「ORCHARD TALK&LIVE 2025」山田元さん、町屋美咲さん、伊藤広祥さん座談会レポート



6月8日に開催される、オーチャード所属アーティストのみなさんによるアットホームなイベント「ORCHARD TALK&LIVE 2025」にご出演される山田元さん(夜の部)、町屋美咲さん(夜の部)、伊藤広祥さん(昼の部)にお話を伺いました。(記事ラストには予定楽曲についてのお話も!)



【アットホームなイベント】

──昨年に続いて開催される「ORCHARD TALK&LIVE」。前回もご出演された町屋さんからイベントの雰囲気をお話しいただけますか。(山田さん、伊藤さんは映像での出演でした)

町屋さん)
同じ事務所の仲間と自然体でパフォーマンスでき、お客さんとの距離も近かったのでとてもアットホームな雰囲気でした。役ではない、普段の自分を見ていただける、私たちにとっても楽しい時間となりました。これを一回限りで終わらせたくないと思っていたので、今年も開催できることを本当に嬉しく思います。

──これまでにも事務所ライブを開催していますが、事務所ライブならではの楽しさは。

伊藤さん)
やっぱり“仲間感”です! こんな曲をやりたいとか、自分のアイデアを出しやすい雰囲気があります。気心の知れたメンバーだから挑戦できるというのもあります。

山田さん)
MCでもそれぞれの個性が出ますし、この組み合わせでこの曲を!という意外性もあります。そして大きな会場で行っていた時より、より身近に感じていただけるのが今回のイベントの良さ。次があれば必ず参加したいと思っていたので、僕自身もとても楽しみにしているんです。

──“仲間感”という言葉が出ましたが、“オーチャード”はどんな事務所ですか?

町屋さん)
「歌、ダンス、お芝居の3拍子揃ったザ・ミュージカル事務所ですね」と言われることも多く、とてもありがたい評価をいただいていると思っています。そんな正統派を目指しつつ、みんな“飛び道具的な感じ”もあるのかな(笑)。本当に個性豊かで多才なメンバーが揃っています。

伊藤さん)
真摯に作品に向き合う。常に情熱を持って、全力でぶつかっている人が多いなと思います。そんな“芯の強さ”があるからこそ、遊べる。王道からトリッキーな役まで務められる俳優が揃っています!

山田さん)
そして朗らか! 実はそこで集められているのではないかというくらい、みんな“いい人”です(笑)。だから普段から仲がいいんです!

町屋さん、伊藤さん)
その通り!


【三者三様の道】

──ここからは数々のミュージカルで確かな存在感を示すみなさんご自身について伺います。ミュージカルに目覚めたきっかけは?



伊藤さん)
僕が人生で初めて観たミュージカルは『ウィキッド』です。高校の合唱祭で楽曲と出会い、その後、大学進学が決まった時にどうしても生で観てみたいと思い、劇団四季の公演を福岡に観に行きました。さらに高校の卒業旅行では仲間と名古屋の四季劇場にも『ウィキッド』を観に行きました。

──それをきっかけにミュージカル俳優になろうと思われたのですか?

伊藤さん)
そこで一緒だった仲間から、「大学のミュージカルサークルの公演を観に行くんだけどひとりだと心細い」と誘われ、付き添いで行ったら、僕の方がどっぷりハマってしまいました(笑)。そこから夢を追いかけ続け、今に至ります。

──町屋さん、山田さんはいかがですか。



町屋さん)
私はアイドルに憧れて、物心ついた頃から歌ったり踊ったりするのが好きでした。ただ、地元の新潟では小学生のころからシェイクスピア劇、お芝居をしていました。その後、進学について考える時期になり、舞台芸術への興味から劇団四季のオーディションを受けたのですが、その時はどうしてもミュージカルがやりたかったわけではなかったんです。その後、劇団四季を経てフリーになった時、「私はミュージカルがやりたい!」という思いに気づき、東宝ミュージカルアカデミーに入りました。でもその根っこには、もともと持っていた人前で華やかな格好で歌い踊るのが好きという気質があったのかなと思います。



山田さん)
僕は最初は演劇研修所に通っていて、ミュージカルにはそこまで興味を持っていませんでした。衝撃の出会いとなったのは『ウィキッド』、だからきっかけはヒロ(伊藤さん)と同じだね。音源を聴いているだけで泣けてくる!という経験をしました。さらに映画化された『RENT』も観て、すっかりミュージカルに魅了されました。その後、舞台『CLUB SLAZY』でお芝居の中で歌うことを経験し、そこからミュージカルへの興味が増し東宝ミュージカルアカデミーへ。その卒業公演で事務所の社長に声をかけていただき、本格的にミュージカル俳優としての活動が始まりました。


【『ジャージー・ボーイズ』で揃い踏み】



──それぞれの道を歩んで同じ事務所に所属することになったみなさん。この夏は、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』に揃ってご出演です。

山田さん)
作品で3人揃うのも初めてですし、実は町屋さんと共演すること自体、初めてだよね。長い付き合いだし、コンサートなどでは共演していますが、お芝居では初!

町屋さん)
確かにそうだね。

山田さん)
どの作品でも、最初はすごく不安になるのですが、二人がいると心強いな。

伊藤さん)
その気持ちすごくわかります。僕が初めて東宝さんの作品に出演したのが『ビューティフル』。そこに元さんがいてくれたのが本当に心強かったです。今回も元さんと同じチーム、さらに『レ・ミゼラブル』でご一緒している小林唯さんがフランキー、飯田洋輔さんがニックなのですごく楽しみです。

山田さん)
そうだね。一方で女性キャストは全チームに出演するシングルキャスト。町屋さんのフランシーヌはフランキーの人生ですごく大事な存在だよね。

町屋さん)
ワクワクしています。体調管理に気を付けてしっかりと務めたいと思います。私、2022年の公演を客席で観ながら、「(自分は)この作品に出る」という予感がしたんです。その時は勝手にご縁を感じていただけですが、こうして実現して嬉しいです。スチール撮影で衣裳を着た時もすごく馴染んで、『ジャージー・ボーイズ』の世界が心地よかったです。

──山田さんは『TARRYTOWN』に続いて、盟友山野靖博さんと同じ役ですね。

山田さん)
おっと、ここで山野の名前が出るとは(笑)。僕が担当するのがベースパート、僕の音域はハイバリトンなので低音も出るほうなのですがコーラスでしっかりと支える役割は初めてです。山野くんが築いてきたものを学びながら、そこに自分の個性も加えて頑張りたいと思います。

伊藤さん)
僕は、今回の『ジャージー・ボーイズ』ではテノールパート、尊敬する杉浦奎介さんと同じ役なので刺激をもらいながらしっかりと務めたいと思います。『ジャージー・ボーイズ』は、2018年のコンサート版にコーラスで参加してから、いつか本公演に出演したいと思っていました。7年越しにその夢が叶います。



山田さん)
キーの話も出たけど、歌といえば町屋さん。歌えない曲はないという印象です。



町屋さん)
そう思ってもらえることはありがたいことです。私なりに課題はもっていますが、どのパートを振られても「出ません、できません」とは言いたくないんです。その時点でチャンスを逃してしまうので。『レ・ミゼラブル』のファクトリーガールでは地声でパーンと歌っていますし、『回転木馬』のキャリーではソプラノ歌唱、挑戦しがいのある役との出会いにも感謝しています。

──町屋さんの幅広い音域と確かなピッチ、その技術はどのように身につけたのでしょうか。

町屋さん)
私の場合は、頭で考えるより、まず出してみるスタイルです! 技術は実戦で獲得してきました(笑)。 広い音域が出せるようになりましたが、私自身が考える自分のスイートスポットは“中音域”。それを活かせる曲も、これからもっともっと歌っていきたいと思っています。

──伊藤さんはご自身の歌についてどのようにとらえていますか。

伊藤さん)
小さい頃は自分の声が大嫌いだったんです。でも当時習っていたピアノの先生の「唯一無二の声だよ」という言葉をきっかけに楽しく歌えるようになりました。ちなみに、その先生が先日『レ・ミゼラブル』を観に来てくださったんです。中学卒業以来、お会いしていなくて、ミュージカル俳優をしていることもお知らせしていなかったのですが、僕が先生への恩をお話した記事を娘さんが目にして、公演を観に来てくださいました。「一人ひとり違う声を持っている、それでいい」、そのことを教えてくださった大恩人です。

──素敵なエピソードです。これからの目標は。


伊藤さん)
ポップスでは自分の肌感でわかるところもありますが、『レ・ミゼラブル』ではまったく異なる歌唱表現が必要とされ新たな課題に取り組むことができました。また、割と実年齢よりも年上の役をいただくことが多く、そこに説得力を持たせるために芯のある、重みのある声も出せるようになりたいと思っているんです。
どんなタイプの楽曲も歌える俳優を目指したいと思います。

山田さん)
僕は目標というか、課題だらけです(笑)。一つひとつ、目の前の作品に向けてクリアしていくしかないと思っています。その意味でも、『ジャージー・ボーイズ』は大きな挑戦、リズムの中での低音の出し方、そこから生まれるグルーヴ感など沢山研究しないと太刀打ちできないと思っています。さらに芝居歌とはまた違う歌唱も必要になる作品。しっかりと準備して臨みたいと思います。


【TALK&LIVE……さらにお楽しみ満載】

──では最後に、「ORCHARD TALK&LIVE 2025」を楽しみにされているみなさんにメッセージを。

伊藤さん)
僕は、人と一緒にいるのが好きなんです。このようなライブやファンミーティングという形で、みんなで集まれることを幸せに思います。出演者の中には、初めてお客様の前で歌う人もいます。お客さんにとっても、新たな俳優との出会いの場になれば嬉しいです。良いなと思う俳優がいたら、直接感想を伝えてみてください。僕らにはそれが大きな励みになります!みんなで一緒に楽しい時間を過ごしましょう。



※会場限定ステッカーのご購入で直筆サインをお入れする機会も!限られたお時間となりますが、そこでひと言感想をお伝えいただけると嬉しいです。

町屋さん)
普段は、舞台上と客席、作品を介してのコミュニケーションをお楽しみいただいていますが、今回はKIWAさんのコンパクトな空間でお会いできます。舞台上からもみなさんの表情が見えますし、生の声がみなさんのもとに届く、俳優を身近に感じていただける機会になります! いつも応援してくださっているみなさんはもちろん、『レ・ミゼラブル』ファンの方も、『ジャージー・ボーイズ』を楽しみにされている方もお待ちしています!

山田さん)
ライブパートでは、それぞれのメンバーが思いを込めて楽曲を披露します。同じ曲を、昼夜で違う組み合わせで歌ったり、スペシャルメドレーがあったり、前回同様にスケジュールの都合で参加できないメンバーの映像出演もあります。ライブの動画撮影タイムもありますのでお楽しみに!
また、ステージでのパフォーマンスだけでなく、お見送りなどファンミーティングならではの交流もあります。まだ構想段階ですが、僕はフローリストとしてブーケを販売する予定です。お花の話や歌の話などをしながら、一緒に楽しい時間を過ごせたら嬉しいです。
オーチャード所属俳優一同、皆様のご来場をお待ちしています!




笑顔いっぱいの取材でした!


グッズには出演者とお揃いのTシャツも登場!
当日、出演者が着用するものと同じデザイン(カラーはバニラホワイト/ブラック)のTシャツも販売。こちらにもご希望に応じてサインをお入れする予定です!


出演チームによるお見送りや、別チームによるお出迎えなどお楽しみ満載の「ORCHARD TALK&LIVE 2025」は6月8日(1st:14時、2nd18時)、KIWA TENNOZにて開催! ここからは予定楽曲に触れます。まっさらな気持ちでのご参加を楽しみにされているみなさんはご注意ください!(以下を読まずに出演者等、公演概要をチェックする方はこちらをクリック




【披露楽曲に込めた思い】


──みなさんの歌唱予定曲、選曲の理由は。

伊藤さん)
構成を担当してくださっているのは、『レ・ミゼラブル』公演でご一緒している菊地創さん。菊地さんとツアー先でいろいろと話しながら、『The Last 5 Years』の<The Schmuel Song>に決めました。もともとこの作品が大好きで、韓国にも観に行ったくらいです。この作品では、<Moving Too Fast>などが比較的有名ですが、今回は7分の大曲<The Schmuel Song>を初披露します。物語を語るような歌なので、マイク一本で3者の声をどう表現するかを今から研究しています。また、ソロ曲としては昼の部の1曲目になるので、ここでお客さんの心をつかめるかの大役……歌い慣れた曲という選択肢もありましたが、今回は大好きな作品の大好きな曲で挑戦します。

町屋さん)
私はソロではディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』の<Almost There>を歌います。ライブでメドレーの中の一曲として歌ったことはありますが、フルで歌うのは今回が初めてです。以前から、いつかここぞというタイミングで披露したいと温めていた曲。これまでは『ジキル&ハイド』の<Someone Like You>やミュージカル『GOLD~カミーユとロダン』の<GOLD>のような“ザ・ミュージカルソング”、歌い上げる曲が好きだったのですが、それは「聴いてほしい!」「見て欲しい!」という気持ちの表れだったのかなと思うんです。もちろん今も好きですし、その思いは持っていますが、ちょっとおしゃれで余裕のある曲をようやく選べるようになりました。私も少し大人になったのかな(笑)。

──山田さん、元榮菜摘さんとともにもう一曲<Defying Gravity>を歌われますね。

町屋さん)
<Defying Gravity>では従来の(笑)、思いっきり歌う私を見ていただけると思います。いろんな面をお見せできるのもこのイベントだからこそです。

──山田さんはいかがでしょう。

山田さん)
<Defying Gravity>については、楽しみとともにプレッシャーもあります。2人は事務所でも、というかミュージカル界でも卓越した歌唱力をもっていると思っているので。でも、僕にとっても大切な、大好きな楽曲なので、このメンバーだからお届けできる一曲にしたいです。アレンジもお楽しみに!

町屋さん)
アレンジ、とてもカッコよくなっています!

──ソロ曲についても思いをお聞かせください。

山田さん)
昨年、出演していたミュージカル『ニュージーズ』より<サンタフェ>を歌います。僕の役はニュージーズの少年たちを邪魔する側でしたが、本番中も、ジャック役の岩﨑大昇くんが歌うのをカンパニーのみんなで心をひとつにして聴いていました。すごく素敵な大好きな曲です。少年役なので、この先も僕が演じることはない役ですが(笑)、そんな曲に挑戦できるのも「ORCHARD TALK&LIVE 2025」ならではです!


【公演情報】
「ORCHARD TALK&LIVE 2025」
2024年6月8日(日)1st 14:00 Start/2nd 18:00 Start
@KIWA TENNOZ

[1st 14:00 Start 出演予定]
門田奈菜、伊藤広祥、伊宮理恵、蓮井佑麻、横田剛基、関根結花、
青山瑠里、田中奏、池田航汰、村田一紗、鹿ノ子ひより

[2nd 18:00 Start 出演予定]
山田元、町屋美咲、畑中竜也、望月凜、渡来美友、石橋佑果
菅原雲花、角川美紗、須田遼太郎、柳沢明璃咲 and more…

映像出演(1st & 2nd共通):木暮真一郎、川口大地、早川一矢、石井千賀

構成・演出:菊地創
ピアノ演奏:久保沙央里

イベントページ:http://orchard-net.com/wordpress/?page_id=12085
X ORCHARD Official account:https://x.com/orchard_info


(6/6:元榮菜摘さんの参加が正式に決定いたしました!)
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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