ついに開幕した 帝国劇場 CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』。
開幕レポートに続いてはレギュラーキャスト大活躍のコンサートACT1(プログラムAゲネプロ)をご紹介いたします。現帝国劇場で上演されたミュージカル全53作品からなんと64曲が披露される壮大なコンサート!

井上芳雄さん
コンサートの幕を開けるのは井上芳雄さんです。オリジナルソング<THE
帝劇>に乗せてキャストも次々と登場、帝劇の楽屋入口、ロビーのステンドグラスなどを映し出す演出、帝劇のすべてを味わい尽くす時間の始まりです。
1984年『屋根の上のヴァイオリン弾き』でアンサンブルキャストとしてはじめて帝劇の舞台に立ち、以後、数々の作品に出演してきた森公美子さんが、帝劇初主演を果たしたのが『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』。女性キャスト全員とともに、森さんがパワフルに歌い上げます!

『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』より
森公美子さん
『1789 -バスティーユの恋人たち-』のナンバーを歌うのは佐藤隆紀さん、三浦宏規さん、宮野真守さんです。なにをお歌いになっても、お話をされてもいいお声!帝劇にその美声を響き渡らせるのはシュガーさんの愛称でもおなじみの佐藤さん。MCでは、「僕も憧れの帝劇の舞台に立つために『レ・ミゼラブル』のマリウスや『エリザベート』のルドルフという若手登竜門を目指していたのですが……実際はジャン・バルジャンやフランツ・ヨーゼフで(笑)。このコンサートでは『1789 -バスティーユの恋人たち-』ナンバーでキャーという声を浴びることができましたが、なんだか不思議な汗が出ました」と笑いを誘います。そんなシュガーさんが会見でお話しされていた“帝劇0番で踊る佐藤さん”のお姿もどうぞ!また稽古場では豪華キャストの競演に「すみっこで消えそうになっていた」とお話された三浦さんも舞台に立てばこの通りの堂々たるダンス、歌を披露! 帝劇で踊りまくる三浦さんを観ることができるのも、いい思い出です。

三浦宏規さん
『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』のナンバー、甲斐翔真さんと岡崎大樹さん&輝生かなでさん(タンゴダンサー)によるパフォーマンスは帝劇の空間、舞台機構を活かした演出で届けられます。このコンサートでは、せりやすっぽん、回り盆など、帝劇の舞台機構フル稼働の勢いのめくるめく展開も大きな見どころ! 『エリザベート』のルドルフ役で初めて帝劇の舞台に立ち、その後、『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』でクリスチャン役も務めた甲斐さん、コンサートでのソロナンバーを最初に歌うのが自分でいいのかを演出の山田和也さんに尋ねたところ、“New HISTORY COMING”というメッセージを若い俳優さんに担ってほしいという思いを伝えられたそうです。

『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』
甲斐翔真さん

『ルドルフ ザ・ラスト・キス』より
生田絵梨花さん 井上芳雄さん
この作品も帝劇で上演されていたんだ!そんな嬉しい驚きも。1976年に帝劇で日本初演されたのは『ピピン』、1981年には『スウィーニー・トッド フリート街の奇妙な床屋』が上演されました。『ピピン』は1972年、『スウィーニー・トッド』は1979年にブロードウェイ初演ですので、帝劇は早い段階から世界のミュージカル作品をいち早く日本で上演する劇場だったのですね。ゲストコーナーで披露された『屋根の上のヴァイオリン弾き』(1964年ブロードウェイ初演、1967年日本初演)、『ラ・マンチャの男』(1965年ブロードウェイ初演、1969年日本初演)とあわせて、劇場の歴史に燦然と輝く名作たちです。

『スウィーニー・トッド フリート街の奇妙な床屋』より
小野田龍之介さん
『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』『レベッカ』からの楽曲をじっくりと聴かせてくれたのは浦井健治さん、平野綾さんです。観客の心とともに、帝劇の壁や天井、客席……いたるところに、ミュージカルヒットメーカーのシルヴェスター・リーヴァイさんやフランク・ワイルドホーンさんの紡ぐ音もしみ込んでいます。

『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』より
浦井健治さん

『レベッカ』より
平野綾さん
こちらは『THE BEST』を盛り上げるのはもちろん、どのミュージカル作品もこの方々なしには成立しない!アンサンブルキャストのみなさんです。

『ニューヨークに行きたい!!』より
シンガーズ+アンサンブル
『ジャージー・ボーイズ』からの楽曲は、浦井健治さん、小野田龍之介さん、甲斐翔真さん、宮野真守さんという4人が客席をまわって披露。『ジャージー・ボーイズ』は、2020年に帝国劇場での再々演が予定されていましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で本公演は中止を余儀なくされました。しかし、コンサート・ヴァージョンとして復活! 無観客配信の3公演の後、お客様をお迎えしての帝国劇場再開を果たした演目として劇場の歴史に刻まれました。しばらく叶わなかった“客席降り”がこの楽曲でも実現、キャストと観客が音楽を分かち合えていることにジーンときてしまいました。

『ジャージー・ボーイズ』より
甲斐翔真さん
ACT1もいよいよ大詰め。『モーツァルト!』の楽曲を井上芳雄さんが、その井上さんが会見で「歌穂さんのこの楽曲が1幕の核」とおっしゃった『レ・ミゼラブル』の楽曲を島田歌穂さんが歌い上げます。帝劇に育てられたと話す大スターお二人の魂のこもった歌唱。ACT2では『オリバー!』の楽曲を歌い、さらにはまさかの『SPY×FAMILY』の楽曲などなど幅広い楽曲を歌う島田さんはまさにミュージカル俳優! ミュージカルって素敵だな、楽しいな、奥深いな、島田さんのパフォーマンスを観ているだけでたくさんの感情が溢れてきます。

『レ・ミゼラブル』より
島田歌穂さん
そしてACT1のラストを飾るのは、『THE BEST』構成・演出も手掛ける山田和也さんの演出作品のひとつ、今年5月に劇場を移しての上演が決まっている『ダンス オブ ヴァンパイア』です!

『ダンス オブ ヴァンパイア』より
こうしてあっという間にACT1が終わり休憩へ!
ACT2へ続く!
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人