原作:原泰久さんによる大人気漫画『キングダム』の舞台化第2弾、舞台『キングダムⅡ -継承-』の製作発表記者会見が、東京・東京建物 Brillia HALLエントランス赤の大階段にて開催されました。
2023年の初演で大きな話題を呼んだ舞台『キングダム』。今作では、信と王騎の物語、そして王騎将軍の“最期”へと至るエピソードが描かれます。会見には、信役の三浦宏規さん、高野洸さん、羌瘣役の山本千尋さん、王騎役の山口祐一郎さんが登壇。皆さんの作品への熱い思い、そして三浦さんと高野さん、初演をともに駆け抜けた“戦友”としての絆も垣間見えました。
──2023年の初演で大反響を呼んだ舞台『キングダム』。会見では、原作者・原泰久さんから寄せられた、初演当時のコメントも紹介されました。
「舞台『キングダム』、圧巻でした! 目の前で繰り広げられる壮絶なアクション、白熱のドラマ、とにかくキャストさんたちの圧倒的な熱量がダイレクトに伝わってきて、想像を遥かに超える感動がありました」という言葉に、信役の三浦宏規さん、高野洸さんも、当時を振り返ります。
三浦)
やっぱり、原先生は“神様”なので。その原先生の前で演じるというのは、非常に緊張する瞬間でもあります。でも、初日をご観劇されたあとに「4度泣いた」とおっしゃってくださったのを、今でもよく覚えています。
「ここまで稽古で積み上げてきたものは間違っていなかったんだ」と思えて、その後の公演を続けていく自信になりました。
高野)
本当に嬉しかったですね。稽古期間中も、たくさん戦いながら積み重ねてきて、本番を迎えられただけでも感慨深かったのですが、さらに原先生からありがたい言葉をいただけて、感無量でした。
──お二人の言葉からも、原先生の存在がどれほど大きな励みになっていたかが伝わってきます。そして2026年、舞台『キングダムⅡ -継承-』では、再び新たな戦いの幕が上がります。「再演」ではなく「続編」である意味
──2023年の初演を経て、再び『キングダム』の世界へ戻ってこられます。まずは改めて、今のお気持ちをお聞かせください。

三浦:外でご見学されている皆さん、絶対暑いですよね。お水とか飲んでくださいね。
三浦)
2023年に誕生した舞台『キングダム』。セオリーに従えば“再演”なんです。でも今回は“続編”。
再演が楽というわけではないんですけど、続編って、本も新しくなるし、セットも変わるし、キャストも増えるし、お金もかかるし(笑)。本当に大変なことだらけなんです。
でも、なぜ“再演”ではなく“続編”をやるのか。その意味をすごく感じています。今回描くところって、どう考えても祐様(山口さん)、王騎将軍のすごさを描く物語なんですよ。それを今回、ここでできることが本当に嬉しいです。
前回は、どちらかというと“夢を追っていた”感覚でした。憧れていた帝国劇場で、真ん中に立たせてもらって、憧れの祐様と刀を交えて……。
でも今回は、もう少し地に足をつけて向かっていかなきゃいけない。そういう覚悟が必要だなと思っています。

高野:(会場を見まわし)素敵な雰囲気ですね!
高野)
前回、大千穐楽を迎えたときは、本当に“戦い抜いた”という達成感に満ちていました。宏規とは、まさに“戦友”として作品を作り上げてきた感覚があるので、今回また一緒に信を演じられることを、とても嬉しく思っています。
映画などさまざまな形で『キングダム』の世界は広がっていますが、舞台版ならではの魅力は、やはり“劇場そのものが戦場になる”ような臨場感。観客のみなさんにも同じ空間、同じ目線で戦いを体感していただける熱さがあると思います。前作では“劇場統一”という気持ちで走り抜けましたが、今回も全国の劇場を熱く盛り上げていけたらと思っています。
羌瘣役・山本千尋さん初登場、「終わったら動けなくなってもいい」
──今作から新たに羌瘣役として参加される山本さん。意気込みをお願いします。山本)
私は舞台版には初参加となりますが、『キングダム』10周年のプロモーション映像や映画版にも参加させていただいております。『キングダム』の現場では、誰一人その場の“空気”にならないことを実感します。原先生が一人ひとりのキャラクターを、大きな愛を持って描いていらっしゃるからこそ。その感謝と敬意を胸に、自分にしか演じられない羌瘣を目指したいと思います。
私自身、幼少期から中国武術をやってきたので、この舞台が、終わったら当分動けなくなってもいいという思いで臨みたいと思っています。皆さんについていけるように、たくさん戦えるように頑張りたいです。
その言葉に、山口さんがすかさず反応。山口)
今、山本さんが「終わったら立ち上がれなくてもいいくらい頑張る」とおっしゃった。
私がそのくらい頑張ったら、この芝居の楽日はどうなっているんでしょうか(笑)。ドキドキしております。
「王騎=山口祐一郎」──信たちが感じるカリスマ
──今回、信と王騎の物語に加えて、羌瘣という新たなキャラクターも登場します。この続編の物語について、皆さんは原作もお読みになっていると思いますが、印象に残っていることは?三浦)
一度演じたことで、原作を読んでいても、もう“信”として入り込んでしまう。たとえば、王騎将軍が前に出るだけで、軍全体の士気が一気に上がるシーンがあるのですが、舞台でも本当にそうなんです。祐様が先頭に立って歩いてくるだけで、演劇人として、全員が沸き立つ。
それくらい、祐様と王騎がリンクしているので、「このシーンを早く、舞台でやりたいなぁ」と思うんです。
王騎の、祐様のカリスマ性を、実際に舞台上でどう感じるのか。信として、三浦として、すごく楽しみです。
山口)
そんな言葉をいただくと、生まれてきてよかったなと思います。
原先生もおっしゃっていることですが、『キングダム』は、2200年前の中国を描いているけれど、実は今を生きる人間の営みなんですよね。
家族や同僚、仲間と苦労を乗り越える姿を、時代と場所を変えることで可視化している。だから、こんなにも多くの人の心を動かすのではないかと思います。
高野)
クライマックスのシーンはもちろん印象的ですが、そこへ至るまでの戦いの中で、それぞれの武将たちが“感情で動く瞬間”と、“戦略をもって動く瞬間”があるのがすごく面白いなと思っています。
登場人物ごとの考え方や戦い方の違いも魅力ですし、「このキャラクターは絶対に外せないよな」と思いながら原作を読んでいます。これからどんなキャストが発表されていくのかも、楽しみにしています。
山本)
好きな場面を挙げるとキリがないのですが、王騎将軍の最期は、私も特に印象に残っているシーンです。原作を読むときは、信の気持ちに寄り添って読むことが多いので、“絶対的な強さと優しさ”を持つ王騎将軍の死には大きな衝撃を受けましたし、悔しさが込み上げて涙したのを今でも覚えています。
今回のタイトルにもある“継承”というテーマは、まさに今の自分たち世代にも重なるものだと思っています。先輩方から多くを吸収し、それを次の世代へつないでいく。その思いを胸に、山口さんからたくさん学ばせていただきながら、初めて参加する舞台『キングダム』に全力で挑みたいです。
「劇場が戦場になる」──舞台版ならではの魅力
──舞台版『キングダム』ならではの魅力とは?
高野)
本当に“全員が魂を削っている”作品なんです。
1公演で水を2リットルくらい飲むくらい、とにかくエネルギーを使う。劇場に来ると、その熱量が絶対伝わると思います。
三浦)
映像作品と違って、生の舞台って“どこを見るか”をお客様が自由に選べるんです。
このキャラクターは今どんな戦い方をしているんだろう、とか、自分でフォーカスできる。飛び散る汗とか、空気感とか、生でしか体験できないものが絶対にあるので、ぜひ劇場で体感してほしいです。
山口)
初演の殺陣稽古では、最初は距離を保ちながら動いていたものが、稽古を重ねるごとにどんどん間合いが近づき、最終的には“数ミリ”の世界になっていったんです。それを見守りながら、何度心臓が止まりそうになったかわかりません。
さらに、三浦さん、高野さんは、地球上に重力がないかのような動きを舞台上で表現できる俳優。そこへ新たに山本さんが加わり、3人がそうなる。その時の、舞台上でどんなことが起こるのか──どうか最後まで健康で、怪我なく走り切ってほしいと思っています。
山本)
きっとお二人なら、数ミリの世界を狙えるぐらい、多少当たっても大丈夫なくらいの鍛え方をしていらっしゃると。 私も、当たってもへこたれない身体づくりをしておりますので、1公演、1公演、上を目指して頑張っていきたいと思っております。
三浦)
信も運動量が多くて大変でしたが、僕らはダブルキャスト。お互いに慰めあいながら、支え合って、最終的には元気に乗り越えてきました。でも、山本さんはシングルで入られて。羌瘣って、おそらく──誰より動くと思うので。
山本)
負けないよ!
三浦)
その覚悟がすごいと思います。
さらに山口さんは、“保険会社”との驚きのエピソードも披露。山口)
生命保険会社の方に、「今回やろうとしていることは、ボクシングとF1レースと同じです」と言われまして。
“保険をかけられません”って断られたんです(笑)。
それがどんな舞台なのか、ぜひ劇場でご覧ください。
「戦友」
──ダブルキャストとして信を演じ続けてきた三浦さんと高野さん、お互いのすごいと思うところは?
三浦)
彼は、どれだけキツくても顔に出さないんですよ。
だからカンパニーのみんな、誰も心配しない。でも楽屋に行くと、ちゃんと疲れてる(笑)。みんなを不安にさせないって、一番大事なことだと思うので、本当に尊敬しています。
高野)
宏規は、稽古中から“信を作る”というより、信みたいに限界を超えていくんです。天真爛漫に戦う姿を間近で見て、自分も頑張ろうって何度も思いました。エネルギーをいただいています。
そして話題は、初演の大千穐楽へ。三浦)
彼の大千穐楽を見て、嗚咽するくらい泣いたんです。人の大千穐楽を見て、あんなに泣いたことなくて。「あ、自分、この人にすごく救われてたんだな」って、その時初めて気づいたんですよね。
高野)
本当に、宏規だからこそ一緒に作れたものがありました。最後まで「宏規でよかった」と思いながら走り抜けました。
──“戦友以上”の存在?
高野)
戦友を超える言葉、きっと原先生ならすぐ出るんでしょうけど……。
戦友という言葉自体、ハードルの高い二文字だと思いますが、「そうだ」と心から言える存在。戦友です。
三浦)
戦友っていい言葉ですよね。

お互いにエールを──「今回も最後まで頑張ろう」
──お二人は、この3年でご自身がどのような進化をしたと思いますか。
山口)
「こんな魅力的な男になった」と、自分で言わせるんですか(笑)。
三浦)
無我夢中すぎて、日々あまり振り返ることがないんです。『キングダム』の時からここまで、猪突猛進というか、わき目も振らず走り続けてきた感覚。でも、今こうして質問をいただいて、自分が今どうなっているのか、一度立ち止まって振り返る時間も必要なのかなと思いました。『キングダム』のお稽古に入る前に、確認してみます。
高野)
進化というと難しいですが、少なくとも成長はしているのかなと思います。ただ、信は戦場を重ねるたびに成長し、進化していくキャラクター。そこに比べると、3年でもまだ全然足りないと感じます。だからこそ、自分自身でも成長を実感できるように、これから作品を作っていきたいです。
山本さんから、ポスター撮りのエピソードも明かされました。山本)
私は別日での撮影だったのですが、信役のお二人の撮影では、汗だくになりながらずっと動いていたことや、三浦さんが「山本さんには負けない」とおっしゃっていたことを衣裳部さんから聞きました。「私も、負けないぞ!」という気持ちで挑みたいと思っています。
三浦)
いや、言ってないですけど(笑)。でも、みなさん!羌瘣のティザー映像をご覧になりましたか。「なにこれ!?」って。もう、ぼろ負けです。
──新たなライバルの登場ですね。
三浦)
まだまだ学ぶことがたくさんありますね。
また、会見前には原作の原先生が激励に訪れたという、まさかの事実も!高野)
嬉しかったですね。やっぱり大将軍なので(笑)!舞台版への期待の声が、原先生のもとにも届いているとのことですので、その思いも背負ってしっかりと頑張りたいです。
三浦)
「お久しぶりです!」と、自分の存在を認識してくださっていることが、まず嬉しかったです。そして、「馬どうするの」という、僕らが抱いているのと同じ疑問を持たれていました。僕らもまだ全貌はわかっていませんが、本当に馬も楽しみですよね。
──山口さんが、皆さんに継承していきたいことはありますか。
山口)
原先生が作品を書き始めた頃から、中国武術太極拳に打ち込み、『キングダム』とも縁を重ねてきた山本さんが、今回羌瘣を演じる。また、三浦さんと高野さんが信を演じた舞台で、原先生も、お二人の汗や生きざまを見て、「こういう人たちのために書いていたんだ」と実感されたそうです。それと同時に「俺、結構いいことやってるじゃん」とも思われたとか。だからこそ、“自分がなにかを渡す”というより、自分も皆さんのエネルギーや明るさを受け取りながら、この作品に参加していきたいと思っています。
「キングダ、ムーーー!」
会見のラストには、初演でも恒例となった掛け声を披露。
三浦)
これはもう祈願です。
舞台『キングダムⅡ -継承-』が成功をおさめますように、皆さん力を貸してください!

キングダ、ムーーー!
2026年8月、東京・東京建物 Brillia HALLを皮切りに、大阪・福岡へと続く舞台『キングダムⅡ -継承-』。信たちの“継承”の物語が、再び劇場を熱く燃え上がらせます。
会見場には、この日に公開されたキャラクターポスターの特大パネルが設置されていてワクワクが高まりました!ポスターもご紹介いたしますね。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人