2027年3・4月、東京芸術劇場 プレイハウスにてミュージカル『ラグタイム』上演。
20世紀初頭のニューヨーク。ユダヤ人・白人・黒人、それぞれ異なるルーツを持つ家族たちが、差別や偏見を乗り越え、より良い未来を築こうとする姿を珠玉の音楽で描いたミュージカル『ラグタイム』。
1998年トニー賞にて13部門ノミネートののち、最優秀脚本賞、最優秀オリジナル楽曲賞など4部門を受賞。同年のドラマ・デスク賞にてミュージカル最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀作曲賞他多数を受賞。さらに直近の2026年のトニー賞でもリバイバル作品賞を含む4部門に輝くなど、世界中で絶賛されている名作です。
物語は20世紀初頭のニューヨーク。全米の移民の約9割がこの地に降り立ったと言われる激動の時代。ユダヤ人、白人、黒人──。それぞれのルーツをもつ3つの家族が差別や偏見を超えて希望に満ちた新しい時代の世界を切り拓く──。
この物語の中心を担う3人を務めるのは、娘のためにラトビアから移民としてアメリカにやってきたユダヤ人・ターテ役に
石丸幹二。正義感にあふれ人種の偏見を持たない、裕福な白人家庭の母親マザー役に
安蘭けい、新しい音楽“ラグタイム”を奏で、過酷な現実に抗いながら時代と向き合う黒人ピアニストコールハウス・ウォーカー・Jr.役に
小林唯。
出演者はさらに、コールハウスの恋人サラ役には
遥海、マザーの夫ファーザー役には、
川口竜也に加え、ヴォーカルグループ「LE VELVETS」のメンバーとしても活躍する
宮原浩暢がWキャストとして加わる。マザーの弟ヤンガーブラザー役には
入野自由。実在したユダヤ人アナーキストのエマ・ゴールドマン役には
土井ケイト。私生活のスキャンダルで当時アメリカ中の話題となった美人モデル イヴリン・ネズビット役には
潤花。「脱出王」の異名をもつユダヤ人奇術師のハリー・フーディーニ役は
舘形比呂一が務める。大量生産方式で有名なフォード・モーターを創設したヘンリー・フォードとグランドファーザーの2役には
畠中 洋。差別が色濃く残る時代において慈善活動をはじめ、教育者や作家として活動した、ブッカー・T・ワシントン役には
EXILE NESMITH。
そして、2023年日本初演において、「第31回読売演劇大賞」の大賞&最優秀演出家賞のダブル受賞、という快挙を成し遂げた
藤田俊太郎が再び演出を務める。
メインキャスト3名(石丸幹二、安蘭けい、小林唯)と演出・藤田俊太郎のコメントが届きました。
日本ミュージカル界が誇る、多彩なキャスト陣と、才能豊かなクリエイティブチームが集結。2027年、さらなる進化を遂げて再演を迎えるミュージカル『ラグタイム』にどうぞご期待ください。
石丸幹二(ターテ役)コメント
「ラグタイム」は、俳優人生の後半に入った私の“基調“となる作品です。
1998年、ブロードウェイの初演を観劇した際、アメリカ社会の闇を浮き彫りにしたストーリーに衝撃を受けつつも、奏でられる一音一音に感動し、音楽に心がすっぽり囚われました。「どの役でもいい!ぜひこの世界に入りたい」と思ったものです。
それから25年、日本初演がようやく叶いました。音楽への想いは変わらないものの、私は、多様性を問うテーマに大きく引き込まれていました。ターテ役を演じながら沸き起こった幾層もの感情たちが、強烈な磁力となって私をラストシーンに導いていったのです。子供達に託す未来に夢と希望を抱き、仲間たちと共に歌い上げる最後の楽曲。私たちは、本当に自信をもって彼らにバトンを渡せるのか?
それは、「ラグタイム」の舞台設定である100年前も現在も変わらぬ不安であり、今の日本にも通じる大事な課題だと思います。この作品を再演する意味はそこにあるのかな、と。演出の藤田俊太郎さんをはじめとするスタッフ、そしてキャストの皆さんと、じっくり丁寧に掘り下げていきたいと願っています。
安蘭けい(マザー役)コメント
4月にブロードウェイで新演出の『ラグタイム』を観てきました。
冒頭から涙が溢れ止まりませんでした。今年度のトニー賞でリバイバル賞を受賞したことにも納得の、圧倒的な舞台でした。
この作品が描いている人種差別というテーマは、決して過去のものではなく、今を生きる私たちにも多くのことを問いかけています。
現代においても問われ続けている多様性や、違いを認め合うことの大切さ。アメリカで生まれたこの作品が持つメッセージを、日本の皆様にわかりやすく、そして心に届けていくことが、私たちの役割だと思っています。
前回よりさらに進化した『ラグタイム』をお観せできるよう、カンパニー全員で心を込めて、力を合わせて作り上げていきたいと思います!
小林 唯(コールハウス・ウォーカー・Jr役)コメント
この度、コールハウス・ウォーカー・Jr役を務めさせていただきます。日本初演で(井上)芳雄さんが構築したこの役を自分が引き継ぐことになるとは、今でも信じられない気持ちです。今の日本においても、それぞれ異なる価値観や背景を持った人たちが共に生きる時代になってきているように感じます。だからこそ、この作品が描くテーマは、今を生きる僕たちにも新たな意味を持って問いかけてくるのではないでしょうか。自分たちの身体と声で、誰かの言葉、祈り、魂を体現し、それを蘇らせる。そんな演劇の真骨頂がこの作品にはあると思います。心して臨みます。
藤田俊太郎(演出)コメント
愛おしきミュージカル『ラグタイム』に再び挑戦できる幸せを噛み締めています。そして、あらためてこの作品に向き合うと、今現在の世界を鏡のように映し出すその姿に、胸がいっぱいになります。夢を失い、崩壊した世界で、人は生きることの原点へ、どうやって回帰するのか。損なわれた希望をテーマとし、『ラグタイム』の言葉と音楽は、切実に今の私たちに迫ってきます。
「The Wheels of a Dream」。劇中で何度も歌うのは、20世紀初頭のアメリカの夢。新しい芸術、メディアや産業が誕生し、あらゆる価値観が新しく生まれる一方で、第一次世界大戦、戦争に向かう激動の時代。どこまでも連れて行ってくれる乗り物、夢の車に人は明日への望みを託します。この乗り物が目指すのは、愛すべき地球に乗り、人種をこえて受け入れ合い、共鳴しながら子供と共に未来を目指そうという想いです。
物語を紡ぎあげる主な登場人物は、差別され続ける黒人達、ユダヤ人を中心とした移民達、汚れなき衣裳を身に纏った特権的な白人達。分断、不寛容、格差の中、この現実をどうか聞いてくれという声なき声。演出に当たっては、暴力に対する悲しみや魂の怒りと、ミュージカルの喜びに溢れるエンターテインメントの対比を強烈に舞台上で表現したいと思います。
裏打ちというシンコペーションを基本とした官能と美しさを併せ持つ普遍的な名曲たち。史実とフィクションが見事に交錯した原作の小説を執筆したE・L・ドクトロウ、長きに渡り作品の礎を築いたこの作品に関わる世界中のクリエイターたちを心から尊敬しています。また2023年、日本初演を共に創ったお一人お一人に感謝し、想い、愛し、真っさらな気持ちで2027年のカンパニー皆と素晴らしい創作をしたいと思います。今こそ、是非観ていただきたい『ラグタイム』。最愛のお客様を劇場でお待ちしております。
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました