★Japan Musical Festival 2022 Winter Seasonテレビ初放送★
昨年12月26日~28日に行われた全5公演を放送
日本のミュージカル界を牽引する
豪華出演者たちの圧巻のステージをお見逃しなく
【2月25日(土)Day1】17:40
【2月26日(日)Day2】15:00
【3月25日(土)Day3】15:002022年1月に初開催された「Japan Musical Festival」、同年12月に早くも第2弾、題して「Japan Musical Festival 2022 Winter Season」が開催されました!日本のミュージカル界をけん引するトップ俳優の競演、JMFでしか見られないスペシャルなコラボレーション、年明けに開幕する新作の先取り、人気の2.5次元作品からの出演など、見どころ・聴きどころ満載のフェスティバル。今回は会場をオーチャードホールに移し、オーケストラが奏でる迫力のある音と豪華キャストの歌唱が響き渡りミュージカルの魅力に包み込まれるひととき。キャストは回替わり、まさにその回だけのスペシャルステージが12月26日~28日の3日間5ステージ、繰り広げられました! 取材した28日夜の最終公演の模様をレポートいたします。
オープニングは
JMFスペシャルオーケストラが奏でるOverture。華やかに登場したキャストのみなさんが歌うのは、2022年の第75回トニー賞でミュージカル主演男優賞、ミュージカル照明デザイン賞、ミュージカル音響デザイン賞、振付賞の4部門受賞に輝いた
『MJ the Musical』より「Thriller」! 最新の話題作で幕開けです。骸骨たちがバキバキに踊るという映像効果も手伝って、特別な夜、ミュージカルの世界への旅の始まりにワクワクドキドキ。客席の熱気も一気に上がります。
続いては、ディズニーミュージカルの名曲を。
「レット・イット・ゴー~ありのままで~」(『アナと雪の女王』)を歌うのはAKANE LIVさん、May J.さんに代わり急遽出演となったAKANEさんですが歌声はもちろん、映像ともぴたりと合った魔法の世界を見せてくださいました。
中川晃教さんの「スピーチレス」(『アラジン』)は実写版映画のために加えられたジャスミンのナンバーです。しなやかで強い中川さんの歌声で届けられる“思い”に感動。続いては元気いっぱい、
横山だいすけさん、コーラスに山野靖博さんと石川新太さんで「アンダー・ザ・シー」(『リトル・マーメイド』)、そこに藤岡正明さん、山崎大輝さんが加わって「ハクナ・マタタ」(『ライオンキング』)です! 横山さんの抜けるような青空を思わせる伸びやかな歌声がポップな作品(楽曲)世界を立ち上げます。芸達者なみなさんの小芝居つきの歌唱はとっても愉快で贅沢です! 観客もキャストもともに楽しむのがJMFですね。そしてJMFならではの企画「FUSION WALL」を用いた
「Beauty and the Beast」(『美女と野獣』)では、島田歌穂さんとホログラム出演となる加藤和樹さんの極上デュエットです。導入のコミカルなパートではしっかりと笑わせ、最新技術を用いたホログラムの加藤さんとのやり取り、歌唱はビシッと決める。さすがレジェンドです。こうしてディズニーの夢の世界を堪能することができました。
※「FUSION WALL」
「FUSION WALL」はガラス繊維でできており投影した物体が立体的に浮き上がっているように見えるのが特徴です。透過性が非常に高く物体とキャストが極限まで融合ができ、未来型の演出が可能となっています。
今やミュージカルコンサートの定番曲とも言える
「Waving Through A Window」(『ディア・エヴァン・ハンセン』)を歌うのは、中川さん、藤岡さん、森崎ウィンさん、山野さん、石川さんです。それぞれが個性を出し、それでいて調和する。素敵な“競演”に心躍りました。お次は、つい先日、ミュージカル化が発表された
『ラ・ラ・ランド』より「Another Day of Sun」を島田さん、AKANEさん、山野さん、石川さん、山崎さんでお届け。キャッチーでキレがある、やっぱり盛り上がるナンバーです。こうして舞台⇔映画と展開する作品によってミュージカル愛好者の層はますます広がっていくことでしょう。
続いて登場したのが、
『ピピン』より「コーナー・オブ・ザ・スカイ」、歌うのは2022年公演でピピン役を演じた森崎さんです。ここまでのセットリストはいわゆる本役での歌唱ではなく、新鮮さや特別感が印象的でしたが、こうして森崎ピピンとの再会によって、
作品を観劇したときの記憶が蘇る楽しさも改めて感じました。また、ピピンの内面を歌い上げるこのナンバー、ダンサーの
松田尚子さんによる心情に寄り添うダンスパフォーマンスも楽曲世界をより豊かなものにしていました。
ここでスペシャル企画!
ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』コーナーです。JMF2022WSでは、ほかにもミュージカル『キングアーサー』、舞台『魔法使いの約束』、ミュージカル『憂国のモリアーティ』カンパニーが参加されました。
この日は
『チェーザレ』ご出演の
中川晃教さん、藤岡正明さん、今拓哉さん、横山だいすけさん、岡幸二郎さん、山崎大輝さんによる、開幕前の作品の先行歌唱披露! 演じる役どころや背景についての解説を交えて披露されたナンバーは
「民衆の処し方」「ダンテの理想」「皇帝」「記憶の中の風景」「半島の情勢」「ルネッサンス」「チェーザレ」。たっぷりとその世界観に浸ることができました。藤岡正明さんのコメント「ダンテです!」が強烈な印象を残したのですが(笑)、その後、開幕した作品を観ると「ダンテです!」の力強さに納得の圧倒的なダンテでした! 先ほどの「作品を観劇したときの記憶が蘇る」の逆をいく、「あの日のMCを思い出す」現象が起こりました!!それも先行披露があったからこそ。
また『チェーザレ』コーナーでの中川さんのコメント「新作ミュージカルの生みの楽しみと苦しみを、日々実感しています」という言葉、それに尽きるのでしょう。年末年始をはさんで翌週には初日を迎えるという稽古も大詰めの中、いち早く新作の空気を届けてくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。
公演もいよいよ終盤に突入。ここからもメインディッシュ級のナンバー満載で駆け抜けます。まずは、
『エリザベート』より「夜のボート」を島田さんと今さんで。披露予定ナンバーが発表されたとき、なんて素敵な組み合わせ!と心ときめき、実際に拝見しシシィとフランツの歩んできた年月をも感じさせる歌唱、芝居に心打たれました。そんな大人なムードをじんわりと味わっていると、そこにガツンと若きパワーがさく裂!
森崎さん、山野さん、石川さん、山崎さんによる「世界の王」(『ロミオ&ジュリエット』)! これからますますの活躍が期待されるキャストのエネルギーを浴びました。
ここでもうひとつの「FUSION WALL」企画。2022年に、中川さんがご出演された
ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』に登場する“音楽を司る悪魔アムドゥスキアス”と“天才ヴァイオリニストのニコロ・パガニーニ”のデュエットナンバー
「血の契約」を中川さんが一人二役でパフォーマンスされました。実際に演じられたアムドゥスキアスをリアル中川さんが演じ、ホログラムの中川パガニーニと対峙する。誰がこんなことを想像するでしょうか。それぞれ演じ分け歌い分けされつつ、やはり一人の人間が演じるからこその声の重なりもある。それによってアムドゥスキアス、パガニーニの二人の新しい関係性が浮かび上がるような不思議な感覚でした。楽しい!
続いては、
『ミス・サイゴン』よりAKANEさん、石川さんによる「世界が終わる夜のように」、岡幸二郎さんの「ブイ・ドイ」の2曲。キラキラしたキムとクリスのデュエットと、思わず“わが青春の”と前置きしたくなる岡さんのジョンの「ブイ・ドイ」です! ホール全体に響き渡る歌声、そこに藤岡さん、山野さん、石川さんのコーラスだなんて、至福。
そしてやはりこの作品は外せません
『レ・ミゼラブル』より、まずは島田さんの「オン・マイ・オウン」。5公演フル出演、「FUSION WALL」企画、そして事前の取材会でははじめて歌う曲もたくさんあるとお話されていたように大活躍の島田さん。最後に伝説のエポニーヌ降臨、これには会場も大いに盛り上がりました。続く
「ワン・デイ・モア」は前奏が流れた瞬間に、岡さん、今さん、ジャベール、アンジョルラス……と近年まれに見るほど頭が高速回転し、いろんなバージョンを妄想。結果、この日は、
岡さんバルジャン、今さんジャベール、島田さんエポニーヌ、石川さんマリウス、AKANEさんコゼット、森崎さんアンジョルラス、横山さんテナルディエという組み合わせでした。感動とともに、高まる年末感!
最後はキャスト全員で
『コーラスライン』より「One」、アンコールは
『天使にラブソングを2』より「Joyful, Joyful」を大合唱。みなさんの溢れるパワーは衰えるどころか増すばかり、それぞれが歓びを全身で表現される目が足りないくらいの景色が目の前に広がります。なかでも「One」では今さんの“さすが出演経験者!”の佇まいが、「Joyful, Joyful」では躍動する心と身体を抑えきれず踊り出す森崎さんが印象的でした。
こうして人間讃歌、人生讃歌の祝祭ムードの中、JMF2022WSは幕を下ろしました。これで観劇納めという方には、素晴らしい締めくくりとなりましたね。
またJMFでは、楽曲の合間にキャストによるトークもあります。岡さんは今回の会場となったオーチャードホールのこけら落とし公演にコーラスとしてご出演されていたとの思い出を披露されました。ホールの歴史を作ってきた舞台人たちの思いがホール(劇場)に宿る力になっていることを改めて感じるお話でした。さらにこの日はなんと、音楽監督兼ピアノでご参加の園田涼さんがお一人でトークを任されるというレアな展開も! 「日替わり、回替わりのセットリストなので総曲数は膨大!中には耳コピで譜面を起こす作業から取り掛かったものもある」との音楽監督※のお仕事の凄まじさに驚きどよめく客席。スペシャルオーケストラのためのアレンジも含め、音楽あってのJMFを支える園田さんをはじめとするスタッフのみなさんの存在にも思いを馳せました。
(※島健さんとともに音楽監督を務められました)また、森崎さん、山野さん、石川さん、山崎さんの“この世界(業界)に入ったきっかけ”についてのお話では、山崎さんは「『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』からのミュージカル『忍たま乱太郎』出演」、子役時代からご活躍の石川さんは「タップダンスに興味を持って習い始めたところから」、山野さんは「音楽大学で学び、『ジャージ・ボーイズ』オーディションに興味を持って」と披露するうちにトーク終了の時間が! それを察した森崎さんは簡潔に「スカウトです」と。(一瞬「おおっ!」という空気が生まれました)こうしてお聞きすると、本当にその入口は様々。そんなみなさんがこうしてこの日、この舞台に立っているのですね。さらに言うと、中川さんや藤岡さんは音楽業界から、岡さん、今さんは劇団四季、AKANEさんは宝塚歌劇団、横山さんは“だいすけおにいさん” (『おかあさんといっしょ』の11代目うたのおにいさん)、そして島田さんは“ロビンちゃん”(ドラマ『がんばれ!!ロボコン』)で国民的人気を博した方です! 各界の才能がミュージカルを介して出会い、ここに集結し、一期一会のステージを作り上げるJMF。初回からフェス全体をけん引する
中川晃教さんの「また会いましょう」の言葉を信じて、そのときを楽しみに待とうという思いを胸に劇場を後にしました。
3日間、全5回の公演にご出演されたすべての皆様に敬意と感謝を込めて、ミュージカル最高!!
おけぴ取材班:chiaki(取材・文)監修:おけぴ管理人