演者はたった1人、登場人物は30人以上!?
究極の一人芝居、究極のソーシャルディスタンス!
『フリー・コミティッド』開幕です! 撮影:西村淳
撮影:西村淳
舞台上、ひとりの俳優が作り出す“社会”に
笑い、涙し、我が身を振り返る──【成河さんオフィシャルコメント】
このお芝居は、自分で選びとることの大切さを教えてくれます。周りの目や評価を気にして、ひたすら他人の要求に応えようと頑張ってしまうサムは、時に矮小で滑稽な僕たちの姿と重なります。ひとに嫌われないように生きることに疲れた時、少しだけサムは成長します。そのささやかな瞬間を切り取ってお届けします。 ◆ 1999年9月にニューヨークにて初演、2018年夏に日本初演された本作。初演で30公演を完走した成河さんが、再びこの一人芝居に挑みます!
売れない俳優サムはマンハッタンの超人気レストランの予約電話受付係として働いている。お店は満席、予約は殺到、いるはずの同僚は不在!お金持ちのマダム、カリスマシェフ、支配人、ウェイトレス……さらにはマフィアに父親まで!!サムに電話をかけてくる!
撮影:西村淳
撮影:西村淳
「目一杯、手一杯」
サムの姿を見ながら、鏡を見ているような瞬間が訪れる本作。2018年の夏から社会が大きく変容した今、何を感じ、思うのだろうか。
サム、久しぶり!あ、服が違う(そこかいっ!!)。
まず、そんなことを思う再演。
撮影:西村淳
変わったのは衣裳だけではございません!もちろんお話が変わるということはないのですが、38役の切り替えの鮮やかさ、怒涛のストーリー展開のエネルギーに圧倒された初演。それぞれの局面の積み重ねの巧みさはそのままに、全体のドラマとしてのテンポや流れがより明確に作り上げられている印象を受けました。
目の前のことに手一杯なサム、事務所にかかるレストラン予約の電話とプライベート通話でのオーディション結果についての会話。やがてそれらが交錯する瞬間が訪れ。
ちょっとした決断が人生の分岐点となるような。今の時代ゆえの爽快感と痛み、サムを見つめるちょっとだけ優しくなった自分がそこにいました。
撮影:西村淳
床にちらばる“彼ら”もいい仕事していました!
そして、生身の人間が演じる、それも一人で。その行為が、客席に集った観客ひとりひとりの心にさざ波を立てる。観客はそれぞれのざわざわを胸に劇場を後にする。この、劇場で営まれてきた一連の出来事の尊さを、このシンプルな芝居で強く感じました。
今の自分を映す鏡のような『フリー・コミティッド』、ぜひ劇場で体感してください。
とはいえ……、このご時世。なかなか劇場へ足を運ぶことが難しい方もいらっしゃるでしょう。そんなみなさんのもとには『フリー・コミティッド』が配信されます!
(11月16日(月)14時~※アフタートーク付き、11月30日(月)14時~ 詳細は下記をご参照ください) またまた、アフタートークの追加開催も決定いたしました。
★アフタートーク★11月16日(月)14時~
11月21日(土)18時~
※該当公演のチケットをお持ちのお客様は、公演後そのままご自席にてご参加いただけます。初演時観劇レポはこちら
おけぴ取材班:chiaki(文) 監修:おけぴ管理人