★クリスマスプレゼントDAYS開催★
12月23日(木)6:30、24日(金)1:00、25日(土)1:00/6:30(全4公演)
今年のクリスマスを劇場で過ごしてくださるお客様に
抽選で【出演者サイン入りカード】などスペシャルグッズをプレゼント! 雪がはげしくふりふぶく温泉場の芝居小屋に、人気も芸も関東一の、あの中村梅子一座がやってきた!「湯の花劇場」を舞台に繰り広げられるのは、どこまでが芝居かどこからが現実か……逆転に次ぐ逆転、どんでん返しの連続。チャーミングでカッコイイ登場人物(=役者)たちが繰り出す大衆演劇の名台詞の数々に、耳も心も大喜びする観劇体験。拍子木の音も心地いい、こまつ座『雪やこんこん』、 舞台写真
(撮影:宮川舞子)とともに観劇レポートスタートです!
梅子(熊谷真実さん、右)と和子(真飛聖さん、左)の掛け合いのテンポの良さ!新生『雪やこんこん』、いい仕上がりですっ!!
2012年以来の上演となる本作、新生・中村梅子一座の座長・梅子には熊谷真実さん、小屋主の女将・佐藤和子に真飛聖さんがどーんと構えます。熊谷さんの気風の良さ、真飛さんの胸のすく啖呵に、惚れ惚れ。そして、一座を支える頭取に大滝寛さん(文学座)、愛嬌もある二枚目役者に藤井隆さん、元国鉄職員の女形役者に小椋毅さん(モダンスイマーズ)、若手座員には前島亜美さん、村上佳さん(文学座)、元役者の旅館の番頭さんには まいど豊さん(東京ヴォードヴィルショー)、旅館の下働きに安久津みなみさん(青年座)という座組。
カラフルな面々が織りなすどんでん返しの連続に泣いたり笑ったり!
丁々発止のやり取りや、人情味あふれる心の交流、本番を前にしたアクシデント……舞台裏も負けず劣らずドラマティック。ことあるごとに名作の名台詞がポンポンと飛び出すのは役者の粋か、はたまた業か。どこからが芝居でどこからが本当なのか、驚きの連続も「まぁ、しょうがない、彼らは役者だから!」と思える説得力。そして、その根底に流れる“人を思う気持ち”や“芝居への愛”。芝居っていいな~、人間っていいな~、そんな気持ちが心の底からわき上がってくる作品です。
そして、今回のこまつ座『雪やこんこん』の名のもとに集いしは、宝塚、吉本興業、エイベックスは言わずもがな、先ほど記したように老舗劇団から人気小劇場、軽演劇……実にバラエティ豊かな出自の役者のみなさん。それぞれの個性を持ち寄り、鵜山仁さんの演出で井上戯曲を2022年に立ち上げる。この寄合い一座の縁、それは客席も同じです。この日を楽しみに切符を握りしめて劇場を訪れるこまつ座ファン、井上ひさしファン、出演者ファンにはじまり、今のご時世では少々難しいかもしれませんが、暮れのお買い物でデパートに来た方がふらり、会社帰りの方がふらり、そんな一人ひとりが客席に座り、泣いて笑って人生の時間の一部を共有し、それぞれの生活に戻っていく。
この作品のように、外は豪雪、猛吹雪が吹き荒れる中でも心がポカポカする劇場空間がそこにある。やがて嵐は去り、そのぬくもりを抱いて、よーし、明日も頑張るぞ! 劇場の外、世知辛いけれど捨てたものでもない世の中に少しだけ心丈夫になって戻る、“芝居の効能”を改めて実感するのです。舞台ツラ、客席に向く場所が化粧前というセット、役者たちが、さぁ、はじまるぞと一斉に化粧を始めるラストシーンから口上へ。こうして芝居を観られることがとてつもなく有難く思えて、鼻の奥がツーンとしてしまいました。口上の内容は……ぜひ劇場で!
ここからは早速ご覧になったおけぴ会員のみなさんからの感想をご紹介いたします!
いやもう、この人のためなら!とひと肌もふた肌も脱ごうという気にさせる梅子を演じる熊谷さん。おっきなハートで一座を、そして周りの人たちを包む梅子、熊谷さんご自身がもつそれと重なるようです!
♪テンポよく展開していく井上ひさしの戯曲の面白さを改めて感じました。美しい日本語が溢れている舞台です。それぞれが人間味溢れる魅力的なキャラクターで、芝居に対する熱い想いに胸が熱くなりました。梅子さんや和子さんの強さを通して、信念がある人は美しいと改めて気付かされたように思います。全てを知ったあとにもう一度観たいと思うような舞台でした。
♪熊谷真実さんと真飛聖さんの演技、やりとり、特に熊谷さんの存在感がすばらしすぎる。脇が引き立てなくても屹立している。
♪真実さん演じる梅子の器の大きさは圧巻。人間的魅力があふれ、滑稽なところもあるけれど、やっぱり応援したくなる!! 当たり役!
佇まいから殺陣、ひょうきんなダンス……そのすべてがカッコイイ! ふと見せる影、隠せない華、ただよう大物感は梅子と相対するにふさわしい女将!
♪真飛聖さんが素晴らしかった!立っても座っても喋っても美しく、カッコよく、見惚れてしまいました。さすがの一言。
♪こまつ座『雪やこんこん』から伝わる井上ひさしの舞台愛が、役者愛が、演劇愛がすごい。また、流れる空気が雪の中ながら、非常にあたたかい。まさに、優しくなれる芝居。
♪珠玉のセリフのオンパレード、どれが芝居でどれが真実か。井上ワールド全開で、熊谷真実、その他の面々がキレの良い芝居を演じています。
ダンスシーン⁉も悲喜こもごも‼
藤井さんの皮肉、小椋さんの返し、台詞の間が最高です。前島さんのハツラツとした芝居と昭和の“今どき感”が絶妙です。嬉しい出会い。
♪素晴らしい役者たちの個性と、それぞれ葛藤する様子が描かれた演技の妙が素晴らしい。まさに人間を、本気で丁寧に描いている。
♪こまつ座の芝居とはこういうもんだ!とばかりの人情劇。キャストの皆さん全員の演技がすばらしく、笑って泣きました。
♪芝居愛に溢れた、まさにこの時期に上演されるにふさわしい作品でした。今はあまり使われることのない台詞の言い回しのひとつひとつがとても美しいです。「人生は自分で切り拓くもの、前に進んで」というメッセージが胸に深く染みました。東北の温泉旅館の雰囲気を感じさせるセットや小道具もよかったです。こんな温泉旅館で旅芝居を観てみたくなりました。
♪歴史と伝統のある戯曲、演出でしたがその“古臭さ”がとても面白く、芝居と日常という対比がとても活きていて楽しめました。
公演は26日(日)まで、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて!
HPより。
―昭和二十八年暮れ、中村梅子一座の宝石のような二日間―
かつて庶民の希望であり、羨望の的だった「大衆演劇」
移り変わる時代に翻弄され衰退する一座。
その楽屋から漏れる光と影...そして夢。
人情・縁...人生。数々の名台詞が、舞い散る雪のように降り積もる。
女座長・中村梅子一座は、人気の老舗大衆演劇一座だった。
しかし時代はまさに戦後の娯楽ブーム。
役者は次々と去り、わずかに残った役者にも不平不満が渦を巻く。
問題山積みの一座を救おうと、座長が運命をかけて演じた一世一代の名演技。
その姿にすっかり騙され、うっとり惚れた人々の運命はいかに?
井上ひさしが昭和に手掛けた昭和庶民伝三部作、激動の時代に翻弄された愛しき庶民の姿を通して、変わらない人間の逞しさを紡ぐ。
どうしてもわたしは、中村梅子一座のことが気になるのです。――― 井上ひさし
感想寄稿:おけぴ会員のみなさん
おけぴ取材班:chiaki(取材・文)監修:おけぴ管理人