晃教さんによって舞台上に呼びこまれたのは、本作、演出の藤田俊太郎さん。
藤田俊太郎さん
「2018年のJBは、今、舞台上にいる15人に、昨日、千穐楽を迎えた白チームの3人を合わせた18人のキャストがいます。このキャストでなければ作れなかったJBを誇りに思い、その一人ひとりを愛しています。これから先も、この18人を守っていきたい!つまり、この18人が、これからも輝ける場所を作っていけるような演出家になりたいと、今日、改めて思いました。
今年の公演は全国7か所の劇場、ホールを回り、のべ4万7千人のお客様にご観劇いただきました!4万7千人、一人ひとりの愛がこの作品を育んでくださいました。そしてこのキャスト、スタッフとともに作品育ってきたのだという実感を持っています。
客席のみなさん、ちょっとだけ、僕、藤田と同じ気持ち(目線)になってください、少し下がりますね(舞台やや後方へ)。ここから舞台の上手、下手の袖を見ると、この舞台を支えているたくさんのスタッフが見守ってくださっている様子が見えます。一階客席後ろにもいます。そんなみなさん“JBファミリー”と作ってきた作品です。この世界最高のスタッフのみなさんは、「いや、当たり前の仕事をしただけだ」と言うかもしれない。でも、最高のスタッフとカンパニーだから作れた公演なんです。劇場のいろんなところにいるすべてのスタッフに大きな拍手を!!」
藤田さんらしい、愛情&臨場感たっぷりのごあいさつでした。続いては、キャストのみなさんのコメントをごあいさつ順にご紹介!
石川新太さん
「僕は、何が好きかと訊かれたら、『音楽が好き』と答えます。そう確信したきっかけの1つが初演のJBです。2年前、あの頃は、まだ高校生でしたね。その愛すべきJBの舞台に、初演に引き続き、立たせてもらえたことを、心から嬉しく思います。ありがとうございました」
山野靖博さん
「2年前、それまではオペラの勉強をしていた僕が、初めてミュージカルの世界に足を踏み入れるきっかけとなったのが、JB初演でした。だからなのか、僕にとってホームのような存在だと思いながら、2年間活動してきました。再演とツアーを経て、ただのホームではなく、どんどん新しい世界、新しい風景を見せてくれるそんな存在でもあると気づきました。皆さん、最後まで応援をありがとうございました」
白石拓也さん
「この物語はザ・フォー・シーズンズの、僕らカンパニーの、そしてお客様一人ひとりの物語です。この作品がこれからも愛され、みなさまのこれからの物語が輝くことを願っています。本日はどうもありがとうございました!」
大音智海さん
「僕は何を隠そうアッキーさんの大ファンです。初演はアッキーさんとの共演が僕の原動力でした。今回は、さらに、このJBカンパニーになれることの嬉しさでいっぱいでした。大好きなJBが、こうして無事に50公演終わり、幸せです。本日はありがとうございました」
遠藤瑠美子さん
「2年前の初演のときも、この作品から得るものは私にとって特別なものでした。そこから2年が経ち、また改めて挑戦させてもらうなかで、一緒に作ってきたみなさん、応援してくださった皆さんからいただいたものは、やはり私の人生において特別なプレゼントです。本当にありがとうございました」
小此木まりさん
「初演から、全員で泣いたり笑ったりしながら大切に作ってきた作品が、こんなにたくさんのお客様に愛していただき、無事、この日を迎えられたことをとても幸せに思います。50公演、本当にあたたかい応援をありがとうございました」
綿引さやかさん
「メアリーにとってザ・フォー・シーズンズは、まぶしすぎるくらい素敵で、あたたかくて、強い絆で結ばれた家族のような存在でした。血が繋がっていなくても、家族だと思える人たちがいるのはとても幸せなこと。私にとっては、JBで出会えたお客様、このカンパニーのみんなが家族のような存在になりました。みなさまにとっても、この作品が、いつでも『ただいま』と帰って来られる場所でありますように」
まりゑさん
「初演の最初の立ち稽古は♪Ces Soirees-Laから始まりました。藤田さんから「スタッフ役の人は、(メイク係やカメラクルーなど)何をやりたいですか」と言われたんです。挙手制?!って。そのとき、藤田さんは日本版のJBを作ろうとしている、ゼロをイチにできる作品だと思ったことを記憶しています。この日本版JBが、これから先もずっと受け継がれていきますように。ありがとうございました」
阿部裕さん
「チーム最年長の阿部裕でございます。くそ暑い夏、死にそうな思いで稽古場に通っておりました。あれから3か月半、この本物の“やんちゃくれ”たちをどう束ねていこうかと悩む毎日でした(笑)。そして、今日の大千穐楽、やっと思いの丈を……。トミーのシャツを破きました!※ありがとうございました!」
※秋のシーンでの出来事です。伊礼:メチャメチャ痛かったです。
中川:それもデカルロさんの愛だから!
伊礼:そうですね、受け止めました。
畠中洋さん
「チーム副最年長の畠中と申します(笑)。僕は、そのとばっちりを受けまして、同じシーンで、コイツ(伊礼トミー)がバーンと蹴った椅子がドーンと僕の足に……。(痛みをこらえながら)クールに振る舞いました。この作品と出会い、コイツらと出会えて、そしてみなさんの拍手に包まれて感無量、幸せでした!ありがとうございました!」
太田基裕さん
「本日はご来場ありがとうございました。たくさんの方に、たくさん愛していただきまして、本当に感謝しております。本当にありがとうございました」
伊礼:はい、そこで『スコーピオン』!
(拍手)
太田:『ビンゴ』じゃないんですか?え、どのテンションでいけばいいんだろう……スコ~ピオンッ!
(大拍手、さすが!)
伊礼:(spiさんに)じゃあ、ビンゴ!
spiさん
「ビンゴッ!
(改めて)すごいのS、パフォーマンスのP、iPhoneのI、spiです。
今日は大千穐楽、11月11日。なんの日が知っていますか? ポッキーの日、第一次世界大戦停戦記念日、11.11(イレブン-イレブン)ということでサッカーの日らしいですよ。さらに、電池の日でもある。十一十一と書くと、プラスマイナスだから。そして、もう一つ、僕、ニックはベースを弾いていますが、(ベースは)弦が4本なので“1111”でベースの日なんて言われているんです。すなわち『ニックの日』にお集まりいただき、誠にありがとうございました!」 独特の存在感のspiさんらしい、ユニークで記憶に残るごあいさつでした。でも、最後にしっかりとニック愛をいれてくるところが素敵です。
矢崎広さん
「みんなへの感謝の言葉は割愛します。あとでしっかりと言います。今回は、ツアーに出まして、……その地名も割愛します(笑)。各地を巡りましたが、その土地、土地で、みなさんの夢であったり、思い出であったり、未来であったり、パワーを受け取りながらツアーを回ることで、どんどんJBがパワーアップしていくこと、JBの可能性の高まりを、ボブ・ゴーディオとしても、僕自身としても感じました。
そして、今回のチームブルー。レッドとホワイトのオリジナルのキャストがいる中で、僕たちチームブルーには、無意識のうちに「新しい風を吹かせ、JBの新しい可能性に向かっていかなくてはいけないのでは」という思いがありました。千穐楽を迎えた今、自信を持って言います。『チームブルーは、新しい風を吹き込んだと思います!』。中の人が、あんまりこういうことを言うのはあれなんですけど。でも、本当にそう思うんです。
それは頼もしい伊礼さん、そんな伊礼さんよりも実はもっと頼もしいspi。そして中川ヴァリ教さんのおかげです。これからもJBは続いていくと思います。僕も、出演者でもありますが、いち作品ファンとして“皆様と”このJBの“未来”を応援していきたいと思います。“みなとみらい”を見ていきたい。ありがとうございました!」 初演、再演とチームを変えて取り組んでこられた矢崎さんならではの素敵なごあいさつです。ただし……チームカラーが変わろうとも、どんなにパワーアップしようとも、カーテンコールではいつも愛されキャラ炸裂の矢崎さんです。
伊礼彼方さん
「ブルーチームの4人も、シングルキャストのみんなも、なにかあったときにしっかりと受け止め、そして返してくれるメンバーたち。そこに心から感謝しています。みんなが作品を愛して、自分の役を大切にしているからだと思いますが、なかなかこんなに毎回新鮮な気持ちで出来るメンバーには出会えません。
そして、客席に多数の男性のお客様がいらしたこともすごく嬉しいことでした。女性のお客様に支えられているミュージカルにおいて、こういうこともすごく大事だと思うので。 高校生の男の子が「映画のチケット買ったよ」じゃなくて、「JBのチケット買ったよ」と……そうなる日も近いんじゃないかな。
JBは、きっとこの先もずっと、いずれは新しいフランキーやトミー、ボブ、ニック……によって、続いていくでしょう。「『アニー』に出たい!」という子どもたちがいるように、「大きくなったらJBに出たい!」と目指してもらえる可能性を秘めている作品です。
そんな作品で、僕は幸せな3か月を過ごさせてもらいました。(中川さんに)『一人でよく頑張ったな』」 中川さんの肩を抱き、声をかけたとき、そこに居たのは伊礼さんであり、トミーであるような。見ている側にも、胸にこみ上げてくるものがありました。ほかにも、この日のトミーとジョー・ペシのボウリング場でのシーンでトランプが落ちてしまったハプニングに触れ、芝居の流れの中でしっかりとペシとして反応した石川さんを「素晴らしい19歳」と!
中川晃教さん
「JB再演ができたことを嬉しく思います。多くのスタッフの皆さんはもちろん、関係者のみなさん、そして観に来てくださったお客様、すべての方に、心から感謝、感謝、感謝申し上げます。
そして、やっぱりこのカンパニーなくして、今回の再演は生まれなかった。今、この瞬間でさえも、「はぁ、終わってほしくない」とどこかで思う自分がいます。
この物語の幕開けはトミー。ニュージャージーの子供たちが、川一本隔てたマンハッタンへ夢を抱く。めちゃくちゃなヤツだけど、こんな男じゃなければ、俺たちはニュージャージーから抜け出すことは出来なかったんじゃないかな。まるで起爆剤、すごい爆発力を持った男、トミー・デヴィートの「春」。
そこから紆余曲折を経て、ようやく出会う、この最後のピースが揃わなかったら、この物語は生まれなかったであろう男。なぜなら、“彼”が、このミュージカルのプロデューサーでもあるから。そんなボブ・ゴーディオの「夏」。
そして本当に兄弟同然のように過ごしていたニック・マッシの「秋」。彼は、最後に、自尊心という言葉を残して去っていく。フランキーが、その言葉の意味を知るのは、彼が亡くなった後だったのかもしれないけれど、誰にだって、その言葉は突き刺さる。
最後に迎えるフランキー・ヴァリの「冬」。物語はラストシーンに向かっていくのですが、このカンパニー全員でJBを生きた2時間半の最後の最後に、景色は、僕らのサウンドが生まれたあの街灯の下に戻っていく。
……ということはリボーン、JBは終わらないということ。永遠に続く作品だと思っています。どうぞみなさんこの作品をこれからも応援してください。そして、またお会いできる日を、心から楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました!」さらに鳴りやまぬ拍手に!
「みなさん、ここで一発爆弾(発言)を落としてもいいかな?JB……、CDが発売されます!!」場内大騒ぎ!!
「JBは音楽が主役の作品といっても過言ではありません。その音楽とみなさんの思い出がギュッと詰まったCDが発売されます。これは非常に稀なこと。日本版JBカンパニーとして誇りを持っています。そして、このCD発売が、これからこの作品がさらに育っていくひとつのきっかけとなりますように。詳しいことは東宝さんのHPを!!」(中川さん)<チームホワイトのカーテンコールもテキストにてご紹介>中川:天然記念物と呼びたいくらい、貴重な?みなさんです。
中河内雅貴さん
「貴重な人物の中河内雅貴です(笑)。今回、JBで初めて地方を回り、その初日が大舘でした。心と脳裏に焼き付くツアー初日でした。僕らもお客様からパワーをいただきながら、ステージに立ち、客席の民衆と一緒に、(民衆?という流れで、なぜか)♪戦うものの歌が聞こえるか~群れとなりて~、僕は出たことないんですけど(笑)、素晴らしい公演ができました。
そして盛岡で阿部兄と畠中さんが、素敵な野郎会を開いてくれました。普段飲まない阿部兄がお酒を幸せそうに飲んでいる姿を見て、一緒に頑張ってきてよかったな。これがJBの仲間たちだと思うひとときでした。最後には、音楽監督の島健さんも合流してくださいました。翌日はガールズと岩手で観光したり……、あれ、何の話かわからなくなりましたが、つまり、オフは人間らしく過ごし、舞台上ではプロフェッショナルにやっていたという(笑)。
そこには支えてくださるスタッフ・バンドの方々が居るから、僕らがステージで輝くことができるのです。僕らが受けた観客のみなさんからの愛、拍手を、スタッフさんに恩返しできたらと思いながらステージに立ちました。メッチャ最高なJBでした。なんたって、日本のオリジナルキャストですから。アッキーさんがヴァリだからできたこと。海外スタッフと仕事をすると、JBに出たということがすごいことだとわかる。日本にとどまらず直人君みたいに、世界に羽ばたいていける貴重な人材です。これからも応援をよろしくお願いします」
海宝直人さん
「天然記念物の海宝直人です(笑)。昨日の舞台稽古の最後、♪Who Loves Youを歌って、4人で並んでライトを浴びていたら、突然『終わるんだな』と思いました。そのとき、自分にとってJBがすごく特別な作品になっていることに気づきました。
そして、初演、再演の稽古を振り返り改めて難しい作品だと。ハーモニーもすごく大変、シェリーは手品のようにパッとは出せないんですよ(笑)。素晴らしいメンバーの思い、日々の積み重ねがあってたどり着いたということを改めて感じています。そして、各都市で、毎公演、熱い拍手をくれるお客様。幸せでした(ビッグスマイル)!(中河内さん:可愛い!)
ブルーチームはあと2公演、頑張ってください!僕らはヴァリの台詞にもありますが、次のステップに向けて歌い続けます」
福井晶一さん
「天然記念物3号の福井晶一です(笑)。毎公演がスペシャルで、すべてが心に刻まれる貴重な公演でした。そして、白チームは初演から変わらずに、このメンバーでやってきました。たくさんの喜び、苦しみがありました。それを共有し、さらにツアーを通して絆が深まり、今日の公演は一番いい形でお届けできたと思います。
アッキーじゃなきゃ、直人じゃなきゃ、ガウチじゃなきゃダメだった、白チームにいられて最高でした。(中川さん:そして晶ちゃんじゃなきゃ!!)
そして、大先輩の阿部兄、畠中さん、ガールズ、ニュー・フォーシーズンズのみんな、もっくんありがとうございます。僕のパートを靖(山野さん)が陰で支えてくれたように、それぞれのパートをみんなで支えて作っている作品です。JBはこれからも続いていきます。ずっと応援していただけたらと思います」
中川さんからも白チーム千穐楽に寄せて。
「僕にとって、この白チームとの出会いは運命。ミュージカルとひとくくりに言っても、たくさんの人がいます。そのなかで選ばれた僕たち。そこにはきっとなにかの意味があるのだろうと思いながら夢中でやった初演。奇跡のように、多くのお客様に感動を届けることができ、1つの評価として、読売演劇大賞の最優秀作品賞を初めてミュージカル作品が受賞するという歴史的な瞬間が生まれました。それを糧に、この2年、それぞれがいろんなフィールドで活動し、今でなければ表現できないJBにする。それが僕らのスタートでした。
今日、「街灯の下で……、あらゆるものが消えて、そこあるのはただ音楽だった……」という台詞で、不覚にも泣きそうになってしまいました。すべての出会いは、やはり大きな意味があった。そう思える出会いに、心から感謝しています。フランキー・ヴァリに選んでくれてありがとう。この作品を応援してくれてありがとう。これからも応援してください」
『ジャージー・ボーイズ』、また会いましょう♪
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おけぴ取材班:chiaki(文) 監修:おけぴ管理人