ミュージカル『レベッカ』@シアタークリエ
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ダフネ・デュ・モーリアの名作ゴシックロマンスを原作に、サスペンスとロマンスが交錯するミュージカル『レベッカ』が、2026年5月6日、シアタークリエにて開幕します。2008年の日本初演以来、幾度も再演を重ねてきた、ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)コンビによる人気作。7年ぶり4度目の上演となる今回は、キャストを一新しての上演となります。

明日海りお、豊原江理佳、海宝直人、朝月希和、霧矢大夢(敬称略)
マキシム・ド・ウィンター役の海宝直人さん、「わたし」役(Wキャスト)の豊原江理佳さんと朝月希和さん、ダンヴァース夫人役(Wキャスト)の明日海りおさんと霧矢大夢さんより、開幕コメントが届きました。公開ゲネプロ(「わたし」:豊原江理佳さん ダンヴァース夫人:明日海りおさん)レポートと合わせてお届けします。
(霧矢大夢さん、朝月希和さん回も後日追記予定です)マキシム・ド・ウィンター役:海宝直人さん
新たなミュージカル『レベッカ』を、ようやく皆様にお届けできることにドキドキワクワクしております。
演出の山田さんが稽古序盤におっしゃった「みんなで作るレベッカ」という言葉の通り、今回のカンパニーならではの解釈と息づかいが宿った作品になっていると思います。
日々新鮮に、この作品の持つ魅力とエネルギーを劇場でお届けできるよう、千穐楽まで努めます。
「わたし」役(Wキャスト):豊原江理佳さん
小説、映画そして舞台と、世界中で長く愛される作品に携わることができ、とても嬉しいと共に常に緊張感を持って作品に取り組んできました。
人は誰かを愛し誰かのために生きることができた時、強くなる。そんなメッセージを「わたし」役と向き合わせていただく中で強く感じています。それぞれの形での愛や正義を持ったキャラクター、どの登場人物にも共感していただけるのではないかと思っています。そして最後は皆さまの心も少し癒せたらなとの願いを込めて。
劇場でお待ちしています。
「わたし」役(Wキャスト):朝月希和さん
まもなく、初日の幕が上がります。
この作品をお客様にお届けできる喜びと、緊張が身を包んでおります。
「わたし」役の目線を通して、お客様にも同じ視点でこの物語を辿っていただけるような存在でありたいと思っております。そして素敵な楽曲を、一つひとつ丁寧にお届けしてまいります。
8月の大千穐楽まで、海宝さん率いるカンパニーの皆さまと共に、心を大切に務めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ダンヴァース夫人役(Wキャスト):明日海りおさん
ここ数日、まだ細かな段取りやビジュアルの調整に追われていますが、劇場入りをして一番感じるのは、これまで波打ち際を行き来していた感情のうねりを、生のオーケストラの音楽が、さらに大海原へと押し流してくれているな、ということです。
カンパニー一丸となって、繊細に作り上げた『レベッカ』のお芝居、世界観をお客様にお届けできることがとても楽しみです。
偉大な先輩方が演じてこられたダンヴァース夫人を、私も心して大切に、豊かに演じられたらと思っています!
ダンヴァース夫人役(Wキャスト):霧矢大夢さん
稽古場初日から、皆で丁寧に作品と向き合い、稽古を積み重ねてきた2026年版『レベッカ』がいよいよ開幕致します。
初演から受け継がれてきた精神と、新たなキャストが生み出す新鮮な躍動を、どうぞお楽しみ下さい。
その一員として、ダンヴァース夫人役として存在できる喜びを実感しています。
劇場でお待ちしております!
これより、ゲネプロ第2組、「わたし」:朝月希和さん、ダンヴァース夫人:霧矢大夢さん回含むゲネプロレポート(再構成版)をお届けいたします。
【『レベッカ』2026 ゲネプロレポート】
幕開きはロマンティック──虚栄と噂話にまみれた社交界に身を置く紳士マキシムは、滞在先で出会った「わたし」に安らぎを得てプロポーズ。家族を亡くし孤独だった「わたし」もまた、優しく包み込むような余裕を持ったマキシムはまぶしく惹かれる。二人は出会ったモンテカルロで楽しい時を重ね、ハネムーンを経て、お屋敷“マンダレイ”へ。そこで待ち受けていたのは。
物語へ導く、波の音──嵐や霧、海のうねりなど、物語の陰影を舞台上に立ち上げる舞台効果も印象的で、重厚で耽美なゴシックロマンスとしての様式美を支えます。その中で、登場人物たちのむき出しの感情が生々しく息づいていることも、本作の大きな魅力です。
スマートな立ち居振る舞い、どこか虚しさを感じさせる登場時のマキシム。「わたし」との出会いで生気が宿ったように、束の間、屈託のない笑顔を見せる。しかし、そこから急展開でカッとしやすい一面をのぞかせ、隠された秘密も浮かび上がっていきます。突然の激高と後悔、怯えや弱さもさらけ出すマキシムと、それに戸惑いながらも愛を貫く「わたし」。そのトリガーとなるのが、亡き妻レベッカの存在です。
完璧な紳士から、秘密を抱えた男へ。
海宝直人さん演じるマキシムの感情の振れ幅。ジェットコースターのような揺れを見せるマキシムの「言葉にできない感情」を、海宝さんが高音域までエネルギーと情感を込める極限の表現でドラマティックに体現します。製作発表会見でも「マキシムの楽曲は中盤から後半にかけてはかなりのエネルギーが必要」と語っていた海宝さん。記憶と心の奥底をえぐるような、心身ともにタフな楽曲を見事に歌い上げます。
孤独に包まれた「わたし」を演じるのは豊原江理佳さんと朝月希和さん。
マキシムの優しさに触れ幸せを感じ、ダンヴァース夫人の迫力に気圧され縮こまる。そしてマキシムの弱さに触れ、それでも愛を貫く強さを見せる豊原さん。対峙する相手の言動に真っ直ぐに応える受けの芝居から、主導的な芝居への移行が、「わたし」が“マンダレイ”の女主人へと変化していく過程と重なり、説得力十分です。
朝月さんは、ラストシーンと幕開きを一本の線でつなぐ。「わたし」の不安の裏にある天涯孤独の寂しさ、“マンダレイ”での戸惑い、そしてマキシムや義姉夫妻、フランクの支えによって少しずつ本来の柔らかな表情を取り戻していく姿。繊細な芝居で、「わたし」の成長譚を描き出します。
マキシムと「わたし」のロマンスとともに、作品のもうひとつの顔となるのが、ゴシックな様式美を体現するかの如く存在するダンヴァース夫人。明日海りおさんと霧矢大夢さんが挑みます。
「レベッカ〜♪」──耳にも頭にも強く残るあの名曲。楽曲の激しい高低差と呼応するように、亡き主人レベッカへ向けられる敬愛を超えた激重な愛が噴出。劇中で繰り返し歌われ、そのたびにエネルギーを増していくこの楽曲。物語を通してクレッシェンドしていく執着心というのもミュージカルならではの表現です。
強さや威圧感、恐ろしさに加え、官能と儚さを感じさせる明日海さん。重厚で耽美、心酔するあまりレベッカと同化してしまったのではないかと感じさせる瞬間もあります。使用人としての控えめなたたずまいの中に隠し切れない気高さを見せ、それが鋭さとなって周囲を威圧します。
霧矢さんは圧倒的な迫力で、「わたし」、そして観客を支配。実直な家政婦頭としての存在感から一転、レベッカの寝室で見せる姿からは、まったく別の世界を生き、視線の先には今もレベッカを見ている──向こう岸へ行ってしまった人の恐ろしさと悲しみが滲みます。
揺るぎなき愛のダンヴァース夫人もまた、レベッカと「わたし」から大きな影響を受ける“生きた人間”。「わたし」の覚醒、それに伴う使用人たちの変化に対する、二人のダンヴァース夫人の芝居にも注目です。

“マンダレイ”使用人たちの<新しいミセス・ド・ウィンター>はキレのあるビートに乗った緊張感あふれるナンバー。どんな女主人がやってくるのか戦々恐々とする様子が描かれます。
セットなど装いも新たに立ち上がる“マンダレイ”のお屋敷。閉ざされた空間、謎めいた人物という要素を視覚的にも伝えます。

レベッカのいとこジャック・ファヴェル役:石井一彰さん
物語に不穏な影を落とす存在として危険な香りを漂わせます。

マキシムの信頼も厚い誠実な管理人フランク・クロウリー役:俵和也さん
「わたし」にも好意的、理知的で物語の良心のような温かい歌声!

ボートハウス近くで「わたし」が出会う青年ベン役:吉田広大さん
虚栄心や猜疑心が渦巻く“マンダレイ”で、それらと距離を置く存在でもあります。物語のカギを握る人物なのか?!

ベアトリス役:彩乃かなみさん、ジャイルズ役:港幸樹さん
「わたし」を温かく家族に迎え入れる、明るいマキシムの姉とその夫。

マキシムへのもう一つの愛を体現する彩乃かなみさん。
包み込むような柔らかな、慈愛に満ちた歌声です。

『わたし』の元雇い主であるアメリカ人女性ヴァン・ホッパー夫人役:生田智子さん
享楽的で大胆、<アメリカン・ウーマン>を歌い上げます

ジュリアン大佐役:中山昇さん
レベッカの死の再調査を指揮する人物
クンツェ&リーヴァイ作品らしい、ドラマ性と楽曲の力がしっかりとかみ合った本作。ダイナミックな音楽の力に芝居が埋もれることなく、それを推進力にしながら、耽美でミステリアスなゴシックロマンスの世界観を濃密に立ち上げます。
与える芝居、受ける芝居、その関係性が刻々と変化していくことで、登場人物たちの力関係や心情を浮かび上がらせる山田和也さんの演出。耽美でミステリアスな世界観の中に、人間同士の生々しい感情のぶつかり合いを立ち上げます。Wキャストのそれぞれの良さが掛け合わされ、ここから作品全体がどんな深まりを見せるのかにも興味がわきます。
過去にとらわれて生きる“マンダレイ”の人々が、「わたし」の訪れをきっかけに変わっていく。死の真相とともにたどり着く愛の真実。人々の愛と秘密、そしてむき出しの感情が交錯する3時間に、ゴシックロマンス、サスペンス、そしてミュージカルの魅力が詰まっています。
ミュージカル『レベッカ』@シアタークリエ
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【公開ゲネプロ速報レポート】
(「わたし」:豊原江理佳さん ダンヴァース夫人:明日海りおさん)
上流紳士マキシムと、ヴァン・ホッパー夫人の付き人である「わたし」。身分違いの二人がモンテカルロのホテルで出会い、恋に落ち、結婚。幸せなハネムーンを経て、“マンダレイ”の屋敷へと向かうが、そこには事故死した先妻レベッカの影が色濃く残っていた。幼少時からレベッカに仕えてきた家政婦頭ダンヴァース夫人は“新しいミセス・ド・ウィンター”を決して認めず、使用人たちもまた「わたし」と距離を置く。
夢のようなラブストーリーから一転し、亡き先妻の面影が支配するシリアスな展開へ。そこではマキシムまでもがなにかを隠している。さらに、思わぬ事故をきっかけに発見されるレベッカの死体──物語はサスペンスとしての緊張感を一層強めていきます。その展開の振り幅と同様に、楽曲も多彩です。美しい旋律が重なり合うデュエット、小気味よいアップテンポのショーナンバー、そして情感豊かに力強く響くソロナンバー。珠玉の音楽が、物語を力強く牽引します。
海宝直人さんは、ノーブルなたたずまいから苦悩に満ちた表情まで、紳士マキシムの揺れを繊細に体現します。迷いや恐れ、後悔、そして愛。確かな歌唱力に裏打ちされた表現で、新たな魅力を感じさせてくれます。
豊原江理佳さんは、「わたし」の成長の軌跡を丁寧に描き、とりわけ強さを身につけていく後半の凛とした姿、歌声が印象的です。
一方が与え、支える関係から、やがて互いに対等な関係へ──マキシムと「わたし」の関係性の変化も見どころです。
明日海りおさんは圧倒的な存在感で舞台を支配。レベッカの面影がマンダレイの屋敷を覆い尽くす様とも重なり、物語の“影の支配者”として君臨します。愛の歪みをミステリアスに、そして美しく立ち上げています。

レベッカのいとこジャック・ファヴェル役:石井一彰さん
物語に不穏な影を落とす存在として危険な香りを漂わせます。

マキシムの信頼も厚い誠実な管理人フランク・クロウリー役:俵和也さん
「わたし」にも好意的、理知的で物語の良心のような温かい歌声!

ベン役:吉田広大さん
マンダレイで孤独を感じる「わたし」がボートハウス近くで出会う青年像を無垢に立ち上げる。虚栄心や猜疑心が渦巻く“マンダレイ”で、それらと距離を置く存在でもあります。

ベアトリス役:彩乃かなみさん、ジャイルズ役:港幸樹さん
「わたし」を温かく家族に迎え入れる、明るいマキシムの姉とその夫。

『わたし』の元雇い主であるアメリカ人女性ヴァン・ホッパー夫人役:生田智子さん
享楽的で大胆、<アメリカン・ウーマン>を歌い上げます

ジュリアン大佐役:中山昇さん
レベッカの死の再調査を指揮する人物

“マンダレイ”使用人たちの<新しいミセス・ド・ウィンター>はキレのあるビートに乗った緊張感あふれるナンバー。どんな女主人がやってくるのか戦々恐々とする様子が描かれます。
俳優たちが芝居と歌唱でそれぞれの心理を立ち上げることで、キャラクターは確かな輪郭を持って浮かび上がる。大がかりな装置に頼らず「お客様の頭の中で想像される」という演出・山田和也さんの構想も、シアタークリエという空間の中で鮮やかに結実。
2026年のミュージカル『レベッカ』も、濃密です。
ストーリー
広大な屋敷と土地、“マンダレイ”を所有する上流紳士マキシムと、ヴァン・ホッパー夫人の付き人をしている「わたし」は、滞在するモンテカルロのホテルで出会う。マキシムは先妻レベッカの事故死の影を引きずる中、忘れていた心の安らぎを与えてくれた「わたし」を見初め、恋に落ちて結婚する。
ハネムーンも終わり“マンダレイ”で二人は一緒に暮らし始める。義理の姉夫婦は「わたし」を温かく迎えてくれるものの、使用人たちは新しい奥様に距離感を持ち、家政婦頭であるダンヴァース夫人は「わたし」に強く当たる。美しく、賢く、完璧であったレベッカに幼少時から仕え、レベッカ亡き今も家政婦頭として屋敷を取り仕切るダンヴァース夫人は、いまだレベッカに対して想いを持ち続けているため、「わたし」をマンダレイの女主人として認めようとはしなかった。
“マンダレイ”は美しい屋敷だが、その中にはまるで亡きレベッカが生きているかのような面影がいたるところに色濃く残っている。マキシムまでも亡きレベッカの影に苦しみ続け、次第に「わたし」との関係も悪化していく…。
そんなある日、思わぬ事故からレベッカの死体が発見され…。レベッカの死の真相とは、それを知ったダンヴァース夫人は…。
おけぴ取材班:chiaki(ゲネプロ撮影・文)監修:おけぴ管理人