【Entertainment for YOU 世界中のお客様に 感動を】舞台『千と千尋の神隠し』製作発表レポート~囲み取材、クリエイターコメント編 ~


舞台『千と千尋の神隠し』製作発表レポート~コメント編~に続いて、橋本環奈さん、上白石萌音さん、川栄李奈さん、福地桃子さん、4人の千尋を迎えた囲み取材の模様をレポートいたします。記事後半ではこの壮大な夢の実現に尽力されたみなさんのコメントもご紹介!


──橋本さん、上白石さんに伺います。新キャストお二人の稽古での印象は。



橋本さん)李奈ちゃんの千尋は素朴。周りに突き動かされて進んでいく姿を応援したくなるんです!

上白石さん)段取りも多く、きっかけも基本的に音で取るので大変なはずなのに、さらっとやり遂げる李奈ちゃんの姿に稽古場でも思わず「カッコいい」と言葉が漏れてしまいました。

橋本さん)桃ちゃんの千尋は繊細。子どもながらにいっぱい考えて、すごく敏感に察知していることが最初のシーンからダイレクトに伝わって、千尋の負の感情とかいじけている姿も素敵に見えるんです。

上白石さん)桃ちゃんはちょっと間違えてしまったときのリアクションもめっちゃ千尋なんです! 素で千尋(笑)。それにみんながキュンキュンして、どんなに疲れていても桃ちゃんが一瞬で癒してくれます。


──では、川栄さん、福地さんから見たオリジナルキャストのお二人は?



川栄さん)まず、1からこの大変な舞台を作り上げてきたオリジナルキャストのお二人には尊敬しかありません。環奈ちゃんは、明るく無邪気で華やかな千尋。見ていて心が躍ります。萌音ちゃんは、序盤から芯の強さがすごく見えて、真面目に一生懸命に生きる10歳の女の子そのもの。性格も月と太陽くらい違う二人が同じ役を作っているというとても貴重なものを間近で見て学んでいます。

福地さん)千尋は出ずっぱりで、とにかく早着替えも多いんです。そういう技術的な細かなことはやっぱり経験者のお二人にしかわからないところがあり、その極意を直接教えていただけることがとてもありがたいです。

橋本さん)そうそう本当に細かいよね。ここでは歩いている間にボタンを止めてとか(笑)。

上白石さん)でも、初演、再演で、私たち2人では見つけられなかったことを新キャストの2人とアンダーの(森)莉那ちゃんが発見してくれてやりやすくなったところもたくさんあります。「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、5人いますから! 知恵だらけです(笑)。


──今もそれぞれの印象をお話しいただきましたが、会見でほかのキャストの方への質問であった、「〇〇な千尋」はいかがでしょう。ご自身で思うことでも、お互いに思うことでも!



橋本さん)なかなか自分ではわからないので……。

上白石さん)環奈ちゃんは直感型の千尋。初演のときからずっとそう思っていました。

橋本さん)なんか嬉しい! 萌音ちゃんは……ひと言でいうのが難しいな。両親と一緒のときも油屋でも周りの人の言葉を聞いて感じて存在する萌音ちゃんの千尋は“めっちゃ千尋”なんです。

上白石さん)じゃあ、聞きの千尋?(笑)

橋本さん)あとは動きも千尋、怪我をしない転び方とかが超上手いんです!でも、長期公演ではそれがすごく大事なことだなって。技術力がやばいです!

上白石さん)恐れ入ります(笑)。

川栄さん)私たちは、私がせっかちで桃ちゃんがのんびり屋さん。

みんな)確かに!!

橋本さん)新キャストの二人も全然違うよね!

川栄さん)「扉を閉めて、走ってこちらに移動」というだけでも、桃ちゃんは「桃ちゃん、のんびりしていますよ」と言われて、私はさっさとやりすぎて「SPみたいになっていますよ」と言われて(笑)。

橋本さん)その淡白な感じが李奈ちゃんの良いところ! アニメで感じた千尋のさらっとした感じがお芝居にすごく表れていると思います。

上白石さん)それが誰よりも幼さを感じさせて素敵! 桃ちゃんはおっとりしているのですが、走るのがとても速いんです! 舞台裏をすごく走るところも桃ちゃんだけは最初から間に合っていて。本当にいろんな千尋がいます。



──最後に代表して橋本さんと上白石さんからメッセージを。

上白石さん)8月末まで、千尋の長い旅が待っています。今、同じ稽古場で一緒にお稽古していたカンパニーが海を隔てて離れ離れになることに寂しさも覚えますが、絆や愛をしっかりと育んできたので場所は離れても同じ気持ちでやっていけると思っています。みんなの存在が心強いです。全員で同じ責任と愛を分け合って頑張りたいと思います。

橋本さん)今日の会見でも伝わったかと思いますが、みんながこの作品への愛を持っています。ジョンのロンドンでやりたいという夢も叶い、こうして舞台『千と千尋の神隠し』は羽ばたいていきます。私自身、置いて行かれないように、むしろ引っ張っていかなくてはいけないということに不安もあります。でも、新キャストからもたくさんの学びを得て、最高のカンパニーになれたので、本当にいい舞台をお届けできると自信も持っています。日本でも、世界でも、存分にお楽しみいただけたら嬉しいです!





ここからは舞台『千と千尋の神隠し』世界初演に始まり、今年の全国ツアー&ロンドン公演に至るまで、みんなの夢の実現に尽力されたみなさんの会見でのコメント&質疑応答をご紹介いたします。



東宝株式会社代表取締役社長 松岡宏泰さん)
宮﨑駿監督が手掛けられたジブリ作品『千と千尋の神隠し』は奇跡のような作品です。つい最近まで破られることのなかった歴代最高興行収入を記録した国民的映画であるとともに、ベルリン国際映画祭の金熊賞、米国アカデミー協会のアカデミー長編アニメ映画賞を受賞し、商業性だけでなく芸術性も高く評価された作品。それを舞台で再現するというのは壮大なチャレンジだと思われましたが、ここにいるジョンさん、今井さん、そして素晴らしいキャスト・スタッフの方々、東宝、皆が一致団結することで舞台『千と千尋の神隠し』を生み出すことができました。初演時、コロナで稽古が止まるなど大変厳しい状況を乗り越えて初日を迎えたことを考えると、手前味噌ではございますがやはり舞台版も奇跡のような作品なのではないかと思います。

その千尋がふたたび帝国劇場に戻ってきます。今回は日本の各地を回るだけでなく。演劇の聖地ロンドン・ウェストエンドにて日本人のキャストで日本語で上演されることになりました。ジョンさんと旧知の仲のピーター・ウィルソンさん、イアンさんが初演を鑑賞され、ロンドンでやろうと東宝に声をかけてくださいました。ピーターさんは病のため昨年お亡くなりになり、ロンドン公演を観ることは叶わなかったのですが、ピーターさんの遺志を継いで素晴らしいパフォーマンスをロンドンのお客様にお届けしたいと思います。私どものコーポレートスローガンは「Entertainment for YOU 世界中のお客様に 感動を」、この公演はまさに我々の姿勢を体現する、東宝グループにとって最も重要なプロジェクトのひとつです。期待していただき応援していただき見守っていただき、これから千尋がどのように成長していくのかをみなさんで見届けていただきたいと思います。



翻案・演出 ジョン・ケアードさん)
初めて日本で仕事をしたのは『レ・ミゼラブル』、そこで松岡さんのお父様とお会いしました。(そんなにときが経ったとは)信じられないことですが、40年前のことです。以来、12の演劇作品を日本で作ってきましたが、その多くはアメリカやイギリスで作られた作品を日本に持ってくるという形でした。その方向は向こう(海外)からこちら(日本)へ。今回は逆の方向であることをとても嬉しく思います。宮﨑駿さんは素晴らしい物語の語り部、アニメーターであると同時に、日本の歴史文化に精通した歴史家でもある。東宝と一緒に、宮﨑さんをはじめとするスタジオジブリの作品で、日本の文化をイギリスの観客と分かち合えることも嬉しく思っています。そしてこの才能豊かなキャストの方々とご一緒できることもありがたく思っております。

共同翻案・演出補佐 今井麻緒子さん)
2年前の記者会見のころは、今思い出しても本当に大変な時期でした。次々に困難が降りかかってきましたが、それを乗り越えて初演を立ち上げることと、この作品のテーマと重なるところもありました。今回も困難はあるかもしれませんが、この作品と一緒ならどんな困難も乗り越えられる。宮﨑さんの作品はそう思わせてくれるんです! そして新しいキャストも加わったこのカンパニーでイギリスへ行けることがとても感慨深いです。



PWプロダクションズ 最高経営責任者 イアン・ギリーさん)
2年前、ロンドンでジョン・ケアードさんにお会いしたとき、この作品の話を聞きました。すぐに札幌に飛び、そこで舞台を拝見し、必ずロンドンのウェストエンドに持ってこなければと思いました。ウェストエンドでも一番の大きな劇場であるロンドン・コロシアムを押さえましたが、チケットはかつてないほどの記録的なセールスとなっています。この作品についても、ロンドンの劇場関係者の間でも非常に話題となっており、みなさん大変楽しみにされています。



撮影者:Guy de Laubier



撮影者:Guy de Laubier


──ロンドン公演は大きな決断だったかと思います。その決め手、勝算、今後の海外展開については。

松岡社長)
決断の決め手というよりも決まりましたよろしくお願いします的な(笑)、私が断る余地のない素晴らしいプロジェクトでした。ただ、ここまでチケットが売れるとは正直予想していませんでした。ジブリというブランド、『千と千尋の神隠し』という作品の力が海外でもここまで通用することに改めて驚いた次第です。売れ行き好評につき、当初の予定よりも公演を延長することになりました。また、ありがたいことにほかの国の制作の方たちからも多数のお声がけをいただいております。今後、ジョンさん、今井さんも交えて私たちのチームがどのように進めばいいか、これからの展開を考えていければと思います。




──舞台化に際して大切にされたこと、ロンドン公演に期待することは。

ジョンさん)
ストーリーを明確に伝えることです。いい人がいて悪い人がいるという定型とは違い、宮﨑さんの世界ではいい人と悪い人に分けられない、誰もが良い面も悪い面も持っている。それはヒーローやヒロインでさえもそうなんです。複雑でニュアンスに満ちている宮﨑さんの世界、それは人間の世界の反映なのだと思います。そして、釜爺が最後に言う「愛だ、愛」、それに尽きると思います。

ロンドン公演については、全世界にジブリファンはたくさんいます。彼らは非常に熱心な宮﨑さんのファンですが必ずしも映画館や劇場に足を運ぶ人たちではありません。そして彼らは若い、20代やそれより若い世代。そういう新たな演劇ファンに観に来てもらえるのではないかと期待しています。

今井さん)
この公演に関わるスタッフ・キャストは海外の方も多く、彼らとの仕事、創作の過程で印象的だったのは西洋的な捉え方、日本の捉え方の違いをすり合わせていく作業がとても面白かったということ。そこではキャストの方にも協力していただきました。作品の世界観やそこに描かれていることを正確に伝えるという意味でも、日本のキャストで、日本語で上演することは大きな意味のあることだと考えています。


──ロンドンでのチケットの売れ行きの好調の要因は。また、舞台『千と千尋の神隠し』にどのような期待感をもっていらっしゃいますか。

イアンさん)
券売の好調は、まずこのアニメ映画が愛されているということ、世界中にたくさんのジブリファンがいることでしょう。私たちは情報をSNSで発信してきたので、チケット購入者は大体18歳から25歳の年齢層だと思います。また、舞台版もロンドンの観客に愛されると思います。日本の役者さんとお仕事をして感じるのは、役や作品ととても真摯に向き合い、エネルギーを注ぎ、それをお客さんに渡してくださる。それはロンドンの観客にも絶対に伝わると思います。


最後に、会見で夏木マリさんが代読されたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーのコメントをご紹介いたします。

初演から早や2年、「千尋」が帰ってきました。 今年、2024年は「甲辰」(きのえたつ)の年に当たります。 甲辰には、「新しいことに挑戦して成功する」という意味があるそうです。 今回、千尋を演じる川栄李奈さん、福地桃子さんをはじめ新たなキャストを迎え、 演劇の本場ロンドンでも公演が予定されているとのこと。 単なる再演ではなく、まさに新しいことにチャレンジし続ける「千尋」。 私も楽しみにしています。 皆さまも是非お楽しみください。

スタジオジブリ 鈴木敏夫


日本とイギリス──
海を越えた二つの国で舞台「千と千尋の神隠し」が同時上演!


2024年の千尋の旅の始まり、いよいよ帝劇で開幕です!



【公演情報】
舞台『千と千尋の神隠し』
2024年3月11 日(月)~30 日(土) 【東京】帝国劇場
2024年4月30 日(火)~8月24日(土) 【ロンドン】ロンドン・コロシアム
2024年4月7日(日)~4月20日(土) 【名古屋】御園座
2024年4月27 日(土)~5月19日(日) 【福岡】博多座
2024年5月27 日(月)~6月6日(木) 【大阪】梅田芸術劇場メインホール
2024年6月15 日(土)~6月20 日(木) 【北海道】札幌文化芸術劇場 hitaru

キャスト
千尋 橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子
ハク 醍醐虎汰朗/三浦宏規/増子敦貴(GENIC)
カオナシ 森山開次/小㞍健太/山野 光/中川 賢
リン・千尋の母 妃海 風/華 優希/実咲凜音
釜爺 田口トモロヲ/橋本さとし/宮崎吐夢
湯婆婆・銭婆 夏木マリ/朴 璐美/羽野晶紀/春風ひとみ
兄役・千尋の父 大澄賢也/堀部圭亮
父役 吉村 直/伊藤俊彦
青蛙 おばたのお兄さん/元木聖也
頭 五十嵐結也/奥山ばらば
坊 武者真由/坂口杏奈

原作:宮﨑 駿

翻案:ジョン・ケアード
共同翻案:今井麻緒子

オリジナルスコア:久石 譲
音楽スーパーヴァイザー・オーケストレーション・編曲:ブラッド・ハーク
音楽スーパーヴァイザー補・オーケストレーション・Ableton プログラミング:コナー・キーラン
美術:ジョン・ボウサー
パペットデザイン・ディレクション:トビー・オリエ
振付・ステージング:井手茂太
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:中原幸子
ヘアメイク:宮内宏明
映像:栗山聡之
音楽監督・指揮:深澤恵梨香
舞台監督:北條 孝
演出補佐:今井麻緒子
演出補:永井 誠
演出助手:小貫流星
プロデューサー:尾木晴佳

演出:ジョン・ケアード

協力:スタジオジブリ
製作:東宝株式会社

公式 HP
●日本公演
https://www.tohostage.com/spirited_away/
●ロンドン公演
https://www.spiritedawayuk.com/

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

おすすめ PICK UP

「M's MUSICAL MUSEUM Vol.6」藤岡正明さんインタビュー

こまつ座『夢の泪』秋山菜津子さんインタビュー

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』ニキヤ役:廣川みくりさん、ガムザッティ役:直塚美穂さん対談

【井上ひさし生誕90年 第1弾】こまつ座 第149回公演『夢の泪』観劇レポート~2024年に響く!~

【公演NEWS】『デカローグ 1~4』開幕!各話の舞台写真&ノゾエ征爾・高橋惠子、千葉哲也・小島聖、前田亜季・益岡徹、近藤芳正・夏子からのコメントが届きました。

“明太コーチ”が“メンタルコーチ”に!?『新生!熱血ブラバン少女。』囲み取材&公開ゲネプロレポート

JBB 中川晃教さんインタビュー~『JBB Concert Tour 2024』、ライブCD、JBB 1st デジタルSGを語る~

【2024年の旅が始まる】ミュージカル『VIOLET』GPレポート~行こう、マイ ウェイ~

ミュージカル『VIOLET』演出:藤田俊太郎さんインタビュー

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』速水渉悟さんインタビュー

ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』中川晃教さん×相葉裕樹さん×木内健人さん鼎談

【おけぴ観劇会】『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』おけぴ観劇会開催決定!

【おけぴ観劇会】ミュージカル『ナビレラ』おけぴ観劇会6/1(土)昼シアタークリエにて開催決定

【おけぴ観劇会】ミュージカル「この世界の片隅に」おけぴ観劇会 5/19(日)昼開催決定@日生劇場

おけぴスタッフTwitter

おけぴネット チケット掲示板

おけぴネット 託しますサービス

ページトップへ