待望の再演!ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』 製作発表会見レポート

2023年に帝国劇場で日本版が初演され、独創的な演出とパフォーマンスで注目を集めたミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』。待望の再演に向け、製作発表会見が行われました。



チャーリー役の3名から光一さんへ贈られたサプライズプレゼントの巨大チョコ(なんと板チョコ200枚を使用)

原作は、ロアルド・ダールの名作『チョコレート工場の秘密』。1964年の出版以来、児童文学の金字塔として世界中で読み継がれ、1971年・2005年には映画化。2013年、英・ウェストエンドでミュージカル版が初演。2023年の日本初演は、ウォーリー木下さんによる日本オリジナル演出で「カラフルでかっこよくてオシャレ!」と好評を博しました。

製作発表には、ウィリー・ウォンカ役の堂本光一さんを筆頭に、観月ありささん、小堺一機さん、鈴木ほのかさん、芋洗坂係長さん、岸祐二さん、彩吹真央さん、そして日本版翻訳・演出を手がけるウォーリー木下さんが登壇されました。さらに、新たにチャーリー・バケット役を務める小金輝久さん、瀧上颯太さん、古正悠希也さんの3名も顔を揃え、再演への期待と決意を語りました。3年の時を経て再び集結したカンパニーの晴れやかな表情が印象的な会見となりました。



ウィリー・ウォンカ:堂本光一さん

堂本光一さん)
ウィリー・ウォンカ役の堂本光一ございます。
3年も経ったとは思えない。それだけ我々にとって、この作品の経験や思い出が色濃く残っているからそう感じるのだという気がしています。自分としても、本作の幕を開けるときはたくさんのチャレンジがありました。

自分は『SHOCK』という舞台をずっとやらせていただきましたが、この『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカ役について、東宝さんの「光一がここから長く演じられる役ではないか」という言葉が嬉しくて。この役を大事に演じていきたいと思っています。特に二幕はずっとしゃべっていて、大変な役なんですけど(笑)。

この作品は、世界各地で上演されていますが、日本の『チャーリーとチョコレート工場』が世界一だと信じています。そこで唯一無二のウォンカを演じたいと思っております。

──初演でも独創的で魅力あふれるウォンカ像が人気を博しました。ウォーリーさんは、演出の立場でどのようなイメージでウォンカ像を立ち上げたのでしょうか。



日本版翻訳・演出:ウォーリー木下さん

ウォーリー木下さん)
本当にウォンカは謎の多い人物、“いわゆる文脈がない主人公”です。これはすごく稀有なことで、その人物像を立ち上げる難しさは常にありました。光一さんともディスカッションを重ね、台詞の一つひとつ、言い回しや語尾を調整する作業を一緒にしてきました。

“無色透明”にも見えるし、それでいてちょっと顔の向きを変えてみるとふと影が見え、悪魔にも天使にも見える。そんな多面性のある人物。しかも「その解釈は最終的には、お客さんに委ねよう。自分はこう思うけれど、それを押し付けたくない」と光一さんがおっしゃってくれたのが、僕としてはありがたかった。そして本番を見て、「自分たちが目指していたのは、このウォンカ像だった」と気づかされました。そのくらいなので、僕がつくったというより、一緒に作らせていただいた印象です。このアプローチをしているのは日本版ならでは。再演では前回よりさらに怪しくなっていると思います。期待してください。

──ウォーリーさん、光一さんに伺います。初演の手応え、再演でブラッシュアップするところは。

ウォーリーさん)
「いつの時代に上演してもきっと通用する、日本の独自性もあるミュージカル作品ができたのではないか」という手応えは、僕も含めた、カンパニー全体にありました。その上で、もっと出来たかなというところ、その一つひとつを検証し、より完成度の高い作品にしたいと思っています。

光一さん)
手応えですか。普段、あまり手応えを感じながら仕事をしないタイプなもので(笑)。自己肯定感が低いんですよ。ただ、まわりのスタッフの皆さんや一緒にステージに立つ共演者の皆さんの表情を見て、この作品に対する愛情や楽しさをすごく共有できていることがわかりました。それが手応えというものなのかなと思ったりします。

ブラッシュアップについては、ウォンカはすごく計算されたところもありますが、お客様にとってはステージ上を自由に動き回り、自由にしゃべり、自由に歌う──自由になればなるほど輝いていく役。その自由を手に入れるためには、やはり追求していくことが必要。精進して、より自由になれるようにしたいと思っています。

──役作りで心がけていることは。

光一さん)
この作品のメッセージを現代に伝えるには、チャーリーの純粋さ、ウォンカの残酷さの奥に滲む温かい愛情のバランスが大切だと捉え、そこは結構悩みました。ウォーリーさんのお話にあったように、台詞の語尾や声のトーン、また、ウォンカが敬語を多用するという形に至りました。ミステリアスで毒々しいけれど、なんか気になる。皆さんに愛されるキャラクターになるといいなと思っています。


──そんな光一さんの座長ぶりについて。

岸祐二さん)
いつどんなときも、舞台上で起きていることのすべてを把握していること。キャストの体調や芝居のテンポ、アクシデント、小さな変化もいち早く察して対応する。ウォンカを演じる集中力も並々ならぬものがありますが、俯瞰で物を見ているもうひとりの光一くんがいるというのは、舞台人として素晴らしいことだと思います。

芋洗坂係長さん)
普段のお気遣いです。ケータリングのコーナーには、「光一さんからの差し入れでみかんです」「いちごです」と。旬で美味しく、大事なビタミンCが摂れるものをピンポイントで入れてくれる。本当にジャストな差し入れを──今年も期待しています。岸さんの素敵なコメントの後にすみません(笑)。



光一さん)
それは今回も入れろということですね(笑)



3人のチャーリーを率いて登場した小堺さん「1月3日に70歳になりまして、本当に“じいちゃん”になりました(笑)」と笑いを誘います。

──劇中で印象的なシーンやセリフ楽曲は。



チャーリーの祖父、ジョーじいちゃん:小堺一機さん

小堺一機さん)
ジョーじいちゃんとしてはチャーリーとのシーンです。前回も3人のチャーリーがいましたが、同じ台詞、同じストーリーだけど、「この子はこの台詞がとてもいいな」「この子はこの場面でいい顔するな」とか、お芝居をしていてすごく面白いところです。舞台は生もの、毎回、舞台上で起こることからも栄養をいただいています。ケータリングからだけでなく(笑)。



工場を訪れる子どもの母親、ティービー夫人:彩吹真央さん

彩吹真央さん)
コンピュータオタクでずっとテレビを見て、銃のおもちゃで遊びまくる息子を容認するアルコール中毒のお母さんという、ぶっ飛んだ設定です。でも、この「容認している」という“親子の関係性”は、程度の差こそあれ、いつの世もあることだと感じています。また3年前と比べても、AIの発達など物語で描かれていることが、また違う響くところもあるかもしれません。

そして私も、実はもう一役、チャーリーが家族のために野菜を買いに来る、野菜売りのグリーン夫人という役を演じます。そこでのチャーリーとの触れ合いは、ティービー夫人とは逆の温かさを毎回感じて演じていたので、今回も三人三様の楽しい時間を過ごせたらいいなと思っています。



工場を訪れる子どもの父親、ソルト氏:岸祐二さん

岸さん)
楽曲を挙げると、やはり<ピュア・イマジネーション>です。「想像すればなんでもできる」「僕たちがやれることは無限なんだ」という曲は、何度聞いてもジーンとします。心揺さぶられる感動の涙というよりは、ジーンと共感する涙。また、ママがチャーリー思う<パパがここにいたら>も、毎回おばあちゃんの格好でベッドに横になりながら、「いい曲だな」と思って聞いています。

岸さんは、わがまま娘を溺愛するソルト氏に加え、チャーリーの祖母ジョセフィンも演じる二役を担います。前回公演ではその変貌ぶりに気づかなかった観客も少なくなかったといい、「役者としては嬉しいような恥ずかしいような」と会場を沸かせました。



工場を訪れる子どもの父親、ボーレガード氏:芋洗坂係長さん
「多くの方から『これはハマり役だね』と言ってもらえて──はまだいないので、今回こそそう言ってもらえるように頑張ります(笑)」芋洗坂さん流の熱い意気込み!

芋洗坂さん)
自分が関わっている部分で言うと、娘のバイオレットが歌う<ガムの女王>です。前回同様に今回のバイオレットの2人も歌もダンスも素晴らしくて。そこで私やダンサー陣も踊りますが、やっぱりいいシーンです。

ほか、個人的に大好きなのは終盤のウォンカさんとチャーリーさんが一緒に歌を歌いながら、夜空を飛ぶシーンです。舞台全体が本当にファンタジーの世界で、リハーサルのときに初めて客席から見ましたが涙が止まりませんでした。



工場を訪れる子どもの母親、グループ夫人:鈴木ほのかさん

鈴木ほのかさん)
一番好きなシーンは、私も芋洗坂さんがおっしゃったシーンです。また、ウォーリーさんによると<まだまだ魅力ある>という、私が演じるドイツの肉屋のグループ夫人の楽曲も、今回バージョンアップするということで、非常に楽しみにしています!

チャーリーの祖母ジョージアおばあちゃんも演じます。新しい息子オーガスタス、孫のチャーリーと食べて、食べて!ハングリーに頑張ります!



チャーリーの母、バケット夫人:観月ありささん

観月ありささん)
私が演じる母親は、チャーリーが夢見心地なことを言ったときに、現実を諭すようなところがあります。でも、家族のシーンは、貧しいなかでも懸命に、明るく楽しく過ごしている。家族愛に満ちたほっこり優しい空気になればいいなと心掛けながらお芝居をしています。そして、岸さんがお話してくださった<パパがここにいたら>、常にチャーリーを心配して、チャーリーを思っているバケット夫人の心の内を歌うこの曲は、私の中で大切にしている場面です。

もうひとつ、すごく楽しいのは「チャーリーにゴールデンチケットが当たった!」と家族みんなではしゃぐ場面です。毎回、楽しい気持ちで歌わせていただいていて、大好きです。

光一さん)
そのシーン、自分はメイク変えですごく大変なときで。楽屋で、「みんな楽しそうだなー」と思って聞いています(笑)。

印象的なのは、やはりこの作品を象徴する<ピュア・イマジネーション>。まずイメージすることが原点。イメージして、思いを形にしていこう、チャレンジしないことには、失敗も成功もない。台詞にもある「想像すれば見えてくる」──素敵ですよね。

台詞と言えば、昨日は顔合わせで、その後にいきなり稽古もあったのですが(笑)。一幕最後にゴールデンチケットを手に入れた人の名前を呼んでいく場面があり、自分の中では結構言えたつもりだったのですが、チャーリーに「呼ぶ順番、間違ってるよ!」と指摘されまして(笑)。本番では順番を間違えないように頑張っていきたいと思っております(笑)。



──チャーリー役について、好きなところを教えてください。



チャーリー・バケット:瀧上颯太さん

瀧上颯太さん)
僕が好きなところは、貧乏だけどチャーリーはいつも家族の希望の光で、悲しいときや寂しいときでも、その想像力で立ち上がれるところです。



チャーリー・バケット:古正悠希也さん

古正悠希也さん)
家族思いで想像力豊かなところがいいなって思います。チャーリーを演じていて楽しいです。



チャーリー・バケット:小金輝久さん

小金輝久さん)
チャーリーは、怒ったり泣いたり喜んだり心配したり。本当にまっすぐな気持ちのままいるっていうのが、すごく素敵だなと思っています。


──光一さんとチャーリー役の3人に。ちょっと難しい質問かもしれないですが、チョコレートのように甘くてほろ苦い人生のエピソードがあったら教えてください。




光一さん)
なるほど。想定外の質問がきましたね(笑)。
この会見で、チャーリー3人のコメントが一番しっかりしているのが、恐ろしい。ほろ苦いですね(笑)。でもそうやって年齢とか関係なく、舞台上でも、きっと彼らから教わることがたくさんあると思うんです。チャーリーだけじゃなく、子どもたちがたくさんいるので彼ら彼女たちの“ピュア・イマジネーション”に教わりながら、「ほろ苦ぇ」と思う数ヶ月を過ごせることを楽しみにしています。

小金さん)
10年しか生きてないんですけど。幼稚園の頃に、運動会でみんなで踊ることになったんです。一生懸命練習したんですけど、当日は大勢の人にびっくりして緊張しちゃって。みんなが笑顔で踊ってるなか、園長先生の目の前で、ひとり地面を睨みつけながら立っていました。帰りの車でお母さんが悲しそうに笑っていたのをすごく覚えています。

瀧上さん)
去年生まれた妹がかわいくて、ほっぺがムチムチで触ってたら、急にくしゃみをされて顔全体にバッてかかったのを覚えています。

古正さん)
ワンちゃんを飼っていて、すごくかわいいんですよ。でも、ワンちゃんの後で僕が生まれてきたから、僕を妹だと思っているんですよね。あ、弟か! 弟だと思って、それで僕はかわいくてしかたがなくて抱っこしようとするんですけど、「弟でしょ」って思われて、すぐ逃げちゃう。毎回、寂しくてほろ苦い気持ちです。

──光一さん、やはり3人ともしっかりしていますね。

光一さん)
今話を聞いていて、幼稚園の頃のことを思い出していましたが、自分のエピソードは、多分ここでは言えないことで。しっかり言えることを思いついてすごいですね。教わり続けることになりそうです、彼らに(笑)。

──そんな3人に改めて何か今後の稽古でのアドバイスをするとしたら。

光一さん)
「もっと適当に」ですかね(笑)。本当にしっかりしていますから、アドバイスはないですね。この製作発表が始まる前に一緒に写真を撮ったときは「すごく緊張する」って言っていたけれど、もう頼もしいしかないですから!ついていきます。


──光一さんからメッセージを。

光一さん)
ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』、3年ぶりに帰ってきます。世界で一番ポップで、毒も愛もある作品。年齢、性別関係なく、幅広い方に楽しんでいただける作品になっています。劇場で、この格好でお待ちしておりますので、ぜひお越しください!


【公演情報】
ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』
2026年 3月27日~31日 ウェスタ川越 ≪オープニング公演≫
2026年 4月7日~29日 日生劇場
2026年 5月6日~28日 博多座
2026年 6月5日~12日 フェスティバルホール

<キャスト>
ウィリー・ウォンカ:堂本光一

バケット夫人:観月ありさ

グループ夫人:鈴木ほのか
ボーレガード氏:芋洗坂係長
ソルト氏:岸祐二
ティービー夫人:彩吹真央

ジョーじいちゃん:小堺一機

チャーリー・バケット(トリプルキャスト)
小金輝久/瀧上颯太/古正悠希也

オーガスタス・グループ(ダブルキャスト)
有澤 奏/渡邉隼人

ベルーカ・ソルト(ダブルキャスト)
寺田美蘭/原ののか

バイオレット・ボーレガード(ダブルキャスト)
木村律花/吉田璃杏

マイク・ティービー(ダブルキャスト)
大園尭楽/小山新太

Amane AYUBO 梅津大輝 おいら 大久保胡桃 小宮海里
佐藤志有 佐藤マリン 鈴木昌実 聖司朗 茶谷健太
津覇菜々 鶴岡政希 西口晴乃亮 花陽みく 馬場礼可 樋口祥久
船﨑晴花 細田和花 渡辺崇人 隈元梨乃(SWING) 佐渡海斗(SWING)

<スタッフ>
脚本:デイヴィッド・グレイグ
音楽:マーク・シェイマン
歌詞:スコット・ウィットマン/マーク・シェイマン
原作:ロアルド・ダール
映画版楽曲 レスリー・ブリカッス/アンソニー・ニューリー
日本版翻訳・演出:ウォーリー木下
訳詞:森雪之丞
振付:YOSHIE・松田尚子
アートディレクション:増田セバスチャン

製作:東宝

公演HP:https://www.tohostage.com/cacf/

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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