【中国の大地に立つ陸一心、怒涛の運命を予感させる、渾身のビジュアルが完成】
2026年2・3月に明治座にて上演される『大地の子』。
戦争孤児となった少年が、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」(ルー・イーシン)として育てられる。主人公・陸一心の波乱万丈の半生を描いた物語。山崎豊子が現代(いま)に問う-魂の感動巨編を原作に、マキノノゾミ脚本、栗山民也演出、井上芳雄=陸一心をはじめとする豪華スタッフ・キャストによって遂に舞台化されます。
デザイン:柳沼博雅、撮影:渞忠之による『大地の子』のビジュアルが完成しました。中国の大地を踏みしめる陸一心を中心に、それぞれの怒涛の運命を予感させる登場人物が配された、渾身のビジュアルです。
撮影に臨んだ陸一心役の井上芳雄、あつ子役の奈緒、江月梅役の上白石萌歌、陸徳志役の山西惇、松本耕次役の益岡徹ら俳優たちの<ポスター撮影を終えての感想。演出家・栗山民也への思い>コメント、新たに発表されたキャスト飯田洋輔、浅野雅博の意気込みコメントをお届けします。
井上芳雄コメント
今日は、思っていた以上に、陸一心役の心情を表現する撮影となりました。
『大地の子』はすでに始まっているんだ、という思いを強くしました。
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栗山さんとは何作品もご一緒させていただいて、たくさんのことを教えてもらいました。
栗山さんは、今の日本でやる意味がある演劇をやるべきだ、演劇は今の時代と繋がっているのだ、ということを前からおっしゃっています。
まさに『大地の子』は、今の時代に必要な、そして演劇としてお伝えするにふさわしい大切な物語だと思っています。全力で気持ちを込めて演じたいです。これから稽古が始まって、ドキドキすることも増えてくると思いますが、皆さまにお届けできることをとても幸せに思っています。
明治座でお待ちしております。
奈緒コメント
1人での撮影だったのでまだ皆さんとお会いできていませんが、(今日の撮影で)1人ということが、あつ子役としては、とても良いスタートなのではないかと思っています。
きっと、あつ子自身が抱えていた孤独と向き合う稽古になると思いますので。
今日撮ったポスターも含めて、どういったものが出来上がるのか、手に届くのを楽しみにしています。
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(前回の作品で)栗山民也さんが、舞台の上で悩んでほしい、迷ってほしい、初めて聞く声を聞きたいんだと、仰っていたのを、今でもすごく鮮明に覚えています。
今回も、稽古場含めて本番までたくさんの新しい声と自分自身も出会えるように、栗山さんにも新しい私を見ていただけるように頑張りたいなと思っています。
上白石萌歌コメント
お話をいただいてから今日までずっと『大地の子』のことを考え続けていたんです。
今日、役の衣裳に袖を通して、カメラの前に立って、役の気持ちを想像することで、自分はこの作品に携わる時が来たんだな、という実感がふつふつと湧いてきました。
早く皆さんと顔を合わせてお稽古がしたいなという気持ちでいっぱいになりました。
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栗山民也さんの演出を再び受けられるということに、大きな喜びを感じています。
山崎豊子さんの『大地の子』というとても大きな名作を、時代を越えて形を変えて体現する機会をいただけたことに、身も心も引き締まる思いでいっぱいです。プレッシャーもたくさんありますが、何より栗山さんの言葉を信じて、役を生きることができたらいいな、と思っています。
山西惇コメント
いよいよ始まるんだなという感じですね。
ものもすごい大作になると思うので、緊張感でいっぱいです。
ドラマも見ていますし、原作も読み返しました。自分の演じさせていただく役柄が愛に溢れている、お父さんの役なので、是非、演じさせていただきたいと思いました。
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栗山民也さんとはもう10年以上のお付き合い、最も信頼している演出家と言ってもいい方です。(脚本の)マキノさんも同世代で、関西の小劇場からずっと頑張ってやってきた仲間です
マキノさんと栗山さんですから人間ドラマとしても、エンターテイメントとしても、とても楽しめる作品になると思いますので、期待していただければと思います。
益岡徹コメント
お客様の前で演じるにはまだ半年ほどある時期の、ポスター撮影という機会に、少しこの役が始まったような実感を持ちました。
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『大地の子』は、30年前にテレビドラマで、私が40歳になるかならないかくらいの頃に毎週感動しながら見ていました。見たものは生々しく残っています。原作も素晴らしかったです。
今回、舞台で栗山さん、マキノさん、井上さんたち共演の方と素晴らしい舞台を作れるのではないかととても楽しみにしています。中国大陸を舞台に、戦争がもたらした残留孤児の物語を、その思いを、お客様にお届けしたいと願っています。
<新キャストの抱負>
飯田洋輔コメント
日本演劇界、常に牽引されてきた、栗山民也さん、そして数々の脚本で多くの感動を呼んできたマキノノゾミさんと共に、新しい世界を創造していくことが本当に楽しみです。
私の演じる袁力本役は、友情や国家のはざまで、様々な葛藤がうまれるなか懸命に生きてきたキャラクターだと思っております。
この壮大なドラマが、皆さんにお伝えできるように、作品の力を信じて、一生懸命、稽古をしていきたいと思いますので、どうぞ皆さんお楽しみにしていてください。
浅野雅博コメント
マキノさんの本で栗山さんの演出、このタッグだったら面白くないわけがないと思って、すぐに手をあげさせていただきました。山崎豊子さん原作の骨太の芝居にはぴったりのお2人だと思って、頼りにしています。
この物語は僕としては特別なお話ではないと思っています。民族の違いとか文化の違いとか宗教の違いはありますが、やっぱり元をたどると一人の人間がどうやって生きたか。また、誰もがいつそういう境遇に落ちるかも分からない。このきな臭い現代において、見ていただけなければならないものだと思っています。
僕は、井上芳雄さん演じる陸一心のターニング・ポイントとなる1つの象徴的なシーンで出演します。
明治座に生の『大地の子』を見にいらしてください。
【あらすじ】
第二次世界大戦後、中国の大地に取り残された日本人孤児、勝男(井上芳雄)。
一緒に取り残された妹・あつ子(奈緒)と離別し、人身売買されたところを、小学校教師の陸徳志(山西惇)に助けられ、「一心」と名付けられる。
子供のいない陸夫妻は愛情をこめて育て、一心もその期待に応えるように差別を受けながらも、優秀な青年に成長していく。ただ、その背後には、文化大革命が暗い影を落とし始めていた。
一心は、戦争孤児であるという理由から、無実の罪で捕らえられ、過酷な肉体労働に従事することになり、さらには冤罪まで着させられてしまう。服役中にふとした怪我から破傷風にかかり生命の危機にさらされる一心だったが、一人の看護師に命を救われる。その女性は後に一心の妻となる江月梅(上白石萌歌)だった。
時が過ぎ、中国での高炉建設の日中共同プロジェクトに参加することになった一心は、日本企業の東洋製鉄所長の松本耕次(益岡徹)という男性と対面することになる。耕次は、一心の実の父親だった──
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました