6月9日(日本時間)、アメリカ演劇界で最も権威のあるアワードとして知られる「第78回トニー賞授賞式」が開催された。WOWOWでは、世界のトップスターたちの歌とダンスのパフォーマンスを含め、華やかな授賞式の模様を生中継でお届けした。

『メイビー、ハッピーエンディング』(ミュージカル作品賞)
「第78回トニー賞授賞式」GettyImages

『メイビー、ハッピーエンディング』パフォーマンス
「第78回トニー賞授賞式」GettyImages

オープニングパフォーマンス
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シンシア・エリヴォ
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3年ぶりにラジオシティ・ミュージックホール(ニューヨーク)での開催となった今年の授賞式。ホスト、シンシア・エリヴォによるオープニング・パフォーマンス「Sometimes All You Need Is a Song」で華やかに幕を開けた。
ミュージカル部門では、最多タイの10ノミネートを受けていた韓国発の 『メイビー、ハッピーエンディング』が前評判通りの強さを見せ、ミュージカル作品賞、主演男優賞(ダレン・クリス)、演出賞(マイケル・アーデン)など最多の6部門を受賞の快挙!

ダレン・クリス(ミュージカル主演男優賞)
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マイケル・アーデン(ミュージカル演出賞)
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ドラマ『glee/グリー』でも知られ、初受賞となったダレン・クリスは、壇上でプレゼンターのアリアナ・デボーズと歓喜のハグ。スピーチでは、本作でブロードウェイ・デビューを果たした主演女優のヘレン・J・シェンへの感謝を口にし「(受賞を)ヘレンとシェアしたいです」と語った。客席から見守っていたヘレンは感極まった表情を見せ、会場は感動に包まれた。演出のアーデンは2023年の『パレード』に続いて2度目のトニー賞受賞。スピーチの最後に「もし、クィアのみなさんがこれを見ていてくれるなら、ハッピー・プライド!」とLGBTQコミュニティに寄り添うメッセージを口にし、喝采を浴びた。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』パフォーマンス
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ナタリー・ベネチア・ベルコン(ミュージカル助演女優賞)
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『サンセット大通り』(ミュージカル・リバイバル作品賞)
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ニコール・シャージンガー(ミュージカル主演女優賞)
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このほか、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』も助演女優賞(ナタリー・ベネチア・ベルコン)を含む4部門を獲得し、斬新な演出が話題を呼んだ『サンセット大通り』はミュージカル・リバイバル作品賞、主演女優賞(ニコール・シャージンガー)など3部門を受賞。作曲のアンドリュー・ロイド=ウェバーも喜びのコメントを残した。

『パーパス』(演劇作品賞)
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演劇部門の最多は『ストレンジャー・シングス:始まりの影』が特別賞を含めて4冠。『パーパス』は演劇作品賞、助演女優賞(カラ・ヤング)の2部門を受賞。カラ・ヤングは4年連続のノミネートで、初受賞となった昨年(『パーリー・ヴィクトリアス:ア・ノン・コンフェデレート・ロンプ・スルー・ザ・コットン・パッチ』 )に続き2年連続での同部門受賞となった。このほか、『オー、メアリー!』で脚本を務め、リンカーン大統領の妻メアリー役を演じたコール・エスコーラが、主演男優賞に輝き、演劇演出賞と合わせて2冠、『ドリアン・グレイの肖像』も演劇主演女優賞(サラ・スヌーク)、演劇衣装デザイン賞で同様に2冠に輝いた。主演男優賞には、ハリウッドスターのジョージ・クルーニー(『グッドナイト&グッドラック』)がブロードウェイ初出演でノミネートされていたが、受賞はならなかった。

『サンセット大通り』パフォーマンス
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『ジャスト・イン・タイム』パフォーマンス
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『ハミルトン』パフォーマンス
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『ジプシー』パフォーマンス
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毎年、話題を呼ぶパフォーマンスもトップスターたちがハイクオリティのショーを披露。ミュージカル主演女優賞受賞したニコール・シャージンガー(『サンセット大通り』)が見事な歌唱力で歌い上げ、昨年のミュージカル主演男優賞受賞のジョナサン・グロフ(『ジャスト・イン・タイム』)は客席のキアヌ・リーヴスを巻き込んでのセクシーなパフォーマンスで会場を大いに沸かせた。この日、一番の盛り上がりを見せたのは、2015年にブロードウェイで上演されトニー賞11部門に輝き、今年で10周年を迎える『ハミルトン』のオリジナルキャストが再集結してのパフォーマンス。リン=マニュエル・ミランダ、レスリー・オドム・ジュニア、ジョナサン・グロフ、アリアナ・デボーズなど、いまや大スターとなったキャスト陣が顔を揃えての圧巻のパフォーマンスに会場は熱狂に包まれた。

アレックス・ウィンター/キアヌ・リーヴス(プレゼンター)
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キャリー・プレストン/トム・フェルトン(プレゼンター)
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アダム・ランバート/チャーリー・ダミリオ(プレゼンター)
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また例年同様にプレゼンターとして、過去の受賞者やハリウッド俳優など錚々たる面々が来場。セレモニーが幕を開けた直後の演劇主演女優賞のプレゼンターをキアヌ・リーヴスが務めたほか、映画『ハリー・ポッター』シリーズのドラコ・マルフォイ役で知られ、舞台版でも同役を演じることが発表されたばかりのトム・フェルトンにベン・スティラー、サミュエル・L・ジャクソン&ラターニャ・R・ジャクソン夫妻、オプラ・ウィンフリーなど豪華スターたちが式典に花を添えた。

WOWOW「第78回トニー賞授賞式」
宮澤エマ、京本大我(東京スタジオ)

WOWOW「第78回トニー賞授賞式」
井上芳雄、浦井健治(大阪スタジオ)
WOWOWのスタジオでは、ナビゲーターを務める宮澤エマとスペシャル・サポーターの京本大我、演劇ジャーナリストの影山雄成が東京のスタジオから、同じくナビゲーターの井上芳雄、ゲストの浦井健治、演出家で大阪芸術大学教授である勝田安彦が大阪のスタジオから授賞式を見守った。
京本は、「今年ニューヨークに行った経験が大きく、より楽しめました。もっとブロードウェイに行って観劇したくなりました」とトニー賞を振り返った。
宮澤は、自身も今年観劇した『サンセット大通り』でミュージカル主演女優賞を受賞したニコール・シャージンガーについて、「女優として女性として歳を重ねることに対し、たまに希望を見いだせないこともありますが、この生き様を見せられると歳を重ねることが楽しみですし、演劇界の未来は明るいなと感じました」とコメント。
井上は韓国発の『メイビー、ハッピーエンディング』の大躍進に「アジアのミュージカルの歴史が変わる」と歓喜し、受賞結果を踏まえ「トランプ政権になって何が変わるのか?と思っていたんですけど、これまでと変わらずに多様性、新しいものを認めるブロードウェイとトニー賞がいてくれた気がして心強く感じましたし、勇気をもらえました」と笑顔で語った。
さらに、大阪スタジオでは、この秋上演される、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』のTeam YELLOWがパフォーマンスを初披露した。
受賞式の模様は、6月15日(日)午後2:00[字幕版][WOWOWプライム] [WOWOWオンデマンド]で放送・配信!
◆俳優のみなさんの言葉にもあるように、人生を重ねた人間の悲哀や迫力が感じられる『サンセット大通り』の受賞、そして韓国発 『メイビー、ハッピーエンディング』の大旋風が印象的な今年のトニー賞!!「今年のトニー賞受賞作の日本版、来日版はいつ観られるかな」という思いを抱くことが常なのですが、なんとすでに観ている大好きな作品が受賞!という、日本の観客にとってもエポックメイキングな出来事でした。
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました