「ロイヤルコート劇場×新国立劇場 劇作家ワークショップ」から生まれた新作!
喪失を抱えて生きていく人たちの物語。【感想ご紹介】
◆6人の登場人物が3つの時空の中で切実に生きていて、少しずつ関係性が分かっていくのだが、少し悲しく少し温かく感じた。表現されていないそれぞれのバックボーンまで見えてくるような、丁寧に創られた作品。方言が心地よかった。美術にも注目。無理に仕切られていないのが面白い。
◆新国立劇場ならではの取り組みで、未来を感じます。まだ出会っていない劇作家・演出家の登場も楽しみ。次作品も期待しています。
お次は…新国立劇場初登場となる注目の劇作家・横山拓也さんの『夜明けの寄り鯨』です。こちらも楽しみですね♪ byおけぴスタッフ◆3つの場所で同時並行して進む出来事が、徐々に結びついていき、最後にタイトルの意味とともに全容がわかる...練りに練られた展開でした。なぜこの人はこんなことを?と考えていたことが、観終わった後色々な場面を思い返すことで、繋がっていき、人が悲しみややりきれなさを抱えながらそれでも生きていくことについて考えながら帰路につきました。
◆小川芸術監督のじっくりと作品を創り上げる姿勢が反映された、「充実」の作品だったと思います。俳優の皆さんの自然な演技がまた良かったです。方言が一部理解しきれなかった自分が、ちょっと残念でした。
おけぴスタッフもすべてをキャッチはできませんでしたが、そんな距離感も含めて作品との出会い、観劇だと思います!素敵な感想をありがとうございます。◆2年のワークショップを通して丁寧に作り込まれた戯曲を、役者陣がしっかり演じています。舞台を3つに分け、それぞれの物語が関わり合って一つの物語になる過程が見事です。上手と中央の物語の関わりはすぐ分かるのですが、下手と他の2つの関連が明らかになるに連れて、物語が展開を始めます。明らかになる過程と、その後の変化の2つが楽しめる舞台です。重たい話題ですが、藤野涼子さんの役柄の明るさに救われる気がしました。
◆とても感動しました。丁寧でやさしくて強くて。じわじわと見えてくるお話の全貌。生きていくということはどういうことなんでしょう。自分に問いかけながら見ていました。本当に観てよかったと思いました。
◆くまちゃんが好きです。いつも居てくれるのが本当にうれしいです。楽しみにしています。ありがとうございます。
◆三つの時間と空間が同時進行する凝った作りです。が難しいことは何もなく、メインになるのは主人公である女子大生のたった一ヶ月の出来事。それなのに観終わった時に涙が出ました。英国ロイヤルコート劇場とのワークショップで2年間かけて練られた戯曲は素晴らしく、役者陣もそれにあつらえたようにピッタリです。瑞々しい作品でした。
◆新国立劇場 2022/2023シーズン シリーズ企画、【未来につなぐもの】の第一弾『私の一ヶ月』開幕!
右から) 村岡希美、藤野涼子 撮影: 引地信彦
右から) 村岡希美、藤野涼子 撮影: 引地信彦
作・須貝 英さん、演出・稲葉賀恵さんよりコメントが到着しました!
【作・須貝 英さんコメント】
想いを込めた新作を皆さんにご覧いただける喜びと、劇作家ワークショップからの長い旅路の終わりが見えてきた感慨が胸に押し寄せてきて、なんだか経験したことのない気持ちです。
この作品はワークショップの期間、上演が決まってからの期間と、たくさんの方に支えられながら成長を続けてきました。おそらく本番を通してもずっと成長していくと思います。劇場でそれを一緒に体験していただけたら、この上ない喜びです。
【演出・稲葉賀恵さんコメント】
決して押し付けがましくなく、でも凛々しく、人の生活の繊細な機微を描いた須貝さんの作品を、6人の俳優陣が繻子を織るように体現して下さいました。
今を生きる私たちにも必ず思い当たる、仄暗い闇や哀しみを抱きしめて、それでも前に進む人々のお話です。
死を想いながらも、生きていく日々の中には必ず美しい瞬間がある、その煌めきを劇場で共有することが出来る作品に仕上がったと思います。
是非、日本初演のこの作品を客席で目撃してくださいませ。
【作品紹介】
本作は2022/2023シーズン中に日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画、【未来につなぐもの】の第一弾となります。
「劇作家の劇場」と呼ばれる英国ロンドンのロイヤルコート劇場が世界中で行っている、若い劇作家たちの為の国際的ワークショップを、2019年5月より、新国立劇場とタッグを組み、日本で初めて実施いたしました。60年以上の歴史を持つこの劇場は「新作戯曲のナショナルシアター」として、数多くの若い才能を生み出してきました。そのロイヤルコート劇場インターナショナル部門が、世界各国にアソシエイトディレクター、文芸マネージャー、劇作家を派遣し実施しているワークショップを、全4フェーズ、あしかけ2年に渡り実施、14名の若い劇作家たちが参加いたしました。それぞれのフェーズごとにワークショップ、ディスカッション、推敲を重ね、最終フェーズでは演出家、俳優も参加してのリーディングを通して成長を重ねてきた作品群より、このたび、須貝英による『私の一ヶ月』を上演いたします。
演出には同年代の注目の若手演出家、新国立劇場では2018年に『誤解』を演出した、文学座の稲葉賀恵を迎えます。
ものがたり
3つの空間。2005年11月、とある地方の家の和室で日記を書いている泉。2005年9月、両親の経営する地方のコンビニで毎日買い物をする拓馬。そして2021年9月、都内の大学図書館の閉架書庫でアルバイトを始めた明結(あゆ)は、職員の佐東と出会う。やがて、3つの時空に存在する人たちの関係が明らかになっていく。皆それぞれが拓馬の選んだつらい選択に贖いを抱えていた......。
「ロイヤルコート劇場×新国立劇場 劇作家ワークショップ」については
こちらをご覧ください。
後援:ブリティッシュ・カウンシル
感想寄稿:おけぴ会員のみなさん
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました