【公演NEWS】『殺意 ストリップショウ』 ついに開幕 ! 初日コメント・舞台写真あり

人間の本質に激しく迫る衝撃の結末!
あるダンサアの一途な恋と壮絶な半生を描く一人芝居




『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司


 その鋭い筆致で人間の強い生命力や深い業を描いてきた三好十郎が、1950年に発表した、一人の女性ダンサアが語る衝撃的な半生の物語。
 栗山民也×鈴木杏のタッグがお届けする、三好十郎の一人芝居がいよいよ開幕!初日を終えた演出家・出演者の心境をお伝えいたします。



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司


【演出:栗山民也】

 「私にはわからない」「これは、何だ!わからない」「だから私にはスッカリわかって、何にも、わからない」。これは劇中のいくつかのセリフなのですが、こういう言葉が深く頭から離れません。「わからない」とはっきり言葉に出す、その何と素敵な瞬間か。

 この作品は、わからないからこそ素直に実直に、何度も「問い」を続ける一人の女の物語なのですが、敗戦後のどす黒く荒涼とした時代のなかでも、そこに何の嘘もなければ騙しもありません。それだけでも、この女の叫びやささやきは、この罪深い嘘だらけの現在に強く響くでしょう。パンデミック後の先の全く見えない今に、この物語のいろんな断片が妙にダブって見えてくるのです。

 不要不急のものとして文化芸術が話題になりましたが、人間や世界の今を見つめるために、それがわたしたちを支えていることを証明したいと思います。




『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司


【緑川美沙役:鈴木杏】

 何よりも無事に初日の幕が開いた事と、劇場が再スタートできた事をとても嬉しく思います。このまま千秋楽まで無事に幕が上がり続ける事をとにかく祈っています。

 『殺意 ストリップショウ』は言葉によって色々な気持ちを引き出させる戯曲で、身と心を委ねていれば、自分の見た事のない景色を見せてもらえたり、抱いた事のない気持ちを抱かせてもらえる戯曲だと思います。後半は体力との勝負ですから、必死で戯曲にしがみついて走っている感じです。

 今は私の役者人生の中でも、個人の人生の中でも、ターニングポイントのひとつになるであろう、すごい時間を過ごしていると思います。そういう時期に今いるんだろうなという気がするくらい、特別な時間です。

 残り13公演、毎日ちゃんと発見していけるように、毎日違っても良いから、毎日新鮮に、鮮度も熱量も保っていけたら良いなと思っています。最後まで無事に駆け抜けられるように頑張ります。




 目まぐるしい変化を遂げた、第二次大戦前後の東京と人々の欲望に飲み込まれ、心を強く通わせた愛する男を失ったことで、この世の不条理に怒りを燃やしていた主人公が、次第に人というものの本質に気づき、受け入れていく様には、現代にも通じる大衆主義の愚かさと、人間存在への諦念、切なさが滲み、2020 年を生きる我々の胸にも深く突き刺さる作品です。



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司


 作品紹介はこちらの記事をご覧ください

あらすじ

「しかし、時には思い出してくださいまし、
このような姿をした このような声をした 緑川美沙という、こんな女がいた事を。」

 高級なナイトクラブのステージ、自らのフィナーレを終えたソロダンサア・緑川美沙が、客にその数奇な人生を語りだす。

 南の国の小さな城下町に生れた美沙は、日華事変、二・二六事件の直後、兄の勧めで東京に行き、急進的な左翼の社会学者・山田先生のもとに身を寄せる。そこで美沙は、自分と同じく、兄である先生を信奉する弟・徹男と運命的に出会う。二人は密やかに気持ちを通わせるが、やがて日本は戦争に突入し、先生が 軍国主義に迎合することでその思想を転向する中、ほどなくして徹男は学徒出陣で命を落とす。

 悲嘆にくれたまま敗戦を迎えた美沙は、愛国を掲げた徹男が悔いなく出征する後押しさえした山田先生が、軽々と 再び左翼に鞍替えする様子を見、保身のため思想を捨てるその卑しさに激しく憎悪を燃やす。ついに先生 の殺害を決意した美沙は、レビュウダンサアと娼婦に身をやつし、その機会をうかがっていく…。

「──善い悪いが私にとって──人ではない、この私にとって、善い悪いがなにかしら?」



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司



『殺意 ストリップショウ』撮影:細野晋司

【公演情報】
『殺意 ストリップショウ』
2020年7月11日(土)〜7月26日(日)@シアタートラム
【作】 三好十郎
【演出】 栗山民也
【出演】 鈴木 杏

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