ミュージカル『SPYxFAMILY 2』@東京建物Brilliaホール
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2023年の初演、2025年の再演を経て、いよいよ物語はその先へ──。ミュージカル『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』が、2026年9月に開幕します。開幕に先立ち、公開稽古が行われました。
本作は、遠藤達哉さんによる人気コミック「SPY×FAMILY」を原作としたミュージカルの続編。第一幕では、未来を予知する能力を持つ大型犬・ボンドがフォージャー家の一員となる「爆弾犬篇」、第二幕ではクルーズ船プリンセス・ローレライを舞台にヨルの護衛任務を描く「豪華客船篇」と、豪華2本立てで新たな物語が展開します。
公開稽古では、第一幕「爆弾犬篇」から6曲を披露。ロイド・フォージャー役の森崎ウィンさん、木内健人さん、ヨル・フォージャー役の唯月ふうかさん、真彩希帆さん、シルヴィア・シャーウッド役の真瀬はるかさん、新キャラクターのキース・ケプラー役・磯野亨さん、そしてアーニャ・フォージャー役の泉谷星奈さん、古座野 叶さん、真野麗花さんらが、稽古場で新たな物語の一端を披露。
【フォージャー家が帰ってくる!】
「こんにちはあるいはこんばんは」。真瀬さん演じるシルヴィアの言葉から始まったのは、「♪オペレーション<梟>~偽装家族~」。
西国の凄腕スパイ〈黄昏〉がロイド・フォージャーと名乗り、極秘任務「オペレーション〈梟(ストリクス)〉」遂行のために、超能力者の娘・アーニャ、殺し屋〈いばら姫〉という裏の顔を持つ妻・ヨルと仮初めの家族を作る──。そんなフォージャー家誕生の物語が、スピーディーに展開していく。前作をご覧になった方にはおさらいに、初めてご覧になる方にはそれぞれの自己紹介になる一曲です。
初演からロイドを演じてきた森崎さん、ヨル役の唯月さんが姿を現すと、「待ってました!」と言いたくなるような安定感。ミュージカル『SPY×FAMILY』の世界が帰ってくる──そんな嬉しさが一気に込み上げます。
そして二人に迎え入れられるのが、真野さん演じるアーニャ。第一声からスコーンと抜ける溌剌とした歌声を響かせ、豊かな表情でアーニャを生き生きと立ち上げます。
稽古について真野さんは、「アーニャはいつも面白い台詞を言うんですけど、お稽古場の皆さんが笑ってくれて私も嬉しいです。お稽古場の皆さんが優しいし面白いから、私もお稽古が楽しいです」と笑顔。
【シリアスとコミカルが交錯する「爆弾犬篇」】
続く「♪キースの計画」では、物語が大きく動き出します。
イーデン校に入学したアーニャの「犬を飼いたい」という願いをかなえるため、保護犬の譲渡会を訪れるフォージャー家。その裏では、訓練犬に爆弾を装着し、西国の外務大臣暗殺を企てる学生テロリストグループが暗躍していた。
そのリーダー、キース・ケプラーを演じるのは磯野さん。アンサンブルキャストのアクロバティックな動きも加わった攻めのナンバーを、エネルギッシュに歌い上げます。
次の「♪ヨルの心配と妄想」は一転してコミカル。
テロリストへの対処のため、「トイレに行く」とその場を離れたロイド。さらにアーニャまで姿を消してしまい、真彩さん演じるヨルの心配はどんどん膨らんでいく。
「犬に食べられた?」──いや、そんなことはありえない。では誘拐? さらには無理やり結婚させられてしまうのでは……!?
切実に娘を心配しているはずなのに、妄想は思いもよらぬ方向へ。道行く人に身振り手振りでアーニャの特徴を伝えようとする姿も愛らしく、その必死さと歌詞の面白さとのギャップは、まさに『SPY×FAMILY』の真骨頂。真彩さんが美声とともに全身全霊で繰り広げるヨルの大妄想に、しっかり笑わせていただきました。
一方で、物語の根底に流れるのは「戦争」と「平和」。
シルヴィア率いる〈WISE(ワイズ)〉の活躍によってテロリストグループの大半が確保される中、戦争を口にする若者たちを前に、シルヴィア、そしてロイドは平和への思いを新たにする。
木内さんが歌う「♪オレの名は黄昏」は、そんなロイドの決意を真正面から描くバラードナンバー。戦争はもううんざりだ、たとえ薄っぺらな平和であっても砕かれてたまるか──。平和のために名を捨て、スパイ〈黄昏〉として生きる覚悟を、木内さんが芯のある歌声と強い眼差しで届ける。
【小さなアーニャが、一人で大奮闘!】
そして「♪アーニャと時限爆弾」では、アーニャ役の泉谷さんがほぼ一人で物語を担う。
超能力によってキースの爆破計画を知り、ロイドが巻き込まれてしまう未来を察知したアーニャ。〈ちち〉の命を救うため、たった一人で時限爆弾の解除に挑む。
テレビで得た知識を頼りに解除しようと考えるものの、そう簡単にいくはずもなく……。爆弾を発見した瞬間のドキドキから、「どうしよう!」と頭をフル回転させる姿まで、泉谷さんがアーニャの心の声を表情豊かに表現します。一人芝居としてもしっかりと場面を運び、コミカルでありながらマイナー調の楽曲がシリアスな状況を伝える、その絶妙なギャップも面白い!
泉谷さんはアーニャ役を演じるにあたり、演技指導の先生から「このミュージカルはアニメのミュージカル化ではなく、原作のミュージカル化」と教えられたと語ります。アニメの声を真似するのではなく、自分が思うアーニャを演じる。そのために「今年も漫画をいっぱい読んで、自分が思うアーニャを演じたいと思います」と意気込みます。
【「ボンドがいる!」──ついにその姿も】
「♪アーニャいぬさんにのる」では、古座野さん演じるアーニャが、ボンドの背中に乗って街を駆け抜けます。
「アーニャと同じ超能力者なの?」とボンドに語りかけ、事件を解決して「ステラもらってスターライトアーニャ」と夢を膨らませるアーニャ。古座野さんの真っ直ぐに伸びる歌声が印象的です。
そして、今回の公開稽古では動くボンドも初お披露目!アーニャ×ボンド、最強です!
その表情、ふわふわとした質感、そして動きまで、まさに「ボンドがいる!」と思わせる完成度。これまでも「あれを舞台でどうやるのだろう?」という原作の場面を次々と実現してきたミュージカル『SPY×FAMILY』が、今回もまた新たな驚きを見せてくれそうです。
古座野さん自身も「ボンドは大きくてフワフワしていて、とってもかわいいです。あと目の中がキラキラしてて、とってもかわいいので、皆さんぜひ見に来てください」とお気に入りの様子。シーン披露後にはボンドも丁寧にお辞儀をして、稽古場を和ませました。
【「子どもが泣かない世界」へ】
今回の公開稽古で披露されたのは、それぞれタイプの違う6曲。
疾走感あふれる大合唱ナンバー、抱腹絶倒の妄想、平和への強い決意を込めたバラード、アーニャの奮闘を描く一人芝居──。そして、楽曲の多彩さとともに、場面ごとに次々と姿を変えて登場するアンサンブルキャスト、多様に変化していく緻密で流れるようなセットチェンジにも注目です。
そして何より印象に残ったのが、3人のアーニャたち。
泉谷さん、古座野さん、真野さん、それぞれが豊かな表情で歌い、演じる。もちろんかわいい。けれど、それだけではありません。小さな身体で懸命にアーニャとしてその場に生きる姿を見ていると、「子どもが泣かない世界」を願い、そのためにスパイとして戦い続けるロイドの思いにも、よりいっそうの説得力が宿ってきます。
未来を予知する大型犬・ボンドという新たな家族を迎える第一幕「爆弾犬篇」、そしてクルーズ船を舞台にヨルの戦いが繰り広げられる第二幕「豪華客船篇」。フォージャー家の新たな任務(ミッション)が、いよいよ始まる!
ミュージカル『SPY×FAMILY 2 爆弾犬篇&豪華客船篇』は、9月9日から11日までウェスタ川越でプレビュー公演を行い、9月22日から10月29日まで東京建物 Brillia HALLにて東京公演。その後、福岡、兵庫、愛知、山形を巡ります。

製作:東宝©遠藤達哉/集英社
ミュージカル『SPYxFAMILY 2』@東京建物Brilliaホール
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おけぴ取材班:chiaki(取材・文)監修:おけぴ管理人