三人の俳優とピアノ、チェロ、バイオリンの旋律で描かれるミュージカル『ワイルド・グレイ』開幕!

ミュージカル『ワイルド・グレイ』@新国立劇場 小劇場
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三人の俳優とピアノ、チェロ、バイオリンの旋律で描かれる、韓国発の衝撃作。
ミュージカル『ワイルド・グレイ』開幕!


ものがたり
慣習と規範に縛られた19世紀末、ロンドン。
文学界の異端児オスカー・ワイルド(立石俊樹/廣瀬友祐)は小説「ドリアン・グレイの肖像」を連載するが、美と若さのために魂を売り渡す青年ドリアン・グレイの物語は、時代に合わない破格的なテーマと内容で英国社会に衝撃を与える。議論と批判は収まらず、結局主人公のドリアンが死を迎えるという望まない結末で小説を出版する。そんなワイルドを支え続けるのは、友人であり支持者であるロバート・ロス(福士誠治/平間壮一)だった。二人が望んでいた自由が芸術の中でさえ挫折したその時、ドリアン・グレイにそっくりな青年アルフレッド・ダグラス(東島 京/福山康平)が現れる―



「小説が人生を模倣するのではなく、人生が小説を模倣するのだ」
詩人、作家、劇作家オスカー・ワイルドと聞くと浮かび上がる言葉は耽美、退廃。
そんなワイルドに寄り添うロバート・ロス、著作「ドリアン・グレイの肖像」から抜け出てきたかのような美貌の青年アルフレッド・ダグラス。3人の織りなす物語を、ピアノ、チェロ、バイオリンの旋律に乗せて描くミュージカル『ワイルド・グレイ』。演出は根本宗子さんです。

19世紀末のロンドンを舞台に繰り広げられる愛の物語は、霧に包まれたようにつかめそうでつかめない。観終わってからも、あの言葉の意味は、あの視線の裏にある感情はと、いくつもの瞬間の思いを反芻するような作品。ワイルドとロス、ダグラスの三角関係と言ってしまえばそれがすべてですが、ワイルドとロス、ワイルドとダグラス、そしてロスとダグラスの一対一の関係性も一筋縄ではいかない。

この日の公開ゲネプロのキャストは、ロバート・ロス:平間壮一さん、オスカー・ワイルド:廣瀬友祐さん、アルフレッド・ダグラス:福山康平さん。



ロバート・ロス:平間壮一さん


オスカー・ワイルド:廣瀬友祐さん



ワイルドをやさしく見つめる平間さんのロス。二人のやりとりは心を許した友同士の軽妙さもあり、ワイルドを取り巻く状況はけして穏やかではないものの、ある種の均衡はとれていたように思われます。ロスがワイルドを社会の枠の中に踏みとどまらせていたのでしょう。

一方、廣瀬さん演じるワイルドは大人エキセントリックとでも言うか、なんとも不思議な、そして大きな魅力をもつ人物。包み込むような温かい声、美しさと芸術家としての信念をもつワイルドです。



そこに、小説「ドリアン・グレイの肖像」の主人公ドリアンにそっくりな美しい青年ダグラス(ボジー)が現れたことで──



写真右)アルフレッド・ダグラス:福山康平さん

ボジーへ向けられるワイルドの眼差しはロスへのそれとは明らかに異なるのがなんとも残酷に映ります。ワイルドに近づくきっかけはあざとく、若さだけでは片づけられないプライドの高さ、時折起こす癇癪など、福山さん演じる貴族の息子ボジーの危うさが鮮烈。

愛と芸術では圧倒的な頂点にいるワイルド、美でそのバランスを崩すダグラス、なんとかワイルドを守ろうと献身的に支えるロス、ボジーの出現で三角関係に陥る三人、その三角形はゆがみ……当時の法律、階級社会、世論などが色濃くベースにある中で、果たしてどんな結末を迎えるか。というところは劇場で味わっていただくとして、ここからは解説無しで舞台写真と初日コメントをご紹介いたします。








劇中で幾度もバランスを崩し、歪むロス、ワイルド、ダグラスが描く三角形。共通しているのは、三者三様に愛と苦しみを抱え、どのキャラクターも重量級の難しさと演じ甲斐があるだろうということ。その物語にときに軽やかに寄り添い、ときにさらに苦悩の奥底に引きずり込み、ふと解放する──ドラマに奥行きを作り出すのがピアノ、チェロ、バイオリン、こちらも“3つ”の楽器で奏でられる音楽です。3と言えば、「覚えてる」「童話」といった3拍子の楽曲も印象的。また韓国ミュージカル独特の、感情が上下左右に揺さぶられるような旋律も本作の魅力のひとつです。

一度の観劇でするするっとすべてを消化できるかと問われたら、否と答えたくなる作品であるのも事実です。何度か観劇する中で消化、昇華するもよし、一度の観劇の記憶を自分の中で反芻してじっくりと味わい尽くすもよし。



撮影:宮川舞子



撮影:宮川舞子



撮影:宮川舞子



撮影:宮川舞子



撮影:宮川舞子



撮影:宮川舞子


それと同時に、今回はWキャスト(Wチーム制)なのでもうひと組がどう映るかという興味も! ロバート・ロス:福士誠治さん、オスカー・ワイルド:立石俊樹さん、アルフレッド・ダグラス:東島 京さんというキャスティングはまた別の印象を残しそうな予感。いや絶対違うでしょ。すでにそんな自問自答が始まっています。両チーム観劇もおすすめです。


【初日コメント】


福士誠治(ロバート・ロス役)
ワイルド・グレイという作品に携われること、本当に光栄です。
偉大な小説家であるオスカー・ワイルドに惹かれるロバート・ロスという役を演じることは、楽しくもあり、切ない気持ちにもなります。
今とは違う時代を生きた人達が、時代や社会にそして人間に翻弄され、苦しみながらも自分の生き様に美しさを求めていくこの舞台を、是非楽しんでいただけると幸いです。
ピアノ、バイオリン、チェロの奏でる旋律も素敵なので、音楽に芝居にあふれた空間をお楽しみください。

立石俊樹(オスカー・ワイルド役)
芸術、愛を求め続けた3人の男たちの物語です。
オスカー・ワイルドという人物の魅力を知り、劇を通して彼自身の想像もし得なかった苦労や喜びを追体験させていただいています。
ピアノ・バイオリン・チェロのみで紡がれる音楽は、とても美しく素敵な空間を演出してくれます。
そして、役者 3 人だけのミュージカルだからこそ生まれる、濃密で深みのあるお芝居と心を震わせるミュージカルナンバーをぜひ劇場で堪能していただけたら嬉しいです。
皆さまのご来場を、心よりお待ちしております。

東島 京(アルフレッド・ダグラス役)
いよいよ劇場に入り、胸に手を当てなくても鼓動の音を感じるのはいつぶりでしょうか。
限られた時間の中で物凄い熱量で役と向き合い理解しようと努力しました。初めて新国立劇場小劇場のステージに立って客席の独特な雰囲気を感じた今、その凝縮したものが次の刹那には破裂しそうな感覚です。
10代最後の作品なので特別な想いもあり、ついにお届けできることに興奮しています。
多くの方はアルフレッド・ダグラスに感情移入できないかもしれませんが、図々しいくらい彼を愛してきたので彼なりの言い分を代わりに届けられるよう全身全霊でつとめてまいります。


平間壮一(ロバート・ロス役)
あけましておめでとうございます。
新年一発目の舞台『ワイルド・グレイ』。
自分自身がこの作品を、作り出したわけではないですが、その一部になれたので、オスカー・ワイルドが作品に込めた愛のように『ワイルド・グレイ』と言う作品を愛して芸術の中にとことん生きられるよう頑張ります。
美と愛はいろんな形がありますよねー

廣瀬友祐(オスカー・ワイルド役)
無事に初日を迎えることができ、大変嬉しく思います。同時に、これから千穐楽までの間、誰一人欠けることなく、両チームが無事に乗り切れることを心から願っています。
出演者が3人という環境は、俳優にとって非常に贅沢で幸せな空間です。この特別な環境の中で、素晴らしいキャストと、ピアノ・バイオリン・チェロを奏でるミュージシャンの皆さんと共に舞台に立てることに大きな喜びを感じています。
この贅沢な舞台から、僕らにしか届けられない作品をお届けできればと思っています。また、出演者が変わることで、こんなにもチームの色が異なるのか!と感じていただけるはずです。
ぜひ2025年の観劇初めに、『ワイルド・グレイ』をお楽しみいただけたら幸いです。

福山康平(アルフレッド・ダグラス役)
遂に初日。ドキドキです。今までこんなにも稽古期間を短く感じたことはなかったと思います。怒涛の日々でした。自分が演じるアルフレッド・ダグラス、ボジーという役との間にはまだまだ近づく余地が沢山あるはず。毎公演少しでも彼を愛せるように、そして僕自身も成長できるように、廣瀬さん、平間さん、カンパニーの皆さんと共に大千穐楽まで走り抜けたいと思います!芸術を愛し、救いを求め、翻弄された男たちの物語、是非見届けてください。


演出・上演台本・訳詞:根本宗子
「演出は日本のオリジナルにしていいですよ」
そう言っていただけたことが、わたしがこの作品をやろうと決めた大きなきっかけです。
韓国で生まれた本当に素晴らしい戯曲と、楽曲を自分の演出でどこまで日本で届けられるかこのお仕事を受けた日から今日まで考え続けてきました。
その答えの幕がついに開きます。
狙い通り、両チーム信じられないくらい印象が違う作品に仕上がりました。
それは全俳優がそれぞれの味と表現を持っていたから出来たことであり、ただのダブルキャスト公演で終わらせたくないという演出家としてのわたしの欲に全てのスタッフさん方が向き合い付き合ってくださったから叶ったことです。
願わくば、両チームご覧いただきたい思いです。
開幕前夜の今、わたしの心は初日がついに開く期待と、日本初演の演出を担う責任に胸の中は満ち溢れています。
日本版「ワイルド・グレイ」どうぞご期待ください。劇場でお待ちしております。
是非、見届けて欲しい。


愛や美の形が多様であるがゆえ、その解釈は観客一人ひとりに委ねられる作品。
3人ミュージカル、そのパワーバランスの不均衡もクセになるミュージカル『ワイルド・グレイ』は1月26日まで新国立劇場・小劇場にて、その後、愛知・大阪・群馬にて上演です!

ミュージカル『ワイルド・グレイ』@新国立劇場 小劇場
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ミュージカル『ワイルド・グレイ』
2025年1月8日~26日@東京・新国立劇場 小劇場
2025年2月8@愛知・ウインクあいち 大ホール
2025年2月14日~16日@大阪・森ノ宮ピロティホール
2025年2月22@群馬・高崎芸術劇場 スタジオシアター

脚本:イ・ジヒョン
音楽:イ・ボムジェ
翻訳:石川樹里

演出・上演台本:根本宗子

ロバート・ロス:福士誠治 オスカー・ワイルド:立石俊樹 アルフレッド・ダグラス:東島 京
ロバート・ロス:平間壮一 オスカー・ワイルド:廣瀬友祐 アルフレッド・ダグラス:福山康平

ピアノ:大谷 愛、小林萌里
バイオリン:磯部舞子、西原史織
チェロ:吉良 都、人見 遼

公演HP:https://horipro-stage.jp/stage/wildgrey2025/

おけぴ取材班:chiaki 監修:おけぴ管理人

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