♪Little shop, little shoppa horrors~ 思わず口ずさむ帰り道。
カラフルでパワフルなリトショの魅力は2020年、令和の時代も健在です!! 物語の主人公、花屋の店員の冴えない青年シーモアを演じるのは
鈴木拡樹さんと
三浦宏規さん。そう!乗りに乗っている
Wヒロキです♪
鈴木拡樹さん
三浦宏規さん
【人類を脅かす、それは欲望との闘い?!】
こちらは物語をリードし、時に観客にも的確な指示をくれる?!三人娘
クリスタル(塚本直さん)、ロネット(まりゑさん)、シフォン(清水彩花さん)
抜群の歌唱力♪
物語の舞台はさびれた街スキッド・ロウにある繁盛しているとは言い難いムシュニク氏のお花屋さん。貧しいこの街での暮らしへの絶望……いつかこの街を抜け出したいと願う登場人物たち。
◆ 「今日もお客はゼロ」と花屋の店主ムシュニクさんはボヤく。このお店、従業員も植物オタクで失敗ばかりのシーモア、シーモアが秘かに思いを寄せるキュートだがちょっとおツムが……なオードリーといささか、いや、非常に頼りない。
ムシュニク(岸祐二さん)、シーモア(鈴木拡樹さん)、オードリー(井上小百合さん)
ある日、この店にシーモアが奇妙な植物を持ち込んだことで巻き起こるまさかまさかの物語!
シーモア(三浦宏規さん)、オードリー(妃海風さん)
シーモアが手にしているのは未確認植物?! 名付けてオードリーⅡ(思いを寄せる女性の名前をつけてしまうあたりも、なんともシーモア)
オードリーⅡを店先に置くと不思議なことに店は大繁盛!シーモアも一躍人気者に!しかし──その植物には大きな、そしておぞましい秘密が!!
なんとオードリーⅡの生育には人間の血が必要不可欠!
シーモアの血液ですくすく成長するオードリーⅡ、一方でシーモアの指は傷だらけ、もう限界!!
店は繁盛、オードリーⅡもすくすくと?!成長
ドーン!
そしてある日──。
突然しゃべり出すオードリーⅡ。主張は激しく、要求は厳しくなり──。
ついに本性を現したー!
【個性的なキャラクターに息を吹き込む多彩な俳優たち】
<キュートなのに自己肯定感ゼロのヒロインオードリー>
妃海風さん
なんとも言えない半拍遅れのセリフ回し、半音上がった声のトーン、独特な個性をもつオードリーというキャラクターの完成度高し! ふわふわしながらも歌い出すと大熱唱なギャップも!
井上小百合さん
メチャメチャかわいいオードリー。そしてとても健気。卑屈なことを言っていても決してウェットにはならない井上さんがもつ天性の明るさがヒロインとしてのオードリーにピッタリです。
<サディスティックな歯科医オリン>
「なぜ?オードリー、なぜ?」と誰もが思うであろう
(失礼・笑)オードリーの恋人オリンには石井一孝さん。暴力的で最後はアレしてアレなのですが、最初から最後まで笑いしかない!
俺はデ~ンティストッ!
キャッチーなメロディとヘンテコな歌詞のギャップ!
かなりアブナイ男です!
オリン登場の楽曲はハードに始まったかと思いきや非常にポップ。数々のアラン・メンケン作品にご出演され、楽曲の魅力を知り尽くした石井さんの歌唱に思わず気持ちがよくなってしまうのです。コール・アンド・レスポンス、求められたら応えちゃう!でも危険危険!やはり油断はなりません、だって──ロングトーンで喝采を煽っておいての「よせよっ(ニヒルな笑い)」ですから!こちらは腰砕けます(笑)。
<シーモアの恩人、花屋の主人ムシュニクさん>
貧しい街での暮らしを憂いているムシュニクを演じるのは岸祐二さん。孤児だったシーモアに職を与えた恩人。店の繁盛に伴ってキャラクターも変貌しますが、それもまた人間的だと思わせるのです。その裏には「欲」が見え隠れしつつも、ムシュニクさんから養子縁組を持ち掛けられたピュアなシーモアは幸せそうなんです。
<影の主役──というには存在感あり過ぎるオードリーⅡ>
成長も動きもなかなかにリアル。まさに増長していく影の主役ともいうべきオードリーⅡ。声を担当するのはデーモン閣下!語り口のイメージピッタリ!ビートのきいた魅惑的なロックナンバーで誘うオードリーⅡの要求をシーモアは、そしてあなただったら拒絶することはできるのか?! さらにビッグナンバー♪ サパータイム/Suppertime もド迫力で劇場を支配します。そして、物語も登場人物たちの運命をも支配していく──恐るべき植物。シーモアとの掛け合いもばっちりです♪
<冴えない青年の純粋さと欲望、シーモア>
鈴木さんのシーモアはまず出てきた瞬間の残念感が半端ない(←めちゃめちゃ褒めています!)。もはや清々しいまでのイケメン封印です。自らの生い立ちからくる卑屈さ、なにをやっても失敗ばかりの不器用さが一挙手一投足から伝わります。だからこそ人気者になったときに芽生える小さな野心や成功を手にしたからこその執着、失うことへの怖さ、人間の弱さ……一つひとつの感情、その心の機微が丁寧に紡がれていきます。ただどんな時も真っ直ぐなのがオードリーへの想い。優しく語りかけるような芝居歌は心を打ちます。
シーモアの純粋さが際立つのが三浦宏規さん。幼さの残る無垢な青年がある日とてつもない力を手にしてしまい、自らコントロール不能になってしまった悲喜劇という様相。翻弄されながらも愛する人への想いに生きる青年像を体現!物語の後半での憧れていたオードリーを勇気づけるビッグナンバー♪ 突然シーモアが/Suddenly Seymour では、なんともたくましく、力強い歌声!その歌声で劇場を震わせます!ただそこは花屋、グランド・ミュージカルばりの見事なまでの歌い上げ、その場違いなほどの熱唱が面白くもあるのです。
めちゃめちゃにぎやかなこの舞台ですが、出演者は9人+オードリーⅡ。カーテンコールで出演者の少なさに驚かれる方も多いでしょう。そんな舞台を支えるお二人の男性アンサンブルをご紹介!
シーモアがオードリーⅡを見つけたチャイナタウンの花屋のおじさんは榎本成志さん
もうひと方が高瀬雄史さん。
こちらのお花を買ってくれる紳士のほかにも……実はオードリーⅡの中の人でもあるのです!
【さぁ、どうなるシーモア!】
お話に戻りますと。オードリーⅡの♪ 持ってこい/Get It に乗せられて、あるものを目撃したことでシーモアの心のスイッチ・オン!一大決心をして向かったのはオリンの診療所、そこでは思いもよらないことが起こり──。
シーモアの運命やいかに!
ここから物語は怒涛の展開を見せ、まさかまさかのラストシーンを迎えます。リトショ、かなりぶっ飛んだお話ですが、そこに潜むのは誰の心にも秘かにある欲望。そこをぐいぐいかつポップにえぐる物語と美しく耳なじみの良い音楽。そのギャップがこの作品の魅力なのでしょう。
さらに劇場では使い捨ての3D眼鏡も配布されます。つまりお話のどこかでなにかが飛び出してくる?!使うタイミングは心配ご無用、舞台上から不思議な形で(笑)教えてくれますので♪
のちに大ヒットミュージカルを数多く生み出すハワード・アッシュマン(脚本・歌詞)とアラン・メンケン(音楽)によるカルト・ミュージカル。彼らが本作を生み出したのはともに30代前半のこと。若さゆえの大胆さと毒、エネルギーをもったリトショを、今回、体当たりで演じるのがこちらも若き才能Wヒロキ!これはもう相性抜群としか言えません。そしてそれを支える(支えつつ思い切り振り切れた芝居を見せる!)実力派のみなさん。絶妙バランスのカンパニーの司令塔、演出は上田一豪さんです。
おけぴ取材班:chiaki 監修:おけぴ管理人