2023年に待望のミュージカル化を果たした、累計3,900万部超の大ヒット漫画『のだめカンタービレ』(原作:二ノ宮知子)。その次なるステージは、台北と東京でのシンフォニックコンサート!
9月6日・7日に台北のTaipei Music Center、13日〜15日に東京ガーデンシアターにて開催されるミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート!の製作発表には、豪華キャスト陣が登壇しました。
登壇者は、実写版のレジェンドキャストでもある“のだめ”こと野田恵役の上野樹里さん、フランツ・フォン・シュトレーゼマン役の竹中直人さん。そして今回、指揮デビューを果たす千秋真一役の三浦宏規さん。さらに、峰龍太郎役の松島勇之介さん、有澤樟太郎さん、高橋健介さん(三名による日替わり出演、出演日順)、三木清良役の華優希さん、清水美依紗さん(同じく日替わり出演、出演日順)、奥山真澄役の大久保祥太郎さん、黒木泰則役の竹内將人さん、江藤耕造役のなだぎ武さんと、個性豊かな面々が勢揃い。
さらに東京公演でゲストピアニストを務める、ベルリン交響楽団との共演経験を持つピアニスト・石井琢磨さんも登場。会見は、それぞれの“のだめ愛”と笑い声があふれるひとときとなりました。

野田 恵役:上野樹里さん
──このコンサートの開催を知ったときは、どう思われましたか。
上野さん)
面白いことを考える人がいるなって(笑)。でもオーケストラがいて、俳優のみんなも集まって、とても豪華なコンサートになるだろうと思いました。さらに千秋先輩の指揮もあります! 昨日、通し稽古で初めて指揮をされるところを拝見しましたが、「いつの間に練習をしていたの?」というくらいにさらっと本物の指揮をされます。(三浦さんは)そういう努力を見せないんですよね。
「ベト7」(ベートーヴェン「交響曲第7番」)もブラームスもあり、めちゃめちゃ難しいと思いますが、やっぱり動きがすごくきれい。のだめが千秋先輩の背中を見て、音楽を浴びてきたこと、それをお客様にも体感していただける──フィクションなのか、ノンフィクションなのか、ミュージカルとはまた違う臨場感のあるコンサートになると思います。
──ドラマは20年前、また今回の台湾公演は追加公演が行われるほどの人気です。長きに亘り、国境も超えて愛される“のだめ”の魅力とは。
上野さん)
普遍的なクラシック音楽と個性豊かな登場人物の融合が、一番の魅力。クラシックは華やかで日常生活とは一線を画すようにみえて、意外とそうではないんです。自分の世界をしっかり持ち、友達だけどライバルでもある音大生たちの個性は、決して混ざらないし、ぶつかり合う。でも、音楽を通してみんなが輝きます。彼らの恋心や、成長への熱い情熱が描かれるこの青春物語が、こうして国境を越えて愛されることを、私もうれしく思います。

千秋真一役:三浦宏規さん)
──指揮の手応えは。また、初演で印象的だった「ペトルーシュカ」のシーンでのバレエを、今回も拝見できそうですか。
三浦さん)
指揮については、ベートーヴェンに加えて、ブラームスも振ることになりました。たいへんな重責を担う指揮者は、そうそう経験できないこと。特に、母親からはそれがどのくらいすごいことなのかを繰り返し言われていましたので、とにかく真摯に向き合い、お客様に満足していただけるように最後まで頑張ります。「ペトルーシュカ」は踊ります。石井さんのピアノでみんなで踊ります。なんて贅沢! お楽しみに。

シュトレーゼマン(通称ミルヒー)役:竹中直人さん
昔を思い出しますね。
髪の毛が風になびいた時代が自分にもあったんだなって。
──キャラクターを自在に演じる竹中さん。今回はどのようなアプローチになりそうですか。
竹中さん)
またしてもミルヒーを演じることになりました。温かい目で見守っていただけたらうれしいです。アプローチ……、みなさんが作り出す空気を受け取って動くだけなので、どんな芝居が飛び出すか、僕にもまだまったくわからないんです。でも、とても素敵なチームなので、楽しい時間が作れると思っています。公演回数も限られているので、あっという間に終わってしまうのだろうと、今から切ない気持ちを準備しています。稽古場の雰囲気は、すごく穏やかでにぎやかで楽しいのですが、僕の邪魔をしてくるなだぎとはバチバチです(笑)。
峰 龍太郎役は3人が日替わりで演じます。出演順にご紹介いたします。

峰 龍太郎役:松島勇之介さん
──稽古場で感じていることは。
松島さん)
一番強く思うのは、みなさんがこの作品を心から愛しているということです。笑いの絶えない稽古。樟太郎くんに至っては、通し稽古中もずっと、割と大きめの声で「この曲、好きや!」と言っているんですよ(笑)。愛が深い方々とご一緒できることをしあわせに思っています。

峰 龍太郎役:有澤樟太郎さん
有澤さん)
竹中さんほどではないですが、僕も“帰ってきたな”と感じています。今回は1日限りの出演、少ない稽古で臨むので心配していましたが、明日にでも、僕は(舞台に)立てます! 僕の中に、しっかりと峰が入っていました。期待してください。
──有澤さんは、新・峰役のお二人をどうご覧になっていますか。
有澤さん)
二人とは別作品でもずっと共演し、よく知っている仲ですが、同じ役をやることでこれまで見えなかった一面が見えてきます。勇之介は根っこにある熱さ、まっすぐさが峰にも出ています。健介くんは、一生懸命さが可愛いなと微笑ましく……。

高橋さん:後輩に、一生懸命さが可愛いって言われ…(笑)
有澤さん)
とても愛おしい峰が誕生したなと思っています(笑)。
──有澤さんご自身はどのようなアプローチを。
有澤さん)
2年経ち、ちょっとは大人になっているので、前回のようにはっちゃけられるかなと思っていたんです。
みなさん)
“僕が峰”じゃなかったの?
有澤さん)
いや、でも、自分で言うのも恥ずかしいんですけど、みんなの「あ、峰が帰ってきた」という反応から手応えを感じました。それに勇気をもらって、「明日にでも!」と。

有澤さん:なんだか、僕は峰を演じているとすごくパーってなっちゃうんです(笑)。
三浦さん:いつもだよ(笑)。
三浦さん)
(有澤さんは)稽古時間も少ないし、久しぶりだから緊張を解いてあげようとしていたみんなの気遣いを……それで、突き進んじゃうところが峰だよね。
有澤さん)
気を遣ってくれていた? あ、真に受けちゃうんでね。そんなところも「僕は峰なんだな」って思います(笑)。

峰 龍太郎役:高橋健介さん
──稽古場でのエピソードなどありましたら教えてください。
高橋さん)
和気あいあいと、クオリティの高い稽古をしています。僕が一番感動したのは、樹里さんの千秋先輩への愛です。樹里さんと宏規にお菓子を差し入れたのですが、樹里さんは「千秋先輩のほうが体力を使っているから、2つとも千秋先輩にあげてください」って!
やんわり断られただけだという話もありますが(笑)。
──華さんは学生時代吹奏楽部に所属され、清水さんは幼少期よりヴァイオリンを弾いていた、そんなお二人にとって、“のだめ”はどんな存在でしたか。ご出演が決まったときの心境と合わせてお聞かせください。

三木清良役:華 優希さん
華さん)
“のだめ”は学生時代からファンで、上野さん、竹中さん、映画ではなだぎさんも拝見していましたし、漫画も1巻ずつ出ている時期でしたので、次はどの楽器が表紙になるのか、私の楽器だといいなと思っていました。そんな青春時代の思い出が詰まっている作品世界に飛び込ませていただくことに、不思議な気持ちがまずありました。そしてお稽古場に来ると、当時拝見していた方々がいらっしゃることに、さらに不思議な気持ちも覚えましたが、楽しくお稽古させていただき、どんどんうれしさが増しています。

三木清良役:清水美依紗さん
清水さん)
出演が決まったときは本当に驚きました。幼少期から高校生までヴァイオリンを弾いていた私が、まさかヴァイオリンを弾く役を演じるなんて! とてもうれしかったです。また、私は学生時代にオーケストラで第一ヴァイオリンを務めたこともあり、“のだめ”は当時から大好き! 漫画もアニメもドラマも、繰り返し見たり読んだりしていた“のだめ”は、私の青春といっても過言ではないくらいです。こうして参加できることを本当に光栄に思います。

奥山真澄役:大久保祥太郎さん
──今回初参加となりますが、ここに注目してほしいというところは。
大久保さん)
ズバリ、千秋様への愛です! 真澄ちゃんのエネルギーはそれを源にしていると言えるので! コンサート版ですで、そこまで多く描かれてはいないのですが、だからこそ一つ一つのシーンで色濃く愛を伝えてきたいと思います。

黒木泰則役:竹内將人さん
──ミュージカル版からの続投となりますが、新キャストへのアドバイスは。
竹内さん)
竹中さんのアドリブなど、本番中に予期せぬことがたくさん起こります(笑)。それに惑わされず、稽古でまっすぐに作ってきたお芝居の枠から少しはみ出すように楽しんでほしいと思います。そうやって竹中さんのおかげで、カンパニー全員が回を追うごとにイイ感じの“はみ出し方”をしていくんですよね。僕はそれがすごく楽しかったです。

江藤耕造役:なだぎ武さん
なだぎさん)
僕も2年ぶりということで、稽古では台詞を覚えているか心配だったのですが、しゃべり出すと一気に思い出すものですね。“ 有澤樟太郎”は、「明日から」と言っていましたが、私は「今からでも舞台に立てます!」。 “ 有澤樟太郎”には絶対負けたくないという心意気です。

1日でも負けたくない、なだぎさんの意気込みに会場が沸きます
──なだぎさんからも新キャストへアドバイスを!
なだぎさん)
みなさん本当に素晴らしいので、アドバイスはないですけどね。“のだめ”の世界を思いっきり楽しんでほしいです。あとは、“竹中直人”がアドリブ入れすぎってことですかね(笑)。ちょっとおとなしくしてほしいです。

竹中さん:もうめちゃくちゃ傷つけられた!!

東京公演ゲストピアニスト:石井琢磨さん
石井さん)
このコンサートに参加できることを、心から嬉しく思います。
──『のだめ~』の好きなシーンは?
石井さん)
たくさんありますが、マングースがピアニカでガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏するシーンと、シュトレーゼマンと千秋様がラフマニノフの「ピアノ協奏曲」を演奏する場面が特に好きです。
──演奏する楽曲についてもお聞かせください。
石井さん)
演奏する曲は、先のコメントが前振りみたいになりますが(笑)。「ラプソディ・イン・ブルー」と「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」、三浦さんからもお話のあったストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」の3曲を演奏します。
──どんなコンサートになりそうですか。
三浦さん)
どの回を見てもそれぞれの個性が光る面白いコンサートになると思います。“のだめ”を知っていても、知らなくても、ミュージカル版を観たことがあっても、なくても楽しんでいただけると思います!
上野さん)
劇中で歌う曲はポップス、ロック、ブルースなど、それぞれのキャラクターやシーンにあったいろんなジャンルの音楽です。それとクラシックをどう融合させるかは、(音楽を手掛けた和田)唱さんにとっても初めての挑戦でした。そして、みんなの表現力によって新たに立ち上がる景色を見ながら、そこに自分も俳優として参加している、とても稀有な経験をさせていただいています。また、ミュージカルではワンフレーズだったところの尺が伸びたり、真澄ちゃんや清良の曲などキャラクターの新曲も追加されたり、ジャンルレスの音楽のコンサートとして、キャラクターも、ストーリーも、音楽も楽しんでいただけると思います。ペンライトなどで、お客さんも一緒に体感できる、温かく素敵な音楽の時間になったらいいなと思っています。
ここからは囲み取材をレポート、いくつかのトピックスを深掘りしていきます!
【和田唱さんの音楽を深堀り!】
竹中さん)
この作品、この役については、本当に僕でいいの?という思いがずっと続いているんです。でも、和田唱さんの音楽があまりにも素晴らしすぎて、その音楽を歌えることの喜びに突き動かされたというところが強い。だからとにかく和田さんの音楽に向き合う、それだけです。そして素敵な曲、みなさんの歌唱力が素晴らしすぎて、日々びっくりしています。
上野さん)
またあの曲が、ミルヒーの声が聞けるというのは嬉しいですね。みんながグルーヴする、とっても素敵なロックナンバー。指揮者で、クラシックの世界なのに、ミルヒーだからこそ成立するんです。「ダンケシェン!」という単語も入っていて、そこがめっちゃ盛り上がるんです。竹中さんのアドリブも相まって、みんながどよめくシーンになりました。
【指揮の醍醐味を深掘り!】
三浦さん)
(指揮は)今まで生きてきた中で、一番練習しているんじゃないかというくらい、練習しています(笑)。そこにはもちろん好きだからというのもあります。YouTubeの再生履歴はまるで音大生のようになっていて、もはやおススメにはクラシックしか出てこない(笑)。
常日頃から触れられるようにしていて、総譜(指揮の譜面)も持ち歩いていますし、夜中に突然指揮の練習を始め、気づいたら朝まで振っていたことも。
でも、クラッシック音楽監修の茂木(大輔)先生の指揮と、自分の指揮ではやっぱり音が違うんです。先生が振ってくださるとすごい音が奏でられる。その音源に合わせて振ると……めちゃくちゃ気持ちいいんです! 僕もそういう音を出せるようになりたいという思いで、毎日練習に取り組んでいます。
まだまだ指揮台に上がって構えると、緊張で手が震えます。練習成果が発揮できるようにしっかりやらなければと思っています。やりきることができたら、気持ちいいだろうな。
【竹中さんのアドリブを深堀り!】
あまり前もって考えることはせずに、みなさんの雰囲気を受けてアドリブを繰り出していると話す竹中さん、もう一つの動機が明かされます。
竹中さん)
宏規とかが期待しているような顔をするんですよ。
三浦さん)
してないですよ!!
竹中さん)
そう? 演出家の(上田)一豪さんはしています(笑)。究極の芝居はなにもしないことですが、でも誰かが望んでいるなら瞬間的に短くアドリブを挟んでいます。なだぎは長いんですよ(笑)。
三浦さん)
ちなみに僕のは期待ではなく、構えている目です(笑)。
「ここで来るぞ」というポイントがあるので、千秋としてどう返すか──初演時に、鍛えられましたね。

三浦さん:この距離とかで喋ってくるんです!
竹中さん)
普通、それだけ近づけば(一歩)下がるのに、(宏規は)下がらないから。
三浦さん)
本当に、しびれる時を過ごしてましたね(笑)。
【“上野さんとのだめ”を深掘り!】
──ドラマから20年、“のだめ”との出会いがもたらしたものは。
上野さん)
クラシックは自分の人生とはかけ離れた世界のものだと感じていましたが、“のだめ”と出会い、お芝居を通してみなさんとその楽しさを共有できました。当時楽しんでくださった方々だけでなく、自分のラジオ番組で、石井さんから「“のだめ”を4歳ぐらいから見ていました」と言われ、「4歳!?」ってなったり。ほかにも今活躍されている若い音楽家の方々や、(一般の方も)再放送で見たという“再放送組”もいますし、お母さんが見ていたという方も。そうやって“のだめ”を通して、たくさんの方に音楽の楽しさを伝えていけたことは、自分自身とてもいい経験になりました。
また、夫も、音楽活動をしていますし、もともとミュージカルが大好きな人でもあるので、三浦くんが出演していた『グリース』を観て、あの作品の(オリジナルの)振付をマイケル・ジャクソンが取り入れたことなど豆知識を教えてもらうなど、家でも音楽的な時間を過ごしています。ますます音楽が自分にとって大きな存在になっています。
──最後に、楽しみにされているみなさんに向けてひと言ずつ!

お三方で試行錯誤し……文字通りひと言ずつ
ミュージカル(竹中さん)
『のだめカンタービレ』(上野さん)
シンフォニックコンサート!(三浦さん)
お待ちしています!(3人)

(小声で)
三浦さん:こういうのがお望みだったんでしょうか……。
上野さん:多分(締めの)コメントを求められたんだと思う……。
ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート!が楽しく素敵な音楽の時間になることを確信する取材班でした。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人