45年目を迎えた青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』、初日を前に取材会が行われました。
【囲み取材レポート】
囲み取材に登場したのは3度目のピーター・パン役となる山﨑玲奈さん、初出演となるフック船長/ダーリング氏役の石井一孝さん、ウェンディ役の山口乃々華さんです。
──ピーター・パン役の山﨑玲奈さん、今年はどんなお気持ちで臨まれていますか?
山﨑さん)
今年は『ピーター・パン』が45年目を迎え、私自身は3年目になります。演出家の長谷川寧さんが毎年新たなアレンジを加えてくださるおかげで、いつも初演のような気持ちで挑ませていただいています。特に今年は、キャストが一新されたこともあり、初心にかえり新たなテーマを探しながら新たなピーター・パン像を作ってきました。
──フック船長役の石井一孝さん。初挑戦となるこの役、初日を明日に控えた今のお気持ちはいかがでしょうか。
石井さん)
稽古をしていく中で“名作と呼ばれる理由”を痛感しました。まず脚本がいい。そして音楽が抜群にいい!『レ・ミゼラブル』も『オペラ座の怪人』もそうですが、いい曲がなければいいミュージカルは成立しない。この作品はまさにいい曲、キャッチーで、耳馴染みがよくて、全部シングルカットしそうな曲ばかり。本当にすごい作品だなと。そこに寧さんのアバンギャルドな演出がつき、そして俳優にも常に高みを求め、「1ミリでも高く、1ミリでも遠くに」、我々はアスリートのような気持ちで挑んで、日々それが具現化されているように思います。お客様に楽しんでいただけたら嬉しいです。
──ウェンディ役の山口乃々華さん。念願のウェンディ役がついにお披露目となります。今のお気持ちは。
山口さん)
2019年に観てから、ずっと「ウェンディを演じてみたい!」と思っていた女の子の夢が叶います。これから始まる本番の日々で、たくさんの子どもたちや大人の方が観に来てくださると思います。私がそうだったように、また誰かが「ウェンディをやってみたい」と思ってもらえるように、みんなの気持ちが繋がっていくようなウェンディを届けられるように頑張ります。
──演じる上で大切にしたポイントは。
山﨑さん)
ずっと心掛けているのは、立ち振る舞い、話し方、声のトーンによってピーター・パンという男の子、少年がそこにいると思ってもらうということです。そのためにピーター・パンと同世代であろう男の子たちを観察していると、どこからエネルギーが湧いてくるんだろうってくらいエネルギッシュな子がいっぱいいて(笑)。今年は、それだけでなく、映画を見てちょっと色気のある男性の仕草、「こうするとドキッとするのか!」というところも研究しています。
石井さん)
心掛けてるのは、3回目の玲奈先輩についていくということです(笑)。
それから、聞くところによると、フック船長が出てきた瞬間に泣いてしまう子どもたちがいるとのこと。過去最高に顔が怖いフック船長らしいので、大丈夫かなと、そこに一番ドキドキしています。
山口さん)
私も少女らしさを心掛けてお芝居しています。興味の赴くままに突っ走ったり、頭で考えたことをすぐに行動に移してしまったり、活発で感情豊かな女の子になるように研究してきました。あと、ピーター・パンとの繊細なやり取りも大事に作ってきました。
──改めてピーター・パンを演じた3年間を振り返ると。
山﨑さん)
1年目はずっと憧れだった役ができるという思いが一番強く、原作を読んだり、ディズニー版の『ピーター・パン』を観たり、ただひたすらピーター・パンを知ることに努めました。稽古でもフライングもパルクールもアクションも初めてで、すべてが“挑戦”でした。
2年目はさらにアップグレードするために、前年作ったものをさらにかっこよくする作業。フック船長も続投だったので、共に高め合いながら“かっこいい少年”を目指しました。
今年は長谷川さんとも話し合い“神話”をテーマに取り組んできました。私も18歳、成人として臨む『ピーター・パン』ということもあり、繊細でディープな“ちょっと大人な芝居”、ドキッとするようなシーンを増やしました。
毎年、テーマを変えてチャレンジするすごく充実した3年間。いろんな方面に進化したピーター・パンをお届けできることを嬉しく思います。
【ゲネプロレポート】
オーバーチュアが観客を『ピーター・パン』の世界に誘います。
物語のはじまりはロンドンの街、ダーリング邸。ダーリング夫妻の子どもたちウェンディ、ジョン、マイケルの子ども部屋に、不思議な男の子が“あるもの”を取りに忍び込みます。
子どもたちにとっての“大人”の象徴、厳格な父ですが随所にチャーミングなところを見せる石井一孝さんのダーリング氏。同じ俳優が現実世界でのお父さんとネバーランドのフック船長を演じるという演劇の妙!

ダーリング夫人、ウェンディ、ジョン、マイケル
お母さんはちょっと心配性。でも夫妻ともに心から子どもたちを愛している。太田緑ロランスさんの、ピリッとした性格の中にも慈愛を滲ませるお母さん。ダーリング氏を頼りながらも、どこか大きな子どもの一人のようにあしらうところも微笑ましい夫妻の関係です。

“あるもの”をと取りに忍び込んできたピーター・パン
ウェンディのおかげでそれを取り戻し、二人の間にひとつの関係性が生まれます
ピーター・パンはウェンディたちとともに、いつまでも子どもでいられるネバーランドへ飛び立つ!
一幕ラストの♪アイム・フライングは作品を代表するナンバー。ワクワクすることを思い浮かべると子どもたちの身体もふわりと浮き上がりネバーランドへの空の旅が始まります。表情豊かな子どもたちを見ていると自然に笑顔になります。

自由に空を飛び回る姿は見ていてもワクワクします!
山﨑さんの伸びやかな歌声が、水を得た魚の如く大空を自由自在に飛び回るピーター・パンの姿にぴったり合っています。どこまでも行ける!そう思わせるピーター・パン!ちょっと不機嫌な表情を見せたり、大喜びしたり、くるくる変わる表情も見どころです。
二幕の舞台はネバーランド! そこにはピーターパンがリーダーのロストボーイズ、タイガー・リリー率いるモリビト(森の住人たち)、フック船長率いる海賊たちが登場!パペットの動物たち、豊かな色彩、リズミカルな音楽、様々な身体表現で物語も躍動していきます。
タイガー・リリーを演じるのは七瀬恋彩さん。ブレイクダンスを主とするプロダンスチーム「KOSÉ 8ROCKS」にも所属。高い身体能力と存在感でモリビトたちをリードします。
ネバーランドで迷子たちのお母さんになったウェンディ、モリビトたちとも仲良くなり楽しい時間を過ごします。でも海賊たちが現れて──
ウェンディの成長譚として、“大人になること”と向き合うウェンディを山口さんが繊細に表現。永遠に子どもでいられるピーター・パンとウェンディのコントラストも作品の魅力です。
囲み取材で山﨑さん、山口さんがお話しされていたピーター・パンとウェンディのやり取り。一緒に遊ぶだけでない、大人と子どもの狭間を揺れ動くようなドキッとする瞬間、確かにあります!
音楽に導かれ、群舞に圧倒され、フライングにワクワクしながら物語の世界を旅する観劇“体験”。まずは一緒に手を叩いたり、声を発して楽しみ、やがて個性豊かなキャラクターに込められた意味に思いを馳せる。すっごく楽しい!でもそれだけでない、成長と喪失のちょっぴり切ない余韻を残すミュージカル『ピーター・パン』、お子さんから大人まで響く作品です。
東京公演は7月28日(月)〜8月6日(水)に東京国際フォーラムホールCで上演(8月1日11:30公演、8月3日16:30公演は手話付き公演)。その後、群馬、大阪、福岡のツアー公演が上演されます。ピーター・パンやウェンディと一緒にネバーランドを旅しましょう!

撮影:宮川舞子
ネバーランドにはパペットの動物たちがいっぱい!
想像力を掻き立てます!
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人