2013/02/21 ミュージカル「マイ・フェア・レディ」製作発表会見レポート

“リメイクではなくリボーン(再誕生)”!生まれ変わる日本初演50周年記念公演ミュージカル「マイ・フェア・レディ」への期待膨らむ製作発表会見の模様をお伝えします。
キャストのみなさんが舞台衣裳で登場!というとっても華やかな雰囲気の中、名作に挑む喜びと緊張感、使命感、様々な想いが溢れていました。


両手に花売り娘!

今から50年前に日本人が日本語で上演した初めてのブロードウェイ・ミュージカルが「マイ・フェア・レディ」。

ロンドンの下町の花売り娘・イライザが、ヒギンズ教授の教育により社交界の華として生まれ変わるシンデレラストーリーと「踊り明かそう」、「君住む街」など魅力的なナンバーで時代を超えて愛されている作品です。

初演時はイライザ役に江利チエミさん、ヒギンズ役に高島忠夫さん!そして!
近年では浦井健治さんや姜暢雄さんが演じ、今回は平方元基さんが挑戦するイライザに恋をする、青年フレディ役、若手俳優の登竜門的この役を演じていたのは・・・

藤木孝さん!!あの、ダンディかつオチャメなベテラン藤木さんがフレディです!

いやぁ、驚きですねぇ。と、50年の歴史、年月の流れを実感していただいたところで、ご期待の新生マイフェアのご紹介を!

まず、キャストのみなさんがファッションショーさながらのランウェイを歩いて、豪華な衣裳をご披露くださいました!衣裳デザインのポイントを交えてご紹介いたします。

まずは、下町の花売り娘からレディになるためのレッスンを受けることになるヒロイン・イライザ役Wキャストの霧矢大夢(きりやひろむ)さん、真飛 聖(まとぶ せい)さんです。宝塚歌劇団男役トップスターとして活躍されてきたお二人ならではのさすがの着こなし!作品を象徴するドレス、紳士淑女が集まるアスコット競馬場の場面でのお衣裳です。ポイントはモード感!


フランスのクラシックケミカルレースを贅沢に使用、フリルも少なめ、
首元も高くせずシンプルにすっきりとまとめています。
同じデザインながら、Wキャストのお二人で左右シンメトリ!粋ですねっ!

イライザ役発表時の周囲の反響からも作品の大きさを改めて実感されたという霧矢さん、オファーはまだ宝塚で“バリバリの男役”をされていた頃だったそうです。

霧矢大夢さん
「今でもこのようなドレスを着てここにいるのが夢のようです。私の辞書にはまだ麗しの“う”の字もありませんが(笑)これからどんどん作り上げていきたいと思います!」

ご出演について幸せな気持ちとたくさんの重みを感じているという真飛さん、丁寧に言葉を選びながらイライザ役への思いを語ってくださいました。


真飛 聖さん

「イライザという役の大きさを考えると“出来ない”と思ってしまうので、あまり固め過ぎずに共演者の方と新しい形で、心が動くように、自分なりに精一杯演じたいと思います。」

続いて、言語学者、研究のためにイライザをレディにするべく特訓をするヒギンズ教授には寺脇康文さん!一目で“上質”がわかるスーツで登場ですが、当時はスーツ=普段着なラフなスタイルだったとか・・・上流階級ですねぇ。


スーツの生地は変形ヘリンボーンのソフトツイード、襟付きのベストや
ジャケットの袖のターンアップカフ(折り返した袖口)などディテールにもこだわり!

「名作・大作と呼ばれる作品が長く続いてきたのには、これまで携わってきたキャスト・スタッフの方々のご苦労や魅力、そして作品自体の面白さがあります。この作品の持つ面白さに乗っかり、ニューメンバーで2013年版の『マイ・フェア・レディ』を作り上げ、観ていただいた方に元気になっていだけるような作品にしたいと思います。」

続いてはそんなイライザとヒギンズを取り巻く魅力的な人々!
イライザの父・ドゥーリトル役の松尾貴史さんとイライザに対して常に紳士的であり続けるピッカリング大佐役の田山涼成さんの登場です。
写真は「豪華絢爛な衣裳のみなさんが眩しい、田山さんは別の意味で眩しい」by松尾さんの瞬間です!


ドゥーリトルは下層階級の労働者ながらモノトーンでまとめることでおしゃれに、
ピッカリングは燕尾の襟元から裾の白のパイピングと襟元の黒のパイピングがポイント。

「50年前は12歳、すでに児童劇団に入っていました。その頃から、やってはいけないことに翻訳劇がありました。どうしても外国人になれない顔があるんじゃないかと(笑)。」(田山さん)

「翻訳劇というよりミュージカルは絶対手を出しちゃいけないと思っていました。
"なぜ感極まって歌い出すのか、酔っ払いが歌うんだったらいいけどね"と言っていたら、酔っぱらって歌う役だったので、断る理由が無くなってしまいました(笑)。」(松尾さん)

大作ミュージカルへの出演への戸惑い?!も感じさせるコメントながら、お二人が入ることで新しい風が吹きそうな予感です。G2さん演出の「江戸の青空」シリーズでの松尾さんを思い出すと・・・やってくれますよ、きっと!

そして、最後は大きな愛の人ヒギンズの母を演じる江波杏子さん!

シルクサテンのドレスに3種類のレース、竹ビーズ、クリアスパンコール、
ビジュー(宝石)刺繍の施されたお帽子。ゴージャスかつエレガンス!

「このような大名作にお声を掛けていただけて、ワクワクしております。そして、ご一緒させていただくフレッシュな共演者のみなさんからいっぱいパワーをいただいて、大きな大きな愛に満ちた母を作り上げたいと思います。」
江波さんがちょっとお困りなのをいち早く察し、マイクのスイッチを入れて差し上げた寺脇さんに、「孝行息子でしょう。」との言葉。素敵な親子関係が芽生えています!!

みなさんにご挨拶をいただいたところで質疑コーナーへ、この辺りから元男役トップスター“ならでは”のこんなコメントも!共感し合うお二人を見ているとこれは“男役あるある”?!


「宝塚時代は(この作品を)英国紳士の振舞いなどヒギンズにフォーカスを合わせて見ておりましたので(笑) 自分をイライザに置き換えるというのがなかなか難しいです。」(霧矢さん)

「霧矢さんもだと思いますが(笑)、男役は背中で哀愁を演じてきたので、その哀愁を取っ払って・・・あ、言い過ぎましたでしょうか、削ぎ落としていきたいと思っています。」(真飛さん)

「長らく男役をやってまいりますと、包容力というか、貫録が身に付いてしまいますので、寺脇さんの横で小さくなれるか心配です(笑)でも、(役の)心情を作り上げる点では男役も女役も同じ、内面重視でイライザを作り上げます!」(霧矢さん)

更に、お二人が注意点としてあげられた“がに股”、“手の添え方が逆”、“ついエスコートしてしまう”に会場内のそこかしこで笑いが!
まさに180度の転身!でもこれってある意味イライザの身に起こることと、どこか通じるような気も。

そんなお二人についに寺脇さんから・・・


「お話聞いていると、イライザを淑女にしていく役なのですが、逆に僕が男らしくされそう(笑)。先ほども裏で先頭を歩く霧矢さんが早い早い!あの背中についていこうかななんて思ったりして(笑)。でも、僕が頑張ってこのお二人を貴婦人に仕立て上げますよ!」

霧矢さんも真飛さんも、このように仰っていましたが、実際とてもエレガントなんです。
イライザとして舞台上でエレガントな立ち居振る舞いをご披露いただくのも楽しみですが、そこに加わって欲しいなと思う“凛”とした存在感がすでに備わっているお二人の女優さんに期待です!

さらに!今回は演出のG2さんが翻訳・訳詞も手がけられます。
G2さんご自身がウエストエンドで観劇されたときに、「英語だと直感的で分かり易い!」と感じた経験をもとにしたイライザの言葉の特訓シーンでのユニークな工夫も注目です。
観るたびに奥深さを感じる物語と魅力的なミュージカルナンバー、「映画でしか見たことないな」という方も是非、2013年版「マイ・フェア・レディ」をお楽しみに~!

最後に囲み取材で無茶振りされたキャッチコピー、おけぴはあの方のこの言葉を採用です!


「マイ・フェア・レディ・ゴー!」by寺脇康文さん


<公演情報>
東京公演 2013年5月5日~28日 日生劇場
金沢公演 2013年6月7日 金沢歌劇座
福岡公演 2013年6月11日、12日 キャナルシティ劇場
名古屋公演 2013年6月15日、16日 愛知県芸術劇場 大ホール
大阪公演 2013年6月21日~23日 オリックス劇場 

<キャスト>
霧矢大夢、真飛聖(Wキャスト)
寺脇康文/田山涼成/松尾貴史/江波杏子
寿ひずる/平方元基/麻生かほ里 ほか

<スタッフ>
脚本・作詞=アラン・ジェイ・ラーナー 
音楽=フレデリック・ロウ 
翻訳・訳詞・演出=G2

公式ホームページはこちらから



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