映画愛に満ちた奇想天外なロマンティック・コメディの大傑作!
オリジナル・キャスト、スタッフが再結集、3年ぶり、待望の再演!世田谷パブリックシアター+KERA・MAP#009
『キネマと恋人』
撮影: 西村裕介
ケラリーノ・サンドロヴィッチが描くロマンティック・コメディ
2016年度の各演劇賞を受賞した『キネマと恋人』が待望の再演! 2016年に初演し、連日観る人を温かい気持ちに包み込んだ『キネマと恋人』が、2019年6月待望の再演を果たします。演劇界を代表する演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)を初め、オリジナル・キャスト、スタッフはそのままに、会場はシアタートラムから世田谷パブリックシアターに移して、またあの夢に溢れた世界が戻ってきます。
【ご紹介】
本作は、傑作を生み出し続けるアメリカ人映画監督ウディ・アレンの映画「カイロの紫のバラ」(1985年製作、86年日本公開)にインスパイアされた作品です。KERA版では、1936年/昭和11年の日本、架空の「梟島(ふくろうしま)」の港町に舞台を置き換え、登場人物たちは架空の方言を話します。
30年代の日本は、政治・経済・文化のどの領域でも、世界恐慌の煽りを受けていた激動の時代であり、大正ロマンの残滓と昭和モダンが花開いた時期です。庶民の娯楽の座を占め始めていた映画は、まさに市井の人々の心のオアシスでありました。そんな時代背景を踏まえて、銀幕の俳優への女性の淡い恋心をめぐる騒動を、KERAならではのファンタジックでビターなコメディに仕立てます。
【あらすじ】
昭和11年、東京から半年遅れて映画が上演される、梟島の小さな映画館が舞台。ハルコにとって映画は生き甲斐。ある日いつものように映画を観ていると、銀幕から寅蔵が話しかけてきて―――
【初演時記録】
2016年11月15日(火)~12月4日(日) 【会場】シアタートラム
<受賞>
第4回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞
第51回紀伊國屋演劇賞個人賞(台本・演出ケラリーノ・サンドロヴィッチ)
第68回読売文学賞戯曲・シナリオ賞(台本ケラリーノ・サンドロヴィッチ)
【台本・演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ】
時空を超える壮大なドラマからナンセンス・コメディまで、演劇界の中で唯一無二の活動を展開するKERA。その功績を称えられ、18年秋には紫綬褒章を受章、同年、再演した『百年の秘密』が第26回読売演劇大賞最優秀作品賞、優秀演出家賞を受賞。今もっとも新作が待たれる劇作・演出家のひとりです。
映画への愛も深く、2011年には市川崑監督の日本版ヌーヴェルヴァーグの傑作「黒い十人の女」を初めて舞台化、自身の劇団ナイロン100℃にて上演しました。
また本作の舞台となる「昭和」は、KERAが度々自身の戯曲の時代設定として選んできた時代です。シアターコクーンでは「昭和三部作」として、『東京月光魔曲』(09-10年)で昭和4年を、『黴菌』(10年)で昭和20年を、『陥没』(10年)で昭和38年を舞台にした作品を発表しました。
『キネマの恋人』の舞台は1936年、昭和11年頃。そしてモチーフとなるのは、KERAが敬愛するウディ・アレン監督による映画賛歌が込められた作品です。KERAには極めて珍しい“ロマンティック・コメディ”は、舞台ファンも映画ファンも必見。「お芝居とか映画とかを普段たくさん見ている、人生の中心になっているような方々への作り手からのメッセージとも言える舞台」と語ります。
今回の再演については、KERA本人も
「初演の最中から再演したいしたいとずっと思っていた」と言うほど、念願叶っての再演となります。新たに世田谷パブリックシアターで、シアタートラムとはまた違うスケール感の『キネマと恋人』を是非お楽しみに。
【出演者・スタッフ】
騒動の渦中の二人を演じるのは、妻夫木聡と緒川たまき。
『キネマと恋人』初演時がKERA作品への初出演となった妻夫木聡は、映画・テレビにて次々と主演作が公開され、どのような監督・脚本の作品でもキャラクターを演じ切る日本を代表する俳優のひとりです。舞台俳優としてもこれまで野田秀樹作・演出作品に五作出演、パリ国立シャイヨー劇場の舞台も踏んだ実績があります。本作では、「カイロの紫のバラ」同様、“映画の登場人物”と“映画俳優”の二役を演じ分け、その演技力を遺憾なく発揮します。
緒川たまきが演じるのは、夫との貧しい生活のなかで、唯一の楽しみは映画館で映画に浸ることだという健気な女性。緒川自身、「カイロの紫のバラ」は好きな作品で、映画版のミア・ファローのように無垢な透明感と色香を併せ持つ緒川は、初演時にもその純朴でチャーミングなキャラクターで人々を魅了しました。
緒川演じる女性の妹役には、ともさかりえ。映画では描かれていない姉妹のコントラストを描きます。個性が光る役所を数多く演じてきたともさかが、映画にはない新たな彩りを添えます。
この三人を取り巻く人物を演じるのは、緒川の夫役の三上市朗のほか、佐藤誓、橋本淳、尾方宣久、ナイロン100℃のメンバー廣川三憲と村岡希美。そして小野寺修二の振付を体現するダンサーたちです。
スタッフには映像監修・上田大樹や振付の小野寺修二をはじめ、KERAの世界観を見事にステージ上に現出させるメンバーが再集結。スタッフそして一人ひとりの魅力があふれるキャスト陣が3年ぶりにタッグを組んでお届けする今作、どうぞご期待ください。
世田谷パブリックシアター+KERA・MAP #009『キネマと恋人』【台本・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【映像監修】上田大樹【振付】小野寺修二
【音楽】鈴木光介【美術】二村周作【照明】関口裕二
【音響】水越桂一【衣裳】伊藤佐智子【ヘアメイク】宮内宏明
【プロダクション・スーパーバイザー】福澤諭志
【出演】
妻夫木聡 緒川たまき
ともさかりえ
三上市朗 佐藤誓 橋本淳
尾方宣久 廣川三憲 村岡希美
崎山莉奈 王下貴司 仁科幸 北川結 片山敦郎
【東京公演】
2019年6月8日(土)~6月23日(日)会場:世田谷パブリックシアター6/8(土)9(日)10(月)11(火)12(水)13(木)
■=視覚障害者のための舞台説明会あり(6/2213:00)
◆=収録のため客席にカメラが入ります(6/19)
【チケット一般発売】2019年4月13日(土)
【チケット料金】一般S席7,800円A席4,800円U24・高校生以下は半額ほか
【チケット取扱い】世田谷パブリックシアターチケットセンター03-5432-1515 (10~19時)
世田谷パブリックシアターオンラインチケット(
PC・スマホ)(
携帯)
ほか各プレイガイドにて取扱いあり※当日券あり
【ツアー公演】
北九州公演6月28日(金)~30日(日)会場:北九州芸術劇場中劇場
兵庫公演7月3日(水)~7日(日)会場:兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
名古屋公演7月12日(金)~15日(月・祝)会場:名古屋市芸術創造センター
盛岡公演7月20日(土)~21日(日)会場:盛岡劇場メインホール
新潟公演7月26日(金)~28日(日)会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
【主催】公益財団法人せたがや文化財団
【企画制作】世田谷パブリックシアターキューブ【後援】世田谷区
【協賛】トヨタ自動車株式会社 東邦ホールディングス 株式会社Bloomberg
【協力】東京急行電鉄株式会社
【台本・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ(略称:KERA)劇作家・演出家・映画監督・音楽家。1985年に劇団健康を立ち上げ、解散後の1993年にナイロン100℃を旗揚げ。1999年『フローズン・ビーチ』で第43回岸田國士戯曲賞受賞、現在は同賞の選考委員を務める。舞台活動では劇団公演に加え、KERA・MAPなどのユニットも主宰するほか、外部プロデュース公演への作・演出も多数。06年『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』の演出で第14回読売演劇大賞最優秀作品賞、15年、第40回菊田一夫演劇賞、そして16年、脚本・演出した『グッドバイ』で第23回読売演劇大賞最優秀作品賞、平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。16年、『キネマと恋人』の台本・演出に対して第68回読売文学賞・戯曲・シナリオ賞を受賞、『キネマと恋人』の台本・演出と『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』の作・演出で第51回紀伊國屋演劇賞・個人賞を受賞。17年には『8月の家族たちAugust: Osage County』で第24回読売演劇大賞・最優秀演出家賞を受賞。18年秋には紫綬褒章を受章した。同年、再演した『百年の秘密』が第26回読売演劇大賞最優秀作品賞、優秀演出家賞を受賞。
【映像監修】上田大樹(うえだ・たいき)&FICTION!代表。劇団の主宰を経て、映像や美術を手掛ける。舞台劇中映像のほか、テレビや映画のタイトルバック、MV及びCMディレクション、コンサートの映像演出、グラフィックデザインなど多岐にわたり活動。2003年に『NEG. WONDERLAND』にて第25回ぴあフィルムフェスティバルグランプリ受賞。近年の舞台作品に『ラストフラワーズ』(14)、『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(16)、『プルートゥPLUTO』(15・18)、『髑髏城の七人』シーズン「花」「鳥」「風」「月」「極」(17・18)、『メタルマクベスdisc3』(18)などがある。NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺」ではタイトルバックのディレクションを担当。18年上演の『百年の秘密』および『メタルマクベス』の功績から第26回読売演劇大賞スタッフ賞受賞。
【振付】小野寺修二(おのでら・しゅうじ)日本マイム研究所にてマイムを学ぶ。95年~06年、パフォーマンスシアター水と油にて活動。06年、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員として渡仏。帰国後、カンパニーデラシネラを設立。マイムの動きをベースとした独自の演出は、親しみやすさとアーティスティックなムーブメントを併せ持ち、幅広い世代から注目されるとともに、ミュージシャンやデザイナーなど異なるジャンルのアーティストからも熱く支持されている。第18回読売演劇大賞最優秀スタッフ賞受賞。主な演出作品に、『異邦人』(13年/世田谷パブリックシアター)、『カラマーゾフの兄弟』(12年/新国立劇場)、『変身』(17年/静岡県舞台芸術センター)、『あの大鴉、さえも』『ロミオとジュリエット』(以上、16年/東京芸術劇場)など。18年には、世田谷パブリックシアターのシリーズ企画である現代能楽集の『竹取』(シアタートラム)の演出が高く評価された。「瀬戸内国際芸術祭2013」では、野外劇『人魚姫』を発表するなど、活動の場は劇場内にとどまらない。また、ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出『キネマと恋人』、白井晃演出『ペール・ギュント』など、舞台作品の振付やステージングも手掛ける。2015年度文化庁文化交流使。
この記事は公演主催者からの情報提供によりおけぴネットが作成しました