伝説のブロードウェイミュージカル『ファニー・ガール』が、いよいよ日本の舞台へ!実在したスター、ファニー・ブライスの半生を描く本作で、スターになることを夢見て、自らの個性を武器に道を切り拓いていくファニー・ブライスを望海風斗さん、彼女が恋に落ちる魅力的な男性ニック・アーンスティンを坂本昌行さんが演じます。
演出を手がけるのは、2022年のブロードウェイ・リバイバル版も手がけたマイケル・メイヤーさん。今回の上演では、これまで世界各地で作品を育ててきた経験をもとに、さらなる進化を加えた「日本オリジナルのバージョン」を創り上げたといいます。
開幕を目前に控えた望海さん、坂本さん、メイヤーさんが登壇。初共演となる二人が互いに感じた魅力から、日本版ならではの見どころ、海外クリエイティブチームとの創作まで語った会見の模様をお届けします。
──初日を明日に控えた今の心境をお聞かせください。望海風斗さん:早く皆さんに観ていただきたい気持ちと、まだやることもあるという気持ちと(笑)。いよいよ皆さんに観ていただく時が来たんだなと、ワクワクしています。
坂本昌行さん:稽古中から、僕は見る側の時間が多く、お客様と同じような感覚でずっと見ていました。望海さんは大変だと思いますが、僕は見ていてずっとワクワクしていたので、早くお客様にお届けしたいと思っています。
──メイヤーさん、日本版『ファニー・ガール』ならではの魅力を教えてください。 マイケル・メイヤーさん:特別なことは、お二人をはじめキャストの皆さんの素晴らしさとともに、私たちが日本オリジナルのバージョンを作ることができたことです。
長年この作品を作ってきた中で、「ここを直したい」「こうしたかった」と思っていたところを、今回の公演に込めています。アメリカから来日したクリエイティブチーム一同にとって、この『ファニー・ガール』が一番のお気に入りです。
──望海さんと坂本さんは今回が初共演。稽古を重ねて、お互いにどんな印象を持ちましたか。望海さん:ニックと坂本さんが重なる部分があるんです。登場するだけで人を魅了してしまう、そのオーラに毎回新鮮に驚いています。それはお稽古中からずっと変わりません。舞台稽古に入って衣裳をまとわれると、さらにオーラや、これまで重ねてこられたキャリアの説得力を、隣で感じ、たくさんのことを学ばせていただいています。でも、たまにボソッとおっしゃることが面白くて。そこはちょっとホッとします(笑)。
坂本さん:お芝居中はもちろん集中されていますが、普段はとてもナチュラルでニュートラルな方、という印象が強いです。僕は稽古に入ると、休み時間でも集中してしまって、あまり皆さんとコミュニケーションを取らないタイプなんです。でも望海さんは本当にフラットで、僕にはないすごさを持っていらっしゃるなと思います。
とはいえ、稽古に入るとガラッと変わる。そのギアチェンジに、頭の良さというか、クレバーさを感じます。
(望海さんはどんな方?という質問に)宝塚時代はトップスターをされていたんですけど、それを微塵も感じさせないというか(笑)。
望海さん:よく言われます(笑)。
坂本さん:なんとなく男役さんの香りを感じる方も多いのですが、それが感じられない。普段の素の部分が垣間見えるところも非常に魅力的で、ご一緒していて楽しいです。
望海さん:私も稽古中、お芝居をしながらふと我に返った時に、「今、とんでもない瞬間なんじゃないか」と感じることがあります。「坂本さんになんて失礼なことを言っているんだ!」って(笑)。あくまでもファニーとしてニックに言っていることなんですけど。坂本さんご自身は、稽古場に入るとニックになっていらっしゃる。役や作品に向き合う姿勢を見ていると、私も真っ直ぐ役に向き合っていこうと思わせていただきます。
そして、観ていただければわかると思いますが、坂本さんのニックが登場した瞬間、踊り始めた瞬間に、ぐっと気持ちが前のめりになるというか、「これだ!」と目がくぎ付けになって、“視聴率”が上がる瞬間があるんです(笑)。それを稽古場からずっと間近で見られていることが、本当に幸せでした。特に坂本さんのダンスシーンは、私も早替え中なのですが、いかに早く着替えを終わらせて袖で見るかを、今ずっと考えています(笑)。
──メイヤーさんから見て、お二人の魅力はいかがですか。メイヤーさん:お二人の芸術性とプロ意識には、感謝しかありません。プロ意識が非常に高く、お互いをきちんと尊重し合っていることが、稽古初日から伝わってきました。そして、それぞれのキャラクターとこの物語に真摯に向き合ってくださったので、演出家として「この役に入ってください」と無理強いする必要がまったくありませんでした。
この作品はコメディです。コメディというと、ともすると“おふざけ”になってしまうことがありますが、お二人が本当に真摯に向き合ってくださったことで、緊張感から面白さが生まれる、本来のコメディの姿になっています。
そして最終的に、本作はラブストーリーです。観ているお客様に「この二人が本当に結ばれるといいな」「二人は恋をしているんだな」と感じていただけるものがお二人の間にあります。最後まで二人を応援したいと思っていただける作品になっていると思います。
──海外クリエイティブチームとの創作はいかがでしたか。 望海さん:台本だけでは絶対にわからなかったことも、直接お話を伺うことで、もっと深いところまで知ることができました。時代背景だったり、ユダヤ人のジョークだったり、当時の社会に生きる人々のことを、マイケルから直接教えていただきました。
そして何より、海外チームの皆さんが『ファニー・ガール』という作品を心から愛していることがすごく伝わってきます。その愛が、私たちの「日本のお客様にいい状態でお届けしたい」という気持ちを、さらに強くしてくれました。すでに名作ですし、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、さらに魅力が広がって、日本でも長く愛される作品になったらいいなと思っています。
何より皆さんがとても明るいんです。真剣な時はもちろんありますが、大変な時でもユーモアを忘れない。それは『ファニー・ガール』という作品そのものでもあると思うので、その精神を受け継ぎたいです。
坂本さん:皆さんは何年も『ファニー・ガール』を各地で上演されていて、本当にこの作品を愛していらっしゃるし、何より楽しんでいらっしゃる。それをすごく感じています。僕たちは演じる側ですが、「こういうふうに楽しむことが、『ファニー・ガール』では一番大事なんだな」と感じ取れたことが、大きかったですね。
──最後に、開幕を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。坂本さん:まず、この『ファニー・ガール』という作品に参加できたことを心からうれしく思います。僕が言うのもあれですけど、日本のミュージカルシーンの中でも、皆さんの心に残る作品になると思っています。たぶん、この作品を観ないと後悔することになると思いますので(笑)、ぜひ劇場でお待ちしています。
望海さん:ミュージカルを続けてきて、本当によかったなと思える瞬間が、この作品にはたくさんあります。素晴らしい音楽もそうですし、ストーリーもそう。皆さんの人生とどこかで重なる瞬間や、思い当たるものがあって、すごく人生に寄り添ってくれる作品でもあります。そして、「これぞミュージカル!」というシーンもたくさんあります。この作品が本当にたくさんの方に届くことを願ってやまないので、ぜひ劇場で体感していただけたらと思います。
◆歌、ダンス、芝居が一体となった「これぞミュージカル!」の世界へ!
『ファニー・ガール』公開ゲネプロレポートは
こちらから!
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人