2021年1月27日、日英共同企画の新作ミュージカルが日本で世界初演の幕を上げる! 初日に先立ち行われたミュージカル『The Illusionist -イリュージョニスト-』ゲネプロ終了後の海宝直人さんコメントをご紹介いたします。
天才イリュージョニスト・アイゼンハイム役:海宝直人さん
撮影:岡千里
「明日初日を迎えること、ちょっと信じられないような気持ちです。いよいよだという緊張も、お客様をお迎えできる喜びもあります。そして、この作品はたくさんの山を乗り越えてここまでたどり着きました。三浦春馬さんを失い、どのような形で公演すべきなのか、とても悩みました。いろいろと話し合う中で、(演出の)トム・サザーランドさんをはじめとするクリエイターチームのみなさんの「決して諦めることなく、この作品を必ずお客様にお届けする」という強い思いに、こちらのキャスト・スタッフ、本作に関わる皆が共感しました。ただ、強い思いを持ちながらも、その後もコロナの影響などもあり、それぞれが心が折れそうな瞬間、この作品が完成するのだろうかという不安もありました。それでも全員が諦めず前進してきたからこそ、今日、そして明日の初日を迎えられるのだと思っています。
この作品は真実と嘘を描き、何が正義なのか、何が悪なのかを問いかける作品。アメリカ大統領選挙やコロナ、フェイクニュースなど、改めて最近の(社会の)状況を見てみると、「何が本当なのか」──自分たちが今考えなければいけない問題に非常にマッチしています。
僕自身もこの作品について考えることが、自分の考えの凝り固まったところに対して、違う方向から見たら違う事実が見えるのではないかと考えるきっかけになりました。今のような、自分たちが追い詰められ、疲弊している状況では、刺激的・扇情的な人を信じやすいという危うさがあります。そんな時代に、この作品をご覧になっていいただき、自分が考えている正義について改めて考えていただく機会になったらと思います。
もちろん見どころはそれだけでなく、素晴らしい音楽、豪華な衣裳──、深く尊敬する共演者のみなさんと作り上げた本作。短い時間の中で作ってきましたが、明日はその苦労を感じさせることなく、みなさんに楽しんでいただける舞台にしたいと思っております。
本日はありがとうございました」◆ イリュージョニストがいざなう幻想の世界──客席に座った観客の心をひと時たりとも離さない思惑と思惑のパワーゲーム、謎解きの果てに現れるのは。29日まで、日生劇場。
海宝直人さん、濱田めぐみさんの次回作『アリージャンス』
3月20日夜公演にておけぴ観劇会開催です♪
おけぴ取材班:chiaki 監修:おけぴ管理人