2015/01/04 宝塚歌劇 花組 シアター・ドラマシティ公演 OH! Edo Night Show 『風の次郎吉 ‐大江戸夜飛翔‐ 』開幕レポ

【新年早々、めでてえなあ~!】


主役の次郎吉=ねずみ小僧に扮する専科の北翔海莉さんをはじめ、花組の実力派スターたちが個性あふれるキャラクターを快演する「宝塚流・時代劇ドラマ」がいよいよ開幕!

この人のこんな姿が見たかった、というファンの願いをかなえてくれるお祭りステージに大拍手。
踊る! 歌う! 恋をする! そしてちょっぴり涙も…。

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて1月4日に初日を迎えた、宝塚歌劇花組公演『OH! Edo Night Show 風の次郎吉 ‐大江戸夜飛翔‐ 』。
初日前に行われた舞台稽古の模様をお届けいたします。



粋で優しさあふれる生き様が、北翔海莉さん自身に重なるような「ねずみ小僧・次郎吉」。
若き日の「遠山の金さん」を演じる瀬戸かずやさんも色気ダダ漏れです!
昨年末、星組次期トップスターに就任することが発表された北翔海莉さん(お披露目は今年6月からの星組全国ツアー公演『大海賊/Amour それは…』)。

月組から宙組、そして専科への異動を経て、今や宝塚歌劇になくてはならぬ実力派スターとして各組へ出演。
その存在感、プロ根性で舞台のクオリティをググっと上げる姿は、まさに「歌劇請負人」といったところ。

『オーシャンズ11』『エリザベート』に続いての花組出演となる今回の役柄は、その粋で優しさあふれる生き様が、北翔海莉さん自身の印象に重なるような江戸のヒーロー、ねずみ小僧次郎吉です。

時にかっこ良く、そして時にはズッコケ姿も見せてくれるねずみ小僧。
演じる北翔海莉さんも、着流し姿から、黒ずくめの鼠スタイルまで様々な衣装を身にまとい、舞台の上に神出鬼没! 客席を沸かせます!!





そんな次郎吉を大いに弱らせるのが、こちらのおふたり。
女だてらに十手を握る【目明しのあやめ(桜咲彩花さん)】と、なにやら過去に謎がありそうな旅芸人【手妻の幸(仙名彩世さん)】。
このダブルヒロインがどちらもとっっっても魅力的!

桜咲彩花さんと言えば「誰かに片思いする女の子役」という印象があるおけぴスタッフですが、その期待を裏切ることなく(?)、今回も北翔さん演じる次郎吉にゾッコン片想い。
ヤキモチを焼く姿がかわいい! そしてそれを軽くいなす次郎吉がかっこいい!!
十手を持つ勇ましい姿も必見です。

そして花組きっての実力派娘役・仙名彩世さんも、“ガマの油売り” から手妻(手品)、殺陣まで、なんでもござれの活躍ぶり。
北翔さんとふたりのシーンでは、凛々しさと、強がる可愛らしさが同居する演技で客席を唸らせます。

それぞれの芸名や愛称を彷彿とさせる役名からもわかるように、今回のお芝居の登場人物たちはほとんどが演者に合わせて「あて書き」をされている様子。
昨年の花組公演『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』も手がけた齋藤吉正氏の作演出だからこそ、“今” の花組の特色を大いに活用する芝居になったようです。
それではここからは、おけぴスタッフが気になったシーン&キャラクターを少しだけご紹介♪


華耀きらりさん演じるのは男まさりのお武家のお嬢様!

先ほどご紹介したふたりのヒロイン以外にも、魅力的な娘役さんがたくさんいるこの座組。
これまでのイメージを覆すようなぶっ飛びキャラで振り切った演技をみせてくれたのは【華耀きらりさん】。
旗本の家の男まさりなお嬢様を、いきいきと演じています。
昨年のバウホール公演『ノクターン』で “大人の三角関係” を見せてくれた【瀬戸かずやさん】とのシーンは、爆笑をしながらも胸がキュンキュンしっぱなし、というとても不思議な展開に!

その【瀬戸かずやさん】が演じるのは、若き日の遠山の金さん。
恵まれた体格やダイナミックな踊りなど、もともと持っている男役としての魅力に加え、“チャラチャラしている” と言われ続けるキャラクターを演じて良い意味での “軽薄さ” が開花!
着流し姿で、女の子たちをキャーキャー言わせる役どころ。それを全力投球で演じるのが瀬戸さんならでは。客席もキャーキャー盛り上がること必至です。


あやめの手下を演じる、真輝いづみさん&和海しょうさんもいい味出しています!
冴月瑠那さん演じる同心もあわせて、なんだか心和む捕物チームです♪


そしてこちら!
忘れちゃいけない“悪役チーム”もそれぞれ魅力的♪

今回その芝居力でググっと存在感を増したのが【鳳真由さん】。
【紫峰七海さん】とともに、思わず「お主も悪よのう」と言いたくなる悪役を色気と迫力たっぷりに演じ、魅せてくれます!

役柄がわかれたのが期待の同期コンビ【柚香光さん】&【水美舞斗さん】。
柚香さんが演じるのは【花野じゅりあさん】演じる女郎のために悪に加担する男。
衣装もメイクもビジュアル完璧! で小悪党(でもかっこいい)。いわゆる “色悪” 的役どころをきっちりみせてくれました。
一方、『エリザベート』マデレーネ役に引き続き新たな役どころに挑んだのは水美さん。
商家の番頭見習いで優しげな魅力の男前。“つっころばし” な “優男” を抑えた演技で構築。濡れ衣をきせられた弱々しい姿に思わず母性本能をくすぐられる人続出! の予感です。

そして花組の芸達者と言えば、忘れちゃいけない【天真みちるさん】も次郎吉の弟分として大活躍!
(後半の思わぬ展開もお見のがしなく♪)

ご紹介しきれませんでしたが、この他の出演者もそれぞれが「あっと驚く」、もしくは「ピッタリ過ぎる!」役柄をいきいきと快演。
“時代劇あるある” な展開をきっちりとみせてくれるストーリー展開、楽しさいっぱいの “OH! Edo” ダンスシーンなど、見どころありすぎ! 目が足りない状態は必至です。
「ヘイヘイヘイ!」と盛り上がるダンスシーンは客席も一緒に声を上げたいくらい♪

そして、出演者それぞれが輝く舞台をまとめる “千両役者” は、もちろん【北翔海莉さん】!
ナンバーごとに工夫をこらした歌唱方法、コミカルな演技…。
なんでも器用にこなす印象の北翔さんですが、今回の見どころのひとつは専科の【夏美ようさん】演じる育ての親との会話シーン。
さりげないやりとりの中に感じさせる様々な想い…。
思い切り盛り上がるお祭り作品の中にそっと忍ばせた “情緒” を丁寧にみせる北翔海莉さんの演技。
ぜひ劇場でご注目くださいね!



【公演情報】
OH! Edo Night Show
『風の次郎吉 ―大江戸夜飛翔―』
作・演出/齋藤 吉正

江戸時代後期、金満商家や私腹を肥やす武家屋敷で窃盗を繰り返し、その金を貧しくも善良な町人たちに分け与えていた伝説の義賊、鼠小僧次郎吉。
このあまりにも有名な時代劇のヒーローを巡る若き日の遠山金四郎との対峙と男同士の友情、また彼らを取り巻く恋模様も盛り込んだ、新時代の革新的日本物ミュージカルとしてお楽しみ頂く、“宝塚版鼠小僧”の登場です。

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演は1月12日(月)まで。
東京公演(日本青年館大ホール)は1月21日(水)~1月26日(月)。
公演時間:約2時間30分(幕間25分含む)
(映像を使った仕掛けやアナウンスなど、開演前や幕間、そして終演後も気は抜けませんよ!)

梅田芸術劇場公式HP


















おけぴ取材班:mamiko(文/撮影)

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