ニューアルバム『Voyager』リリース&ツアー開催!藤岡正明さんインタビュー

11月にニューアルバム『Voyager(ボイジャー)』をリリースする藤岡正明さん、11月2日からはそのアルバムを引っさげて横浜、福岡、名古屋、大阪、東京を巡るライブツアーも開催! セルフプロデュースにとどまらず、あらゆる工程を自らの手で行ったアルバム制作の過程やツアーへの意気込みを伺いました。



──曲作りや歌唱はもちろん、演奏、レコーディング、ジャケット写真の撮影まで、ご自身で手掛けるアルバムを作ろうと思ったのは。

何か1つのきっかけというより、ここ数年、いろいろと思うことがあってという感じです。2019年にベーシストの谷源昌さんが亡くなり、僕は音楽的な支柱を失いました。以来、谷さんと二人で作り上げてきた藤岡正明の音楽というものに、いつか僕自身が一人で向き合わなければと思っていました。翌2021年にデビュー20周年、2022年に40歳と公私ともに節目を迎える中で、ずっと抱えていた課題に正面から取り組んでみようと決意し、できる限りの工程を自分自身で行い、誰かのエッセンスを極力入れないアルバムの制作を決めました。
実際に制作がスタートすると、「なんて大変なことを始めてしまったんだ」と思うことばかりでしたが、こうしてキツイ状況に身を置くことも必要なことだったと感じています。ある種、ショック療法のようなものです(笑)。

──舞台出演も継続する中での制作はご苦労もあったかと思いますが、その過程での手応えは。

舞台出演の合間だけではなかなか進まないので、今年に入ってからは音楽制作のために少しまとまった時間をとれるようにスケジュールを組んでもらいました。手応えは、正直なところわからないんです。誰かと一緒に作っていると、その方のリアクションやバンドとセッションをすることで自分でも感触がわかりますが、一人だとどうにも盛り上がらない(笑)。孤独です。しかも、これまでにもセルフプロデュースで曲を作ることはありましたが、アルバム全部を一人でというのは初めてのこと、孤独が長期間続くのは本当にしんどい。誰かと共有することの大切さを痛感しました。



──アルバムタイトル「Voyager」に込めた思いは。

言葉の意味は「航海者」ですが、それよりも米国の無人惑星探査機ボイジャー1号、2号に由来するタイトルと言ったほうがわかりやすいと思います。1977年に打ち上げられてから、無人で宇宙空間を航行し続け、未だに観測を続けているってすごいことですよね。やがて通信が途絶える日が来ても、そこから地球に戻ってくる術はない。そう考えると怖さもある。まだ見ぬ境地に向かって進み続けるボイジャーと、自分の人生のまだ見ぬ地平に到達したいという思いを重ねて、このタイトルにしました。

──収録曲について少しお聞きしてもいいですか。

「Voyager」というリード曲は、自分の人生はずっと何かを探している旅の途中なんだということを歌った、耳馴染みのいいロックナンバーです。探しているのは居場所なのか、会いたい誰かなのか……。あとは20年ぐらい前に書いた曲をはじめ、このアルバムのためではなく数年前に作った楽曲をリアレンジして数曲収録しました。完全に“今更”なのですが(笑)。ずっと続く探求の旅とリアレンジ、大きな柱はその2つです。

──20年前に作った楽曲を、今、聴くとどんな感じなのでしょうか。



気恥ずかしいです(笑)。でもなるべく、拙さも含めて、当時の感覚を大切にしました。まだ20代、俳優を始めたかどうかという頃、遊びというわけではないのですが地元の町田のライブハウスで個人的にやっていたソロライブで歌っていた曲です。ただ恥ずかしさと同時にこの歳になると、一周回って「あの頃はよかったな」なんて思えるようにもなるんです。適度に美化しつつ、若かりし日のキラキラも感じています。

そうやって核になる曲を決めて、全体のバランスをとっていくように収録曲を決めていきました。例えるならワンプレートごはんのようなもので、メインのハンバーグも大事だけど、その横にはマッシュポテトがあったほうがいいなとつけ合わせにもこだわりたい。さらに彩りにプチトマトも乗せてみようとか、栄養のバランスも考えたりしますよね。アルバムは一つのプレートをいかに飽きずに美味しく、楽しんでもらうか。「Voyager」はみなさんに楽しんでもらえるアルバムになっているんじゃないかな。

──アルバム発売とともに、同タイトルのライブツアーも行われます。どのような時間になりそうですか。

一人での制作はまるで正解がわからないまま勉強し続けるような感じでした。その答え合わせというわけではありませんが、みなさんの前で、生で披露することにちょっと緊張はします。でも、それ以上にライブが始まってバンドメンバーやお客様と目が合う瞬間は僕にとって本当にキラキラした宝物のような時間になると思っています。

──ライブ初日はドキドキですね。

これはライブでも舞台でも同じなのですが、僕は適度な緊張感は持ちつつ、初日こそ気負わずにいこうと心掛けています。観に、聴きに来てくださっているお客様は味方。客席にあふれる期待感や温かさ、優しさを感じて「この環境で舞台に立てることは本当にありがたいことだ!」という気持ちで臨んでいます。そこから回を重ねるごとに生まれる“慣れ”に流されないように、徐々に緊張感を高めていくようにしています。

──最近では『Musical Lovers』のプロデュースやJBBのコーラスアレンジなど、活動も多岐にわたっています。



ミュージシャンと俳優、どちらも長くやってきたからこそだと思います。ミュージカルにはミュージカルの作法、音楽的マナーがあり、ずっとミュージカルに携わっているとそれが自然に身体にしみついてくるんです。おそらくミュージカル俳優として活躍している人はみんなそうだと思います。ただその感覚的なことを音楽活動で得た経験や知識と結びつけて言語化できるのは両方やってきたから。俳優や演出家とも、音楽監督やバンドメンバー、エンジニアともそれぞれの共通言語で話せるのは経験の蓄積によるものだと思います。

──長く続けることで自然と融合していくのですね。ほかに変化を感じることは。

ライブ会場へ足を運んでくれるお客様への感謝の気持ちは変わりませんが、30代はそれに対して自分もワクワクして「一緒に楽しもう!」という気持ちだけで走ってきました。そこからコロナ禍もあり、高価なチケットを購入してくれたお客様の時間をいただき、それに見合うものを届けることへの責任を強く感じるようになりました。そして今、40代を迎えて、新鮮な気持ちでいいものをお客様にお届けし続けることの大切さを痛感しています。心身の充実があってはじめて精力的に活動できる。だから休息やインプットの時間を適切にとりながら、自分のペースで走っていきたいと思っています。キャリアを重ねるってこういうことなんですかね、それとも単に年を取ったということ(笑)?

──改めて藤岡さんにとって歌うこととは。



僕は世界を変えられるほどの歌が歌えるわけではないですし、世の中には僕より歌の上手い人はたくさんいる、そして上手下手だけでなくいろんな魅力のある歌い手がいる。その中で僕と出会って、僕の歌を聴いてくれるお客様と楽しく会話するための大事なツールが“歌”だと思うんです。僕にとっては、やっぱり誰かに聴いてもらって、楽しんで、喜んでもらってナンボです。誰かに届いて、心に響いて、何かが残ったり、力になったら嬉しい。それが僕自身が歌う意義であり、僕のアイデンティティ。これまでの人生でも歌うことでいくつもの扉が開いてきました。だからこれからも歌、音楽でお客様と会話をしていきたいと思っています。

──最後に、ライブを楽しみにしているみなさんへメッセージを!

僕にとってもライブの時間は、今感じている生みの苦しみ、プレッシャーが報われるご褒美の時間。ご褒美をみなさんとシェアするような最高のライブをお届けします。楽しみにしていてください。

藤岡正明 NEW ALBUM「Voyager」(11月6日発売)
ライブツアー「Voyager」横浜公演にて先行発売が決定
収録曲は、ボーナストラックを含む全10曲


【今後の出演情報】
藤岡正明ライブツアー「Voyager」
2024年11月2日(土)開場18:00 / 開演18:30@横浜 Yokohama mint hall
11月10日(日)開場16:30 / 開演17:00@福岡 ROOMS
11月16日(土) 開場18:00 / 開演18:30@名古屋 LION LIMITED
11月17日(日) 開場17:30 / 開演18:00@大阪 Soap opera classics-Umeda-
11月23日(土) 開場16:30 / 開演17:00@東京 浅草花劇場
https://masaaki-fujioka.com/contents/765253

「LOVE SONGS -2024-」@渋谷gee-ge
2024年12月14日(土)開場18:00/開演18:30
『男歌LOVE SONGS』
12月15日(日)開場13:00/開演13:30
『女歌LOVE SONGS』
12月15日(日)開場17:00/開演17:30
『ミックスLOVE SONGS』
https://masaaki-fujioka.com/contents/852927

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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