6月7日 Bunkamuraシアターコクーンで、
青木豪脚本、河原雅彦演出、新作舞台『黒白珠』が開幕!最終リハーサル、初日直前会見の模様をレポート。
会見に登壇したのは、松下優也さん、平間壮一さん、村井國夫さん、高橋惠子さん、風間杜夫さん。
村井國夫、平間壮一、松下優也、風間杜夫、高橋惠子(敬称略)
最終リハーサルより
稽古の過程で台本の改訂があったとのことで、稽古場で試行錯誤を重ねながら作品に取り組んだチームワークが垣間見える、和やかな会見。
【初日を迎えた感想】
松下「僕らがいままで稽古場でやってきたこと、本番で皆さんにどう感じて頂けるかなということが今一番楽しみにしていることでもあります。」平間「色々ありまして、ここまで来て、やっと初日が無事開けられてよかったと思っています。」村井「台本に度々変更があり試行錯誤を重ね、ひと月以上の稽古で頑張ってきて、今日はどうなるか、緊張しています。70いくつもなってどんどん台詞が変わっていくというのは大変な苦労ですけれども、それが実ってくれればと思っています。」高橋「お客様に一か月私たちが作り上げてきたものがどんな風に感じて頂けるか、今はとても楽しみにしていますし、緊張しています。」風間「台本の直しもあった現場で、一丸となって今日この日が迎えられるという事を、大変嬉しく感じています」 双子を演ずる松下優也さんと平間壮一さんは、すでに舞台共演経験があり、ともに、
「“仲間”とか“友達”という感じなので、特に双子だからこうしなきゃ、ということもなく自然とやっている部分は大きいと思います。何も言葉を交わさずとも、この芝居の会話から(気持ちも)スタートできるので、お互いにとってありたい存在かと思います」との印象を語る。
河原雅彦さんの演出について風間杜夫さんは、
「非常に静かで穏やか、俳優陣の疑問に丁寧に答えてくださるデリケートな方です。しなやかさ繊細さは大変素晴らしく、新しい素敵な出会いが出来たと思っています。」と信頼を寄せた。
【松下さん、平間さんの稽古場での様子】
「ずっと役について語り合ってる。」(風間)「熱心。もうそれ(役作り)以外の話題は無いんじゃないかというくらい」(高橋)「二人ともかわいい。素敵な二人だと思います。」(村井)と絶賛した。
そして会見の最後に、カンパニーを代表し松下さんが下記のように抱負を述べました。
松下「壮ちゃんと僕、清水くるみさんと青谷優衣さん、僕ら4人は平成生まれなんです。僕ら若手と大先輩達で一丸となって長崎弁で芝居を頑張っております。家族とは何かという事を考えてもらえるような作品になっているんじゃないかと思います。笑いや楽しい部分もあったりしますので、皆様、是非劇場に足をお運びください。宜しくお願い致します!」【公開リハーサル】
続いて最終リハーサルが一部公開された。
物語は長崎の海沿いの町。真珠の加工販売を営む信谷大地(風間)は、中々定職につかず大地を心配させている勇(松下)と共に暮らしている。勇には彼女の花苗(清水)がいるが、花苗のアルバイト先のレストランを営む伯母の久仁子(平田)は、二人の交際を快く思っていない。そんなある日、勇と双子の兄弟で、東京の大学に通う光(平間)が帰省、商社の内定をもらったと話し、大地は喜ぶ。
光は帰省中、大地のはとこの須崎(村井)とその娘・沙耶(青谷)と会っていたが、そこに「信谷真珠」を訪ねて来た薮木(植本)という男と出会う。薮木は、母の純子(高橋)の知人らしく、彼女の親族の協力が必要となったため、信谷家の人間を探しにきたという。
ただ純子は、光と勇がまだ幼少の頃に家を出ているため、息子たちには母の記憶がない。戸惑っていた光だが、ある決意をする。一方、勇は定職に就くため、久仁子が紹介してくれた会社にトラックの運転手として就職するが…。
家族の物語が長崎弁で繰り広げられ、潮風のような土地の空気感を運んでくる。地元で自らの道が見つからずモラトリアム中の、不器用な優しさを持つ勇というキャラクターを、松下はリアルに演じている。アーティスト活動をしている松下の華やかな顔とは、全く違うイメージの“勇”がそこにいる。
平間演ずる光は、東京から帰省し違う空気を信谷家に持ち込む。勇と異なる道を歩みながら、そのまっすぐに突き進んでゆく性格が、やはりどこか不器用さをのぞかせ、危うさも感じさせる。そんな揺れ動く光のキャラクターを、平間は魅力的に演じている。
勇の恋人・花苗は、周囲の反対にも動じず、勇と付き合う気持ちは揺るがない。花苗の芯の強さと母性のような愛情を、清水は小さな体でしっかりと演じ頼もしい。
父・大地を演じる風間、母・純子を演じる高橋、須崎を演じる村井、それぞれの過去の中に秘めて来たものが解き明かされるにつれ、今を生きるという事、守るべきものとは、家族とは、など、様々に思いをめぐらせる。過去を背負った親の世代を演ずるベテラン俳優陣の、揺るぎない演技力が作品を底支えしている。
久仁子(平田)、薮木(植本)、沙耶(青谷)という登場人物たちが、作品に鮮やかさと軽やかさを与え、物語の悲喜劇の絶妙なバランスを生み出している。
キャスト9人全員が粒立った、人間ドラマとサスペンスで織りなす家族の物語を堪能できる作品。東京公演は6月23日まで。その後、兵庫、愛知、長崎、久留米公演を行う。
公演の詳細は、
公式サイトをご確認ください。
この記事は公演主催者からの情報提供によりおけぴネットが作成しました