【舞台映像PV】
【池井戸潤さんコメント】
舞台の「初日」は、ひたすら華やかで晴れがましく楽しいものだと思っていました。自分が関わるまでは……。観る側から作る側に回った初日の緊張感は、予想を遙かに超え、まさに恐怖そのもの。舞台袖から満員の客席を覗き、ガタガタ震えている新人俳優になった気分でした。
幕が開き、そんな緊張から救い出してくれたのは、お客様の笑いです。ある場面で手拍子が起きたときには、笑える場面なのに、じわっと感動。ああ、よかった……。
素晴らしい俳優、スタッフの皆さんと共にこの作品をお客様に届けることができ、本当に光栄です。以上、9/19追記
◆池井戸潤さんの人気小説を初舞台化するミュージカル『民王』が、9月6日(日)、東京・シアタークリエにて開幕します。
初日を翌日に控えた9月5日には、ゲネプロに先立ち初日前会見が行われ、武藤 翔役の有澤樟太郎さん、武藤泰山役の別所哲也さん、村野エリカ役の豊原江理佳さん、南 真衣役の林 瑠奈さん(乃木坂46)、貝原茂平役の山崎大輝さん、新田 理役の上川一哉さん、蔵本志郎役の福田転球さん、武藤 綾役の一路真輝さん、城山和彦役の竹中直人さん、演出の永井 誠さんが登壇しました。

写真提供:東宝演劇部

写真提供:東宝演劇部
現職総理大臣の父・泰山と、その息子で大学生の翔の心と身体が突然入れ替わる──。社会や政治への皮肉と風刺を笑いに包んで描く池井戸さんの痛快政治コメディが、脚本・ツバキミチオさん、音楽・角野隼斗さん、演出・永井さんらクリエイティブ陣の手で、新作オリジナルミュージカルとして立ち上がります。舞台写真と共に会見の模様をレポートいたします。
開幕を翌日に控えて──
永井 誠さん)
先ほどまで舞台稽古をやっていて、今までやったことのなかったシーンを追加したり、いろいろありましたが、ようやく明日、初日を迎えられそうだなと。今は一安心しております。
有澤樟太郎さん)
新作オリジナルミュージカルが爆誕する喜びをかみしめながら初日を迎えたいと思います。
竹中直人さん)
マブダチである有澤樟太郎から「一緒に芝居をやりませんか」と誘われて、「あ、いいよ!」と簡単に返事しちゃったんですけど、今、めちゃくちゃ後悔しています(笑)。池井戸さんからは「いっぱい歌ってもらうからね」と言われていて、そんなに歌わないだろうと思っていたら、ちょこちょこ歌っているんですよね。その歌が難しいんですよ! 明日が初日なんて信じられなくて、ドキドキしていますけど、もう頑張るしかない。樟太郎の背中についていこうと思います。
『民王』にちなんで──公演中にやり切りたい“マニフェスト(公約)”は?

写真提供:東宝演劇部

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有澤樟太郎さん)
「このミュージカルで、日本を元気に!」これぐらい大きいことを言ってもいいんじゃないかと。この作品は出演者の年齢もバラバラですし、観に来てくださる方もいろいろな年代の方だと思います。題材にもなじみがあって、世代を問わず届くものがあると思いますし、僕たちも、台詞を言いながら、自分にも言い聞かせているようなところがあります。皆さんに共感していただきながら、日本中を巻き込みたいと思います。
別所哲也さん)
息子がしっかりしたマニフェストを掲げてくれました、それに尽きます。この作品を通して政治が身近になるというか、『民王』と言っているように、政治は国民の皆さん一人ひとりのものなんだということを、明るく笑い飛ばしながら感じてもらえたら。そして『民王』のテーマソングを、今年の紅白歌合戦でみんなが歌うようになったら嬉しいなと、勝手に思っています(笑)。

写真提供:東宝演劇部
豊原江理佳さん)
お客様に観ていただいて初めて作品が完成するといつも思っています。
この作品には、リアルとファンタジーが共存しています。お客様にも、ファンタジーなんだけど、その世界に入り込んで、キャラクターの身になって観ていただきたいですし、私自身も、この公演が終わるまでファンタジーの中に入り込んで、キャラクターや物語を信じてまっとうする。それを最後までやり抜きたいです。

写真提供:東宝演劇部
林 瑠奈さん)
すごく緊張しているんですけど、初日にしか感じられない感情や、一瞬一瞬をちゃんとかみしめて、大事に過ごせたらと思います。私は初めて舞台に立たせていただくということで、本当に皆さんにお世話になりながらここまで来ました。共演者の皆さんやスタッフの皆さん、そしてお客様に、より私のことを愛していただけるように、この期間でちゃんと成長して、変わった姿をお見せしたいと思います。
山崎大輝さん)
マニフェストとして掲げるほど大それたことではないですが、“とにかく楽しむ”ということをモットーにしています。政治という一見とっつきにくいテーマではありますが、池井戸さんの描き出すシュールさと政治性のある物語が、とっつきやすくしてくれているのが『民王』。僕らも楽しんで、お客様にも楽しんでもらいたいです。

写真提供:東宝演劇部
上川一哉さん)
この作品はストーリー展開がすごくスピーディーで、どのシーンにもギュッとメッセージ性が詰まっています。一幕の最後ぐらいに「トイレに行きたいな」と思わせないぐらい(笑)、一つひとつのシーンでお客様の心をキャッチしていきたいです。
福田転球さん)
稽古で積み上げてきたものを、ここからはお客様と一緒にいい舞台にしていきたいと思います。一日一日、新鮮な気持ちで演じられたらと思います。

写真提供:東宝演劇部
一路真輝さん)
お稽古場からみんなで積み上げてきた、この『民王』という新作ミュージカル。日本のオリジナルミュージカルとして、胸を張って皆様の前にお届けしたいという気持ちです。赤いパンツで熱い思いを、この綾を通してお伝えしたいと思います。個人的には、先ほど申し上げたように“赤い炎”を最後まで燃やし続けたいと思います。

写真提供:東宝演劇部
竹中直人さん)
とにかく(楽曲の)キーが高いんですよ! すごいんですよ、本当に(笑)。でも樟太郎と約束したので、絶対最後まで歌いきってやる! 難しい歌を絶対に間違えずに歌いたい。それが樟太郎との誓いです。
そしてアンサンブルの方々が、あまりにも素晴らしいんですよ。みんな、動きを覚えるのも歌を覚えるのも早い! 本当に素敵で、僕はついていくのに必死なんですが、頑張ります。
永井誠さん)
本当に皆さんがおっしゃったように、“楽しむ”ということだと思います。カンパニーの皆さんが本当に楽しんでここまで来たので、このまま千穐楽までみんなで楽しんで、お芝居もどんどん進化していって、最後にどこへ着地するのかなと。僕自身も楽しみにしています。
笑いの絶えない稽古場! 印象に残ったエピソードは?
山崎さん)
この間、場当たりで樟太郎くんが言った言葉が面白いなと思ったんです。「ミスったら、自分の中につけられている時限爆弾が爆発すると思ってやったほうがいい」って。そんな気持ちでやってらっしゃるんですね(笑)。
有澤さん)
スピーディーな曲の中に、ものすごい情報量を詰め込まないといけないシーンがあって、一瞬でも気を抜いたら曲自体が成立しないようなナンバーなんです。その中でも貝原さんは一番情報量があるので、ちょっと喝を入れようかなと。僕自身は他人任せなところがあるので……。
一同)
(時限爆弾を)つけろ、つけろ!(笑)
有澤さん)
僕もそのつもりで臨みます(笑)。
稽古場で、竹中さんの(スタッフからの指示への)返事が一貫して「わかったー!」なんです(笑)。僕は、その「わかったー!」が大好きで、それを聞くと「今、竹中さんと一緒に仕事しているな」って感じます。誰よりも早く、絶対に返事をしてくださる。スタッフさんもすごく助かっているんじゃないかなと思いますし、それで現場が明るくなるんです。
竹中さん)
どの現場でも、返事をする人って少ないんですよ。僕は、「はい!」って言うとかっこよすぎるから、「わかったー!」って(笑)。僕は、別所くんと有澤さんの、歌の覚え方の速さというか……歌がすっごく難しいんですよ。よくこんな歌を覚えたなって。二人とも平気で歌っているように見えるけど、きっと必死だと思うんです。でも二人がハモったとき、ゾクッとするぐらいハーモニーがすごくて、びっくりしました。
それから、MEDUSAさんの振付についていくアンサンブルの皆さんの眼差しが、すごくストレートでいいんですよ。僕はひねくれているから(笑)、みんなのエネルギーの強さに圧倒されています。転球さんも面白いし、みんな素敵すぎて嫌になっちゃう(笑)。皆さんに刺激されています。一路さんと芝居の絡みがないのは残念ですが。
別所さん)
永井さんの演出は今回初めてなんですが、本当に明るく現場をつくってくださっています。「ワンチャンいいですか?」「はい、ワンチャンやりましょう」みたいな(笑)。そんな言葉にみんなもついつい乗せられて、楽しく取り組める素敵な現場です。一人で抱え込むのではなく、みんなでキャッチボールをしながら、アンサンブルでお芝居をつくっていく。そんな稽古場がすごく素敵だなと思っています。個人的には、仕掛けがあるのであまり言及できませんが、一路さんが僕を締め上げるシーンをお楽しみください。
一路さん)
赤い炎で締め上げております(笑)。竹中さんとは、お芝居の絡みはありませんが、稽古場でお隣に座らせていただいて、毎日、いろんなお話を聞かせていただいて、ちょっと得しちゃいました。
林さん)
豊原さんとはお稽古場からお隣で、楽屋もご一緒させていただいていて、本当に心強いです。私はわからないことも多いので、毎日助けていただいています。あと、ご実家で飼われている動物の動画をたくさん見せてくださって、毎日癒やされています(笑)。
豊原さん)
瑠奈ちゃんは、めちゃめちゃしっかりしているんです。私のほうが年上なんですけど、そのしっかりさに心を落ち着けてもらったりしています。瑠奈ちゃんは象とアヒルが好きで、かわいいぬいぐるみを稽古場に持ってきてくれて、そのユニークでかわいい名前にもすごく癒やされています。好きなものがあるって素敵だなと思って、今も楽屋で毎日癒やされています(笑)。
福田さん)
皆さんがおっしゃっているように、本当に笑いの絶えない楽しい稽古場でした。一人ひとりがすごく輝いていて、竹中さんもおっしゃっていましたけど、一人を追いかけたら、ずっとその人を追いかけちゃうというか。それくらい皆さん魅力的で。本当に楽しかったので、僕たちが稽古場で味わっていたものを、これからお客様にも味わっていただけるのが楽しみです。
上川さん)
この作品の歌詞って、すごく韻を踏んでいるんです。真衣ちゃんが歌う「たくさんの現金、返金は厳禁」という歌詞で、いつも別所さんが笑ってすぐ後ろを向いてしまうのが好きです。
有澤樟太郎さんより──メッセージ

写真提供:東宝演劇部
有澤さん)
稽古場でずっと稽古をしてきて、劇場に入って。新作ミュージカルで劇場入りした瞬間の、多幸感──お芝居と照明、ヘアメイク、衣裳、そして素敵なバンドが全部合わさったときのワクワク感を得て、“初日に向かえる”という感覚が生まれます。そうして、いよいよ作品がお客様に届きます。
この作品のエンディングでは、みんなで「『民王』のテーマ」を歌います。好きな曲はいっぱいあって、挙げだしたらきりがないんですけど、この「『民王』のテーマ」をシアタークリエで歌うということが、すごく特別に感じられました。本編を通して、一番皆さんに届けたいことがこの曲に詰まっているので、それを皆さんと共有することを想像したら、ちょっと感極まってしまいました。
お客さんにもそう思ってもらえる時間にしたいと思いますし、「こういうミュージカルって、なかなかなかったな」「こういう作品をやりたかったな」という気持ちにさせてくれた作品です。あまり考えすぎず、フラットな状態で観ていただいて、最後に何かを持ち帰ってもらえる作品になっていると思います。期待していただけたら嬉しいです。
ミュージカル『民王』稽古場取材会レポート~会見には音楽チームも登場~ミュージカル『民王』製作発表レポート
おけぴ取材班:ayano、chiaki(取材・文) 監修:おけぴ管理人