世田谷パブリックシアターによる夏のアートフェスティバル「せたがやアートファーム」のメインプログラムとして上演される音楽劇『空中ブランコのりのキキ』。
【ビジュアル公開】(4/25追記)

©︎磯部昭子
2024年8月6日(火)~8月18日(日)@世田谷パブリックシアター
8月31日(土)13:30@アクリエひめじ(兵庫)
【構成・演出】野上絹代コメント
別役作品にはしばしば、アイデンティティを失った設定や人物が登場します。例えば、乗務員が増え続ける乗客のいない汽車、いない泥棒を逮捕するため泥棒に扮する警察官など、一見”無駄”とも言える存在がとても切実で愛おしいのです。
今作『空中ブランコのりのキキ』の主人公もアイデンティティに悩む少女です。そんな彼女を咲妃みゆさん、キキを支え見守る登場人物にも魅力あふれる方々に集まっていただきました。加えて選りすぐりのサーカスアーティストの皆さんも。 驚き・笑い・愛に溢れた作品になります。ご期待ください。
【出演】咲妃みゆコメント

咲妃みゆ
©︎磯部昭子
何が巻き起こり何を目の当たりにするのだろうと…まるでサーカスのテントに足を踏み入れる直前の高揚感に包まれているようです。別役実さんが生み出された数々の童話が融合する世界を表
現豊かにお届けすべく、野上絹代さん、松岡広大さん、プロフェッショナルな皆さんと手を携えて丁寧に創りあげていけたらと思っております。世田谷パブリックシアターは長年憧れ続けてきた劇場でした。こうして初舞台の機会をいただけたことに心から感謝しております。今年の夏は、キキと仲間たちにぜひ会いにいらしてください!お待ちしております!
【出演】松岡広大コメント

松岡広大
©︎磯部昭子
素敵な皆様と創作が行えることにとても感謝しています。別役実さんの童話を読んでいると心地いい寂寥感を憶えます。意味も計算もなく過ごした子ども時代が去来して二度と戻ってこない時間や自由さに憧れたり、反して非合理的なことを些か冷笑的な目で眺める現在の視線も感じます。
静かで相対的な現象がなぜだか好きです。わからないことが沢山ありますが、それすら楽しくなってきました。未知なるアートの要素の融合、もうワクワクが止まりません。お子様も、子どもだった大人の皆様も、どうかこの一座を楽しみに待っていてください。
【出演】 瀬奈じゅんコメント

瀬奈じゅん
©︎磯部昭子
劇場が芸術を生み出す農園「せたがやアートファーム」
なんとも人間味のある温かな響き。
多様性という言葉が独り歩きし、本当に大切なコミュニケーションとは何だろうと考えさせられる今日この頃。
人と人とが繋がり、心を寄せ合い、認め合う。
そんなシンプルな原点を、私もこの作品の力をお借りして見つめ直していきたいと思います。
そして皆さまに楽しんで頂ける作品となりますよう、カンパニーの皆さまと共に丁寧に創り上げて参ります。
是非、劇場に足をお運びください。

玉置孝匡
©︎磯部昭子

永島敬三
©︎磯部昭子

田中美希恵
©︎磯部昭子
既に発表している咲妃みゆ、松岡広大に加えて、新たに玉置孝匡、永島敬三、田中美希恵、そして瀬奈じゅんの出演が決定いたしました。

吉田亜希(エアリアル)
©︎磯部昭子

サカトモコ(ブランコ)
©︎磯部昭子

長谷川愛実(エアリアル)
©︎磯部昭子

吉川健斗(ジャグリング、スラックワイヤー)
©︎磯部昭子

目黒宏次郎(テトラ)
©︎磯部昭子
また、吉田亜希(エアリアル)、サカトモコ(ブランコ)、長谷川愛実(エアリアル)、吉川健斗(ジャグリング、スラックワイヤー)、目黒宏次郎(テトラ)など日本サーカス界を牽引するサーカスアーティストの出演も決定! 演劇・歌・音楽・サーカス・ダンス・アクロバットを融合した、楽しくも切ない新作として立ち上げます。
◆本作は、劇作家・童話作家として数々の名作を生みだしてきた別役実の傑作童話数作品を原作に、劇団「快快」の脚本家・演出家であり第57回岸田國士戯曲賞・最終候補となるなど気鋭の北川陽子が一本の音楽劇として脚本を再構築し、同じく「快快」の鬼才・野上絹代が構成・演出を、バンドサウンド・ワールドミュージック・雅楽・エレクトロ・打ち込みなどジャンルを逸脱した特異なセンスを持ち、多くのアーティストやメディアに音楽・リミックス提供し活躍するオオルタイチが音楽を手掛ける新作の音楽劇です。
原作は、中学校の国語の教科書にも掲載されていた「空中ブランコのりのキキ」、童話集「山猫理髪店」より「愛のサーカス」などサーカスをテーマとした作品数本、「丘の上の人殺しの家」と、どれも別役実の傑作と言われる、不条理でどこか不思議な作品ばかり。野上絹代、オオルタイチ、北川陽子によって、どのような一本の作品となるのか、どうぞご期待ください。
【原作について】
童話「空中ブランコのりのキキ」
“そのサーカスで一ばん人気があったのは、なんといっても、空中ブランコのりのキキでした。”
キキは三回宙がえりのできる空中ブランコのり。キキの三回宙がえりを一目見ようと、どこの町へ行ってもそのサーカスはいつでも大盛況でした。
しかしキキには、もし他の誰かが三回宙がえりをはじめたら、自分の人気はおちてしまうのではないかという不安がありました。
「お客さんに拍手してもらえないくらいなら、わたしは死んだほうがいい……」
けれども予感は的中し、ある日、他のサーカスでも三回宙がえりが成功してしまうのでした。
童話「愛のサーカス(山猫理髪店より)」
ある夜、象と、小さな象使いの少年を乗せたイカダが港街に流れ着きました。象と少年がどこから来たのか、どうやって来たのかはわからず、少年も話すことはありません。街の人々は象と少年に眠る場所を与え、彼らの生活を見守りました。相変わらず少年は何も言いませんでしたが、少年や象のちょっとしたしぐさや表情に人々は感動してしまい、もはや港町に辿り着いた経緯はどうでもよくなっていました。
街の人々は象と少年を思いやり、彼らのために優しくしたいという気持ちが、街全体をなごやかにしていました。
そんなある日、大きな黒い箱馬車が街に乗り込んできます。馬車から現れたのは、金星サーカスの団長を名乗る陽気な紳士でした。
絵本「丘の上の人殺しの家」
モントン村の西にある丘のてっぺんに、ポツンと一軒、《人殺しの家》が建っていました。
そこには、ピーボテー、キーボテー、チーボテーという、《人殺し3人兄弟》が住んでいました。
彼らは沢山の《殺しのメニュー》を用意していましたが、もう12年もお客さんは来ていません。
3人はだんだんと悲しくなってしまいました。
そんなある日、ついにお婆さんのお客さんがやってきました。《殺しのメニュー》を見せると、お婆さんは「私は、ぜんぶやってみてもらいたいんだよ」と言うのでした。
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました