──理想を手にするために必要なことは他人の期待に合わせることじゃない。選び抜く能力さ。
作・山田佳奈×演出・眞鍋卓嗣の強力タッグで届ける、女性7人の濃密な会話劇撮影: 田中亜紀
左から)中原三千代、清水直子、豊原江理佳、増子倭文江、西尾まり、深谷美歩、土居志央梨
新国立劇場 シリーズ【未来につなぐもの】第3弾『楽園』が開幕いたしました!
舞台は、日本のどこかの島。改革派と保守派がしのぎを削る村長選挙の真っただ中、年に一度の女性だけで行われる神事が行われようとしていた。
そこへ集った、年齢も立場もバラバラの女性7人。
ワンシチュエーションで展開される、女性7名の真摯で、時に滑稽な会話を通して、結婚、不妊、介護、パワハラ...女性たちが直面する様々な問題が浮かび上がります。
伝統継承と変化に揺れる地方都市は、やがて彼女たちの姿に重なり、日本の「今」を感じることができるでしょう。
山田さん、眞鍋さんからのメッセージが届きました。
【作・山田佳奈よりメッセージ】
実際に取材を重ねてきたものが、既視感のある景色としてではなく、新たな物語として舞台上に立ち上がりました。
俳優7名と演出家の眞鍋さんが紡いでくださった今作は、どこか遠い島の出来事のようでもありますが、我々が直面している多くのことを内在しています。
それらが客席の皆さんにどのような形で伝わり、観劇後にどのような読後感となるのか。劇作家として、この瞬間に立ち会えたことを嬉しく思います。
「未来につなぐもの」というテーマで描いてきたシリーズ第三弾として、多くの人に手渡せるバトンとなっていれば幸いです。
【演出・眞鍋卓嗣よりメッセージ】
いよいよスタートしました。出演者、スタッフ、全ての方が、この作品にとても前向きに関わってくださったことに心から感謝いたします。
昨今、世の中は物ごとの隔たりが極端になり、いったいどこに向かうのか不安な気持ちになります。
お客様には気軽に楽しんで頂きながら、少しでもそのような私たちの現在地とその先について考えを巡らせてもらえたら嬉しいです。
撮影: 田中亜紀
【初日観劇ミニレポ】
南の島を感じさせる背景と拝所(うがみしょ)のセット。拝所を舞台に繰り広げられる女性たちのときに可笑しく、ときに辛辣な会話劇です。ときどき「痛っ!」とわが身にも刺さる言葉があったり、「よくぞ言った!」という痛快さもあり、そうかと思えば「うわぁ」と遠い目になることも。それは「今」を描いた作品からこそ生まれる、自分と作品の独特の距離感。
本作は、“年に一度の祭祀”の日の出来事を描きます。物語の背景には村長選挙。それぞれの価値観、立場、世代、育った環境の異なる人々が拝所を出たり入ったり。そんな“村”社会の年中行事に、取材でやってきた「東京の人」が現れることで事態は思わぬ展開を!
そんな作品世界を生きる7名の俳優陣も、その役の生活、人生をしっかりと纏ってそこにいるので、「あー、いるいる」と思えるのです。とくに「司さま」(増子倭文江さん)の終盤の言葉を聞いていると、なんだか自分自身も拝所にいるような感覚に。
ワンシチュエーション、ある一日の出来事から見えてくる、現代日本。この生々しさは、ぜひ劇場で味わっていただきたい! 集団の一員として、個としてどう生きるか。そんなことを考える観劇後です。
今回のくまちゃんはこのようなコスチュームです!
ロビーでは“沖縄土産”販売コーナーという心憎い演出も♪
新国立劇場『楽園』豊原江理佳さんおけぴインタビューはこちらから!
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました