世田谷パブリックシアターで上演された舞台「桜の園」を、今春にWOWOWで放送・配信することが決定!これがチェーホフ!?と思うほど、笑いに包まれ、ビビッドな世界が広がる、ケラリーノ・サンドロヴィッチが上演台本・演出を手掛けた「桜の園」。実はチェーホフ自身が本来、喜劇として書いた本作。その原点を追求しつつ現代の観客にも通じる視点を浮き彫りにした手腕によりKERAは第32回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。
舞台は19世紀末のロシア貴族の屋敷。過去の栄華にすがる女主人が財産を失っていくまでを家族、使用人たちの思惑を交錯しつつ描く。
登場した瞬間、そのオーラと美しさに客席がハッと息をのんだ天海祐希。りんとした印象とは裏腹な人間のもろさを鮮明に演じる。そして、ミュージカル界のプリンスというイメージを大胆に振り切った魅力で観客の心をつかんだ井上芳雄。進境著しく、活躍の場を広げている大原櫻子。さらに、この作品で新境地を開き読売演劇大賞優秀男優賞受賞の荒川良々ほか、絶妙なキャスティングがどこか欠落した登場人物たちを人間味あふれるものにしている。終盤のダンスシーンのみごとなステージング、そして物語のラストが意味するもの。とっつきにくさゼロながら、さすが名作といわれる奥深さをぜひ、味わってほしい。
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました