【公演NEWS】ドイツで高い評価を得た岡田利規の話題作を本谷有希子が演出。日本“語”初演!KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『掃除機』キャスト発表

注目の日本“語”初演!KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『掃除機』(作:岡田利規、演出・本谷有希子)のキャストが発表されました!


<忘>シーズンを締めくくる作品として、2023年3月、チェルフィッチュ主宰・演劇作家・小説家の岡田利規作『掃除機』を、劇作家・小説家・演出家の本谷有希子演出で上演します。この作品は、岡田が 2019 年にドイツの公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレ劇場に書き下ろし、自ら演出した『The Vacuum Cleaner』(ドイツ語上演)を、日本語により日本初演するものです。引きこもりの40代の娘、無職の 30代の息子、80代の父親が暮らす家の情景を「掃除機」の目線から描く本作は、日本のみならず世界的な社会問題として露わになってきた「8050 問題」が扱われています。この問題は、解決の困難さゆえに置き去りにし、忘れられがちな問題でもあることから、<忘>シーズンにふさわしい演目として、今年度のプログラムにラインアップされました。


ある一家の掃除機<デメ>の視点から、引きこもりの 50 代の娘<ホマレ>、無職の 40 代の息子<リチギ>、家族を見守る 80 代の父<チョウホウ>、それぞれの日常と、とある出来事を描く。(公演資料より)

「掃除機」の視点というところにハッとするも、そこで扱われるのは日本のみならず世界的な社会問題として露わになってきた「8050 問題」なのか……と落ち着こうとするのもつかの間。

※8050 問題・・・長年引きこもりを続け、中年になった子どもとそれを支える高齢者の親。2010年以降日本で顕在化した社会問題

一家の長女で、引きこもりの娘<ホマレ>役に家納ジュンコ、無職の息子<リチギ>役に山中崇、そして2人の父親<チョウホウ>を、モロ師岡、俵木藤汰、猪股俊明という、ベテラン俳優が、3人で1役を演じます。また、俳優として成長を続ける栗原類が、掃除機<デメ>役を演じます。

父親を3人1役で!! で再びビックリ。これは一体どんな公演になるのか。さらに、ワークショップを重ね、豊かな創作の時間を経て生み出されるとの言葉に興味が爆発!

さらに、『掃除機』上演へのアプローチとして。

本作は、ある一家の掃除機<デメ>の視点での語りや、岡田戯曲の魅力でもある各役のモノローグで物語が綴られています。この作品を上演するにあたり、演出の本谷はこの戯曲の魅力を引き出す表現方法を模索し、2 年以上前からワークショップを重ねてきました。
本谷ならではのアプローチの1つが、ラッパー環 ROY による音楽。ミュージシャンとしてだけでなく、ダンサーとのコラボレーション、絵本出版等、ジャンルを越えて活躍する環が、本谷との初めての協働作業により、岡田の“言葉”にどんな変化を与えるのか... 環は、一家の長男の友人<ヒデ>役で俳優としても出演します。




【演出・本谷有希子コメント 】

岡田さんと自分の共通点は何か、と考えてみても、パッとは思いつかない。でも“ない”とは思わない、流石に。あると思う。その部分に全力で重なってみることも、思い切り外れてみることもできると思う。岡田さんからもらったテキストの、五人の役名の下には、こんな説明書きがあった。「80代」。「娘。50代。引きこもり。」「息子。40 代。無職。」「友人。」「掃除機。」──俳優達とミュージシャンと、自分のものではない言葉に触れながら、あるかないかもわからない共通点を、探り続けていきます。


【作・岡田利規コメント】

『掃除機』は、8050 問題と呼ばれることもあるひきこもりの高齢化の問題を扱った、ある家族の情景を描いたぼくの戯曲です。このテキストを本谷有希子さんが演出するというプロダクションが今シーズンの KAATのプログラムに入ったことに興奮しているという意味でも緊張しているという意味でもどきどきしています。ぼく自身が演出するのでは決して生まれない本谷さんならではのテイストを持つものとしてお客さんに届けられる上演になるでしょう、その期待に興奮するのです。そしてその際に『掃除機』というテキストがどのような晒され方をするのか、ということに緊張するのです。


【KAAT 神奈川芸術劇場 芸術監督・長塚圭史コメント 】

『掃除機』に寄せて
岡田利規さんの『The Vacuum Cleaner』(掃除機)は、ミュンヘンの公立劇場カンマーシュピーレで 2019年の12月にレパートリー作品として初演されました。岡田さんが同劇場のレパートリー作品を手掛けたのは今作で実に4作品目であり、またさらなる新作のクリエイションが同国で準備されているということで、岡田さんの国際的な活躍が窺えます。ミュンヘンではもちろんドイツ語での上演でしたが、元々の戯曲は日本語で紡がれています。今回この原本とも言える日本語版『掃除機』を世界初演しようというわけです。

演出は文壇での活躍めざましい本谷有希子さん。本谷さんは演劇界で活動を始め、その後重心を小説に移しました。暫く演劇界と距離を置かれていましたが、2019年自身の小説を舞台化する試みを始め話題を呼びました。これまでのセオリーから離れ、改めて言葉を立体化することに関心を抱いた小説家であり劇作家でありそして演出家である本谷さんが、果たして岡田さんの台詞世界をどう立ち上げていくのか興味は尽きません。

本作は社会と折り合いのつかない家族を鋭い筆致とユーモアで描きます。無職の40代息子と引きこもりの50代娘を抱える父親はすでに 80歳を過ぎています。そしてこの家族の停滞し続ける風景を長年見つめてきた掃除機の「デメ」。この奇抜な設定が思いがけない視界を広げていきます。社会問題としてはっきりとそこにあるのにも関わらず、その解消の困難さゆえに置き去りにし忘れ去られてしまう中高年層の引き篭りと、その世話から逃れることの出来ない高齢者の、所謂「8050 問題」を圧倒的な筆致で描いた怪作。ミュンヘンでも高く評価された岡田利規さんの『掃除機』と、新たな視点で演劇を捉え始めた演出家・本谷有希子さんの競演にご期待ください。
【公演情報】
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース 『掃除機』
2023年3月4日(土)~3月22日(水)@KAAT 神奈川芸術劇場〈中スタジオ〉
作:岡田利規
演出:本谷有希子
音楽:環 ROY

登場人物
ハノ・チョウホウ 80 代 モロ師岡、俵木藤汰、猪股俊明
ハノ・ホマレ(チョウホウの娘)50 代 家納ジュンコ
ハノ・リチギ(チョウホウの息子)40 代 山中崇
ヒデ(リチギの友人) 環 ROY
デメ(掃除機) 栗原類

公式サイト: https://www.kaat.jp/d/soujiki

この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました

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