2018年11月5日に開催されたピアニスト大貫祐一郎さんの、『大貫祐一郎 CD発売記念 1stソロライブ』。いつもはサポートに徹する大貫さんが前面に立ってのひととき♪音楽にトークに心満たされたライブの様子をレポートいたします。
会場に入ると、お客様は1stソロライブへの期待を胸に、eplus LIVING ROOM CAFE & DININGのお料理やスペシャルドリンクに舌鼓を打ちながら、開演をお待ちです。ちなみに150席ほどのお席は即日完売だったとか!
<いよいよ主役の大貫さん登場!>
1stライブの記念すべき第1曲目は
♪夜想曲op9,NO1 アルバムのタイトル曲からスタートです。大貫さんがピアノを弾き始めると、会場にはざわめきというか押し殺したような笑い声が。その理由は、大貫さんがレギュラー出演されているラジオ番組「井上芳雄 by MYSELF」をお聴きのみなさんならおわかりですね。
しかしすぐにざわめきは収まり、ピアノの音色に包まれる心地よいひとときが訪れます。
そして、
事前のインタビューではとても心配だとおっしゃっていたMCタイムが!記念すべき第一声は……「どうしましょう」。とは言うものの、そこから始まる大貫さんワールドは、笑い、笑い、笑いの連続でした。
でも、“音楽やピアノのこと”となるとは話は別!
「これだけはお約束します。全身全霊でピアノを弾きます」
これには会場中が拍手拍手!そして、その言葉通り、素敵な音楽の世界が広がるのでした。
そうそう
♪夜想曲の弾き始めのざわめきは、ラジオでご一緒している井上芳雄さんがアルバムをまだ聴いてくれないことを、大貫さんが夜想曲のメロディに乗せた替歌にして披露したというエピソードが原因なのでした。なんと、大貫さんは聴いてくれた暁に歌う替歌もすでにご用意されているとか。果たしてその日は来るのか……。
♪愛の挨拶、
♪ひまわりとアルバム収録曲が披露され、さらにはこの日に集った方だけが聴くことができた即興演奏まで!生のステージの魅力大爆発です。そして、ついに(大貫さんも)待望のゲストの登場です。
<「誰かとしゃべるって楽しい!」ゲスト登場>
「キュートが服を着て歩いているような方、木村花代さんです」(大貫さんによるご紹介)
「祐さま、1stライブ開催、おめでとうございます」木村さんの登場でステージが一気に華やぎます!
(それまでも大人のシックな雰囲気で素敵でしたよ)
木村さんとは“呼び名”の話で盛り上がりました。大貫さんのことを“祐さま”、井上さんのことを“若旦那”と呼んでいる木村さんですが、どうやら一向に定着しない様子。ミュージカル界には偉大な“祐さま”がいらっしゃるので……という大貫さんに対しても一歩も引かない木村さん!グランアーツの祐さまとして、定着させていきたい!力強い決意表明となりました。
(実は、木村さん登場の段階で、すでにだいぶ予定時間を過ぎていたとか(笑)。「まぁ、この間のby MYSELFのコンサートが3時間45分だったから、まだまだ余裕!」と、すっかり調子が出てきた大貫さん!)木村さんが歌われたのは
♪シェルブールの雨傘(こちらもアルバム収録曲ですが、木村さんのヴォーカルはこの日のスペシャル!)
♪シェルブールの雨傘は大貫さんからのリクエスト、木村さんにとっては新曲披露となりました。とても難しいとおっしゃっていたのですが、気品と伸びやかな歌声がピッタリで、思わず持ち歌ですか?と思ってしまうほど。大貫さんのお見立て、お聴き立て(?)、バッチリ、さすがです!そしてこの日、「キュート、キューティ、キューティスト」という木村さんのキャッチコピーも飛び出しました。
前半のラストは再びピアノソロで
♪ばら色の人生。こちらはエディット・ピアフが歌ったシャンソンの名曲。それをラテンのアレンジで届けるという、大貫さんならではの趣向に痺れました。原曲の魅力を残しつつ、確かにラテン!すごく新鮮な
♪ばら色の人生でした。
<多彩な楽曲の数々、圧巻のステージ>
休憩をはさみ、後半のスタートは、大貫さんが井上芳雄さんのために書き下ろした
♪幸せのピースをインストゥルメンタルで。後半はベースの村上聖さんとドラムの堀越彰さんが加わってトリオで音楽を奏でます。ジャズスタンダードの
♪That's all、ピアソラのタンゴの名曲
♪リベルタンゴとめくるめく音楽の世界に酔いしれます。
ライブ中、大貫さんが自身の音楽観をお話されるなかで印象的だったのは「嫌いなジャンルはない」という言葉。数多くの楽曲のアレンジも手掛ける大貫さんは、対象となる楽曲をとことんまで好きになって、そこからアレンジ作業に入るそうです。それゆえに、好きな曲、好きなジャンルがどんどん増えていく一方とのこと。一曲一曲に愛情をもって弾いている姿の裏付けとなる言葉です。だからこそ、前半ラストの
♪ばら色の人生のように、ふわりとジャンルを超えた素敵なアレンジで、その楽曲の新たな可能性を届けてくれるのだと、納得したのです。
<これがグランアーツ感!>
ここでお二人目のゲスト
「グランアーツのエレガント担当、彩吹真央さん」(大貫さんのご紹介)の登場です。
これまでにも彩吹さんのソロライブの音楽監督や演奏を大貫さんが務められているという関係のお二人ですが、なんとこの日、初めて……「今日から、楽屋で彩吹さんのことを(愛称の)“ゆみこさん”とお呼びしていたこと、気付きました?」と大貫さん。彩吹さんも気づいていたとのこと。それまでの“彩吹さん”呼びも、そのよそよそしさが若干気になっていたそうです(笑)。心の距離が縮まった?!、1stライブの恩恵はそんなところにも(笑)。なんと彩吹さんとも“呼び名”トークでしたね。
この日、彩吹さんが歌われたのは、やはり大貫さんからのリクエストで
♪愛の旅立ち。宝塚でもポピュラーな曲で、彩吹さんの思い入れも強い曲。シャンソンの名曲
♪青春の旅立ちとしてもお馴染の曲です。こちらもまた彩吹さんにピッタリで、さすがの選曲。世界観を紡ぎ出す歌声に、彩吹さんのシャンソン、イイ!と思われた方も多いと思います。
ここで再び、木村花代さんも合流!木村さんが手にしているのは、“若旦那”こと、井上芳雄さんからの祝電!
彩吹さんによる代読で、普段、面と向かってはなかなか言えない、大貫さんへのリスペクトの気持ちが伝えられます。しかし、それだけでは終わらない!祝電は、「アルバム『夜想曲』は、まだ聴いていません」という言葉で締めくくられておりました。
“若旦那”の分身キティちゃんがピアノの上で見守るなか、ライブは進行します。やや不安定な座りのキティちゃんを心配するも……「落ちたら落ちたで!」と口をそろえる女性二人(笑)!
すかさず大貫さんがひと言「これがグランアーツ感!」
(ちなみに、キティちゃんは、お客様がご退席されるまで、落ちることなくそこに鎮座されておりましたことをご報告いたします)
気を取り直して(笑)、続いては彩吹さんと木村さんによるスペシャルデュエット
♪For Good(『ウィキッド』より)。さまざまなジャンルの楽曲を堪能し、心が満たされてきたおけぴスタッフも思わず「ミュージカルは別腹!」と思ってしまうほどの、極上デュエット。お二人の声質がグリンダとエルファバにピッタリ、必然的に
♪For Goodのハーモニーも最高なのです。
楽しい時間はあっという間、
♪FROM WITHINとアンコールの
♪ダニーボーイをもって、『大貫祐一郎1stライブ』は閉幕となりました。
終演後、これほどまでに素敵な時間になったのは、このライブ全編が大貫さんの“好き”で構成されていたからなのかなと感じました。お客様、ゲスト、バンドメンバー、そして音楽、そこにあるすべてのものへの愛情で満たされていた空間でした。
多様な音楽を奏でる魔法使いのようなピアニスト大貫祐一郎さん、技術や感性の裏付けのもと、その最大の魅力は安心感を与えるお人柄かもしれません。ご自身をサポートミュージシャンとおっしゃる大貫さん、この方のピアノ伴奏なら、アレンジなら、歌い手さんはさぞかし気持ちよく歌えるだろうな。そこがとても印象的なライブでした。
ピアノのライブというと、感想は「大変素晴らしかったです」「感動しました」とやや硬くなりがちですが、終演後、自然と口をついて出てきたのは「楽しかったー!!」という言葉。
極上ピアノと極上MCで届けられる至福の時間、第2弾がすでに待ち遠しい♪
堀越彰さん(Dr.)、彩吹真央さん、大貫祐一郎さん、木村花代さん、村上聖さん(Ba.)
「また会いましょう!」
大貫さんご出演の、
『井上芳雄 by MYSELFスペシャルライブ』は11月29日、東京国際フォーラムホールAにて開催!井上さんと大貫さんの絶妙な掛け合い、さらにゲストをお迎えしての歌&トークが楽しみですね。
また、大貫さんが音楽監督・ピアノで参加される
『彩吹真央 25th Anniversary Live
「Le Printemps -春-」(ル プランタン)』の開催が発表されました。4月19日(金)~21日(日)毎回多彩なゲストをお迎えしての全6公演、会場は丸の内・コットンクラブです。(詳細は
こちらから)
また、キュート、キューティ、キューティストな木村花代さんがご出演の、その名もミュージカル
『キューティ・ブロンド』は2019年2月11日、シアタークリエで開幕!ヒロインが憧れる女性ブルック役の木村さんは、身体づくりから準備を始めているとか!
これからのみなさんの活動からも目が、耳が離せません♪
写真提供:グランアーツ
おけぴ取材班:chiaki 監修:おけぴ管理人