小野田龍之介さんインタビュー~『レ・ミゼラブル』から『ウエスト・サイド・ストーリー』、『ミス・サイゴン』へ~

 ミュージカル『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役の好演が記憶に新しい小野田龍之介さんにお話をうかがいました。子役時代から舞台でご活躍、近年は『ウエストサイド物語』(劇団四季)トニー役、『ミス・サイゴン』クリス役、『ナイン・テイルズ~九尾狐の物語~』河柳役、『ラブ・ネバー・ダイ』ラウル・シャニュイ子爵役、前出のアンジョルラス役と錚々たる作品、役をご経験され、今後も『ウエスト・サイド・ストーリー』日本キャスト版Season1リフ役や『ミス・サイゴン』再演と注目作が控える小野田さん。2011年、シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンサート・コンクール<リーヴァイ特別賞>受賞の確かな実力と幼い頃から親しんできたミュージカルへの深い愛情と知識……、ミュージカルが身近な環境で育った、まるで“ミュージカル・ネイティブ”とも言えるような小野田さんにたっぷりと語っていただきました。



【トニーを経験したからこそのリフにしたい~ウエスト・サイド・ストーリー~】



リフ役ビジュアルが公開されました!!

──まずは、11月に開幕する『ウエスト・サイド・ストーリー』(以降、WSS)からうかがいます。以前、劇団四季の公演でトニー役を演じられていますが、今回はリフ役。小野田さんといえば「歌」の印象が強いのでちょっと意外な気もしましたが、実はキャリアのスタートは「ダンス」。

 僕、ダンスが大好きなんです。母がダンサーだったこともあり子供の頃からダンスに触れる機会は多くありました。あとディズニー好きなので、ディズニーランドのショーを見るのも大好きで、将来はディズニーダンサーになるか「おかあさんといっしょ」(NHK)の体操のお兄さんになるのが夢でした。それがあるときミュージカルに出演することになり、ダンスだけでなく歌ったり台詞をしゃべったりという表現方法にも楽しさや憧れを抱くようになりました。そして気づいたら小野田=歌のイメージと言われるように(笑)。

──それをうかがうと、俳優に求められるスキルとして歌のトニー、ダンスのリフの2役を演じられることも必然のように思われます。



 こんなに光栄なことはありません。子供の頃からビデオで見たり、劇団四季の公演で見ていたWSS、その頃はリフやベルナルドといったダンスの名手が演じるキャラクターが好きでした。だからトニーにキャスティングされたときにまず思ったのは「俺……無理だよ」(笑)。数あるミュージカル作品の中でも屈指の大役トニー、「あんなにクラシカルに歌うなんて……無理だよ」と。そんな“リフをやりたい少年”だった僕が、今回リフ役にキャスティングされたのですが、あのカッコイイリフですよ!一周回ってやっぱり「無理だよ、最近踊っていないよ」という(笑)。僕、いつもネガティブスタートなんです。

──ちょっと意外です(笑)。それにしてもここまで踊る役は久しぶりですね。

 それこそ『CLUB SEVEN』(2012年、13年、14年)や『フットルース』(2013年)以来ですね。

──楽しみです!ここからは改めてWSSという作品について。1957年に初演された名作ミュージカル、ご自身が生まれるずっと前に誕生した作品です。

 僕自身、WSSに俳優としてここまで関わるとは夢にも思っていませんでしたが、こうして主要な役で深く関われることを嬉しく思います。今、上演されている来日版の公演でマリアを演じているソニア・バルサラさんも「WSSに出るのが夢だったと」言っているように、世代を超えて惹きつける魅力があるんです。それは出る側だけでなく、観客や社会に対しても。どの時代でも影響力を持つ、ある意味ミュージカルの原点のような作品です。

──トニーとリフ、キャラクターについてはいかがですか。



 演じる上ではトニーをわかっているからこそのリフというところを大事にしたいと思います。トニーから見たリフはかわいい弟。どんなに腹の立つことがあっても、決して彼を見放すことはない。リフの孤独や苦しみをぬぐってあげる存在がトニーだと思って演じていました。だからこそリフを演じるにあたっては、トニーが放っておけないリフでありたいと思います。孤独を味わったからこそ仲間を大切にし、みんなでいる時間をハッピーに過ごしたいリーダー像を思い描いています。彼らは別に手当たり次第に喧嘩をする荒くれグループではないんです。自分が大事にするテリトリーに入ってきた相手への恐れや警戒から縄張り争いのゲームを仕掛け、それが悲劇的な結末を生んでしまうという物語。そこへ向かっていくためには若者特有の焦燥感や危うさをどう表現していけるかが肝になると思います。

──ちなみに来日版はご覧になりましたか。



 もちろん見ました!実は最初にステージアラウンド東京(360° 回転劇場)でWSSを上演すると聞いたときはちょっと懐疑的だったんです。シンボリックな名シーンが多数ある、すでに完成したと言える作品。それがわざわざ回るってどうなのかなと(笑)。実際に見てみると、360度回ることをしっかりと武器にしていて、映画で見たシーンがそこに蘇る、まるで当時のマンハッタンが引っ越してきたような感覚です。目の前に路地があり、ハイウェイの高架下があり、ドクの店がある。舞台ならではの生の息づかいと映画でしか見ることができないと思っていた街並み、その両方があるということが一番の魅力だと感じました。客席に座れば自分もあの路地にいて若者たちのちょっとスリリングな生活を体感するような体験が待っていますよ。

──そして来日版に続いて上演されるのが日本キャスト版。

 基本的に来日版の演出を踏襲することになりますが、そこに僕らの感性も加えた形でお客様にお届けしたいと思います。キャストもバラエティ豊かですよね。WSSは日本でも劇団四季や宝塚歌劇団、ジャニーズのみなさんが主要キャストを演じられるバージョンで上演されています。でも、いずれも劇団というか、同じ環境で育った俳優で演じられています。僕らの公演はそれぞれ違うフィールドから集まったメンバーでの作品作りになり、おそらくそれは日本で初めて。群舞の力などは劇団だからこその素晴らしさがあると思いますが、出自が違うからこその均質でない感じ、いろんな色味の混ざり合いを出せればと思っています。

──リフ役ダブルキャストでご一緒するのは『レ・ミゼラブル』(以降、レミ)に続いて上山竜治さんです。

 すでにレミで半年一緒なので、ほぼ1年一緒です(笑)。それが上山くんでよかったです。僕が思いつめていると敢えてポップでいてくれる方。そして天然さんなので癒されるんです。


【レミの一部になったんだな~レ・ミゼラブル~】


──続いては今年、初めてご出演されたレミについてうかがいます。帝劇初日というとすでに遠い記憶かもしれませんが。



 ミュージカルを生業としているとおそらくみんなどこかのタイミングで見たり、歌ったり、憧れたりする、バイブルの1つと言えるほどの作品です。僕にとっても憧れでした。WSSもそうですが、長く上演され続けている作品というのは憧れの域に入ってしまい、見る専門で「出たい」という気持ちはなかったんです。でも、周囲の勧めもあり今回出演することになり実際にキャスティングされたときは責任の重さをひしひしと感じました。そして迎えた初日は「レミの一部になったんだな」と感慨深かったです。

──責任の重さと感慨、なんだか小野田さんらしいです。

 素晴らしい音楽とドラマ性、メッセージ性を備えた作品の偉大さはもちろんですが、僕が演じたアンジョルラスは若い学生や市民のエネルギーを代表する役です。大きなモノと戦い、懸命に生き、自分たちの存在を示すために行動する。それは今の時代にも通じるエネルギーです。彼らを演じることに本当に大きな責任を感じました。だから毎回、舞台に立つことは怖かった。今日も無事にやり遂げることができるのか、開演前は怖さしかなかったです。それは回を重ねても薄れることはありませんでした。

──とても落ち着いているように見えましたが。



 よく言われます(笑)。まぁ、実際にその怖さを舞台に乗せることは違うと思いますし、アンジョルラスである以上、しっかりと立っていなくてはならない。でも、もしそこで小野田のスイッチを入れたとしたらワナワナしていますよ。毎日、その恐怖を押し殺して、作品の、物語の渦に巻き込まれているという感覚です。

 その中で唯一緊張から解放されるのは、バリケードで死んだ瞬間ですね。張り詰めていた糸が切れるような。まさに“散った”瞬間。身体から羽根が一気に抜け落ちてすっきりするような感じ。1つ責任を全うしたと思えるんです。もちろんそこからも♪カフェソングや給仕役、エピローグと続くので気を緩めることもできませんが、あとはマリウスを見守るような心持ちになるのでだいぶ変わりますね。

──マリウスはどんな存在ですか。

 僕はあまり特別視しないようにしています。信頼関係や交流が深いという点では1学生よりは上ですが、クールフェラックやコンブフェールたちと同列。原作がどうとかではなく、今、僕らがやっているレミの中での描かれ方はそうなのだと。歌の掛け合いではマリウスとのやり取り・会話が多くなる分、視線や動きの交流はグランテールやクールフェラックたちと多く取るようにしていました。そしてバリケードを築いてからは名もなき市民たちが集まってきます。彼らもみんな同志、その中で名前を知っている者同士の交流を大切にする、「君たちがしっかりしないと市民はついて来ないぞ」という感じです。それによってこの作品が群像劇になると思うんです。



──アンジョルラスという人物を演じて感じることは。



 思っていたより強い人間ですね、アンジョルラスは。もっと大らかで優しいお兄さん、包み込むような印象がありましたが、それ以上に“厳しくある”というところが演じていて新鮮かつ大変でした。

──厳しくある。エポニーヌの死のとき、淡々としているというか冷静な印象を持ちました。

 あの解釈を初めて聞いたときは僕もちょっとビックリしました。もっと鎮魂歌というかお悔やみの歌のような印象だったのですが、「これが現実、自分たちがこれから直面するのはこういうことなんだ」ということを周りに吐き捨てているんですよね。そうやって常に緊張感と冷静さを保っていたアンジョルラスが、ガブローシュが撃たれて何かが切れて、崩れ落ちる。そこでただの人間に戻るという流れを考えると、エポニーヌの死に対してそうなるのも当然だと思えました。でもね……。



──でも?

 溢れそうになる感情に蓋をするのが大変で。僕、♪オン・マイ・オウンも大好きなんですよね。あの歌を聞くとエポニーヌを抱きしめたくなる!情が移るというか。でも、アンジョルラスは♪オン・マイ・オウンを聞いていないし、知る由もない。彼にとってはただの一人の少女に過ぎないんです。ただ、これは無意識にやっていたことですが、エポニーヌがこと切れるあの瞬間、♪花、育て…のところ、僕はエポニーヌとマリウスから目をそむけます。そこからもう一度、彼女を見つめて悲しんでいる場合じゃないと歌い出す。

──見方によっては非情とも受け取れますが、そこにあるのは。



 やり遂げなくてはという使命感、責任でしょうね。そのヒントになるのは、♪ワン・デイ・モアの最後、「明日は旅立つ 明日は裁きの日」という歌詞を新演出版からバルジャンとジャベール、そしてアンジョルラスも歌うようになったということ。バルジャンとジャベールは神に誓い、神に動かされている人ですが、アンジョルラスも同様に自分の意志以上の力、神の力に突き動かされている人なんじゃないかと。だからこそあの場面で人間的な情は入れすぎないほうがいいのではないかと考えたときに、演出家の意図を汲み取ることができたのだと思います。リクエストされたことから組み立てていくのが俳優の仕事でもあるので。あとはお客様が自由に見てくださればいいと思っています。

──いろんなことが腑に落ちます。あんなに冷静だったアンジョルラスが最期、死に向かっていくときの感情むき出しで無謀とも言える行動に出ることも。

 ただの人間に戻ったアンジョルラス、その死に際の美しさは排除したいという思いもありました。だから僕は撃たれてそのまま落ちていきます。

──こうして新キャストとしてレミに参加して改めて感じたことは。



 どの国での上演でも常に新しい俳優が参加して新しいエネルギーを作品に注入している。そうやって停滞しないからこそ何十年も上演されているということを改めて感じました。そこで大切なことは、キャラクターの強さ、物語や楽曲の持っている強さを俳優個人の自意識や都合で崩してはいけないということです。新キャストとして新しいものを持ち込みつつ、しっかりと作品の一部になることにやりがいを感じました。



【少し大人になったクリスをお見せできれば~ミス・サイゴン~】


──続いては再演となる『ミス・サイゴン』について。



 『ミス・サイゴン』も好きで、見る側としては長く親しんだ作品でしたが、前回のキム役3人とクリス役2人の中では僕だけ初参加だったので、そこにはプレッシャーも感じました。異国からきた転校生みたいな心細さも(笑)。みんな仲良くワイワイやってはいたんですけど、どこかに持ち前のネガティブさが……。

──異国からの転校生(笑)。でも、きっと小野田さんのことですから曲に関してはバッチリだったのでは?

 なんなら人の曲も含めて全部入っていました(笑)。演じるとなるとまた別の作業が必要ですが、そのことは間違いなく強みでしたね。スタートラインが違うというか、どうにか食らいついていくことができましたから。これは好きなことを仕事にしている強みだと思います。大変なこともありますが好きでいてよかった、ミュージカル好きな自分を誇りに思いました。

──転校生だけど言葉は通じるというような感じですね。前回、2016-17年の公演で印象的だったことは。



 キム・スハさん(韓国出身の俳優、『ミス・サイゴン』ロンドンカンパニーでもキム役を務める)と組んだ経験は大きかったですね。最初の歌稽古で、彼女にわかるように歌ってあげようという思いが自然に湧きました。その精神的な歩み寄りはクリスとキムが愛を育んでいった関係性にも通じるものがあり、とても勉強になりました。再演でも、そのときの繊細さや相手を尊重する感覚を忘れずにいようと思います。

──まだ少し先になりますが、再演に向けてはどのような抱負をお持ちですか。

 前回の経験を土台にして、そこにどう積み上げていけるか。4年経っていますからね。前回は25歳、今回は28歳(公演中に29歳を迎えます!)で務めるので、特にアメリカに帰ってエレンと結婚してからの芝居などで少し大人になったクリスをお見せできればと思っています。一方で、キムとの出会いの場面や若さゆえの衝動は前回の感覚を大切にしようと。

──クリスというキャラクターについては。



 クリスとキムの関係は愛だけど、ただの「好き好き~」というものではありません。殺伐とした争いの日々でクリスが見つけた崇高な光、それがキム。自分が、アメリカがベトナムでやってきたことは本当の正義なのかと葛藤する中で出会ったキムを守ることが償い、そんな愛を超えた贖罪の部分もあると思うんです。『ミス・サイゴン』のテーマは“究極の愛”とも言われますが、僕は“生きること”だと思います。キムもクリスもエンジニアもどう生き抜くか。クリスは生き抜くために愛にすがり、彼女にすがる。

 それは歌でも表現されています。例えば♪世界が終わる夜のように、メロディはとても甘美ですがそれだけでないんです。「不実なこの町~」と滑らかに歌うのではなく、「不実なこの町虚しさの中で……」と畳みかけるように歌うことを求められました。そこには切実さがあるのです。でも、笑顔は絶やさない。その先も休符を作らずに歌ってほしいということは、ある日突然言われました。ちょうど笹本玲奈さんと組んで稽古をしているときでしたが、お互いにこれまでのアプローチとは違うねと話しながら何度か歌うことで確立した日本版ならではの新しい形、エネルギーです。それをほかのみんなと共有していきました。

 これは日本語詞は音も少ないのでマイルドで落ち着いた印象になりがち、なるべくドライブ感を持たせるためにした変更です。ノンブレスについてはホテルの場面での歌唱でも言われました。クリスがどんどん呼吸ができない状態になりついには発狂したかのように、感情を思い切り吐露する。もともと大変な歌なのですが、さらに大変で(笑)。今回、どんなアプローチになるかわかりませんが、生まれるエネルギーというものは同じように求められると思うのでそこは忘れずにいたいと思います。

──何度上演を重ねても、その年の公演で生まれるものがあるのですね。

 新演出を各地で繰り返し上演することでその意図、つまりドラマ性が深められていると感じます。それは上演され続けているからこそ。『ミス・サイゴン』と『レ・ミゼラブル』、キャメロン・マッキントッシュが手掛けているこの2つの作品は本当に興味深いです。伸ばす音の長さを変えるだけで全然違うものになる、ただのリバイバルでなく作品が成長しているんです。

──2020年バージョンがどうなるのかますます楽しみになりました。キム、クリスともに新キャストが加わり、前回と打って変わって小野田さんと昆さんがそれぞれ唯一の経験者に。



 新入生の中に居る先輩のような……やっぱり疎外感を感じそうです。すみませんネガティブなもので(笑)。クリスを演じるチョ・サンウンさんは久しぶりの日本での公演ですし、(海宝)直人くんも共演は何度もしていますが同じ役は初めてになります。新しいキムも3人、昆さんとも前回は2回しか組めなかったので僕も楽しみです。

──こうして近々の3作、『レ・ミゼラブル』『ウエスト・サイド・ストーリー』『ミス・サイゴン』と並べただけでも壮観ですね。大作続き!!この先には何が待っているのでしょう。

 今の環境は本当に恵まれていると思います。この数年は正統派というか王道の役を務めさせていただいていますが、その前はトリッキーな役も含めバラエティに富んだ役を経験してきました。だからこそこれからもオールラウンダーでいたいですね。

──様々な作曲家の作品にご出演されているのも財産ですね。



 そうですね。海外作曲家だとバーンスタイン、アンドリュー・ロイド=ウェバー、クロード=ミッシェル・シェーンベルク、シルヴェスター・リーヴァイ、フランク・ワイルドホーン、ジェイソン・ロバート・ブラウン……、ほかにも国内のオリジナル作品を20代のうちに数多く経験できていることは本当にありがたいことだと思います。中でも『ラブ・ネバー・ダイ』でラウルを演じられたことはミュージカル俳優として大きな経験でした。

──そう、まだ20代でいらっしゃるんですよね!

 はい(笑)。先日28歳になりました。ここから今やっている役を深めていくのか、違う役で出演するのか、違う作品で新しい役に出会っていくのか。30代もすごく楽しみです。

──アンジョルラス役もまだまだできますよね。



 年齢的には(笑)。実は、今の僕の年齢は岡幸二郎さんが初めてアンジョルラスを演じられた年齢なんです。だからここからスタートとも言えるはずなのですが、岡さんや(上原)理生くんが初めてやったときの“新星が出てきた!”という空気がないんですよね。初日から“よっ、小野田!”みたいな空気はあったんですけど(笑)。だれも言ってくれないので、自分で言いますけど“初の平成生まれのアンジョルラス”なんですよ。どうもキラキラ感がないんですよね、僕。

──やはりキャリアと確かな実力がそうさせるのでしょう。だからこその魅力もあると思います。

 今はレミもエリザ(『エリザベート』)もチケットは即完売。新しい才能もどんどんこの世界に入ってきて、いわゆるミュージカルブームの到来とも言われています。僕は、その勢いに乗りながらも先人たちが築き上げてきた作品の重みも大切にしたいと思うんです。過去にとらわれる必要は全くないのですが、変化していく作品のオリジナル・原形や歴史を知っているということは大事だし、そのための勉強は子供の頃から惜しまずやってきた自負があります。勉強とは思っていませんでしたが(笑)。それは強みになるかな。カンパニーの中でもいいポジションだねと言われることがあるんですよ。「龍之介は昔のことも知っている一番若いプリンシパルだから、いい架け橋になれる」って。そうやってこれまでの経験を武器にしながら自分なりの新しいエッセンスを加えることも忘れずにいたいと思います。これからの人生のラインナップにどんな作品が並ぶのか、自分自身も楽しみにしています。人間的にも成長し、いつかファントムやシラノ、『生きる』の渡辺勘治など深みのあるキャラクターに命と人間味、人生の重みを吹き込める俳優になりたいと思っています。

──渡辺勘治となるとだいぶ先に!!でも、そこでも初演から見ている強みが活かされるかもしれませんね!

 なんてったって初演の初日に見ましたから(笑)!!

──さすがです!今後、小野田さんがどんな作品でどんな役を演じるのかとても楽しみです。これからも末永くよろしくお願いします。


【おまけ:オリジナルミュージカルの魅力】


──海外の大作ミュージカルへのご出演が続く小野田さんですが、オリジナルミュージカルの魅力も語ってくださいました。



 日本のオリジナルミュージカルもすごくいいですよね。中でも音楽座の『とってもゴースト』と『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』は名作。実は僕の師匠の中川久美さんが振付で関わっていたというのもあって、幼い頃からとても身近な作品でした。今度シアタークリエで『シャボン玉~』が上演されることを1つの契機とし、オリジナル作品の創作も盛り上がっていくといいなと思います。今はどうしても輸入作品が多い、もちろん素晴らしい作品がたくさんあるので輸入もしたほうがいいのですが、国内にも才能豊かなクリエイターさんはたくさんいます。それぞれのいいところを吸収しながらミュージカルが発展していくといいなと思っています。





 革命のリーダーからジェッツリーダーへ!その堂々たるパフォーマンスに、小野田さんご自身も仲間を率いるリーダー気質あふれる方かと思いきや、ご本人曰く「真逆です。みんなについていきます気質です」とのこと。「でも、ディズニーだったら任せて!俺について来い!アンジョルラスにもリフにもなれます」と笑う姿が印象的でした。

 ほかにもあの作品、この作品、お話をうかがっていると次々に飛び出す思い出話、まさにミュージカル談義に花の咲いたひとときでした。積み重ねてきた経験と知識を血肉として、ここからさらに飛躍する平成生まれのミュージカルスターの活躍、これからも追いかけます!



『レ・ミゼラブル』『ウエスト・サイド・ストーリー』『ミス・サイゴン』壮観です!


2016年の『ミス・サイゴン』おけぴ観劇会のクリス役は小野田さんでした!
そのときには叶わなかった観劇会ミニのぼりお写真、ついにその手に!!


【公演情報】
日本キャスト版『ウエスト・サイド・ストーリー』Season1
2019年11月6日(水) 〜 2020年1月13日(月・祝)@IHIステージアラウンド東京

公演HPはこちらから


ミュージカル『ミス・サイゴン』
2020年5月19日(火)~6月28日(日)@帝国劇場
2020年7月~9月 全国ツアー

公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文)おけぴ管理人(撮影)

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