【配信NEWS】音楽座ミュージカル「ホーム」2024年公演、期間限定無料配信!2024年12月14日(土)・15日(日)音楽座ミュージカル公式YouTubeチャンネルにて、本レポートでご紹介した「ホーム」2024年公演が無料配信されます。(12/13追記)
<リリースより>
1994年に初演し、第二回読売演劇大賞優秀男優賞・優秀スタッフ賞を受賞してきた音楽座ミュージカル「ホーム」。昭和のひとつの家族を中心に描いた物語が、今回四度目の上演で大きく生まれ変わりました。
2024年10月に足利で公開プレビューを行い、11月・12月に東京・大阪・愛知で上演。衣裳や大道具・小道具などから具象性・時代性を抜いて再構築した今回の演出では「今まで以上に大きなテーマがスト
レートに伝わってくる」「財産演目をこれほどまで大きく再構築できる勇気、そして完成度の高さは音楽座ミュージカルならでは。新生音楽座の力強さを感じた」などの評価をいただきました。
この2024年の東京公演を、「もっとたくさんの方に見せたかった」との声も受け、急遽、未編集撮って出し映像を期間限定で無料配信いたします。
【配信情報】
音楽座ミュージカル「ホーム」無料配信
期間:2024年12月14日(土)12:00~15日(日)23:59
配信プラットフォーム
音楽座ミュージカル公式YouTubeチャンネル◆昭和30年代から平成まで、血のつながらない一組の家族と学生運動に身を投じた恋人たち、それぞれの物語が展開する音楽座ミュージカル『ホーム』。1994年の初演以来、長く愛される作品がダンスミュージカルの要素を充実させ上演中です!(舞台写真 撮影:二階堂健 ©ヒューマンデザイン)
幕開きは、人々が行き交う現代の風景。一瞬時が止まり、人々が羽衣のような薄布を纏うと、人々は森羅万象を表す存在“オリジン”となる。そして物語の胎動のような、命の鼓動を感じさせる音楽に乗せて群舞が始まる。
物語の舞台は、戦後復興から高度成長期へと差し掛かる昭和34年。デパートの屋上でアドバルーンの見張りをしている青年・山本哲郎(小林啓也)は謎めいた女性麻生めぐみ(森彩香)と出会う。同じ頃、世界を変えようと学生運動にかける藤井宏(安中淳也)と坂本いずみ(岡崎かのん)、一組の恋人たちがビルの谷間で寄り添っていた。
60年安保闘争、学生運動の思い、熱気、怒りを表すのも力強いダンス。パーカーにデニムという現代的な衣裳であることで、“彼らが今の世に生まれたなら”と等身大の若者たちであることが色濃く伝わる。それとともに特攻の生き残りである哲郎、学生運動に身を投じた宏、国と個人の在り方からは昭和という時代が見えてくる。
庶民の生活では、やはり“テレビ”の時代の到来が大きく、テレビが来た日の祝祭ムードも歌とダンスで華やかに表現されます。老いも若きも熱狂! さらに人類が宇宙へ、東京オリンピック開催などテレビが伝えた昭和史に乗せて展開する物語。
無気力に生きてきた哲郎が、めぐみと出会い家族を持つ、激動の昭和を生きた哲郎の成長譚として物語をしっかりと生き抜く小林啓也さん
ほどなくして哲郎とめぐみは結婚し、娘の広子が生まれる。夫婦と赤ちゃん、めぐみの母・豊(とよ)との幸せな生活が始まろうとした矢先、めぐみが失踪してしまうことで哲郎の人生は急展開。酒浸りの日々を送りトラブルを起こした哲郎と警察に身柄を拘束された宏、二人の人生が留置所で、一瞬、交錯する。ただ、二人とも、その後の運命を知る由もない。そんな、ある家族、ある恋人たちの物語が描かれます。
拘留中、面会に訪れたいずみを巻き込まないために拒絶する宏。二人は別々の道を歩き始め、教師になったいずみが哲郎の娘・広子(森彩香、2役)の担任となり、ふたつの物語がひとつになっていく。
いずみの意志の強さを体現する真っ直ぐな歌声の岡崎かのんさん
その身に降りかかる出来事のひとつひとつを引き受ける広子、謎めいためぐみの2役を演じる森彩香さん
恋人と母、同じように大切な人に去られたいずみに、広子が抱いてきた悲しみや葛藤を吐露する芝居、そして信じる心を分かち合う二人の姿にグッときます。やがてたどり着く広子の「どうでもいい」、この言葉がこんなに心に沁みるなんて……。
混迷の世の中、誰にも言えない秘密を胸にしまい、それを抱えて生きていく登場人物たちの人生の選択を慮る。そして見えない糸で繋がる“縁”“巡り合い”の不思議。行間を読むような作品で、観た人それぞれの心にそれぞれのホーム、拠り所の形が残ることでしょう。
豊おばあちゃんの自由さ、哲郎の妹・幸枝の歯に衣着せぬ物言い、哲郎の友達・二郎、がんさん、下村の三人組もユニークで、それぞれのやり取りに笑いもあふれる物語。
劇中、登場人物たちは、夕焼けの美しさに目を細め、星たちの輝きに勇気をもらう。そして物語の終わり、次々にオリジンに姿を変えていく──人間の営みと森羅万象の関係も印象的。天高くから地球に暮らす人々、懸命に生きる一人ひとりをやさしく見つめるような大きな視点ももつ作品です。昭和ノスタルジーにとどまることなく、そこから見えてくる現在、未来を感じましょう。
東京公演ではアフターイベント開催日も設けられています。公演は、12月8日まで草月ホールにて!
写真提供:音楽座ミュージカル ©ヒューマンデザイン
おけぴ取材班:chiaki(取材・文)監修:おけぴ管理人