ジョン・ケアード演出 ミュージカル『ジェーン・エア』開幕直前囲み取材レポート

3月11日に東京芸術劇場プレイハウスにて開幕するミュージカル『ジェーン・エア』。1847年に刊行されたシャーロット・ブロンテの長編小説「ジェーン・エア」を原作にした本作は、1996年にカナダ・トロントにてジョン・ケアード脚本・演出、ポール・ゴードン音楽でミュージカル化されました。日本でも、2009年、2012年に上演され、今回は、11年ぶりに梅田芸術劇場・東宝の共同制作により新演出版として上演されます。

強い意志を持つひとりの女性ジェーン・エアが自由と愛を求める物語を、美しく力強い音楽に乗せて届けるミュージカル『ジェーン・エア』。タイトルロールのジェーンと、幼き日に出会いその後のジェーンの人生に大きな影響を与える親友ヘレン・バーンズを上白石萌音さん、屋比久知奈さんが役替わりWキャストで演じることでも話題です。彼女が家庭教師として住み込みで働くこととなる屋敷の主人、謎多きエドワード・フェアファックス・ロチェスターを演じるのは井上芳雄さん。ほかにも春野寿美礼さん、仙名彩世さん、樹里咲穂さん、大澄賢也さん、春風ひとみさんらもご出演の上質な作品です。



屋比久知奈さん、井上芳雄さん、上白石萌音さん


充実の稽古を重ね、いよいよ迎える初日を前に、みなさんがワクワクされているのが伝わってくる会見の様子をレポートいたします。まずはご挨拶から。



上白石さん)
とても緻密で素敵なお稽古を重ねてきました。私自身、(稽古を)見ていてとても素敵な作品だと感じたので、早くお客様に観ていただきたいという気持ちでいっぱいです。



屋比久さん)
初日の実感があるようなないような、でも、とてもドキドキしています。今回はオンステージシートもあり、お客様をお迎えしてはじめて完成するということをいつも以上に感じる作品です。観に来てくださったお客様に楽しんでいただけるように頑張ります。



井上さん)
僕、先ほどまで渋滞に巻き込まれておりまして(笑)。ここにたどり着けただけで「勝ったな」という感覚です。ここからGP、明日の初日まで一歩一歩踏みしめながら歩んでいきたいと思います。舞台稽古をこの数日やっていますが、まだ確固たるものはなくふわふわしていますが、固まったものをお見せするのがいいことでもなく──生きた舞台をお見せできたらいいのかな。『ジェーン・エア』は観るのとやるのでは印象の違う作品。やってみるととても複雑な作品です。みなさんにも楽しんでいただければと思います。

また13日から社会のルールも変わり(新型コロナウィルスが5類へ移行)、それに伴って劇場も客席・舞台上いずれも変化があるかと思います。3年もこの状況が続いているので、にわかには信じがたくもあり、それを手放しに喜んでよいのかという思いもあります。変化をかみしめながら、感謝できるところはして、それでも引き続き気をつけていきたいと思っています。

──役替わりのWキャストについて。



上白石さん)
ここまで来られたのは本当に知奈のおかげです。(屋比久さん:こちらこそ)
稽古場では、二人で話し合い、励まし合い、過分に褒め合いながら(笑)心身ともにひとつになって取り組み、たくさんのことを学ばせてもらいました。今回、知奈とご一緒できたことは生涯の宝です。知奈の素敵なところは、アスリート気質なところ。笑みを絶やすことなく、ストイックにガシガシと己を磨き上げていく姿に、こんな人がいるんだ!と刺激をもらいました。大好きな人です。

(「生涯の宝」、なんて素敵な言葉なんでしょう!)

屋比久さん)
二人で話し、作品について考えていく時間がしっかりとあったので、初期段階からいろんなことを二人で共有できました。同じ役をやることでしかわからない大変さも、萌音と分かち合うことで軽くなりました。萌音という人間は(笑)、常に地に足がついていて、場を穏やかに、周りを安心させる空気感を纏っていて、それはジェーンにもヘレンにも表れています。私は、とても素敵なジェーンとヘレンを横で見てたくさん刺激を受けてきました。一緒に舞台に立てるWキャストというのもなかなかないことです。本番でも二人で高め合っていきたいと思います。

井上さん)
二人は本当に仲がよくて、ミュージカル史上、最も仲のよいWキャストです(笑)。
互いに共鳴し合っていて、僕の入る隙はないくらい二人で一つになって稽古されていました。二人のジェーンに対して僕は一人なので、稽古は大変だろうと思っていました。でも、一人がやっているのをもう一人が見ることで、二人が(そのシーンの芝居を)掴んでいき、同じことを二度やる必要なく次のシーンへ進めるということもたくさんありました。それくらい二人は分かち合っていました。それでいて出てくるものはそれぞれ全然違うので、人間って面白いですね。それもすべてはジョンや本プロダクションの関係者のみなさんの着眼点の鋭さと確かさ、そしてなにより二人の人としての魅力の賜物だと思います。


──稽古で印象的だったことは。

井上さん)
ロチェスターは長髪のイメージなので、いろんなつけ毛を試しています。ちなみにこのスタイルは、今はじめて着けています。本番では変わっているかもしれません(笑)。これは「固めない」というジョンの演出の一例。ジョン自身、稽古場でもああじゃないか、こうじゃないかと常に演出を進化させていき、舞台稽古に入ってから変わっていくこともあります。毎日同じことをしない、あえて固めない。形がないから不安でもありますが、それは楽しくもあります。髪型も含めて(笑)。

(はじめは稽古の印象=つけ毛とは一体⁈ と思ったのですが、そこはさすが井上さんです!納得のお答え)

上白石さん)
私の中では、芳雄さんは稽古場から家に帰るのがとても早い方なのですが、知奈はそれを上回る早さだったということです。すごいよね。

屋比久さん)
そのまま来て、そのまま帰るという感じです(笑)。

(その辺りの潔さがアスリートと呼ばれる由縁か!)

屋比久さん)
私が印象的だったことは、稽古着で演じているときに何度も私たち自身が「今は、どっちがどっち?」となったことです(笑)。舞台稽古からは衣裳を着るのでお互いに認識出るようになりました。



井上さんを間に挟み、まるで鏡写しのように背格好がそっくりなお二人。実際に二人の後ろ姿を写真で見たらご本人たちですらどちらが自分かわからなかったというお話も飛び出すくらい! 会見でのお話の様子を見ていても、誠実で真っ直ぐな眼差し、相手から学ぼうとする謙虚な姿勢、さらなる高みを目指す向上心……共通する印象を挙げれば数知れず。そこで、記事中にもある井上さんの「出てくるものは全然違う」の証言です。これは両ジェーンと両ヘレンを見たくなりますね。

《4月1日(土) 17:30公演》上白石萌音(ジェーン)屋比久知奈(ヘレン)三木美怜(ヤング・ジェーン)岡田悠李(アデール)

《4月2日(日) 12:30公演》屋比久知奈(ジェーン)上白石萌音(ヘレン)岡田悠李(ヤング・ジェーン)萩沢結夢(アデール)

4月にはライブ配信も予定されているミュージカル『ジェーン・エア』。ぜひ二人のジェーン、そしてそれによって井上ロチェスターがどう変わるのかをお楽しみください。

ミュージカル『ジェーン・エア』は4月2日まで東京公演、その後、4月7日~13日は大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演です。



(松井るみさんによる美術も大きな見どころとなる、ミュージカル『ジェーン・エア』ゲネプロレポートも後日公開を予定しています!)

ストーリー
1800年代ビクトリア朝のイギリス。ジェーン・エアは孤児となり叔母(ミセス・リード)に引き取られるが、いじめられ不遇な幼少期をおくる。プライドが高く媚びることをしないジェーンは叔母に嫌われ、寄宿生としてローウッド学院に行くことになる。そこは規則が厳しく自由がなくジェーンは教師たちに反抗的であった。ただヘレンというかけがえのない友に出会い、「信じて許すこと」を学ぶ。しかし彼女は病気で死んでしまう。成長したジェーンはローウッド学院で教師をしていたが、自由を求めて家庭教師として学院を出る。ジェーンは、広大なお屋敷の主人・ロチェスターの被後見人・アデールの家庭教師となる。
主人のロチェスターは孤独で少し皮肉で謎めいた男だが、ジェーンは自分と共通する何かを感じる。この出会いが自分の人生を大きく変えていくことになるとはまだ知らない。夜になるとこの屋敷には女性の幽霊が現れ、そして大きな運命の歯車が動き出す―

【公演情報】
ミュージカル『ジェーン・エア』
2023年3月11日(土)~4月2日(日)@東京芸術劇場 プレイハウス
2023年4月7日(金)~13日(木)@梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

<スタッフ>
原作:シャーロット・ブロンテ
脚本・作詞・演出:ジョン・ケアード
作曲・作詞:ポール・ゴードン
翻訳・訳詞:今井麻緒子

<キャスト>
ジェーン・エア/ヘレン・バーンズ(役替わりWキャスト):上白石萌音、屋比久知奈
エドワード・フェアファックス・ロチェスター:井上芳雄
ミセス・リード/レディ・イングラム:春野寿美礼
ジェーンの母/ソフィ/ブランチ・イングラム:仙名彩世
ミス・スキャチャード/ベッシィ/バーサ・メイスン:樹里咲穂
アボット/グレース・プール:折井理子
アグネス/リア/メアリー・イングラム:水野貴以
ジェーンの父/トーマス/シンジュン・リヴァーズ:中井智彦
ブロックルハースト/ロバート:萬谷法英
ヤング・ジョン・リード/イングラム卿/牧師:神田恭兵
ローズ:江崎里紗(スウィング)
ニコラス:犬飼直紀(スウィング)
ヤング・ジェーン/アデール トリプルキャスト:岡田悠李、萩沢結夢、三木美怜
リチャード・メイスン:大澄賢也
ミセス・フェアファックス:春風ひとみ

★配信情報★
《4月1日(土) 17:30公演》
上白石萌音(ジェーン)屋比久知奈(ヘレン)三木美怜(ヤング・ジェーン)岡田悠李(アデール)
《4月2日(日) 12:30公演》
屋比久知奈(ジェーン)上白石萌音(ヘレン)岡田悠李(ヤング・ジェーン)萩沢結夢(アデール)

公式HP

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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