ミュージカル『イリュージョニスト』大阪公演
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3月11日、ミュージカル『イリュージョニスト』フルバージョンでの上演が始まります。スティーヴン・ミルハウザーによる短編小説『Eisenheim the Illusionist(幻影師、アイゼンハイム)』を原作とし、2006年にはエドワード・ノートン主演にて映画化(2008年日本公開)もされたモチーフ。19世紀末のウィーンを舞台に、天才幻影師と公爵令嬢の禁断の愛、傾国の危機が迫るオーストリア皇太子の苦悩、嘘と真実に翻弄される人間模様を、巧みなストーリー展開と華麗なトリックで描く物語がミュージカルに!
ミュージカル『イリュージョニスト』、2021年1月のコンサートバージョンから4年の歳月を経て、ついにフルバージョンで上演されます。
開幕を前に、公開ゲネプロが行われました。キャスト&スタッフの初日コメントとあわせてお届けします。
◆めくるめくミステリー・ロマンス・スリラー作品の誕生。
目の前で繰り広げられる物語は真実か、幻か──スリリングな人間関係と息をのむイリュージョンで翻弄される心地よさに酔いしれていると、やがて突き付けられる驚愕の結末。
舞台は19世紀末のウィーン。
天才イリュージョニスト・アイゼンハイムは興行主のジーガとともに世界巡業でこの地にやってきた。そこでアイゼンハイムは幼き日に互いに惹かれ合った幼馴染の公爵令嬢ソフィと再会。しかしソフィは、傾国の危機を救おうと過激な思想に傾倒する皇太子レオポルドの婚約者となっていて──
まるで一夜の幻のような舞台を生み出すのは、退廃的な香りも纏う美しい旋律の音楽と先の読めない物語の展開、そして流れるような舞台上の景色の移ろい(セット転換)です。その転換を担うのは人、成河さんのコメントにもあるように、「トム・サザーランドによる唯一無二の空間演出は全て、アナログを駆使した人海戦術」なのです。人の手によってまるで生きているかのように動くセット、深い闇を生み出す光、蠱惑的な世界が広がります。
主要キャストは2021年のコンサートバージョンから引き続いての出演、一人ひとりの生い立ちやバックグラウンドが詳細に語られることはないのですが、そのキャラクターの生きてきた歴史、道筋をしっかりと内側に携えて物語を生きます。イリュージョニストのアイゼンハイムを演じる海宝直人さんは、みなぎる万能感を漂わせ、幼馴染のソフィへの深い愛には、強すぎる執着心など危険な香りも。そこに海宝さんの伸びやかな歌声から感じる高潔さが加わって、その心の内が……読めない!! そんなアイゼンハイムと行動を共にする興行主ジーガには濱田めぐみさん。あの時代、男装の麗人のように振る舞う“成功した女性興行主”という存在の立ち位置、生き方をふとした表情、ひと言、ひと節の温度感で伝えます。ジーガにだけ見せるような柔らかな表情を見せるアイゼンハイム、二人の絆からも、当時の社会が見えるよう。ジーガは原作小説や映画には登場しない、舞台オリジナルのキャラクターです。それを担うだけの支配力を見せつける濱田さんです。
癇癪もちの皇太子レオポルドには成河さん。公衆の面前で語る場面の歌声はクラシカルな響きでとてもロイヤル、一方で癇に障ると突き刺さるような鋭い声に。ただ一番怖いのは……感情を表さず淡々と語る言葉だったりもします。皇太子の命を受け、アイゼンハイムとソフィの仲を探る警部ウールには栗原英雄さん。アイゼンハイム、ソフィ、レオポルド、世紀の三角関係との距離感、職務、身分など、第三者的立ち位置であり、観客を映す鏡のようでもあり……物語を多面的に見せます。
そして、公爵令嬢ソフィには愛希れいかさん。皇太子への疑念と、遠い昔に置いてきたアイゼンハイムへの愛、葛藤するヒロインを力強く演じます。この個々の声を持つ、力ある俳優たちが、非常に演劇的な楽曲を歌い上げます。
ジーガの一座の座員から、宮殿の貴族、民衆など、劇世界や当時の社会、その空気を作り上げるアンサンブルキャストの存在感も見逃せません。
アイゼンハイムとソフィの密会が皇太子の逆鱗に触れ……というところで第一幕終了。
この先の展開は、ぜひ劇場で体験してください。あの時の、あの人の、あの言葉が……のちのち大きな意味を持つ。ひとときも気が抜けない、圧倒的な密度で迫る作品です。
こうして「……」多めでお届けしたレポート。そうなんです!
心を惑わし、心をつかむ手品のような仕掛けやあっと驚くイリュージョン、さらにヒリヒリするような物語展開など、言えないことがいっぱいなのです!
演出を手掛けるのは、日本での創作もかれこれ10年になるというトム・サザーランドさん。コンサートバージョンからの変化で言えば、なによりも舞台の奥行きが挙げられます。その空間で“このセットがこんな動きをするなんて!”という驚きが押し寄せます。照明や衣裳、メイクも効果を発揮し、なんとも色彩豊かで美しい舞台という虚構の中に浮かび上がるのは、人間たちの姿。過去から届く彼らの声が印象的です。トムさんの作品をこれまでにご覧になった方には、「これぞトム・サザーランド演出だ!」というシーンもお楽しみに!
ミュージカル『イリュージョニスト』大阪公演
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ミュージカル『イリュージョニスト』は3月29日まで日生劇場にて、4月8日~20日は梅田芸術劇場メインホールにて上演です。ここからはスタッフ・キャストの初日コメントをご紹介いたします。
イリュージョニスト・アイゼンハイム/海宝直人 コメント前回公演は感染症による制約の中、カンパニー一丸となり、創造力を駆使して作品を作り上げました。そして今回は待望のフルバージョン。ドラマチックで美しい音楽はそのままに、より刺激的で想像力豊かな舞台に生まれ変わりました。ある時は色鮮やかに、ある時は魅惑的に、またある時は幻想的に。多彩な表情を見せながら、この作品が問いかけるのはまさに現代そのもの。ぜひ皆さま劇場でご体感ください。
公爵令嬢・ソフィ/愛希れいか コメント初日の幕が開くギリギリまで、皆んなで試行錯誤を繰り返し、妥協することなくチャレンジし続けています。私自身も初日にどうなっているのか正直分かりませんが、きっと緻密で美しく、かつ大胆な舞台になるのではないかなと思っています。 千秋楽までソフィとして精一杯生きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。 スリル満点の『イリュージョニスト』の世界を最後までお楽しみください!!
皇太子・レオポルド/成河 コメントついにフルバージョンを皆様にお披露目できることを嬉しく思います。トム・サザーランドによる唯一無二の空間演出は全て、アナログを駆使した人海戦術です。今のデジタル優位の世界で、イリュージョンも含めた、このアナログの持つ「脳みそを使った最高峰の遊び」をご堪能下さい。そして、この作品が最後に突きつけてくる問いは非常に今日的なものです。劇場でこの問いが美しい音楽と共に皆様に届く瞬間を楽しみにしています。
警部・ウール/栗原英雄 コメント いよいよ開幕の時を迎えます。この作品が皆様の元へお届け出来る事に喜びを感じております。2016 年プロジェクトの立ち上がりから本日まで多くの人が関わって来ました。様々なことが有りました。これまで全てのスタッフキャスト関係者の仲間と創られた作品です。この作品が皆様の目にどう映り、どう心に響き、どう思考されるのか、、貴方の真実とは、、ミュージカル『イリュージョニスト』の幕が上がります。
興行主・ジーガ/濱田めぐみ コメント今回のフルバージョンになって圧倒的な世界観に包み込まれます。セットやライト、衣裳、メイクが揃って漸く完成した舞台『イリュージョニスト』になるのだと。 幻想的で独創的な魅力溢れる世界。前回よりも立体的により深くこの物語が迫って来ます。是非劇場にてこの物語に包まれて下さい。
脚本/ピーター・ドゥシャン コメント皆さまにトム・サザーランドが演出を手掛ける、私たちのミュージカルを観ていただけることを、非常に楽しみにしています。舞台上にはワクワクするような演出が満載です。クリエイティブチームの仕事は驚くほど素晴らしく、俳優たちはそれぞれの役をダイナミックに表現しています。刺激的な時間を、劇場でどうぞお楽しみください。
作詞・作曲/マイケル・ブルース コメント『イリュージョニスト』フルバージョンが、ついに日生劇場(そして梅田芸術劇場)で上演されることを、とても嬉しく思います。このプロダクションは挑戦的かつ壮大で、圧倒的な舞台装置と、現代社会に響く力強いテーマ性を兼ね備えた作品です。2021年のコンサートバージョン以来、一流のプリンシパルキャストの皆さんはさらにその演技を深め、卓越した技術とショーマンシップを存分に発揮しています。この目が離せないミステリー・ロマンス・スリラーでは、オーケストラの響きがこれまで以上に壮麗で、アンサンブルの圧倒的な歌声が劇場の屋根を吹き飛ばすほどの迫力を生み出しています。 素晴らしい才能を持つ俳優たち、クリエイティブチーム、そして技術スタッフたちと共に仕事ができたことを心から光栄に思います。
演出/トム・サザーランド コメント日本で初めてミュージカルを演出してから、早くも10年が経ちました。その間に、ここで共に創作する仲間たちを、世界最高峰の技術を持つアーティストとしてだけでなく、大切な友人だと感じるようになりました。今回、ピーター・ドゥシャンとマイケル・ブルースによるこのスリリングなミュージカルを皆さんと共有できることを、大変嬉しく思います。素晴らしいキャストの皆さんによって、キャラクターに命が吹き込まれ、この作品はさらに鮮やかで豊かなものになりました。コンサートバージョンも愛していましたが、いよいよ開幕が近づく今、より刺激的で没入感のあるミュージカルに生まれ変わったことを確信しています。どうぞお楽しみください。いいえ、"大いに"お楽しみください!
ミュージカル『イリュージョニスト』大阪公演
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おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人