明日、3月5日より開幕するミュージカル『GHOST』の初日前会見が行われました。
本作は1990年公開の大ヒット映画を原作にしたミュージカル作品、日本での上演は2018年の初演以来、約2年半ぶりの上演となります。主人公サム役の浦井健治さん、その恋人モリー役Wキャストの咲妃みゆさん・桜井玲香さん、サムの親友カール役の水田航生さん、インチキ霊媒師オダ・メイ役の森公美子さんが登壇した会見はカンパニーの普段の雰囲気そのものという、和やかで温かい時間でした。桜井さん、水田さんはこの再演からのご出演です。(モリー役のお二人は
製作発表会見とは衣裳をチェンジしてのご登壇!)
突然暴漢に襲われて不慮の死を遂げる銀行員サムに浦井健治さん。この作品をとても思い入れのある作品だと前置きし、
「今回は演出のダレン(・ヤップ)がリモートでの参加となりましたが、共同演出として振付の桜木涼介くんが大きな役割を担ってくれました」と、コロナ禍ならではの苦労とそれを乗り越えるカンパニーの力を語りました。
浦井さんから
「ものすごく仲がいい二人」とご紹介のあった、Wモリー。咲妃さんは
「稽古中から玲香と二人で手を携えて構築してきた21年版のモリー、いよいよ初日を迎えますが、一回一回お客様に感謝の気持ちをこめてお届けしたい」と語り、会見前に行われた公開GPを客席から見た桜井さんは
「次の展開を知っている自分ですら、大感動して涙が止まりませんでした。みなさんが自分の感情に嘘をつかずに演じているので、各回ごとの変化が自然に生まれると思います。私も一回一回正直にこの作品と向き合っていきたい」と生の舞台ならではの魅力を語りました。
二人の仲の良さについては
「玲香は相談ごとから他愛もない話までしたくなる存在。本番が始まると会えなくなるのがさみしい」(咲妃さん)
「スキが止まらない」(桜井さん)とまさに相思相愛。そんな二人のモリーに対して、
「二人して動画見てカワイイッ♡って言っていて、正直私はピンと来なくて(笑)」とツッコミを入れたのは森公美子さん。本当にメチャメチャ仲いいそうです!
そんな二人のモリーに愛されるサムを演じる上で、浦井さんが感じているのは
「自分から芝居を変えるというより、相手によって変わるという部分が大きい。受けの芝居が多いサムとして、お二人から受け取る熱量も毎回異なり、そこからの引き算など芝居をいろいろと変えてくるので毎回新鮮」と芝居巧者らしい言葉が飛び出しました。
サムの同僚で親友のカールを演じる水田さんは
「ダレンが来日できない中でも濃密な良い時間を過ごすことができた」と稽古を振り返りました。また、
「再演組の一人として21年版のゴーストをしっかりと務めたい」との意気込みも!
そして当たり役!インチキ霊媒師オダ・メイを演じるのはもちろんこの方!
「霊媒師というか詐欺師なのですが、サムと出会うことで才能を開花させてしまう、死の世界と繋ぐ役オダ・メイを演じる森公美子です。今回は踊りのほうがちょっとずつ増えていて(笑)」と笑う森さんですが、迫力満点のゴージャスなシーンに仕上がっておりますよ!!
コロナが演出に与えた影響については浦井さんから
「基本的に変えていません。東宝さんがお客様の心を大切にされ、それ(コロナ)を感じさせないようにと細かく検証、見直しを繰り返しながら作り上げました」と真摯に力強く答えられました。
また、本公演中に東日本大震災から10年を迎えることについては被災地宮城県出身の森さんが目に涙をためながらも懸命に
「10年経っても、まだあの恐怖を思い出すこともあります。最近また大きな余震があり、同級生LINEですぐに安全を確認し合いました。10年前はレミゼの公演をしていましたが、完売公演でも客席には空席が目立ちました。それは来ることができなくなった事情のある方のお席なんだなと。でも、私たちにできることはそのお客様のいないお席にも一生懸命歌って、お芝居をして舞台を届けることなんだと信じて上演しました。また、この作品の初演時、最初にダレンが口にしたのは“風の電話”という今は亡き大切な人と思いを繋ぐ電話の話です。それを意識してくださいと。この作品にもそんな思いが溢れています。だからこそ、今のようなご時世でなかったら被災地でもこの作品を上演したかったという思いがあります」と思いを言葉にしてくださいました。それぞれが困難に直面する今も、愛する強さと癒しのあるこの作品に救われる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
最後に浦井さんより再演できることへ感謝と来場が叶わない方への心遣いとともに、
「この作品をやっていると、どこか不思議な温かさに包まれていると感じます。会いたいという気持ち、思いを伝えたいという気持ちの尊さを、この作品を通じて分かち合えればと思います。きっと見守ってくれる誰かがいる、人は一人じゃない。それを感じることのできる作品です」と改めて作品の魅力が語られ会見は終了となりました。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人