【前編・葵わかなさん編】ミュージカル『アナスタシア』アーニャ役インタビュー


ひとりの少女が本当の自分と出会う壮大な旅を、ロマンチックに描く新作ブロードウェイミュージカル!
ミュージカル『アナスタシア』にダブルキャストで主演する【葵わかなさん】

 来日クリエイティブチーム&日本キャストによるミュージカル『アナスタシア』が、2020年3月・4月に、東京・東急シアターオーブと大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演されます。

 幼い頃に記憶をなくし、ひとりで生き抜いてきた主人公の少女アーニャをダブルキャストで演じるのは、葵わかなさんと木下晴香さん。

 ロシア帝国皇帝ニコライ二世の一家が滅ぼされたあともひそかに生き抜いたと噂される皇女アナスタシアによく似たアーニャは、ふたりの詐欺師ディミトリとヴラドとともに、マリア皇太后のいるパリへと向かいます。旅の最後にアーニャが見つける本当の自分とは…? 

 ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ジュリエット役に続き、同じ役を演じる同学年のおふたりにお話を聞きました。レポ前編【葵わかなさん編】をお届けいたします。

後編【木下晴香さん編】はこちら






マドリッドで『アナスタシア』スペイン公演を観たという葵わかなさん。
「舞台装置がとてもきらびやかで豪華。みんなが夢見るような素敵なデザインの衣裳にもうっとりしました。視覚的にもすごく楽しめる作品だと思います」(葵さん)


──葵さんが演じるアーニャはどんな人物でしょうか?

 演出とクリエイティブチームの方から何度も言われたのは「アーニャは強い女の子なんだ」ということ。その強さも“普通の強さ”ではなくて、記憶をなくしひとりで生き抜いてきた“逞しさ”なんだよと。アーニャは男勝りで度胸があって強い信念を持った女の子。その強さこそがアーニャの魅力であり『アナスタシア』の魅力ではないでしょうか。個人的にも強い女性は魅力的だと思います。それからこれはまだ完全な台本が手元にないのであくまでも想像ですが、強さの裏に隠されているアーニャの揺れる心や、記憶を探していく過程で生まれる不安感、ディミトリとの出会いで発見する新たな自分…そういった部分を深く掘り下げることで、このアーニャという役がさらにおもしろいキャラクターになるのではないかなと考えています。


──クリエイティブチームのみなさんが来日してオーディションが行われたそうですね。

 日本のお客様以外の前でお芝居や歌を披露するのが初めてだったので、まずはそのことに緊張しました。来日チームのみなさんは基本のテンションが私の2倍くらい(笑)。なにかを伝えてくださるときの熱量がすごく高くて驚きました。アーニャもこれくらいのテンションの人なのかなと、海外の方との感覚の違いを肌で感じることができました。演技指導も「ここはもっとこういうふうに動いてほしい」とか、「こういう表情で」と具体的でした。特に印象的だったのは、ある場面で「アーニャはひとりで生き抜いてきた子だから、そんなに怖がらなくていいし、笑顔を見せなくてもいい」と言われたこと。当初考えていたイメージと違う部分もありましたが、「(アーニャは)そんなにも強い女の子なんだ、記憶がないってそういうことなんだ」と納得できました。


──オーディションでも『アナスタシア』の楽曲を歌われたのでしょうか?

 はい。日本語の仮歌詞で3曲歌いました。作品の世界観に合わせた壮大な楽曲なのでそのスケール感を表現するのが難しかったです。スタミナも必要ですし、豪華な装置や衣裳、生の演奏に負けない熱量も求められます。なかでもアーニャは熱量の高い役なので身体を目一杯に使って表現するのがこれからの課題だと思います。私はあまり身体が大きいとは言えないのでこれがなかなか難しくて。でも曲そのものはキャッチーで耳に残るものが多いので、「早くもっとうまく歌えるようになりたいな」と思いながら楽しく歌うことができました。



 ──『ロミオ&ジュリエット』で初舞台を踏み、本作が2作目の舞台作品となります。

 『ロミオ〜』では歌や動きなど自分に足りないものをたくさん自覚しました。今回、少しでも成長した姿をお見せできるようさらに練習を重ねていきたいと思っています。それから自分自身の課題以外で考えているのは、日本公演ならではの『アナスタシア』を作ることができたらいいなということ。本国のクリエイティブチームが来日して日本キャストで『アナスタシア』を上演しようとしてくださっている。そのことにまずは感謝と期待があります。さまざまなバックグラウンドを持つキャストが集まっていますので、いったいどんな作品になるんだろうと私自身もワクワクしているんです。ブロードウェイでリスペクトされている製作チームが生み出した素晴らしい作品に、私たちが日本語で演じる意味のようなものをプラスしていければ、より日本のお客さまに共感していただける舞台になると思います。まだ稽古が始まっていないのでどのような形になるかはわかりませんが、日本ならではの繊細な部分を大切に作りあげたいです。


──前回(『ロミオ~』ジュリエット役トリプルキャスト)に続き、木下晴香さんとのダブルキャストです。葵さんから見た木下さんはどんな人でしょう?

 はるちゃん(木下さん)はいつも穏やかで、どちらかというと受け身なタイプ。…という印象があると思うのですが、実はすごくユニークで個性的な面もあるんです。ふわふわと何事にも順応していきそうでいて、ときにものすごく力強い部分があったり、考え方が人と違っていたり。穏やかそうでいて内面が熱く燃えている人。意外とみなさんのイメージとギャップがあるかもしれません(笑)。
 

──ジュリエット役トリプルキャストを経験してみていかがでしたか?

 稽古が始まる前はひとつの役を3人が演じるというのがとても不思議で、どう受け止めたらいいのか、相手がどんな存在になるのかも想像がつきませんでした。実際に稽古が始まってみると、同じ役なのに別の人が演じるとこうも変わるのかという発見がありました。はるちゃんのジュリエットも、いくちゃん(生田絵梨花さん)のジュリエットも私には演じられなかったし、その逆もそう。それぞれが自由に個性を活かしたジュリエットになったのではないかなと思っています。自分の個性に気づけたのもはるちゃんといくちゃんがいたから。すごく良い関係で作品と向き合うことができましたし、個人的にも頼もしい仲間ができて嬉しかったです。


──アーニャ役が決まって、木下さんとなにか言葉は交わしましたか?

 オーディションでは顔を合わせる機会はなかったのですが、はるちゃんとダブルだと決まり嬉しくて、すぐに「また一緒だね!」と連絡しあいました。プライベートでも仲良くさせてもらっているので、実際に会ったときに「次も一緒にがんばろうね」と励まし合って(笑)。全く知らない方ばかりのカンパニーに飛び込むのも楽しいことだとは思うのですが、今回は本当に大きな責任を負う役ですので、はるちゃんと一緒なのは心強いです。ホッとしました。


──そのほかにも個性的な共演者が揃っています。

 みなさんのジャンルが入り混じっている感じがワクワクしますよね。私自身がミュージカル作品に参加するときもそうなのですが、映像の方が舞台に参加するときのおもしろさ、化学反応があるはずと信じているので、今回もどんなことが起こるのか楽しみです。さまざまなフィールドで活躍されてきた方が顔を合わせる現場がどんなことになるのか想像もつかないのですが、みなさんと一緒にどんなふうに転がっていけるのか、楽しみにしたいと思います。百戦錬磨の先輩方に置いてきぼりにされないように気を引き締めていきます。


──今の時点で楽しみにしている場面や、ナンバーはありますか?

 ディミトリとヴラドと3人で歌う「♪Learn to do it」というナンバーです! アーニャをアナスタシアに仕立て上げるために、ロマノフ家の歴史や行儀作法を叩き込む場面なのですが、すごくコミカルで流れるような楽しさがある曲なんです。背筋を伸ばして歩く方法や、手にキスされる仕草を教えるディミトリとヴラドが「君ならできる! 僕にもできるから君にもできる」と歌って本当に楽しいんですよ。客席で観たときにも「早く自分でもやってみたい!」とワクワクしました。



──映像作品で大活躍中の葵さんですが、改めてミュージカル作品に主演することについての思いを聞かせてください。

 映像でのお芝居は舞台に比べれば経験があるので、求められていることがある程度わかりますし、返すこともできる。でもミュージカルの歌に関しては「こうやってみて」と言われてもまだどうすればいいのかわからないことが多いんです。自分の歌で舞台の印象が左右されてしまうのは嫌なので、そのためにいまできることはやはり歌の稽古しかないと思っています。とにかく地道に真剣に練習を重ねるのみ。たくさんの曲を歌って、声の出し方を学んで、知識もテクニックも増やしていきたいです。お芝居と歌の関係についてもやればやるほど謎が深まるばかりで…歌だけどお芝居、お芝居だけど歌、その割合が難しいです。とはいえお芝居があるから歌いやすくなることや、歌があるからより感情が盛り上がっていい芝居になることもあるので、歌とお芝居の相乗効果とバランスのなかで自分なりのポイントを見つけて、どちらにも良い影響を与え合うようになれればいいなと思っています。


──葵さんの存在をきっかけに初めて劇場に来る観客もいると思います。観劇を楽しみにしている方に向けてメッセージをお願いします。

 誰もが一度は触れたことがある、普遍的なおとぎ話のようなストーリーがベースになった作品です。夢を大切にする、夢を損なわないお話だと思いますので、欲を言えば小さなお子さんにもぜひ観に来てほしいです。夢がつまったこの作品が、初めてミュージカルを観る子どもたちの心の扉を開けるきっかけになるといいなと願っています。もちろんミュージカルを深く愛してくださっているみなさまの心にも、なにか他の作品とはちがう印象を残すことができるようにしっかりとつとめたいと思います。海外スケールの装置や衣裳も素晴らしいですし、ストーリーもそんなに難しいお話ではありませんので、ミュージカルをあまり観たことがないという方にもぜひ劇場にいらしてください!






 魅惑のダブル・トリプルキャストで観劇の楽しみが無限大に広がりそうなミュージカル『アナスタシア』。もうひとりのアーニャ役・木下晴香さんのインタビューはこちらからどうぞ。


公演メイキング動画が公演公式サイトにて公開されています


♪取材こぼれ話
映画にドラマ、そしてこの『アナスタシア』と大活躍中の葵わかなさん。プライベートで趣味の観劇に出かける時間はあるのかお聞きしてみたところ…
「舞台いっぱい観ています! 単純に観客として好きなので(笑)。最近だと『レ・ミゼラブル』を初めて観て感動しました。あとは『CHICAGO』や『フローズン・ビーチ』もすごくおもしろかったです!」とのこと。大好きな宝塚歌劇の明日海りおさん退団公演は「まだ観に行けてないんです」と残念そうでしたが「自分が舞台に出るようになっても、やっぱり宝塚は完璧な夢。夢の世界です!」とファンの表情を見せてくれました♪ 



【葵わかなさんプロフィール】
1998年6月30日生まれ。神奈川県出身。出演映画・ドラマ多数。2019年2月ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ジュリエット役で舞台デビュー。映画「任侠学園」が9月27日より公開中。趣味は宝塚観劇と猫を愛でること。




【公演情報】
ミュージカル『アナスタシア』
2020年3月1日(日)-28日(土)東急シアターオーブ
2020年4月6日(月)-18日(土)梅田芸術劇場メインホール

<オリジナルクリエイティブスタッフ>
脚本:テレンス・マクナリー
音楽:ステファン・フラハティ
作詞:リン・アレンス
振付:ペギー・ヒッキー
演出:ダルコ・トレスニャク

<出演>
アーニャ:葵わかな/木下晴香
ディミトリ:海宝直人(東京公演のみ)/相葉裕樹/内海啓貴
グレブ:山本耕史/堂珍嘉邦(CHEMISTRY)/遠山裕介
ヴラド:大澄賢也/石川禅
リリー:朝海ひかる/マルシア/堀内敬子
マリア皇太后:麻実れい
リトルアナスタシア(子役):大村響叶/西光里咲/山田樺音

アンサンブル:
遠山裕介(※)/大柴拓磨/篠田裕介/竹内將人(※)/西岡憲吾/三井聡/村井成仁/山科諒馬/井上花菜/工藤彩/小島亜莉沙/後藤いずみ/高橋莉瑚/渡久地真理子/山中美奈

※遠山裕介さんはアンサンブル(イポリトフ伯爵)として、グレブ役出演回以外の公演にも出演。遠山さんグレブ回は竹内將人さんがアンサンブル(イポリトフ伯爵)として出演。

キャストスケジュールはこちら

公演公式サイト

おけぴ取材班:mamiko(文) hase(撮影)  監修:おけぴ管理人

おすすめ PICK UP

シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎 ヤマトタケル』市川團子さんトークイベントレポート

新国立劇場バレエ団『ロメオとジュリエット』リハーサルレポート~3組の主役ダンサーの魅力に迫る~

【イベントレポ】『伊礼彼方の部屋vol.4~相葉裕樹×伊礼彼方~in 博多』レポート

ミュージカル『ラ・マンチャの男』開幕レポート~芝居と音楽、そして観客の想像力で立ち上がる騎士遍歴の物語~

【前編・葵わかなさん編】ミュージカル『アナスタシア』アーニャ役インタビュー

【後編・木下晴香さん編】ミュージカル『アナスタシア』アーニャ役インタビュー

小野田龍之介さんインタビュー~『レ・ミゼラブル』から『ウエスト・サイド・ストーリー』、『ミス・サイゴン』へ~

『天保十二年のシェイクスピア』高橋一生さんインタビュー

【テーマは歓喜】スーパー歌舞伎Ⅱ<セカンド>『新版 オグリ』製作発表レポート

ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』おけぴ観劇会 開催決定!

おけぴスタッフTwitter

おけぴネット チケット掲示板

おけぴネット 託しますサービス

ページトップへ
おけぴ会員のご案内(登録無料) プレミアム会員のご案内(550円/月)