ミュージカル『ボディガード』制作発表レポート~歌唱披露&会見~

ミュージカル『ボディガード』、2月の開幕を前に、制作発表が行われました。




本作は1992 年にケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演で世界的大ヒットを遂げた映画『ボディガード』の舞台化。グラミー賞受賞曲「I Will Always Love You」をはじめ映画でもお馴染みの楽曲に彩られた命をかけたラブストーリーは世界各地で上演され、日本では、2019年9月に本場英国キャストによる初の来日公演を果たしました。2020年の日本キャスト版初演はコロナ禍の影響により殆どの公演回が中止になるも、2年後の2022年には念願の再演が叶い、大好評のうちに幕を閉じました。そして、2024年2月~4月に、更なる進化を遂げて、東京、山形、大阪で再び上演されるのです。人気絶頂のポップシンガー、レイチェル・マロン役は新妻聖子さんとMay J.さんがWキャストで、ボディガードのフランク・ファーマー役は大谷亮平さんが演じます。ほかにも、レイチェルの姉ニッキーにAKANE LIVさん、レイチェルの広報担当サイ・スペクターに水田航生さん。旧来のボディガード、トニー・シベリに加藤潤一さん、レイチェルにつきまとう正体不明のストーカーに大久保祥太郎さん、そして、彼女を支え続ける人望厚きマネージャー、ビル・デヴァニーに内場勝則さんらが名を連ねます。演出・振付は、前回までに引き続きジョシュア・ベルガッセさんが手掛け、パワフルできらびやかな世界を創り上げます。


【歌唱披露】

制作発表は新妻聖子さん、May J.さんというWレイチェル・マロンというこの日だけのスペシャルな歌唱披露からスタート。楽曲はもはや説明不要、作品を代表するナンバー♬オールウェイズ・ラヴ・ユー(I Will Always Love You)とライブ感あふれるノリノリナンバー♬すてきな Somebody (I Wanna Dance with Somebody)の2曲。

♬オールウェイズ・ラヴ・ユー(I Will Always Love You)



新妻聖子さん


May J.さん


楽曲の盛り上がりに合わせ、聴衆の心も文句なしに盛り上がる!お二人の歌唱は、まさに水を得た魚! 歌うことへの喜び、人を魅了するパフォーマンス、レイチェル役にピッタリです。制作発表という場ながらしばしそのことすら忘れて聴き惚れました。気持ちいい!


♬すてきな Somebody (I Wanna Dance with Somebody)




続く♬すてきなSomebodyはアップテンポで会場が一体となって楽しめる一曲。お二人の表情もガラリと変わり弾けた笑顔に! ここでも歌手としても活動されるお二人のライブパフォーマンス力がさく裂です。楽しい!


【会見レポート】


歌唱披露に続いて、レイチェル役のお二人とフランク役の大谷亮平さんによる会見が行われました。



──ひと言ずつご挨拶を頂戴いたします。

新妻さん)
この度の能登半島地震で被災された皆様に、カンパニーを代表して心からお見舞い申し上げます。私たちも被災地のニュースを見て心を痛めておりますが、今我々にできることをという思いで、稽古場でみんなで一丸となって頑張っております。この『ボディガード』は今回で3度目の上演になりますが、一人でも多くのお客様に笑顔になっていただけるようにみんなで頑張ってまいります。

May J.さん)
私自身、本当に小さい頃から大好きだった作品です。曲が本当に素晴らしいので、観に来てくださるみなさんに力を届けられるように、元気を届けられるように私たちも一生懸命頑張りたいと思っています。

大谷さん)
フランクは多くを語らない男。難しい役ですが、同時に演じがいもすごくある役です、こうしてフランクを三度演じられることを嬉しく思っています。

──3度目となるレイチェル役、新妻さんは今回、どのようなアプローチをされますか。

新妻さん)
3度目ですが、改めてもう一度レイチェルに出会い直すつもりで、新鮮な気持ちで挑みたいというのと、前回よりも気負いなくステージに上がりたいという思いでおります。気負いなくというのは、レイチェルのショーのシーンでは、お客様相手にコミュニケーションをとる演出もあります。その日の客席にいらっしゃるお一人お一人をしっかりと見て、心から楽しんでいただけるように、いい意味で肩の力を抜いてステージ上に居たいと思います。

──May J.さんは、2度目のご出演となります。ご自身の変化もありレイチェル役に対して改めて感じるところなどはありますか。

May J.さん)
昨年出産し、本作で本格的に仕事復帰となります。まだ生まれたばかりなので大変なところもありますが、今しかないすごく大切な時間だと思って楽しく育児をしています。そして、子どもと接する中で感じていることなどが自然にレイチェル役にも影響し、雰囲気などでそれが伝わるといいなと思っています。

新妻さん)
私も、まだ子どもが幼かったころに『ボディガード』に出演しているので、とにかく無理をしちゃだめだよと伝えています。絶対に大変なんです、みんなで助け、見守り、育てます!

May J.さん)
心強いです!

──大谷さんも3度目のフランク役となります。どのように取り組んでいかれますか。

大谷さん)
レイチェルを守る、いくつかの決めのポイントというのがありそれを大切にしますが、今の段階でそれをピックアップするのは無粋だと思うので控えますが(笑)。前回の公演の映像を見ると、その時は全力を尽くしているのですが、やっぱりいろいろと思うところがあるんです。前回は(フランクの)気持ち優先で作っていきましたが、それだけではカバーできない部分、立ち姿の見え方や手の仕草などをマイナーチェンジをしてより良いものを作ってきたいと思っています。

新妻さん)
大谷さんは本当に寡黙な方なのでフランクにピッタリ。でも多くを語らずとも優しさがダダ洩れという(笑)。その証として、レイチェルの息子のフレッチャー役の子役さんが母親役の私たち以上に大谷さんに懐いているんです(笑)!

大谷さん)
これでもほかの現場よりはしゃべっているんだけどな。あまりしゃべらないと言われるのが不思議なくらい(笑)。


──魅力的なミュージカルナンバーに彩られた本作ですが、みなさんのお気に入りの曲は?



大谷さん)
僕はレイチェルと姉のニッキーが歌う♬Run To Youです。それぞれが心情を歌うところで、“You”って俺じゃん!みたいな。こっちに向かってみたいに考えると、非常にお気に入りの一曲になりました。(面白い!と笑うレイチェル役のお二人に)あまり笑わないように(笑)!



May J.さん)
大谷さんが歌う♬I Will Always Love Youです。毎回違うんです!外したように歌っているのですが、実はハモリのラインを歌うというとても高度なことをされています。そこに心をもっていかれます!



新妻さん)
もちろんエンダーも捨てがたいのですが、1幕ラストの♬I Have Nothingです。この曲の後半はほとんど大谷さんの目の前で歌うんです。これまで生きてきた中でも、あんなに至近距離でだれかに歌いかけたことはありません。それを受け止める大谷さんもすごいと思うんですけど。その演出込みで大好きです。一度、コンサートで歌ったこともあるのですが、大谷さんのお顔に向かってじゃないと気持ちが乗らなくて(笑)。今回も大谷さんのお顔に向かって歌えるのを楽しみにしています。


──みなさんのキュンキュンポイントは。



May J.さん)
無表情だったフランクとの関係が少しずつ変化し、ちょっと冗談を言い合ったり、笑い合ったりする瞬間です。

新妻さん)
2幕の冒頭でベッドで眠るフランクに向かって歌うシーンです。無防備な寝顔を見ているとキュンとします。暗転の直前にアドリブを入れる隙間もあるので、なにをしてあげようかなと思っちゃいます(笑)。

大谷さん)
強がりなレイチェルがちょっと弱みを見せるところは全部です。クラブで歌うシーン、大変な目にあった直後のシーンでフランクがレイチェルの傍を離れようとしたときに「待って」みたいな瞬間が(ご覧になった方はおわかりですよね)。そこはレイチェルお二人によってちょっと違うんですよ!それも含めて好きなシーンです


──ご自身が演じられる役の魅力、人物像をどのように捉えていますか。



May J.さん)
そうですやっぱりレイチェル・マロンは歌手でスーパースターでありながら、家では母親。
スーパースターの孤独と息子にしか見せない優しさを明確に表現したいと思います。

新妻さん)
レイチェルはエネルギーの塊みたいな人でなければいけないと思っています。彼女ほどのスーパースターになると、おそらく彼女は幸せではないのではないかと、昨日、洗い物をしながら思ったんです。こんな当たり前の日常はないんだろうなと。息子もベビーシッターが世話しています。それは彼女が望んだものなのか、彼女自身もわからない。それほどビジネスが大きくなりすぎている。そんなビジネスとしてのアイシーなところと歌が好きというピュアなところが融合して、ステージでは爆弾のようにパワフルな存在になる。メイちゃん(May J.さん)がおっしゃった孤独や心の奥のキーンと冷たい部分が見えてくるといいなと思います。

大谷さん)
レイチェルとの距離が徐々に近づいていくフランクの心情が台詞ではなく表情にあふれる、そんな表現を楽しんでいただければと思います。


──最後にメッセージを!



May J.さん)
本当に楽曲が素晴らしいので、ストーリーを知らない方でも楽しめるライブミュージカルになっています。最後まで皆さんと盛り上がっていけたらいいなと思います。劇場でお待ちしています。

大谷さん)
今回は3度目、これは勝手な感覚ですが、3回目ってなんかファイナル感があるなと。勝手に最終章と位置付けて、みんなで頑張って稽古して素敵なもの届けたいと思っています。
ぜひ楽しみにしていてください。

新妻さん)
名曲ぞろいのミュージカルです。皆様がご存じの洋楽ナンバーをいい塩梅で日本語を交えながらお届けしますので、お芝居の一部としても楽しんで頂ける!本当にいいとこどりのミュージカルです!そして最後にみんなで盛り上がれるフィナーレもございます。声出しも解禁となっていますので、お客様に日常の嫌なことを劇場にいる間は忘れて、一緒に楽しい気持ちになって帰っていただけることを目指しております。私たち一同、健康と安全に気をつけて頑張って参りたいと思いますので、ぜひ劇場に足をお運びください。
【公演情報】
ミュージカル『ボディガード』
東京 2024年2月18日(日)~3月3日(日) 東急シアターオーブ
山形 2024年3月9日(土)~3月10日(日) やまぎん県民ホール
大阪 2024年3月30日(土)~4月7日(日) 梅田芸術劇場メインホール

<スタッフ>
原作:ローレンス・カスダン作
ワーナー・ブラザース映画「The Bodyguard/ボディガード」
脚本:アレクサンダー・ディネラリス
訳詞:森雪之丞
翻訳:阿部のぞみ
編曲:クリス・イーガン
演出・振付:ジョシュア・ベルガッセ
<キャスト>
新妻聖子・May J.(ダブルキャスト) 大谷亮平
AKANE LIV 水田航生 加藤潤一 大久保祥太郎/内場勝則
野林万稔・古澤利空・笹本旭(トリプルキャスト)
青山航士
飯田一徳 岡田治己 加藤翔多郎 鹿糠友和 熊澤沙穂 後藤裕磨 斎藤葉月
杉浦小百合 杉山諒二 橋本由希子 深瀬友梨 Micco 吉元美里衣 (五十音順)
新井健太(スウィング) 江崎里紗(スウィング)

<ストーリー>
レイチェル・マロン<新妻聖子・May J.(Wキャスト)>は、姉のニッキー・マロン<AKANE LIV>と共にオスカー賞を目指す、歌手であり女優でもあるスーパースター。
彼女は数か月前から、謎のストーカー<大久保祥太郎>に付きまとわれ、周りでは不審な出来事が続いていた。
レイチェルの身を案じるマネージャーのビル<内場勝則>の強い薦めで、敏腕ボディガードであるフランク・ファーマー<大谷亮平>が、彼女の警護に当たることとなる。

しかし、フランクの存在は、オスカー賞レースのためレイチェルの露出を高めたい広報担当のサイ<水田航生>、古参ボディガードのトニー<加藤潤一>の反発にあう。
何より、緊迫した状況にも関わらず、フランクを邪魔者扱いし、忠告を聞こうとしないレイチェル。彼女の態度に、フランクは依頼を断ろうとする。しかし、身勝手から危険な目にあったところをフランクに救われ、レイチェルは彼に深く感謝をし、信頼を置くようになるのだった。
急速に距離を縮める二人だったが、フランクは依頼人と深い仲になることに躊躇し、けじめをつけようとレイチェルを突き放す。思い合っているのに、すれ違う二人・・・。

スターとして走り続けるレイチェル。任務遂行に身を捧げるフランク。狂気を増していくストーカー。家族が、仲間たちが、愛情、友情、恐怖、嫉妬、欲望がうずまく複雑な感情に揺り動かされていく―

公式HP:https://bodyguardmusical.jp/

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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