自由と平等を求めてフランス革命に身を投じた若者たち、あの時代を生きた恋人たちの物語を、グルーヴ感溢れるロック、メロディアスなバラードといった情熱的な楽曲、エネルギッシュなダンスで描き出すフレンチロックミュージカルの大人気作ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』! 明治座にて、7年ぶりの公演の幕が上がりました。
主人公のロナン、ヒロインのオランプ、革命家たちを演じる俳優の眩いきらめきにあふれ、いつしか若きスターの登竜門とも呼ばれる本作。熱い開幕コメント&公開GPレポート(ロナン:岡宮来夢さん、オランプ:星風まどかさん)をお届けします!
1789年7月14日、バスティーユ牢獄襲撃。
動乱の時代を懸命に生き、“自由、平等、博愛”、
新しい時代の到来を信じて命を燃やした人々の愛を描く父親を貴族に殺されたことをきっかけにパリへやってきた農夫ロナンは岡宮来夢さん(手島章斗さんとのWキャスト)。

ロナン・マズリエ:岡宮来夢さん
故郷を飛び出したロナンが、仲間と出会い哲学を、オランプと出会い愛を知り成長していく様を鮮やかに立ち上げます。作品を観るたびにそれまでに見たことのない表情、佇まいを見せる岡宮さん。本作でも真っ直ぐな少年っぽさと、少し大人びた雰囲気を共存させたロナン像を体現。伸びやかな歌声も物語が進むごとに、より一層力を帯びていきます。
フランス王太子の養育係として宮廷に仕えるオランプには星風まどかさん(奥田いろはさんとのWキャスト)。

オランプ・デュ・ピュジェ: 星風まどかさん
病弱な王太子ルイ・ジョセフへ注ぐ愛の深さ、王妃マリーへの忠誠心、オランプもまた真っ直ぐな女性。王党派と革命派、対立する身分のロナンへの思いに苦しみ葛藤する姿にグッときます。芯のある歌声が印象的な、強い意志を持つ凛としたオランプです。
マリー・アントワネットとフェルゼン伯の逢瀬を手引きしてパリへやってきたオランプとロナン、決して出会うはずのない二人が出会い……。
岡宮さんと星風さん、フレッシュな組み合わせが生み出す化学反応が眩しく美しく切ない。そしてロナンとオランプの恋路は順風満帆とはいきません。身分違いの恋に葛藤する二人の姿に、名曲<サ・イラ・モナムール>の“誰もが自由に愛し合う世界”という作品のテーマが凝縮されています。
そして本作にはほかにもたくさんの魅力的なキャラクターが登場します。
まずは革命派から!

ロナンがパリで出会う若き革命家たち
革命の同志として兄弟のような絆を育む

カミーユ・デムーラン:内海啓貴さん

マキシミリアン・ロベスピエール:伊藤あさひさん
内海啓貴さんが力強い歌声で情熱溢れるジャーナリストのデムーランを、伊藤あさひさんがシャープな歌声と身のこなし、そこに甘い雰囲気をにじませながら第三身分(平民)出身の議員ロベスピエールを演じ、シトワイヤン(市民)を率います。デムーランの<武器を取れ>、ロベスピエールの<誰の為に踊らされてるのか>など、何度聴いても高揚する楽曲揃い!!

ジョルジュ・ジャック・ダントン:伊勢大貴さん
<パレ・ロワイヤル>で、響く低音、張りのある歌声とともに登場するのが市民革命の先頭に立つ弁護士ダントン。演じるのは伊勢大貴さん。この街を知り尽くした少女シャルロットと仲良しで、陽気な一面ものぞかせるダントンがロナンに紹介したのは……兄を追ってパリへやってきたロナンの妹のソレーヌ。思いがけぬ再会を果たす兄妹。

ソレーヌ・マズリエ:藤森蓮華さん
ソレーヌを演じる藤森蓮華さんの妖艶な舞と歌声が伝える、パリの現実。ロナンにも、観客にも深く突き刺さります。
続いては、フランス王族・王党派。

マリー・アントワネット:凪七瑠海さん
ご存じ王妃マリー・アントワネットを演じるのは凪七瑠海さん。王妃としての顔、母としての顔、一人の女性としての顔、そのすべてが本物。マリーの愛もまた、時代に翻弄され、その荒波に飲み込まれていきます。王宮での華やかな場面でもどこか満たされない表情を浮かべるマリー、アクセルとの時間、やがて王妃としての覚悟を決めたときの強さと美しさが心に焼き付きます。

ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン:小南光司さん
マリーの愛人でスウェーデン貴族のフェルゼンには小南光司さん。危険も顧みず、ただひたすらにマリーへの愛を貫こうとするフェルゼンの揺るぎなき愛。しかし、愛する人の夫はフランス王。深い愛と任務、立場の狭間で苦しむ、マリーとフェルゼンもまた悲しき恋人たち。

シャルル・アルトワ:高橋健介さん

アルトワ:高橋健介さん、ラマール:俵 和也さん、トゥルヌマン:須田遼太郎さん、ロワゼル:宮下雄也さん
王弟シャルル・アルトワを演じるのは高橋健介さん。王位を奪うために王妃のスキャンダルを暴こうとオーギュスト・ラマールら密偵を送り込む。作品をご存じの方にはおなじみですが、この密偵たち、秘密警察と名乗りながらも作品のアクセントになるなんとも言えない“手下”感が満載です。高橋さんは、兄ルイ16世の存在によって常にブルボン家の二番手に甘んじているアルトワの屈折した心を怪演、支配階級の傲慢さでオランプも手に入れようとする。

ラザール・ペイロール:渡辺大輔さん
ロナンにとっては父を殺した仇でもあり、革命家たちを武力でねじ伏せようとするペイロールを渡辺大輔さんが、軍隊を統括する貴族将校としての貫禄、圧たっぷりに演じます。王族と軍人、妖しいくせ者感のあるアルトワとはまた違う、絶対的な力として立ちはだかるペイロールです。また、渡辺さんは初演、再演のデムーランからの役替えとなり、さらにマリー役の凪七瑠海さんは2015年の宝塚歌劇団での公演でデムーランを演じていました。今回、デムーランを演じる内海啓貴さんとあわせて3人のデムーラン経験者がいるというのも、長く愛される作品だからこそですね!

市民たちの地を踏み鳴らす力強さと、浮遊感すら漂うきらびやかな宮廷の王族、貴族──世界の分断。革命の波が人々を飲み込んでいく。
架空の人物に実在の人物、史実を絡め、愛で描くフランス革命の物語を、力強い群舞、キャッチーな楽曲、客席通路を使った熱気あふれる演出で届けるミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』。公演は、4月29日まで明治座、5月8日から16日まで新歌舞伎座で上演です。
【初日コメント】
岡宮来夢(ロナン役/Wキャスト) ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』いよいよ初日の幕が上がります!
「歴史の波間に浮かんで消えてゆく
一つ一つの命の叫ぶ声が
響き合い重なって明日の歴史作る
歌い続けよう 永遠に」
僕はこの歌詞が大好きです。
フランス革命という今の僕たちにも大きな影響を及ぼした出来事と、その中で巻き起こる恋の物語を、演劇として皆様に届ける上でどんなメッセージが届くのか、楽しみでなりません。
先輩方から受け継いだこの作品を、後世にも絶対に繋いでいきたいです。
責任と覚悟を持って本日より板の上に立たせていただきます。
劇場でお待ちしております!
手島章斗(ロナン役/Wキャスト) ロナン役を務めさせて頂きます、手島章斗です。
初めての主演、グランドミュージカル、そしてWキャストと初挑戦の連続でしたが、本当に素敵なカンパニーの皆さんのおかげで、ここまで来ることができました。
今の自分にできることを、不器用なりに全力で向き合い、ロナンとして革命に身を捧げたいと思います!
「自由・平等・博愛」というテーマは、僕自身もとても大切にしていることです。
ご来場下さる皆様にとって、今という時代がより特別なものになり、そばにいる大切な方の存在を、より一層愛おしく感じていただけるよう、毎公演、命を燃やして舞台に立ちます。
星風まどか(オランプ役/Wキャスト) 『1789 -バスティーユの恋人たち-」開幕致します!!
壮大な歴史の中で生きた彼女の情熱を音楽に乗せ、観客の皆様に強い感動とエネルギーをお届けできるよう、一生懸命務めます!
どうぞご期待ください。
奥田いろは(オランプ役/Wキャスト) まずは、みんなで無事に初日を迎えられたこと、とても嬉しく思っています。
一人ひとりの力が集まって、大きな塊となり、ものすごいパワーを感じられる作品になりました。
キャッチーな音楽、華やかな衣裳やセットなど、目でも耳でも楽しめる作品なので、ぜひ全身でこの1789の世界を感じていただけたら嬉しいです!
劇場でお待ちしております。
凪七瑠海(マリー・アントワネット役)素晴らしい、数々の楽曲に胸が熱くなり、素敵なキャストの皆様から、沢山の刺激、パワーを頂き、毎日心震わせながら、お稽古してまいりました。
再び、この壮大な作品に携わらせて頂ける事、心から光栄に思います。
宝塚在籍当時の、色々な思い出が蘇ってきますが、役の立場も変わり、環境も、周りの方々も変わり、また新たな作品として、新鮮に取り組んでおります。
マリー・アントワネットに寄り添い、全身全霊、魂を込めてフランスの王妃としての人生を全うしたいと思います。
ストーリー
民衆は貧困にあえぎ、貴族は贅沢に溺れる18世紀末のフランス-。
農夫ロナンは父を貴族に殺害されたことをきっかけに、パリへ飛び出し、革命派に身を投じる。そこで、デムーラン、ロベスピエール、ダントンら熱き仲間を得て、新しい時代に希望を燃やしていた。
一方、宮廷に仕える心優しき侍女・オランプはマリー・アントワネットとフェルゼン伯の逢瀬を手引きしてパリにやってくる。マリー・アントワネットをつけ狙う一味との騒動に巻き込まれたロナンはオランプと運命の出会いを果たす。
決して出逢う筈のなかった二人は強く惹かれ合うも、対立する身分が壁となる。
そして、愛に悩む彼らの心を揺さぶるかのように革命の足音が近づいてく・・・。
1789年7月14日、バスティーユ牢獄襲撃。遂に革命の火蓋が切って落とされる-。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人