いよいよ開幕した舞台『キングダムⅡ -継承-』。前作で、大将軍への道を歩み始めた信の物語が再び動き出す。『キングダムⅡ -継承-』は、信の成長物語を軸にしながら、「それぞれが何を背負って戦うのか」という群像劇的なフェーズへ。王騎(おうき)と龐煖(ほうけん)の因縁、羌瘣(きょうかい)の哀しみ、軍師たちの知の戦いと、幾多の生き様が交錯し、物語の世界は大きく広がっていく。
そして迎える継承のとき──。

©原泰久/集英社・東宝

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それでも信の胸に通底するのは、漂(ひょう)と交わした「天下の大将軍になる」という約束。王となった嬴政(えいせい)も声で登場し、前作から続く物語をつないでいく。今回は、信役・三浦宏規さん×龐煖役・東啓介さんの組み合わせによるゲネプロを観劇。生身の人間がぶつかり合う舞台ならではの熱量とともに、それぞれの物語が登場人物一人ひとりの身体と声を通して立ち上がることで生まれる興奮。
Wキャストの舞台写真を交えて、さらにスケールを増した舞台『キングダムⅡ』の世界をレポートします。(開幕記念会見レポートは
こちらから)
信──若さと勢いが物語を押し出す

©原泰久/集英社・東宝

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三浦宏規さんの信は、「天下の大将軍になる!」と漂と誓った夢に向かって、ただ真っ直ぐに突き進む。その物おじしない強さが、人の心を動かしていく。まなざしの鋭さ、光る汗――全身全霊という言葉がぴったりです。そして次第に、痛みや責任を知り、成長していく信を瑞々しく演じます。

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そんな信の歩みをすぐそばで見ているのが、同郷の兄弟。ひょうきんな兄・尾平(びへい)と、落ち着いた弟・尾到(びとう)。大きなことばかり言う信を茶化していた二人が、実際に名を上げていく彼を認め、支えていく。その関係性が、戦場を描く物語に人間味、温度をもたらします。

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そして今回、新たに信と出会うのが、哀しみの一族とも呼ばれ、千年を超える歴史を持つ伝説の暗殺一族“蚩尤(しゆう)”の一人、羌瘣。山本千尋さんの羌瘣は、身体そのものが物語を語る。中国武術で培われた動きは、単なる技術ではなく、 「悲しみを抱えた者がどう世界と向き合うか」 という表現となって、羌瘣の生き様が立ち現れます。
飛信隊が羌瘣の居場所だと屈託なく語る信。その言葉に、羌瘣のほほを一筋の涙が伝う。激しい戦いの中に置かれた繊細な心の動きが、舞台の空気をふっと変え、凍りついた羌瘣の心を、信が少しずつ溶かしていくのです。
羌瘣が姉と慕った羌象を演じるのは清水葉月さん。背負った宿命と羌瘣を守ろうとする思いが、彼女の決して叶わぬ夢や抱える悲しみを浮かび上がらせます。
軍師たち──もう一つの戦場

©原泰久/集英社・東宝

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刀を交える者たちとは違う次元で戦うのが、河了貂(華優希さん)、蒙毅(竹内將人さん)ら軍師を目指す者たちです。
信を支えるため、自分の役目を見定めていく河了貂。その決意を認める信の姿からも、人を惹きつけていく彼の人間性が伝わってきます。前作より引き続き河了貂を演じる華さんの可愛らしさと、生きていく中で会得してきた貂の知恵者としてのキレがいいバランス。
竹内さんの誠実な台詞回しも蒙毅の知性を印象づけます。そして父・蒙武とは似ても似つかない肉体派と頭脳派の親子の違いには、思わず笑みがこぼれます。そんな二人の前に姿を現す、趙国の武将カイネ(森莉那さん)。森さんは口跡もよく、親しみやすい一方で、どこか達観したような振る舞い。その向こうに、彼女が仕える李牧の存在を感じさせるに十分な説得力です。
それぞれの“武”──王騎、龐煖、そして戦場を生きる者たち

©原泰久/集英社・東宝
山口祐一郎さんの王騎は、常人とは違う振る舞い、オーラ、言動、そのすべてで「大将軍とは何か」「人を率いるとは何か」を体現。戦場を生き抜く哲学を信に説く姿には、人をまとめ、率いる者としての大きさを感じます。

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その傍らで王騎を支える騰を演じるのは石川禅さん。山口さんとの並びだけでも胸が熱くなります。副官として戦況を見つめ、観測者としての視点も持つ騰。その重みが石川さんの言葉に宿り、終盤、感情を抑えながらもあふれ出るひと言には胸を揺さぶられる。語り部も担う騰、歴史の証言者として観客を一気に劇世界に引き込みます。
蒙毅の父でもある蒙武を演じる渡辺大さんは、豪胆な雰囲気と血の気の多さ、巨大な武器を振るう姿で猛将・蒙武を体現。息子とのあまりにも異なる個性も面白い。大阪、福岡公演で、飯作雄太郎さんがどんな蒙武を見せるのかも楽しみです。

©原泰久/集英社・東宝

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一方、信や飛信隊の前に立ちはだかる龐煖を演じるのは東啓介さん。俊敏な信や羌瘣とはまったく異なる、悠然としたパワーで圧倒する。多くを語らず、戦場そのものにも興味を示さない。人を率いる王騎とは対照的に、ただひたすら“武”を求道する男の強さと孤独が、その巨躯から静かに迫ってきます。無骨さとともに、美学をも感じさせるこのキャラクターを章平さんはどんなアプローチで、どんな語り口で作り上げるのか。そんな見比べもWキャストの醍醐味。

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そして、王騎と龐煖の因縁の中で語られるのが、秦国 六大将軍の一人・摎(大塚千弘さん)。華麗に戦場を駆け抜ける姿と、戦を離れたときに見せる少女のような佇まい。その二面性が鮮やか。
摎の歌に合わせて羌瘣が舞う──異なる時を生きる二人の女性の思いが重なり、戦いの中で生きる者たちの思いが時空を超えて響き合う、しなやかで美しいシーンとなっています。
舞台に宿る息遣い
前作に続いて、漢字を模した『キングダム』らしいセットが存在感を示し、生演奏は芝居と呼吸を合わせるように響き、物語を力強く押し出していきます。
臨場感あふれる殺陣、戦場を駆ける人々、傷つき倒れる人々、そして戦場に送り出した大切な人の帰りを待つ人々――。それらすべてが目の前で同時に息づいていることに、舞台ならではの迫力を生む。戦が日常と隣り合わせにあった時代の空気が立ち上がり、だからこそ、平和な世を希求する人々の思いも胸に迫る。戦場のスペクタクルの奥に、 人間の祈りが確かに存在するのです。
継承──思いを受け継ぎ、未来へ進む
戦で功を上げ、百人将となった信。王騎から「飛信隊」の名を授かった信は、仲間たちとともにさらなる戦場へ向かっていく。
王騎に「天下の大将軍」になるための修業を直談判する信。しかし、趙軍の侵攻によって戦況は大きく動き出す。そして飛信隊の前に立ちはだかるのは、圧倒的な武を誇る龐煖。そして龐煖と王騎の間には、過去から続く深い因縁があった。

©原泰久/集英社・東宝

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やがて迎える、王騎と龐煖の一騎打ち。迫力ある馬上戦の中でぶつかり合うのは、武力だけではない。人を率い、思いを背負って戦う王騎と、ただひたすら“武”を求める龐煖。それぞれの哲学をぶつけるように、思いを乗せた矛が激しく交錯します。
そして訪れる、「継承」のとき。

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思わず息を飲むようなスペクタクル、生身の人間の汗や涙、心を駆り立てる音楽。舞台だからこそ立ち上がる『キングダムⅡ』、アツい幕が上がった!
【舞台『キングダムⅡ-継承-』公開ゲネプロダイジェスト映像】
ガッツリ内容に触れますのでご注意ください。
おけぴ取材班:chiaki(取材・文)監修:おけぴ管理人