トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』 ついに開幕 !
初日コメント・舞台写真が届きました!なんだか夢を見ているような気持ちです──五戸真理枝(演出)
二人の絆・呼吸が試される舞台──高岡早紀
普段、体感することのない生々しいものをお届けできれば──溝端淳平『毛皮のヴィーナス』は、“マゾヒズム” の語源にもなったオーストリアの小説家L・ザッヘル=マゾッホの小説から想を得て、米劇作家デヴィッド・アイヴズが舞台用に戯曲を執筆し、2010年にオフ・ブロードウェイにて初演された作品です。
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
オーディションを受けに来た女優と演出家、さらに戯曲の登場人物も交錯するという二重構造を駆使しつつ、人間が持つ根源的な欲望をスリリングに描き出していく、ライブ感あふれる舞台。二人芝居『毛皮のヴィーナス』、無事、初日を終えた演出家・出演者の心境をお伝えいたします。
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
【五戸真理枝(演出)コメント】
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
『毛皮のヴィーナス』がシアタートラムで観たい。あわよくばこの手で作り上げたい。と憧れていた作品が実際に舞台上に姿を現し、なんだか夢を見ているような気持ちです。
稽古中も、初日の舞台を観ていても、作者デヴィッド・アイヴズ氏が劇中に封じ込めた、古代から現代まで続く演劇というものへの信頼と、執拗とも感じられるくらい強い愛情が、私に強く響いてきました。この力に巻き込まれ、導かれ、作品を組み上げさせられた感覚があります。
ヴィーナスに限らず、古代の神様は、人間の思考や空想の中に突然、ありありと姿を現し、突然姿を消す存在なのかもしれません。
この戯曲では、演劇の幻想性を利用して、そういう神様の存在感が写し取ろうとされているのかもしれず、私は創作過程で、このヴィーナスの存在感にかなり翻弄されました。
この作品は、あるシーンでは人間心理が奥深く描かれていたり、ドキドキするようなエロスを感じる場面もあるので、お客様に息をつめて見守ることも求めてくるかと思いますが。創作の喜びや、人間への讃歌、そして演劇への讃歌が、どうか心地よくお客様まで届きますように。
高岡早紀さん、溝端淳平さんをはじめスタッフ、関係者の皆さんの演出に対するお力添えに心より感謝いたします。千秋楽までの公演の無事を祈っております。
【高岡早紀 ヴァンダ・ジョーダン(ドゥナーエフ)役 コメント】
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
緊張感のある時世ながら、無事に初日を迎えられたことにまずほっとしています。
二人芝居で、とても充実した稽古を重ねてきました。大人数の舞台とはまた違った、二人の絆・呼吸が試される舞台。淳平君とはこれまでも共演を重ねてきましたが、彼には「何があっても絶対に大変なことにはならない」という安心感がありますし、一対一で向き合ってきて、よりその信頼感が増しました。
精神的にも体力的にも大変な作品ではありますが、とても楽しいです。
まだまだ積み重なっている課題をこなして、淳平君と、より素晴らしい『毛皮のヴィーナス』の世界をお客様にお届けできるよう切磋琢磨していきたいと思います。
何かすごいものを目撃していただけると思います。ぜひこの時間を共に共有しに、劇場にお越しいただけましたら嬉しいです。
【溝端淳平 トーマス・ノヴァチェク(クジェムスキー)役 コメント】
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
トラム、二人芝居『毛皮のヴィーナス』撮影:細野晋司
信頼できる早紀さんの胸を借りながら、二人で作っていく空気を途切れさせないように、表現し続けられるように、そんな思いで初日の舞台に立ちました。
お客様も温かく、想像以上に贅沢な空間に身を置くことができ、役者としてとても楽しめた初日となりました。
この戯曲には業(ごう)や愚かさなど、様々な人間模様が描かれています。普段、体感することのない生々しいものをお届けできればと思っています。困難な方もいらっしゃるご時世だと思いますが、よろしければ劇場に足をお運びください。観に来てくださった方には最高のものをお届けできるようにがんばりますので、ぜひ楽しみにお越しください。
◆公演は9月4日までシアタートラムにて。
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました