ミュージカル『Little Women -若草物語-』公開稽古取材会レポート

現在上演中
 9月3日に初日を迎えるミュージカル『Little Women -若草物語-』の公開稽古取材会が行われました。ご登壇者は演出・訳詞の小林香さん、マーチ家の四姉妹を演じる朝夏まなとさん、彩乃かなみさん、井上小百合さん、下村実生さんと隣家に住む青年ローリー役の林翔太さん、そしてマーチ家の母を演じる香寿たつきさんです。



彩乃かなみさん、香寿たつきさん、小林香さん(演出)
下村実生さん、朝夏まなとさん、井上小百合さん

 ミュージカル『Little Women -若草物語-』は2005年にブロードウェイにて初演。名作小説『若草物語』とその続編『続・若草物語』をベースに慎ましい生活の中にも喜びを見出し、助け合って困難に立ち向かう四姉妹と、夫が従軍牧師として南北戦争へ出征中のマーチ家の精神的支柱となる四姉妹の母、そして彼らをとりまく人びとの物語を美しいミュージカルナンバーに乗せて描きます。作曲はミュージカル『ビューティフル』の編曲でグラミー賞を受賞、近年では『スカーレット・ピンパーネル』『デスノートTHE MUSICAL』の編曲やミュージカル『生きる』の作曲などで注目されているジェイソン・ハウランドさんというのもお楽しみポイントです!


【キャストご挨拶】

 まずはこの方!活発で男勝りな四姉妹の次女。大の空想好きで小説家になる夢を抱くジョーを演じる朝夏まなとさん

 今、お稽古をしながらジョーとして生きていると家族愛、友情……たくさんの愛をもらって毎回心が震えます。なりたい自分になるために模索しながら前に力強く進んでいくジョーの姿、生き様に私自身も奮い立たされています。とても素敵な役に出会えたことをすでに幸せに思っています。小林さんを中心に頼もしい共演者のみなさんと作品を作り上げている途中ですが、一人でも多くの方にご覧いただきたいと思います。


 続いては美しく貞淑で夢見がちな長女メグ役の彩乃かなみさん

 この作品が持つ魅力は家族が本音でぶつかることで生まれるみずみずしさ。稽古中に香さんがおっしゃった「みんなが本気で生きている」という言葉を胸に、本気でぶつかる、本気で憤る、本気で愛していることを伝え合う……。そんな若さゆえの荒削りなぶつかり合いが作品全体のみずみずしさに繋がっていくと思っております。そしてそれをしっかりと表現したいと思います。


 こちらは心優しい三女、ピアノを通じてローレンスと心通わせるベス役の井上小百合さん(乃木坂46)

 ベスちゃんはとてもおとなしくて人見知りな弱々しい人物と捉えられがちですが、彼女の中にある強さに私は衝撃を受けました。こんなに強い人間がいるんだと。役作りをしていく上ではそんなベスちゃんの強さや優しさ、温かさを表現していかなければと思っています。病弱なベスですがかわいそうな役にはしたくありません。キラキラした人生をキラキラと演じたいと思います。また、女性の話と括って欲しくはなく、ぜひ男子諸君にも見てほしい!と思っております。


 四姉妹のラストはおませでおしゃれが好きな四女、ジョーへの憧れゆえに反発するエイミーを演じる下村実生さん(フェアリーズ)

 私は原作を知らなかったのですが、お稽古を通して『若草物語』の楽しさを感じています。私のように『若草物語』を知らない方にもぜひ見に来てほしいと思います。優しい先輩方、スタッフのみなさんに囲まれて、私もエイミーと一緒に成長していっています。ここから衣裳やセットも本番仕様になり、もっともっと『若草物語』の世界が広がっていくと思うと楽しみで仕方ありません。


 続いて、マーチ家の隣人ローレンスの孫で祖父と一緒に暮らしている青年ローリーには林翔太さん(ジャニーズJr.)

 ローリーはマーチ家の四姉妹、とくにジョーに憧れ、恋心を抱く17歳のエネルギーに満ち溢れた青年です。四姉妹と仲良くなるために一生懸命になる可愛さもあれば、そっと背中を押すような言葉をかける優しい一面もあります。そこを楽しんでください。そして、なんといってもローリーの恋の行方はいかに!そこにも注目していただけたらと思います。



 そして四姉妹の母、たくましく困難に立ち向かうも夫の留守を預かることに心細さも感じている”お母さま”には香寿たつきさん


 この四姉妹を生んで育てているんだなと毎日思いながらお母さん役をお稽古しております。私自身三人姉妹ですが、同じ親から生まれ同じ親の元で育っても三者三様、タイプはバラバラです。そしてこの物語の中の四姉妹もみんなそれぞれ個性を持っています。父親不在の中で母親がどう少女たちを導いていくのかというところでは、日本人にはない宗教観、慈愛というものの大きさも演じていけたらと思います。

 また、本日はご登壇されていませんが村井(國夫)さん、久野(綾希子)さんという大先輩、そして宮原(浩暢)さん、川久保(拓司)さんと一緒にお稽古しておりますが、正直、この作品を10人でやるというのは過酷だなと思っております(笑)。ご覧いただきますとお分かりになると思いますが、かなりアクティブな作品で、先ほどの4名の方は自分の役以外のこともやられていて……、村井さんと久野さんがこんなことまで!私が1役であることが申し訳ないくらいです。

 こうして日々この稽古場でみんなで一致団結し初日に向かって頑張っています。この後、いくつかのシーンを披露いたしますが、『若草物語』のいいところを凝縮し小説を知らなかった方にも小説を読んだくらいのものを味わっていただける作品になると思います。ぜひ劇場へお運びください。本日はありがとうございます。


【プチ解説】

ちなみに香寿さんからご紹介のあったみなさんは……。

 宮原浩暢さん(LE VELVETS)はドイツ人の教授で、ニューヨークに移り住んだジョーの下宿先の下宿人の一人ベア教授を演じます。ジョーの小説にアドバイスし、夢に向かって邁進する彼女を見守る。宮原さんにピッタリ!川久保拓司さんはジョン・ブルック、ローリーの家庭教師を演じます。ジョンが舞踏会で出会い恋に落ちる……そのお相手は。

 四姉妹の大おばのマーチおばさんには久野綾希子さん。押し出しの強い人物マーチおばさんを久野さんが……楽しみですね。ほかにもジョーとベア教授の下宿先の家主カーク夫人も演じられます。そして、マーチ家の隣家に住む気難しい老人ローレンスには村井國夫さん。マーチ家とも深く関わっていきます。


【公開稽古】

♪Our Finest Dreams
 父親が南北戦争に従軍、その不在の寂しさと、それぞれ理想のクリスマスを過ごすことができない不満を募らせる姉妹たちにジョーが自作オペラ風悲劇を上演しようと提案。



「みなさん発表します!オペラ風悲劇を書きました!」溌剌とジョーを演じ、歌う朝夏さん


 ジョーに乗せられ?!次第に盛り上がる四姉妹、これはきっと楽しいクリスマスになる!そう感じさせるちょっぴりコミカルで盛り上がる一曲です。




四姉妹の絆!永遠に!





そして曲中でジョーは「世界的に有名な作家になる!」と高らかに宣言するのです。


それぞれの心情が重なるハーモニーの美しさ!彩乃さんの伸びやかで上品なソプラノボイスが響く~♪


♪Delighted
 初めて舞踏会に出かけるジョーとメグ。ダンスに誘われたらどうしたらいいのかと打ち明けたメグに舞踏会での振る舞いを指南するお母さまとジョー、メグ、ベスが踊るナンバー。


こんなすごいドレスを着るのは初めて!舞踏会へ出席することをためらうメグ。


メグのドレスはかつてお母さんも初めての舞踏会で着たドレス。あなたの半分も似合っていなかったわと励ます母。


 そこに登場したのはジョー。


ジョー:私、ドレスを着るようにはできていないんだわ。
母:とても魅力的よ。
ジョー:とても懐疑的だわ(笑)。でも、メグはとてもきれい!

 こうして始まるお母さまによる舞踏会レクチャースタート♪





 性格も立ち居振る舞いも好対照なジョーとメグ、ダンスシーンにもその個性がしっかりと表れています。楽曲の印象は正統派ミュージカル!お母さまの落ち着いた歌声、ベスの可憐な歌声、ジョーの力強い歌声、メグの美しい歌声が重なり、次第に盛り上がっていく。こちらも美しいハーモニーを堪能できます。


♪Five Forever
 隣家の青年ローリーが四姉妹の初めての男きょうだいとして認められ、5人が絆を確かめ合うちょっぴり勇ましいナンバーです。ダンスも楽しく躍動感と若さが炸裂。




一人はみんなの みんなは一人のために!!

 林さんの優しく真っ直ぐな歌声はとってもポジティブな印象で観ていて聞いていて気持ちいい!5人が舞台上で躍動するかなりアクティブでとっても楽しいシーンです。公開稽古ですでにこの盛り上がり。本番では劇場中にワクワクが満ちるのだろうと期待が膨らみます。


【演出・訳詞の小林香さんが語る作品の魅力】


 ここからは本作の演出・訳詞の小林香さんのご挨拶の様子をレポート。『若草物語』がもつ魅力、ミュージカル『Little Women -若草物語-』の見どころなど開幕が待ち遠しくなる素敵なお話です。作品への愛が深い!



 作者ルイーザ・メイ・オルコットさんの自伝的小説と言われる『若草物語』は、1863年から1866年まで、南北戦争の真っ只中から南北戦争が終わった翌年までのマサチューセッツ州に住むマーチ家の家族の物語を描いたミュージカルです。原作小説の作者であるルイーザさんは、まさにその時代を生きた方です。

 『若草物語』は一般的には少女が好む家庭小説と思われている節があり、大人が読む作品という印象は持たれていません。事実、少年少女の世界文学全集の中には必ず入っていますが、大人の文学全集には入っていません。かく言う私も幼き頃に夢中になって読んだ記憶がございます。ただ、この作品を演出するにあたり数十年ぶりに再び読み返したところ、『若草物語』やオルコットさんの考え方の新しさに驚き、なにか一筋の光を与えていただいたような気持ちになりました。

 ここからは“若草”の時期をとうに過ぎた(笑)私が読んで感じた「新しさ」についてお話しします。原作が書かれたのは150年前、日本では明治維新の年となります。原作者ルイーザ並びに彼女を投影したキャラクターであるジョー・マーチは職業を持つ働く女性として活躍しています。これはアメリカでも珍しいことでした。当時は女性が社会的地位を得るためには結婚するか、もしくはジョーのように筆一本で自立するには、男性的にならなければならなかったのです。しかしながら『若草物語』のジョーは社会的なものと対局にあるとされていた家庭的・女性的なもの、つまり身の回りの愛する人たち、些細な出来事を社会に出て身を立てていく原動力としたのです。それが今もって新しいと感じるところであり、そこをしっかりと届けたいと思います。

 そして脚本のアラン・ニーさんをはじめとする、このミュージカルを作ったオリジナルのクリエイターのみなさんもまたそこに重きを置いて描いていらっしゃいます。ジェイソン・ハウランドさん(音楽)とミンディ・ディックスタインさん(作詞)による楽曲は登場人物たちの性格描写が本当に精緻に描き込まれている素晴らしいものです。脚本を信じ、音楽の翼に乗って作品を作り上げていこうと思います。

 見どころは、まずこの四姉妹の愛情いっぱいの絆。稽古場でもパンダの赤ちゃんたちのようにコロコロと戯れながら、本当に愛くるしい稽古をしてくださっています(笑)。通称“若草萌え”と言われる、そこもみなさんにお楽しみいただけると思います。男女問わず、世代問わずご覧いただきたいと思います。





 みなさんが真摯に作品に向き合い、懸命に生きる登場人物同様に楽しく一生懸命に稽古に励んでいることがひしひしと伝わってきました。家族という親密な関係を描いた作品だからこそ大切になってくる、稽古の積み重ねで築かれる信頼関係。そこは準備万端!心配ご無用!であることを確信。初日がますます楽しみになる稽古場取材会でした。開幕はもうすぐです!

【公演情報】
ミュージカル『Little Women -若草物語-』
2019年9月3日(火)~25日(水)@シアタークリエ
愛知公演:2019年10月2日@日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
福岡公演:2019年10月5日・6日@福岡市民会館

<スタッフ>
原作:ルイーザ・メイ・オルコット
脚本:アラン・ニー
音楽:ジェイソン・ハウランド
作詞:ミンディ・ディックスタイン
翻訳:小山ゆうな
演出・訳詞:小林香

<出演>
ジョー:朝夏まなと
メグ:彩乃かなみ
ベス:井上小百合(乃木坂46)
エイミー:下村実生(フェアリーズ)
ローリー:林 翔太(ジャニーズJr.)
ベア教授:宮原浩暢(LE VELVETS)
ジョン・ブルック:川久保拓司
マーチおばさん/カーク夫人:久野綾希子
ローレンス:村井國夫
お母さま:香寿たつき

<ストーリー>
1865年。ニューヨークのカーク夫人宅に下宿するジョーは、出版社から届いた手紙を読んで肩を落としていた。自ら持ち込んだ小説の、22回目の出版拒否を受け取ったのだ。同じく下宿人のベア教授は「あなたの小説を気に入る人は必ずいる」とジョーを励ます。時は戻ってその二年前のマサチューセッツ。メグ、ジョー、べス、エイミーの四姉妹は、牧師として南北戦争に従軍した父を、母と共に待ちながら、慎ましくも明るく暮らしていた。ジョーは、物語を作っては姉妹たちに語って聞かせ、小説家になることを夢見ていた。メグと共に初めての舞踏会に出席したジョーは、隣家のローレンス氏の孫息子、ローリーと出会う。やがてローリーは姉妹の“5人目のきょうだい”となり、姉妹との絆も深まるが―。

公演HPはこちら

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人

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