【心晴れやかに】ブロードウェイミュージカル『A Year with Frog and Toad~がまくんとかえるくん』東京公演開幕レポート!

20世紀を代表する絵本作家アーノルド・ローベルの名作「Frog and Toad」シリーズ(邦題:がまくんとかえるくん)。このシリーズを原作とし、「ふたりはともだち」「ふたりはきょうも」「ふたりはいっしょ」「ふたりはいつも」の4作の絵本のエピソードを盛り込んだミュージカル『A Year with Frog and Toad』。日本でも人気の作品が、新たなクリエイティブチーム(翻訳・訳詞:小田島創志さん、演出:元吉庸泰さん、音楽監督:堀 倉彰さん、振付:松田尚子さん)&キャストで上演!




仲良しふたりのかえる、“がまくんとかえるくん“にはふぉ~ゆ~の越岡裕貴さん(かえるくん、Frog)、松崎祐介さん(がまくん、Toad)。さまざまな動物たちを演じる共演者には、原田優一さん、上川一哉さん、MARIA-Eさん、壮一帆さんという多芸多才な俳優たちが顔を揃えます。

愛知、大阪公演を経てついに迎えた東京公演開幕に先立って行われた取材会と公開ゲネプロをレポートいたします。


【取材会】

──愛知、大阪公演を経て、いよいよ本日から東京公演が開幕!今の心境と、意気込みをお聞かせください。



越岡裕貴さん)
愛知で初日を迎え、大阪公演を経て、いよいよ本日から東京公演が開幕します。
東京でみなさんに披露できるワクワク感がありますね。
この作品は、お子さんから大人まで本当にいろんな年代の方に楽しんでいただけると思います。



松崎祐介さん)
この作品は小学校の教科書に載っているんですよね。
僕も小さい頃に読みましたが、特徴的な絵が記憶に残っているものの、内容の深い所まではあまり理解できませんでした。それが大人になって読むことで、子どもの頃に抱いた感情、忘れかけていたものが蘇ったり、新たに気づくことがあったりする物語です。原作のいいところがギュッと凝縮されています。



原田優一さん)
お察しの通り、みんな仲良くてお互いに支え合いながら公演しています。と同時に、こちらもお察しの通り、若干雑な面もありますが(笑)。本当に和気あいあいとしたメンバーです。個人的には、サンシャイン劇場には子どもの頃に立って以来、実に30年ぶりとなります。雰囲気があまり変わっていなくて、あの頃の記憶が新鮮に蘇って参ります。42歳になっても、このようなキラキラな衣裳を着させてもらっているよと、あの頃の自分に伝えたいです(笑)。



上川一哉さん)
これまでの各公演地では客席からいただいた拍手を心のエネルギーに変えて公演してきました。東京では、さらにブラッシュアップしてこの作品の魅力をどんどん届けていけたらと思います。お客様と一緒に最後まで、この作品を育てていきたいと思います。



MARIA-Eさん)
各地、本当にみなさん、めちゃくちゃ盛り上がってくださって、たくさんの笑い声が聞こえてきました。東京のお客さんの反応が楽しみです。私自身、初めてのサンシャイン劇場、新鮮な気持ちでお届けできたらと思っています。



壮一帆さん)
愛知、大阪の公演で確かな手応えを感じてきましたので、東京でも自信をもって作品をお届けしたいと思います。各地でのアドリブをどうするかというのが、個人的な悩みです(笑)。
昨日も場当たりで元吉さんにブラッシュアップしていただいたので、初心に帰って、新鮮な気持ちでお送りしたいと思います。

──絵本が原作、仲良しのかえるを演じる上でメンバー同士だから良かった点などありましたら教えてください。



越岡さん)
確かにかえるくんとがまくん自体、すごく仲良いという設定なので長年一緒にやってきて培ったものが反映されると思います。だから自然と等身大の僕たち、がまくんとかえるくん、どちらの顔も観られる気がします。

松崎さん)
ふぉ~ゆ~でもかれこれ14,5年一緒なので、会話がなくても心で通じ合う僕たちです。前に出た『ダブル・トラブル』も僕ら二人での作品だったので、かえるくんとがまくんに通じるところはすごくあると思います。


──さまざまな動物を演じ分けるみなさん。ご自身が演じる役の見どころやお気に入りの動物は?

原田さん)
それぞれのキャラクターの特徴を作ることを重視して稽古してきました。私の場合は、動物だけでなく植物も演じます(笑)。植物は台詞がないので瞬発力でいかにインパクトを残すか、そこを頑張って参りました。

上川さん)
どのキャラクターも個性豊かで、稽古場から「主役を取るぞ!」という勢いでした(笑)。
衣裳もすごく素敵で、このとりさんの衣裳は一つひとつ手作業で作っていただいています。また、優一さんと顔が似ているとずっと言われてきましたが、そこは(衣裳の)色で判断していただければと思います(笑)。

MARIA-Eさん)
私は、越岡さん演じるかえるくんの子ども時代“ちびがえる”を演じます。その時に、今までお客様の前で出したことのない声を出して歌い、全力で泣き、全力で走り、全力で縄を回しております。今までのイメージを変えるような役をたくさんできることを楽しんでいます。

壮さん)
今回、出演者がとても少ないですが、かえるくんとがまくん以外の4人に与えられた持ち場もあり、そこでの自分のキャラのアピールがものすごく強い(笑)。台本にないところで名乗ったり、全編を通して流れる音楽のちょっとした隙間にいかにアピールを挟み込んでいくかに命をかけています。そんな“競演”も楽しんでいただけたらと思います。


──公演を楽しみにしているみなさんへメッセージを!



MARIA-Eさん)
愛が溢れた作品です。皆様が帰り道に大切な人たちにいつもありがとう、大好きだよ、愛してるよと言いたくなるように、私たちもしっかりと思いを込めて演じます。

上川さん)
世界中で愛される絵本の魅力を、お芝居、音楽、セット、衣裳、照明、音響……カンパニー一丸となって素敵なミュージカルとしてお届けします。この動物たちの一年という時間を、お客様と一緒に旅していけたらいいなと思っております。

原田さん)
自分も出演者でありながら、本当に、いい大人たちが汗水たらして「お客様になにかひとつでもメッセージを持って帰っていただこう!」と一生懸命演じていることに日々感動しています。舞台を見慣れている方も、そうでない方も、また年齢も問わず楽しんでいただける作品。アナログとデジタルがいい具合に融合し、演じているのは動物ですが(笑)、“ヒューマンのパワー”が溢れ出る作品となっています。

壮さん)
絵本という子どもが読む書物から作られたミュージカル。シンプルなストーリーだからこそ、大人もその奥深さに今一度気づくような作品です。子ども心を思い出し、そして今まで歩んできた人生と照らし合わせながら観るというのも一つの楽しみ方だと思います。
あともう一つ! 私たち以外にも、スウィング、バンド、裏方のみなさんに至るまで、みんななにかしらの形でお芝居に参加しています。その融合の様子を感じていただくと、楽しみも倍増すると思います。

松崎さん)
まるで絵本から動物たちが飛び出してきたような作品です。本当にしあわせな時間、素晴らしい人、素敵な衣裳、そして集中力が続く適度な上演時間(笑)の公演。みなさんの笑顔のために、劇場で、それぞれの気持ちを“ふぉ~ゆ~“していきたいと思います。

越岡さん)
楽観的なかえるくんとちょっと悲観的ながまくんのユーモラスな会話、小さなしあわせを忘れないということ、人を思いやる気持ちの大切さなどが詰まったほのぼのした作品。優ちゃんが言った通り、いろんな方に楽しんでもらえる作品です。そして大人が観るとより心が洗われるんじゃないかなと思っています。歌もあるし、衣裳も素敵だし、キャストもスタッフも素晴らしい! 梅雨を晴らす、ここ“サンシャイン劇場”でお待ちしています。

みなさん)
サンシャインだけに!上手いっ!


【公開ゲネプロ】


お話はまさに『A Year with Frog and Toad』、タイプの違うかえるさん、がまくんとかえるくんの1年間の何気ない日常を描いた物語。四季の移ろい、かえるくんたちの営み、変わらぬ友情、互いを思いやる心……気忙しい毎日で忘れてしまいがちな大切なものが詰まったハートウォーミングな作品です。



春を告げる渡り鳥たち(とりさん、とりくん)の歌声でかえるくんとがまくんが目覚めます! この寝起きひとつをとっても性格の違いがくっきりはっきり!ふたりの関係性を象徴する幕開きです。



こちらは会見で原田さんがおっしゃっていた“植物”のシーンです!
ガーデニングに挑戦したがまくんが手塩にかけ……というか、イライラしながら、それを自省しながら一生懸命育て、やがて大輪のお花が咲きました。おはなさんの強烈なインパクト、台詞はなくとも爪痕を残すどころが、夢にまで出てきそうなくらいの衝撃(笑)。
でも、そこで見せる、頑張るがまくんとそれをやさしく見守るかえるくんの姿にほっこりするシーンでもあるのです。しっかり者のかえるくんとちょっと斜に構えたようでいてとぼけたところもあるがまくんの名コンビ。歌もお芝居もダンスも達者な越岡さん、松崎さんのおふたりですが、がまくんとかえるくんの間に漂う空気、信頼関係や阿吽の呼吸がさらに作品を魅力的にしています。会見でのお二人の「心が通じ合う」の言葉に納得です。笑顔ひとつですべて許せちゃうがまくんとかえるくんです!



とかげさん(原田さん)かめさん(壮さん)ねずみさん(MARIA-Eさん)


かたつむりくん(上川さん)


かたつむりくんともぐらさんたち

ほかにもキザなとかげさん、カッコイイかめさん、キュートなねずみさん、そしてマイペースで頑張り屋さんのかたつむりくんなどなど、カワイイ動物たちがいっぱい登場します。自己評価低めだったかたつむりくんも、ある大仕事を成し遂げることによって変わる!殻を破ったかたつむりくんの歌声はメチャメチャカッコイイ。そしてそれを歌う上川さんがまたキレキレで、まるでロックスターのようです。ギャップがすごい。



こちらはMARIA-Eさんが会見でお話されていた幼き日のかえるくん(ちびがえる)、ママがえる、パパがえるのシーンです。とってもかわいらしい家族なのですが、揃いも揃ってひっくり返りそうになるくらい歌ウマかえるなのです。朗々と歌い上げる姿がまた面白い!
ちなみにこのシーンは「震え」というナンバーのシーン……なにに震え上がるのかはぜひ劇場で味わいましょう!



季節は巡り冬になるとがまくんとかえるくんはソリ遊びを楽しみます。疾走感あふれるソリ遊びを“魅せる”演出もワクワクします!

移ろう季節、流れていく時間のように滑らかに変わっていく景色を実現させる転換は、オンステージスウィングの今井学さんと稲なお美さんのお二人がアリさんに扮して担います。働き者のアリさんにも注目です!



また、本作の魅力はほっこりした物語だけではございません。ブロードウェイミュージカルらしい華やかなショウシーンも見応えあり! ビッグバンド風のたっぷりした楽曲や優しい楽曲などなど、多様な音楽で彩られ、ダンスでも躍動。バンドもオンステージで芝居に寄り添い、導く、臨場感ある演奏で楽しませてくれます。 ポップでかわいらしい作品ですが、演技、歌、ダンス、そして演出も装置も衣裳も照明も……しっかりと作り込まれています。

乾いた心が潤い、やがて晴れ渡る! ミュージカル『A Year with Frog and Toad~がまくんとかえるくん』には現代人に必要な栄養素がたっぷり含まれています! そしてなんと言っても即効性がある! 最終公演地、サンシャイン劇場で、ぜひご観劇ください。~22日までの上演です!
【公演情報】
ミュージカル『A Year with Frog and Toad~がまくんとかえるくん』
2025年5月31日(土)~6月1日(日)@春日井市民会館(終了)
2025年6月6日(金)~6月8日(日)@サンケイホールブリーゼ(終了)
2025年6月12日(木)~6月22日(日)@サンシャイン劇場

Music by Robert Reale
Book and Lyrics by Willie Reale
Based on the books by Arnold Lobel

翻訳・訳詞:小田島創志
演出:元吉庸泰
音楽監督:堀 倉彰
振付:松田尚子

出演:
越岡裕貴 松崎祐介(ふぉ〜ゆ〜)
原田優一 上川一哉 MARIA-E 壮 一帆
オンステージスウィング:今井 学 稲 なお実

公式サイト:http://musical-frogandtoad.jp/

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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