時や場所を選ばずに新国立劇場の舞台芸術をご鑑賞いただける映像配信プラットフォーム「新国デジタルシアター」にて、2022/2023 シーズンに上演した『私の一ヶ月』『夜明けの寄り鯨』『楽園』の無料配信がスタートしました!
本日(7月19日)より1か月期間限定での配信となります。
この3作品は、日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画【未来につなぐもの】として上演されました。現代に生きる我々が、過去から何を学び、そしてこれからの時代に何を渡していけるかをテーマにした本シリーズ。今、演劇界で第一線で活躍中の30代、40代の劇作家と演出家がタッグを組み、自分たちより先の未来に向けて何をつなぎ、そのために今現在、何ができるのかを問いかけた珠玉の作品たちです。
また『私の一ケ月』『夜明けの寄り鯨』の2作品は、外国人のお客様向けのサービスとして、上演当時、英語字幕を導入いたしました。今回の配信でも、同様に英語字幕でもお楽しみいただけます。より多くの方に舞台芸術、公演をお楽しみいただける新国立劇場の試みに、今後も注目です。
配信期間:2024年7月19日(金)12時~8月19日(月)12時
配信メディア:新国立劇場ウェブサイト内
【新国デジタルシアター】※
新国立劇場YouTube チャンネルからもご視聴いただけます。
2022/2023シーズン 未来につなぐものI『私の一ヶ月』

『私の一ヶ月』2022年11月公演より
撮影:引地信彦
第1弾は、「劇作家の劇場」と呼ばれる英国ロンドンのロイヤルコート劇場と新国立劇場が2019年~21年に日本で行った劇作家ワークショップにて誕生した須貝 英による作品です。このワークショップの中で、ディスカッションや推敲を重ね、ブラッシュアップしてきた作品群の中から選抜され、2022年、上演へと至りました。演出には同年代の注目の演出家、文学座の稲葉賀恵があたり、哀しみや贖いを抱えながらも、それでも前に進む人々の物語を紡ぎました。
日本語上演/英語字幕付き 収録日:2022年11月11日(金)
作:須貝 英
演出:稲葉賀恵
美術:池田ともゆき 照明:杉本公亮
音響:星野大輔 衣裳:半田悦子
ヘアメイク:高村マドカ 演出助手:城田美樹
舞台監督:福本伸生
出演:村岡希美 藤野涼子 久保酎吉 つかもと景子 大石将弘 岡田義徳あらすじ
3つの空間。2005年11月、とある地方の家の和室で日記を書いている泉。2005年9月、両親の経営する地方のコンビニで毎日買い物をする拓馬。そして2021年9月、都内の大学図書館の閉架書庫でアルバイトを始めた明結(あゆ)は、職員の佐東と出会う。やがて、3 つの時空に存在する人たちの関係が明らかになっていく。皆それぞれが拓馬の選んだつらい選択に贖いを抱えていた......。
【公演NEWS】新国立劇場の演劇<未来につなぐもの>第一弾『私の一ヶ月』開幕!2022/2023シーズン 未来につなぐものⅡ『夜明けの寄り鯨』

『夜明けの寄り鯨』
2022年12月公演より 撮影:田中亜紀
シリーズ第2弾は、演劇ユニット・iakuの主宰・横山拓也による新作。横山は「未来につなぐもの」のテーマをもとに、和歌山県の港町を舞台に、25年前に自分が傷つけたかもしれない男性の面影を追う、一人の女性のこころの物語を書き下ろしました。ひとのこころの内面を時に静かに、時に激しく描くまさに横山拓也ならではの劇世界です。演出には、新国立劇場では「こつこつプロジェクト」第一期として『スペインの戯曲』を手がけた、演出家・大澤 遊を迎え、丁寧で繊細な演出で作品の奥深い魅力を伝えました。
日本語上演/英語字幕付き 収録日:2022年12月14日(水)
作:横山拓也
演出:大澤 遊
美術:池田ともゆき 照明:鷲崎淳一郎
音響:信澤祐介 衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:高村マドカ 演出助手:山田 翠
舞台監督:川除 学
出演:小島 聖 池岡亮介 小久保寿人
森川由樹 岡崎さつき 阿岐之将一
楠見 薫 荒谷清水あらすじ
和歌山県の港町。手書きの地図を持った女性が25年ぶりに訪れる。女性は大学時代、この港町にサークルの合宿でやってきて、たまたま寄り鯨が漂着した現場に居合わせた。まだ命のあった鯨を、誰もどうすることもできなかった。
ここは江戸時代から何度か寄り鯨があって、そのたびに町は賑わったという。漂着した鯨は"寄り神様"といわれ、肉から、内臓、油、髭まで有効に使われたと、地元の年寄りたちから聞いていた。
女性が持っている地図は、大学の同級生がつくった旅のしおりの1ページ。女性はその同級生を探しているという。彼女はかつて、自分が傷つけたかもしれないその同級生の面影を追って、旅に出たのだ。地元のサーファーの青年が、彼女と一緒にすことを提案する。
【公演NEWS】新国立劇場の演劇<未来につなぐもの>第二弾『夜明けの寄り鯨』開幕!2022/2023シーズン 未来につなぐものⅢ『楽園』

『楽園』2023年6月公演より
撮影:田中亜紀
シリーズ第3弾は、脚本家・演出家・映画監督とマルチに活躍する、劇団□字ック主宰の山田佳奈による新作。各界から注目される山田が選んだ題材は、年に一度の女性だけで行われる神事。山田が実際に取材したことを題材に創作された架空の島の物語です。ワンシチュエーションで展開される、真摯で時に滑稽な女性7名の会話から、結婚、不妊、介護、パワハラ...女性たちが直面する問題が浮かび上がります。伝統継承と変化に揺れる地方都市は、やがて彼女たちの姿を通して、現在の日本に重なります。
演出は、劇団俳優座に所属し国内外の戯曲を自らの企画で上演しながらも、ミュージカル、オペラ、音楽劇など幅広い作品を手掛ける眞鍋卓嗣。実力派俳優陣と、日本の「今」を描きました。
日本語上演 収録日:2023年6月20日(火)
作:山田佳奈
演出:眞鍋卓嗣
美術:伊藤雅子 照明:佐藤 啓
音楽:久米大作 音響:加藤 温
衣裳:山下和美 ヘアメイク:高村マドカ
演出助手:城田美樹 舞台監督:川除 学
出演:豊原江理佳 土居志央梨 西尾まり 清水直子 深谷美歩 中原三千代 増子倭文江あらすじ
日本のどこかの島の拝所(うがみじょ)。年に一度の神事の日。折しも村長選挙と重なり、その演説が風に乗って聞こえている。
世話役の「おばさん」とその「娘」が準備に明け暮れている。「娘」は最近、嫁ぎ先から離婚して島に戻ってきたらしい。「おばさん」はそれを嘆いているのだが、「娘」はどこ吹く風。そこに「村長の娘」が加わって、あれこれと差配を始める。「村長の娘」は今回の選挙では、父親が負けるわけにはいかないと気合も十分だ。やがて、「若い子」が現れる。いつものお手伝いのおばあが怪我をして、その代理で派遣されたのだ。島民も高齢化で、「若い子」のような外部からの移住者に頼らないと、日常生活もままならない。
準備が進むなか、「区長の嫁」が、神事の取材を希望するテレビ局の「東京の人」を連れてくる。「区長の嫁」は村の活性化の一助になれば、と撮影の許可を出したと説明するのだが、今回の選挙は区長が対立候補として立候補しているので、「村長の娘」は区長の一存で決めることではない、と一蹴。対抗意識を剝き出しにする。
そうこうするうちに、神職の「司さま」が登場。次々に準備の不手際を指摘し、一同、慌てふためいて準備を整え、なんとか神事が始まるのだが......。
【公演NEWS】新国立劇場の演劇<未来につなぐもの>第三弾『楽園』開幕!暑い夏、おうちで観劇体験もいいですね♪
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました