ミュージカル『民王』製作発表レポート




現職総理大臣の父と大学生の息子が入れ替わる!?
ある日突然、現職総理大臣と大学生の息子の心と体が入れ替わり、政治も日常も大混乱!社会や政治への風刺を織り交ぜながら描く、笑って楽しめるエンターテインメント作品。池井戸潤さん原作『民王』初の舞台化となるミュージカル『民王』の製作発表会見が行われ、有澤樟太郎さん、別所哲也さんらキャストと、演出の永井誠さんが登壇しました。

原作者・池井戸さんにとって初の舞台化作品、音楽を手掛ける角野隼斗さんにとって初のミュージカル楽曲、永井さんにとっては東宝演目での舞台演出家デビュー作となる"初めて尽くし"の新作ミュージカル。製作発表ではミュージカルナンバー4曲のメドレーも披露され、会見では永井さんとキャスト陣が作品の魅力や新作ミュージカルへの自信を語りました。





【歌唱披露】

音楽・歌詞の角野隼斗さんに加え、共同音楽の浪岡真太郎さん(Penthouse)、歌詞の大原拓真さん(Penthouse)が手掛ける本作品の楽曲より「民衆の愚痴」「誠意を見せてみろ」「今は何者でもないけれど」「民王のテーマ」の4曲をメドレーで披露。コミカルさとスケール感をあわせ持つ本作の世界観が、一足早く披露されました。

1曲目は、オープニングナンバー、政治不信や生活苦……人々が現在抱えるモヤモヤをジャズサウンドにのせて歌い上げる「民衆の愚痴」。






2曲目は、銀座に実在する高級レストランロオジエで行われる政治家たちの密談の様子を歌う「誠意を見せてみろ」。



3曲目は、有澤樟太郎さん演じる武藤翔が、林瑠奈さん演じる南真衣への恋心を歌う「今は何者でもないけれど」。





最後は、本作品のテーマ曲「民王のテーマ」。






石川剛さん、ICHIさん、加賀谷奏音さん、川島大典さん、咲良さん、丹治聡美さん、趙京來さん、永松樹さん、原田千弘さん、安福毅さんといったアンサンブルキャストのコーラスも加わり、迫力ある歌唱披露となりました。ピアノ演奏は杉田未央さん。


【記者会見】



永井誠さん(演出)
今回、ミュージカル『民王』で東宝演目舞台演出家デビューいたします。池井戸先生も作品が舞台化されるのが初、角野さんをはじめとする音楽チームもミュージカル楽曲を作るのが初、このデビューチームで全く新しいミュージカルを作っていきたいと思っております。

原作をリスペクトしつつ、新作として捉えています。原作とミュージカル『民王』では、お話が少し違います。この“少し”の度合いは、皆さんのご想像にお任せしますが(笑)。ですので、原作がこうだから、舞台はこうするというよりも、ほかの作品と同様に、完全なる新作として、今、目の前で一つひとつ立ち上げています。




有澤樟太郎さん(総理大臣の父と入れ替わってしまう武藤翔役)
初めて尽くしのミュージカル。政治痛快コメディ──ミュージカル界に新しい風穴を開けたいと思っています。そして、ミュージカルで観に来てくれた人を元気にしたい、笑顔にしたいという、自分の大きな目標が、この作品で叶うような気がしています。そんな力を持った池井戸潤さんの作品。稽古も始まっていますが、皆さん、本当に目がキラッキラしていて、僕自身も多分キラッキラしているんだろうなと思いながら、楽しく稽古しています。これで面白くなかったら、相当やばいぞと。それぐらい期待値を上げていきたいと思います。



別所哲也さん(翔の父、武藤泰山役)
(とてもジェントルに)皆さん、今日はようこそお越しくださいました。内閣総理大臣、武藤泰山役の別所哲也でございます。
有澤さん演じる武藤翔は私の息子ですが、この息子がキラキラ系で、私は熱くギラギラ系。皆さんに、政治の今と、息子になってしまった後の武藤泰山の変化によって日本の政治がどう変わるのかをお届けできればと思っております。本当にお初尽くしですが、僕もミュージカルで内閣総理大臣を演じるというのは初めてです。ゼロからを生み出す面白さを楽しんでおります。



豊原江理佳さん(政治家志望の優等生・村野エリカ役)
私の役も含め、登場するキャラクター皆さんが本当に濃くて。歌もお芝居もチャレンジングなことが多いので、私も自分がどこまでできるのかを稽古場で挑戦していけたらと思っています。



林瑠奈(乃木坂46)さん(翔の同級生で起業家でもある南真衣役)
私も本作がミュージカル初挑戦となります。初めてですので慣れないことも多いですが、錚々たる皆さんとご一緒できる機会ですので、たくさん吸収しながら、良いエンターテイメントをお届けできるように、精進してまいります。



山崎大輝さん(泰山の優秀な秘書・貝原茂平役)
原作もすごく面白くて、ドラマもすごく面白くて、一体ミュージカルはどんな風になるのか──、皆さんと同じように、僕たちも思っていました。とにかくいろいろチャレンジをして翔と泰山を演じるお二人に振り回されながら、時には僕も振り回していきたいなと思っております。



上川一哉さん(泰山と翔の入れ替わりを操作する公安の刑事・新田理役)
小説に歌、ダンスが加わり、そして劇場という空間でどのような化学反応を起きるのか。今からワクワクしながら稽古に挑んでおります。私は公安の刑事役なので、演出の永井さんから「新田は舞台上では絶対に笑わないでください」と言われていますが、稽古場では、毎日、笑いが絶えません。稽古場で笑って、舞台上では一切笑わず、公安の任務を全うしたいと思います(笑)。



福田転球さん(総理大臣である泰山の最大のライバル、政治家・蔵本志郎役)
池井戸先生の本ということですが、私は3年前に先生の原作の『ハヤブサ消防団』というドラマに出演させていただきました。今回の本読みの際に、池井戸先生から「出演していただいてありがとうございます」と言っていただき……「先生、それは僕の台詞ですよ!」と。このような機会を与えていただきありがとうございます。一生懸命頑張ります!



一路真輝さん(泰山の妻で翔の母、武藤綾役)
私は別所さん演じる泰山の妻・綾を演じますが、一番の衝撃は、(入れ替わりの後には)別所さんに「ママ」と呼ばれること(笑)。お稽古場でもその瞬間が面白過ぎて。役として「なにを言っているの!」と怒るお芝居をするのが大変なほどです。
長くこの世界におりますが、新作ミュージカルはもしかしたら初めてかもしれません。毎回出来上がってくる曲を聴いて、皆様が歌っていらっしゃるのを聞いて、新しいものを作っていくワクワク感で、充実した毎日を過ごしています。




竹中直人さん(泰山が属する民政党の大物議員・城山和彦役)
なぜ私がここにいるのか──未だにわからないです(笑)。ミュージカルは絶対似合わないでしょ!皆さん、本当にエネルギーに満ち溢れていて、もう最高の若々しい俳優の方々ばかりの中で、迷惑かけないよう、一生懸命頑張んなきゃって。
池井戸さんからも「竹中さんにはいっぱい歌ってもらいますからね」とプレッシャーをかけられました(笑)。その歌というのが、すごく難しいんですよね。音程は取りづらいし、なんとなく不協和音が続いているような……。私は、どうやってあの歌を歌うのか、本当に命がけです。池井戸先生、ぜひ見届けてください。



原作者:池井戸潤先生コメント(有澤さん代読)
 私にとって初の舞台、そして初のミュージカルとなりました『民王』。
 角野隼斗さんら音楽界の俊英によって紡ぎ出された華やかな楽曲に彩られ、素晴らしい舞台になる予感しかありません。
 先日は、キャスト、スタッフ、関係者が一同に会する「顔寄せ」というセレモニーにも参加させていただき、皆様の情熱、才能に感服いたしました。あらためて、この作品を取り上げていただいたことを嬉しく思います。
 千穐楽(せんしゅうらく) までの長い日々、ひとつひとつの舞台が眩(まぶ) しく輝きますよう、脚本のツバキミチオ共々、祈念してやみません。

池井戸潤


「まさに原作通り。有澤としても翔としても難しい漢字がいっぱいありましたが、全部ふりがながふってあって(笑)。作中にもそういったシーンがありますので、それを思い出しながら読ませていただきました。素晴らしいメッセージをありがとうございます」有澤さん



作曲・角野隼斗さんコメント(別所さん代読)
『民王』の音楽を担当することが決まった時、正直、自分に何ができるだろうかと不安な気持ちもありました。ですが作曲を進めていくうちに、一筋縄ではいかないこの作品の、笑い、皮肉、感動、さまざまな表情が音楽の中で少しずつ立ち上がってきて、ワクワクは増していくばかりでした。
ひとつひとつの曲は、キャストの皆さんの声が乗って初めて命が吹き込まれるものです。きっと僕は、この初演を誰よりも楽しみにしている一人です。


「以前、角野さんにラジオ番組にゲストで出演していただきお会いしたことがあります。本当に繊細で、紡ぎ出す音、その音楽の一つひとつによってキラキラ輝く世界が広がります。そしてミュージカルでは、音符の一つひとつ、楽器の一つひとつが共演者であると教えていただきました。角野さんをはじめとする音楽のチームの皆さんは共演者である素晴らしい楽曲を作ってくださっています。皆さんにお届けする日が楽しみです」(別所さん)


──先ほど歌唱披露もありましたが、角野さんが手掛けた楽曲の印象は。



有澤さん)
楽曲、本当に素晴らしいですね。演じる上でも助けられています。
竹中さんがおっしゃったように、歌うには結構難解な曲も多いですが、どの曲もキャッチーで軽やか。今までにない曲調だけど耳なじみもよく、お客さんも劇場を出るころには口ずさんでくれるんじゃないかな。楽曲が、新作ミュージカルにぴったりな新しい風を吹かせてくれます。



別所さん)
ポップでアバンギャルドでファンキーでジャジーなのにクラシカル!まさに角野さんにしか描き出せない世界観だと思います。ブロードウェイ作品のようなハーモニーがあったり、グラミー賞を取るような作曲家の楽曲を思わせるものもあります。
実は、日本の作品ですが、創作段階でいただいた曲に「英語的なグルーブ感、ビート」でリズムを作っているようなものがありました。そこに日本語が乗る面白さと、世界に通じるユニバーサルな音楽性を感じていただけたらと思います。

──ミュージカル『民王』の台本を読まれた感想は、ミュージカル版の魅力は。

有澤さん)
「ミュージカル『民王』になってる!」と思いました。
「ミュージカル、どうやるの?」と心配されている方がほとんどだと思いますが(笑)、まず曲数が“ちゃんと多い”です。僕自身、小説やドラマを拝見しもう少し演劇寄りになるかと想像していましたが、オープニングナンバーはもちろん、民王と言えばこのシーン!というところも歌唱シーンになっています。また、オリジナルの設定もあり、きっと“ミュージカル『民王』”として受け入れていただける!と思いました。

別所さん)
ミュージカルの魅力と言えば、物語と音楽の調和。これが絶妙に展開されています。そして、その展開が早い。ものすごいスピード感で、そこにそれぞれのキャラクター性が出ていますし、入れ替わるところも見どころです、歯医者さんのシーンとか!

豊原さん)
特に一幕ラストは、コミカルさと政治を描く厳格さが見事に調和していて、鳥肌が立ちました。

上川さん)
そして素敵な音楽に加わるダンスというのも1つの表現として、良いエネルギーが生み出し、『民王』を立体化させていると感じます。

福田さん)
このスピード感が、実際に劇場で見たときには、「なんか、あっちゅう間に終わったな」となると思うんです。稽古でも、本当にあっという間に一幕が終わってしまうような気がしていて。これはすごい。

一路さん)
曲とお芝居の融合が素晴らしく、なんだかブロードウェイでロングランを重ねてきた作品のようにうまくハマっています。ぜひ楽しみにしていてください。




竹中さん)
もうね、有澤くんが「ぜひ一緒にやりましょう」って言うから、つい「うんっ!」って言っちゃったんだけど、彼はスーパーマンみたいな男なんです(笑)。こんな大変なミュージカルに参加するなんて、「友がみな 我よりえらく見える日よ」……という心境です。でもね、素晴らしい曲です。一生懸命頑張ります。


──有澤さんと別所さんはミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』(以下、『ジョジョ』)で親子役を経験されていますが、今回の共演で、改めて発見したお互いの魅力は。



有澤さん)
一路さんがお話されてたことですが、別所さんが、ここまで「ママ」(という台詞)がしっくりくる方だとは思っていなかったです。正直、もうちょっと違和感が生まれるかなと思っていたのですが。立ち稽古の1回目から、こんなにもしっくりくるんだって。今朝も一緒にラジオ出演させていただきましたが、『ジョジョ』の時には知らなかった別所さんのお人柄に触れ、少年のような自由な好奇心と無邪気さ、ワクワクしている感じが「ママ」のしっくり感を生み出しているのだと発見しました。

別所さん)
今回は、父と息子が入れ替わりますので、毎日、有澤樟太郎を観察しています。すると……よく食べます。食欲旺盛(笑)!そして熱血漢、聞くと野球少年だったそうですし、そういう真っ直ぐなところが素敵だと思っていますし、それが翔の役どころとも重なって見えます。


──稽古場で印象的だったことは。



有澤さん)
稽古場で、僕が一番笑ったのは、福田転球さん演じる蔵本さんの動きです。あまりに面白くて。多分、面白い動きをしている自覚がないと思うんですけど、めちゃくちゃ面白いです。



福田さん)
体型かな?

有澤さん)
首の動きとか、なんだか真似できないんですけど、本当に面白いです。




豊原さん)
個人的には、転球さん演じる蔵本とちょっと関係があるような役ですので、動きが面白いという話を今聞いて、どういう動きなのかを稽古場で早く見たいなと思っています。
(※『レベッカ』公演中のため、まだ本格的な稽古には参加していません)



一路さん)
私も実は、一番ハマっているのは転球さん。江理佳ちゃんとの関係性のところの転球さんがもう本読みだけで面白かったので、どうしよう、立ち稽古に入ったら、もう私は耐えられないかもしれない…それぐらい楽しみです。


──最後に有澤さんからメッセージを!



有澤さん)
翔という役は、とても素敵な役。僕に合うと言ってくださったプロデューサーさんに感謝しています。ここまでピュアな男がカッコよく映り、胸を打つ瞬間があることに感動。「今の日本に一番必要なのは、こういう男なんじゃないかな」とさえ思います。自分にそういうピュアさがあると、しっかりと思い込んで(笑)、皆さんの心を動かしたいと思います。

原作が大好きなので、『民王』の良さがミュージカルではどうなるんだろうと、正直ちょっと緊張していました。でも、ツバキミチオさんの脚本は本当に魅力があふれていて、ミュージカルならではの良さもある。各キャラクターも本当に生きていて、「これはもう勝ったな」と思っちゃいました(笑)。勝ち負けじゃないんですけどね。観に来てくださった方が何かを持ち帰れて、日頃の鬱憤も晴れるような作品になればと思っています。



有澤さんを筆頭に笑顔!笑顔!笑顔!とにかく笑いの絶えない会見でした。同時に滲むミュージカル『民王』への自信。注目のクリエイター、多彩なキャストが織りなす痛快政治コメディへの期待が高まります。


【公演情報】
2026年9月6日(日)~10月6日(火)@ 東京・シアタークリエ
2026年10月11日(日)~13日(火)@大阪・梅田芸術劇場 シアタードラマシティ
2026年10月17日(土)~19日(月)@福岡・博多座

スタッフ
原作: 池井戸潤「民王」(文春文庫/角川文庫)
脚本 ツバキミチオ
音楽 角野隼斗
演出 永井 誠

共同音楽 浪岡真太郎(Penthouse)
歌詞 大原拓真(Penthouse)  角野隼斗
共同脚本 笠浦静花

出演
武藤 翔 有澤樟太郎 
武藤泰山 別所哲也
村野エリカ 豊原江理佳
南 真衣 林瑠奈(乃木坂46)
貝原茂平 山崎大輝
新田 理 上川一哉
蔵本 志郎 福田転球
武藤綾 一路真輝
城山和彦 竹中直人

主催: 東宝/テレビ朝日
製作: 東宝

公式ホームページ
http://tohostage.com/tamiou/

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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