1924年、アメリカ・シカゴで実際におきた事件をもとにしたミュージカル。
2005年のオフブロードウェイでの初演以降、アメリカのみならずイギリス、オーストラリア、ギリシャ、韓国、ドイツにて上演。
日本では2011年9月に初演、
「私」と
「彼」そして第3のキャストともいうべき
ピアニストが奏でる情熱的で官能的、そして狂気のドラマの虜になるファン続出の人気ミュージカルとなりました。
5度目の上演となるこの秋は3組の
新ペアが登場!
ファンの期待が高まる夏の終わり、6人のキャストが登壇してのプレイベントが開催されました。
<歌唱披露>
まずは
「私」田代万里生さん、「彼」伊礼彼方さんのペアによる
♪やさしい炎。
伊礼さんの低音と田代さんの高音が絡み合うような絶妙ハーモニー!!
歌で表現される感情の高ぶりとリンクするお二人のブレスに、思わず一緒に息を飲んじゃいました。
続いては、
「私」松下洸平さん、「彼」小西遼生さんによる
♪超人たち。
二人のギリギリのやりとりに会場中に緊張感が!ペアを組むのは初めてながら、それぞれに出演経験のあるお二人ならでは、芝居の世界に一瞬で引きこまれます。
「私」尾上松也さん、「彼」柿澤勇人さんは
♪99年。
張りのある柿澤さんの歌声が・・・・「まさかお前」でのトーンの変化にゾクゾク、そして松也さんの柔らかい安堵感すらただよう歌声も新鮮です!
こうして1曲ずつ聞いただけでも、それぞれの関係性が見え、歌声も三組三様。
まだまだ本格的なお稽古前ですが、この個性です!!
※この日のピアノ演奏は音楽監督の落合崇史さん♪
<お楽しみイベント>
作品世界からはがらりと趣を変え、役者さんの“素”も飛び出すような?!お楽しみイベントコーナーは
借り物競争!
物語に関連した“物”を客席から借りてくるのですが、“めがね”“双眼鏡(オペラグラスも可)”“新聞”“電話”“マッチ”・・・そしてこの表情は。
すでにご覧になった方は、あ、あのシーンでの小物ね!
今回初めての方は、劇中どこでどのように登場するか、お楽しみに♪

松下さんに何が?!

その手には“ニーチェ”
ニーチェっぽいものを・・・松下さん頑張りました!
会場じゅうの本をかき集め、それっぽい記述をセレクト。
しかし、あえなくNG判定(涙)。
同じく“『スリル・ミー』っぽくない”という理由でNG判定の松也さんと共に罰ゲームに。
罰ゲームはヒヤッとする話、ということでしたが、場内爆笑でした!!
<トークショー>
トークコーナーでは名言?!迷言?!が飛び出しました。
柿澤さん&松也さんの夏の思い出は“日焼けサロン”。
伊礼さん、この衣装でサングラスをかけると・・・マフィア。(楽屋にてみなさんの総意)
まさか伊礼くんと同じ役をやるとは、バチバチです(小西さん)

万里生くんが教えてくれるんです、ルドルフの時とは逆に!(伊礼さん)

柿澤さんはほめ上手「すげーよかったよ」って。(松也さん)

(松下さんと小西さん)僕らは陰×陰ペア!暗いんです(松下さん)
大いに笑わせてくれたみなさんですが、最後はビシッと決めます!
松也さん)
「これまでずっと培ってきた作品に僕が入ることによって、
いい意味でぶち壊し、新たな「スリル・ミー」をご覧いただけるように頑張ります。
3組でやる意味は、それぞれのペアの色、解釈で違う物語が見えてくるところにあると思います。ほかが気にならないとは言いませんが、意識しすぎずに
自分たちなりのやり方を第一に考えたいと思います」
柿澤さん)
「松也と昨日初めて歌を合わせました。
音感も声もイイし、歌声がすごく「私」向き、いい意味ですごく気持ち悪いんです(笑)。
歌唱指導の先生の“勝利感を!”というアドバイスで劇的に変わった松也の様子から、
これは面白いことになるなと思いました。
初演から携わった大好きな作品です。ベースにある普遍的なメッセージを保ちながらも、松也と新しく創り上げたいと思います」
田代さん)
「伊礼さんとお稽古をやっている中で、今までなかった気持ちが生まれたり、台本自体もちょっと変わっている部分があります。基本的には前と一緒ですが、一から創れたらなと思います。
男2人の物語ですが、男同士が・・・というのがテーマではなく、あくまでもテーマは究極の愛。
僕にとっても特別な作品、『スリル・ミー』にすでにドキドキしています」
伊礼さん)
「この作品をやるにあたって決して忘れてはならないのは、
人の命は尊いということ。彼らが起こした事件、そしてその動機がスリル。
僕はそれを許せないと思う一人です。大切な人を全力で守りたいと思えるように、万里生くん、栗山さんはじめキャストスタッフ一丸となって作品を創っていきたいと思います」
松下さん)
「3組のペアがありますが、
そのペアにしかできない色を栗山さんが見抜いて演出をつけてくださる。やっている僕らにすらわからないそれぞれの良いところ悪いところを見抜いて先導してくれるので、
同じになることは絶対ないし、気になることはありません。
また、その中で初演から携わっている僕らは初めてこの作品に触れたときのあの気持ちを絶対に忘れてはならないと思っています。変えるべきところはどんどん変え、でも
変えちゃいけないところはしっかりと守って今年もいいものを創り上げたいと思います」
小西さん)
「僕が初めて参加した時、まず洸平と柿澤くんの通し稽古を観ました。その画は今も記憶に残っていますが、だからといってそれを真似ようとは思いませんでした。
この作品は
「彼」と「私」を演じる二人のコミュニケーションがそのまま舞台に出る作品だと思います。洸平と歌うと同じ曲もこれまでと感覚が違います。そういった僕らならではの感覚をご覧いただき、スリルを、愛を、そして作品を楽しみに劇場へきていただきたいと思います」
3組のペアがどのような『スリル・ミー』を見せてくれるのか、予想しつつ、それを華麗に裏切ってほしくもある。
11月の本番がますます楽しみになりました!!
【おまけ】
何度か繰り広げられた、もはやお約束のようなやりとり!
柿澤さんのキスシーンについて熱く語る松下さんに・・・

昔のパートナーの話はもういいじゃないか・・
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影)監修:おけぴ管理人