“わたしたち、これからどこに行くの?”
天国と地獄の分かれ道で、なくした記憶を探すおしばい。作・演出を、本作で自身初のキッズ・プログラムとなる松井周さんが手がけ、日本演劇界を代表する俳優・白石加代子さんが主人公を務める、キッズ・プログラムとしては異色ともいえる『さいごの 1 つ前』が、8月10日に開幕! 松井さん、白石さんの初日コメントが届きました!
松井周[作・演出]
子どもたちがとても真剣に、そして楽しそうに観てくれていて、とてもよかったです。
戯曲にも子どもたちとやりとりするところがあって、そこは半分白紙状態のようにしていましたが、白石さんはじめ演者の皆さんが客席を丸ごと包み込む勢いで楽しそうに演じてくれていて、自分の想像を超える舞台になっていました。
子どもが冒険する、ちょっと知らない世界に足を踏み入れることは、ちょっと怖かったり、わくわくしたりする。そういう気持ちが客席にあると、自分もそういう気持ちになって、また新たに冒険しようという気持ちになりました。
半分の世界を俳優が創って、残りの半分を観客が創っている、まさにライブのようになったこともよかったです。物語を書いた私自身が、こんな物語だったっけ、と新しい物語を発見しているような気持ちにもなりました。
コロナ禍で初日を迎えることができたことは奇跡のようなことで、皆さんのおかげだと感謝しています。
コロナであれもしてはいけない、これもしてはいけないという中で、劇場に行って異世界に冒険することを楽しんでほしいと思います。白石加代子[出演]カオル
今日はたくさんのお子さんに観ていただいたことをとても感謝しています。
子どもたちと一緒に一つの空間を立ち上げることは初めてです。舞台に立って、子どもたちの姿が見えるととても元気をもらいます。
舞台は、自分で発電機のように元気を出していくものですけれど、客席から大好きなお子さんたちの笑い声を聞くことができ、心身をくすぐっていただいたような楽しい経験でした。
記憶の薄くなった人と、その人を元気づけようとしてあの世とこの世の境目で話をする言葉は、意識のとっても不思議な所へ入っていくようなセリフで、大人も考えさせるような内容ですけれど、何かを潜り抜けて助け合いたいという気持ちは、子どもたちにもしっかりと伝わったと思いました。大人にも子どもにも届く作品だと思います。この舞台がどういう風に子どもたちの心の中に残って、大人になってから思い出してどんな風に感じるか、とても楽しみです。
今日は KAAT の舞台ですごい宝物をいただきました。たくさんのお子様と大人の方に観ていただきたい作品です。【あらすじ】
ここは天国と地獄の分かれ道。Kはそこで忘れ物をして困っています。
天国に行くには「生きていた頃の記憶」がいるらしく…Kの忘れ物はその記憶です。
集まった人間たちはKのためにあれこれ考えますが、そこに怪しいだれかが現れて…
Kは無事天国へ旅立つことができるのでしょうか?
舞台写真提供:KAAT 撮影:宮川舞子
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました