
祝♪ 宙組七代目トップスター就任!
【朝夏まなとさん】
タップダンス&ソング!
ステップが恋心を伝え、メロディが愛を語る傑作ミュージカルが日本初上演!
宝塚歌劇宙組 梅田芸術劇場メインホール公演『TOP HAT』開幕レポをお届けいたします。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが共演した1935年公開のミュージカル映画をもとに、2011年にイギリスで初演、その後ウェストエンドで絶賛され、ローレンス・オリヴィエ賞三部門を受賞した、ミュージカル『TOP HAT』。
その “古くて新しい” 魅力と、奇をてらわない王道エンターテイメント性が、新生宙組トップスターコンビの持ち味にピタリとはまリました!
この公演がトップお披露目となる朝夏まなとさんが演じるのは、新作ショーに出演するためにロンドンにやってきたブロードウェイの人気スター・ジェリー。
華麗なステップで観客を魅了し、女の子にモテモテでちょっと軽薄(?)。
でも恋した相手には純情一途なジェリー…ああ、これ、まるでスター朝夏まなとさんの個性そのものですよね。
ジェリーが一目惚れしてしまうヒロイン・デイルを演じるのはもちろん宙組トップ娘役の実咲凛音さん。
ちょっと気が強くて、でも本当はとってもクラシカルな感覚を持っているデイルを、いきいきと演じています。

あっという間に恋に落ちる2人ですが…
なにより魅力的なのが、このふたりが組んで踊るダンスナンバーの数々。
なんといってもアステアが主演したミュージカルですから、ステップひとつひとつがまるでセリフのように登場人物の心の動きを見せてくれるんですね。
ふたりの心の距離が近づく、雨の公園のシーンはほんとうに素敵!
ぜひ劇場でうっとりとしてください。

目と目を合わせて、息を合わせて…うん、まさしく宝塚のアステア&ロジャース!

ほら…

踊る喜びが客席まで伝わってきます!
ストーリーは至って単純なすれ違いラブコメディ。
ひと目で恋に落ちたふたりですが、お互いに名前を明かさなかったことで、デイルは彼を友人の夫と思い込んでしまいます。
はたして2人の恋の行く末は…?
王道のストーリー展開ながら、この2人を取り囲む人物たちが、みなさんかなりの個性派揃い!

心配性のプロデューサー・ホレスを演じる七海ひろきさんと、その妻・マッジ役の純矢ちとせさん。
「夫婦ってこんなもんよね」
思わず深く納得してしまうナンバーの軽快さ、純矢さんのコメディエンヌぶりはまさしくザ・ミュージカル。
そして4月に星組への異動が決まっている七海ひろきさん。
パワフルなマッジの尻に敷かれている姿、さらに写真ではあえてお伝えしませんが…あんな姿やこんな姿も見せてくれる七海さんに、客席からあたたかな拍手が。

ぶっ飛んだキャラクターに果敢に挑んだ愛月ひかるさん。
あっと驚く姿を見せてくれたのは、七海さんだけではありません。
イタリア人デザイナー・べディーニを、“テンション高め!” で演じきった愛月ひかるさん。その新たな一面に客席からも、おおーっと歓声が。
前回の
梅田芸術劇場公演でも驚きのキャラクターを見せてくれましたが、今回はそれ以上!
七海さんも愛月さんも、端正なビジュアルで「そんなこと、いいんですか!?」と心配になるほど振り切れたコメディ演技に全力投球。
おふたりとも、それぞれの役を演じきった後にはきっと「ザ・宝塚」な男役的カッコ良さに更に深みが出てしまうような、そんな危険な予感がいたします!

おけぴスタッフ的MVPはこの方、宙組組長・寿つかささん!
物語終盤には舞台に登場するだけで客席の爆笑を誘うほどの存在感だったベイツ役、寿つかささん。
役柄そのものがとても“オイシイ”キャラクターですが、もちろんそれだけでコメディは完成しません。
セリフの間のとり方、身のこなし、すべてのタイミングがピタッと合うことで笑いが生まれることを再確認させてくれた名演技に客席からも大拍手!
(フィナーレでは本来のダンサーとしての魅力も爆発です♪)
このほか、物語に絡む役はさほど多くはありませんが、ダンスの名手・大海亜呼さんと若手男役スター・和希そらさんが組んで踊るシーンや、一幕に登場する踊るボーイ&メイドたち、ヴェニスのカフェのイケメンウェイターなど、出演者それぞれにちょっとした見せ場あり。
軽いコメディなだけに、これからどんどん遊びの部分が進化していきそうで、ファンのかたは一度と言わず何度でも劇場に足を運びたくなってしまうかもしれませんね。
長い手足を生かして小粋に踊る朝夏まなとさん、そしてコケティッシュな魅力もみせてくれる実咲凛音さん。同じ花組からの移動を経て、宙組トップスターコンビとなったおふたりから感じる “幸福感” がそのまま作品の魅力にもなっているかのよう。
隣で踊ることがほんとうに嬉しい! そんな気持ちが伝わってくるようなデュエットダンスは必見。
名ナンバー「チーク・トゥ・チーク」で愛の喜びに包まれて踊る場面では劇場中がうっとりと溜息をついてしまいます…。
10月には英国版の
来日公演も決定しているミュージカル『TOP HAT』。
宝塚歌劇版、梅田芸術劇場公演は3月30日(月)まで。東京公演は赤坂ACTシアターにて4/5-20まで上演予定。
新生宙組のスタート、そして宝塚歌劇101周年目の新しい挑戦をお見逃しなく!

写真左から:実咲凛音さん、演出の齋藤吉正さん、
英国オリジナル版プロデューサーのケニー・ワックスさん、朝夏まなとさん
おけぴ取材班:mamiko 監修:おけぴ管理人